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Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 2014年4月14日 ドラギ総裁の嘆き、欧州証券化市場の悩み ECBは低インフレの長期化懸念に対応して資産購入による量的金融緩和を検討している模様ですが、欧州の証券 化市場は規模が小さく、市場の拡大も視野に入れる必要があるなどABSは準備に時間がかかると見られます。 ドラギ総裁:資産買い入れ実施なら対象は ABSに限定せず 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は2014年4月12日ワシン トンで記者会見し、デフレ対策として資産買い入れなどの非 伝統的手段を導入することになれば、市場規模の小さい資 産担保証券(ABS)だけが買い入れの対象になることはない との見方を示しました。欧州のABS市場は、金融危機を受け て規模が縮小しています(図表1参照)。ドラギ総裁はABSの 買い入れの有効性についてABS発行市場の規模は小さい (図表2参照)点を指摘し、国債購入など他の措置と合わせ て検討する必要があると見られます。また、4月11日にECB は英国中央銀行(BOE)と共同で欧州証券化市場に関する ペーパーを公表しています。 どこに注目すべきか 量的金融緩和、欧州ABS市場、証券の質 ルト率が18%であったのに比べ低い点を指摘しています。 最後に、欧州ABS市場拡大を進めるため、現在の欧州の銀行 の財政状況が良いことを示す必要があり、7月にも公表予定 の銀行資産の質査定(AQR)の結果が大きな役割を果たす可 能性もあります。ECBはBOEとの先のペーパーの詳細を5月に も公表予定で、今後ECBは、インフレ率の動向を眺めつつ、量 的金融緩和の準備を同時並行で進める模様ですが、ABSの 準備にはある程度時間が必要と見ています。 図表1:国別欧州ABS発行残高の推移 (年次、期間:2006年~2013年、ドル建て) 30,000 億ドル その他 20,000 10,000 英国 スペイン オランダ 最近、量的金融緩和に否定的だったドイツ連銀総裁が、前 イタリア ベルギー 0 向きな発言をするなど進展も見られますが、国債に加えABS 06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 を併用する場合、問題として次の点に注目しています。 まず、ABS市場の規模が小さい点です。欧州でABSをある程 図表2:欧州ABS発行市場 度発行してきた国は限られているうえ(図表1参照)、市場で (年次、期間:2007年~2013年、ドル建て) 発行される規模は(保有分を含めても)2,000億ドル程度です。 15,000 億ドル 米国が量的金融緩和第1弾(2008年11月~2010年3月)に約 1兆7,000億ドルを供給したことに比べて小規模です。 保有 売却 次にABS市場(など証券化市場)の拡大を抑えている原因と 10,000 して、リーマン・ショックを教訓に制定されたバーゼルⅢなど の規制が市場拡大の重荷となっています。ドラギ総裁は会 5,000 見でバーゼルⅢはABSの質について考慮することなく規制を かけていることに不満を述べ、改善を訴える意向と見られま す。しかし、同時にグローバル基準には従うべきとの考えも 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 示しています。なお、質の違いの例としてペーパーでは、金 ※2006年まではほぼすべてのABS証券が売却されたが、2007年以降発行さ 融危機が始まった2007年7月から2013年9月までの欧州の証 れたABSの大半は金融機関が保有し、ECBへの担保に利用されている 券化商品(ストラクチャード・ファイナンス)の債務不履行(デ 出所:SIFMA(Securities Industry and Financial Markets Association)のデー フォルト)率は約1.5%程度で、同時期の米国のABSのデフォ タを使用しピクテ投信投資顧問作成 ピクテ投信投資顧問株式会社 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。