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Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 南米 2016年11月21日 トランプ次期大統領でチリの主要産業、銅の価格は上昇したが チリ中銀は声明文で米国大統領選挙後の市場の混乱を指摘、インフレ率の低下を受けた利下げ期待は後退したと 見られます。今後のチリ中銀の動向を占う上で、ペソの動向とトランプ氏勝利後の商品市場の動きが鍵と思われます。 チリ中央銀行:市場予想通り政策金利は据え 置くも、声明の内容は利下げに慎重か チリ中央銀行は2016年11月18日、政策金利を予想通り3.5% に据え置きました。声明でチリ中銀は米国大統領選挙後の 市場の変動に言及、特に為替と国債利回りに変動が見られ る点を指摘しています。消費者物価指数(CPI)は足元前年 同月比2.8%と短期的には低下しているとしつつも(図表1参 照)、中長期的な低下余地に対し慎重な見方を示しました。 どこに注目すべきか: インフレ目標、チリペソ、銅価格、財政政策 ピクテ投信投資顧問株式会社 図表1:チリペソ(対ドル)とCPI(前年同月比)の推移 (日次、期間:2013年11月18日~2016年11月18日、CPIは月次) 750 安 ペソ 高 チリ中銀の声明文は米国大統領選挙後の市場の混乱を指 摘していることから、インフレ率の低下を受けた利下げ期待 は当面見送られる可能性も考えられます。今後のチリ中銀 の動向を占う目安として、ペソの動向とトランプ氏勝利後の 商品市場の動きが鍵と思われます。 まず、チリ中銀の過去2回(9月、10月)の金融政策会合を振 り返ると、据え置きか、それとも0.25%の引下げかが議論され ましたが、結論は共に据え置きでした。今回(11月)の会合 前に公表された主な経済指標はインフレ率で(図表1参照)、 中銀のインフレ目標(3.0%)を下回りました。 しかしながら、チリ中銀の今回の声明では、以下の理由によ り利下げ期待の後退が示唆されたと見られます。 1つ目は、財政拡大を推進すると見られるトランプ氏の勝利 により債券、為替市場の変動が高まったことです。チリペソ は2016年年初頃から概ね対ドルで上昇傾向で推移、それに 伴いインフレ率も低下する傾向が見られました(図表1参照)。 しかし、米国大統領選挙後はペソ安が進行しています。過去 の会合で、利下げを視野に入れていたと見られるチリ中銀 に、通貨ペソの動向は、利下げを抑制する方向で影響を与 えたものと見られます。 2つ目は銅価格の動向です。チリの主要産業である銅価格 が急上昇しています(図表2参照)。電線などインフラ投資の 拡大に伴い銅需要の裾野が広がることが期待されます。そ のため銅価格はトランプ氏勝利後、価格上昇が見られました。 仮に銅価格が高水準で推移すれば、チリ経済の底上げも期 待されるため、利下げの必要性は低下すると思われます。 ただし、銅価格が高水準を維持できるか注意も必要です。例 えば、インフラ投資が拡大した場合、需要拡大が期待される 鉄鉱石はトランプ氏勝利の後急上昇しましたが、中国当局の けん制もあり、既に元の水準に戻っています。トランプ氏の政 策に対する期待先行でとりあえず上昇した市場ですが、現実 的な需要分析などで冷静さを取り戻したものと見られます。ま た、ドル高も商品価格にマイナス要因となる可能性もあります。 チリ中銀は米国の政策の中身と市場の反応を見守る姿勢で、 利下げは胸の中にしばらくしまっておく展開も想定されます。 700 ペソ/ドル 650 600 550 500 13年11月 6.0 5.5 5.0 4.5 4.0 3.5 チリペソ(対ドル、左軸) 3.0 2.8% CPI(右軸) 2.5 2.0 14年11月 15年11月 16年11月 % 図表2:銅と鉄鉱石先物価格の推移 (日次、期間:2016年1月18日~2016年11月18日) 6,000 米ドル/メトリッ クトン 人民元/トン 銅先物価格(左軸) 鉄鉱石先物価格(右軸) 5,500 米国大統 領選挙 650 550 5,000 450 4,500 350 4,000 250 1月 3月 5月 7月 9月 11月 ※銅先物価格:ロンドン金属取引所(LME)期近物、鉄鉱石先物:大連商品 取引所鉄鉱石先物期近物 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。