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グローバル
2015年3月3日
底打ち感が見られる原油価格
2014年来、大きく下落してきた原油価格ですが、リグ稼動数の減少や石油企業の設備投資減などを背景に、足元で
は1バレル50ドル近辺で推移しており、底打ち感が見られます。
を受け、採算性の問題などから原油のリグ稼動数は、2014年
10月10日時点の1,609基から 2015年2月27日時点では986基
まで大幅に減少しています(図表2参照)。
原油価格に底打ち感
米国におけるシェール革命により原油生産(供給)が増加す
る一方で、世界経済の回復が緩やかで原油の需要は伸び
ない状況が続いていることや、2014年11月に開催された石
油輸出国機構(OPEC)総会において減産の合意に至らなか
ったことなどを背景に、原油価格は2014年半ばから大きく下
落しています。
ただし足元の原油価格の動きを見ると、日々の価格変動は
依然として大きいままですが、WTI(ウエスト・テキサス・イン
ターミディエート)先物ベースで1バレル50ドル近辺での推移
が続いており、2014年来の下落傾向に底打ち感が見られま
す(図表1参照)。
どこに注目すべきか:在庫の積み上がり、石
油企業の設備投資、米国のリグ稼動数
現在、底打ち感が見られる原油価格ですが、今後の動向を
考える上で、以下のような点が注目されます。
①在庫の積み上がり:シェール革命以降、米国での原油生
産は大幅に増加しています(図表2参照)。一方、需要は大き
くは伸びておらず、米国における原油在庫は4億3,407万バレ
ルと過去最高水準に達しており、原油価格にとってはマイナ
ス要因となっています。
②石油企業の設備投資:原油価格下落は石油企業の設備
投資にも影響を与えています。石油大手のBP(英国)は2015
年の設備投資計画を従来の240-260億ドルから200億ドルに
下方修正しました(2014年は230億ドル)。なお同社のダドリ
ーCEOは原油価格の回復に対して1バレル40-60ドルのレン
ジを脱するには3年かかるとの慎重な見方を示しています。
また、他の石油メジャーについても設備投資計画の縮小など
を発表しており、今後、原油在庫の調整が進むことが期待さ
れています。
③米国の原油リグ(掘削装置)稼動数:原油価格の下落など
ピクテ投信投資顧問株式会社
足元、石油企業の設備投資やリグ稼動数が減少していること
から、米国における原油在庫の減少につながる可能性があり、
原油相場を占う上での注目材料といえます。原油価格につい
てはこれまでも変動が大きく、今後もオーバーシュート(価格
の行き過ぎた変動)する可能性もありますが、底打ち感は高
まっているものと考えます。
図表1:原油価格の推移
(日次、期間:2014年3月3日~2015年3月2日)
ドル/バレル
120
原油価格に
下げ止まり感
100
80
60
40
14年3月3日
14年7月3日
14年11月3日
図表2:米国における原油在庫と原油リグ稼動数の推移
(週次、期間:2012年3月2日~2015年2月27日)
1,800 基
在庫は過去
最高水準
1,600
億バレル 4.5
4.0
1,400
1,200
1,000
3.5
米国原油リグ稼動数(左軸) リグ稼動数は大
幅に減少
米国原油在庫(右軸)
800
12年3月2日
13年3月2日
3.0
14年3月2日
※米国原油在庫の期間は、2012年3月2日から2015年2月20日。
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と
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