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“ジュネーブから今を見る”
今日のヘッドライン
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2014年5月14日
一時的だった銅市場の急落のその後
銅価格は足元回復傾向です。中国は銅市場の動向と関連が強いため、2014年3月に銅市場が急落した直後は中
国の実体経済への影響を懸念する声も聞かれましたが、足元の値動きを見る限り下落は一時的だったと見られます。
銅市場、2ヵ月ぶり高値 中国の在庫減少を
強材料視
2014年3月に急落した銅市場ですが、足元の銅価格は回復
傾向で、急落前の水準に近づいています。銅価格の国際指
標となるロンドン金属取引所(LME)では13日、1トン6,800ドル
台での推移となりました(図表1参照)。国際相場高を受け、
JX日鉱日石金属は12日、銅の国内建値を1トン74万円と前
週末から1万円引き上げています。
銅需要の約4割を占めるといわれる最大消費国、中国の銅
の在庫が減少していることや、直近では中国国務院が9日に、
詳細は明らかにされていないものの、商品市場の改革の強
化を表明したことも銅市場を下支えしている格好です。
なっています。
次に、銅市場の回復はグローバルにも見られます。ペルーと
メキシコで銅などの採掘を行う鉱山会社、サザン・コッパーの
株価は3月下落しましたが、5月13日の終値は約29.4ドルと3月
の急落前の水準(約31ドル)に向け回復傾向です。グローバ
ルでも銅の在庫は低下傾向であることや、米国などが景気回
復の動きを見せていることから、銅市場は底堅い展開となる
可能性もあると見ています。
ただし、銅最大の需要国中国の動向が銅市場を左右する構
図に当面変化がないと見られることから、中国の景気動向か
ら当分目が離せません。
図表1:ロンドン金属取引所(LME)銅価格の推移
(日次、期間:2013年5月13日~2014年5月13日)
どこに注目すべきか
キャリー取引、理財商品、銅在庫
ピクテ投信投資顧問株式会社
7,300
2014年5月13日
終値:6845ドル
2014年3月
中国における銅輸入を
介在としたキャリー取
引の解消懸念
LME 銅 3カ月先物($)
6,800
6,300
13年5月
13年8月
13年11月
14年2月
14年5月
図表2:上海市場指定倉庫の銅在庫の推移
(週次、期間:2013年5月16日~2014年5月8日)
25
万トン
20
15
10
5
13年5月
上海市場銅在庫
13年8月
13年11月
増加 銅在庫 減少
銅価格は足元回復傾向です。銅の需要の約4割を中国が占
めることから、例えば中国の株式市場と銅市場の動向は連
動性が高い傾向が見られます。2014年3月の銅市場の急落
直後は中国の実体経済への影響を懸念する声も聞かれまし
たが、図表1で値動きを見る限り下落は一時的と見られます。
まず、3月の下落の原因を振り返ります。問題となったのは中
国において銅輸入を介在したキャリー取引です。仕組みは、
中国の輸入業者が(ドル建て)信用状(L/C)を発行して銅輸
入を行い、その銅を商品市場で売却して(低コストで)資金を
調達し、L/Cの猶予期間(通常は即時取引)、利回りの高い
理財商品で運用していた模様です。しかし、当時中国の理財
商品への投資に懸念が高まったことを背景にキャリー取引
への懸念が台頭したことと、キャリー取引の存在が知れ渡っ
たことで、銅の取引実態が嫌気されたことを受け銅価格は下
落しました。しかし、銅在庫(上海市場指定倉庫)を見ると、
キャリー取引解消に伴う変動は落ち着きを取り戻した模様で
す(図表2参照)。中国の銅の実需は建設向けは伸び悩むも
のの、電線や自動車向けなどが伸びていると見られ、銅に対
する実需の底堅さが、キャリー取引懸念を打ち消した格好と
ドル
14年2月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
記載された銘柄はあくまでも参考として紹介したものであり、その銘柄・企
業の売買を推奨するものではありません。上記は過去の実績であり、将来
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