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貴金属>中国金

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貴金属>中国金
Evolution Japan Co., Ltd.
EVO Commodity Report
平成 28 年 11 月 08 日 記
9 月の香港から中国本土への金純輸出量(ネット)は 52.762 トン
◆9 月の香港から中国本土への金純輸出量(ネット)は前月比 4.5%増加
香港統計局が 11 月 7 日に発表したデータによると、香港経由による 9 月の中国金輸入量は 52.762 トンとなり、前月
(50.484 トン)比 4.5%増加。ただ、前年同期(97.242 トン)比では 45.7%減少した。
2016 年 1-9 月期累計では 608.016 トンで、前年同期(581.876 トン)比 4.5%増加。ただ、月平均は 67.557 トンとなって
おり、2015 年平均の 71.811 トンを下回っている。2015 年累計は 861.726 トン。
上海自由貿易区(FTZ)で国際金取引所が開設されて以来、中国の金輸入ルートは従来の香港経由から上海や北京
を通しても金が輸入出来る様になっており、香港経由だけでは中国の金輸入の全体像は捉えていないとの見方もある。
なお、中国は他の貴金属と違い、金の輸出入データを公表していない。
●月別 香港から中国本土への金純輸出量(ネット)
●香港から中国本土への金輸出入量
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◆2016 年 1-9 月期中国金消費量は前年同期比 12.8%減
中国黄金協会(CGA)が 11 月 1 日に公表した統計によると、
●ドル建て金と人民建て金の価格差
2016 年 1-9 月期中国金消費量は、前年同期比 12.8%減の
720.7 トンとなった。産金量は同 2.6%減の 347.8 トン。
宝飾品需要は同 20%減の 478 トン。金投資意欲は引き続
き上向いており、延べ棒の需要は同 4.1%増、金貨需要は同
12.9%増となった。9 月末時点の中国の金準備は 1,838.5 トン。
◆WGC、今年の中国の金需要は前年並みの 1,000 トンと予測
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)中国事務所のマネジ
ング・ディレクターである王氏は、今年の中国の金投資需要が
前年比最大 50%増加するとの見通しを明らかにした。
●中国金 ETF
株式・債券市場の乱高下や預金金利の低下を受け、投資
家が資産保全を求めていることから、今年の中国の金の投資
需要は、昨年の 200 トンから 200~300 トンと予測。宝飾需要
の低迷を相殺するとしている。また、預金金利の低下や通貨
元の下落も金の需要を高めるとし、今年の中国の金需要を前
年並みの 1,000 トンと予測した。
◆中国の金 ETF
金 ETF で中国トップの「華安易富黄金 ETF」の 10 月末の口
数は 26.11 億口となっており、前月末(21.98 億口)比 4.13 億口
増加した。
◆スイスから香港への金純輸出量(ネット)
金 ETF(上場投資信託)から流出している金の一部はスイ
スの精錬所に流れて加工され、中国を中心としたアジアに輸
出されている様だが、9 月のスイスから香港への純輸出量(ネ
ット)はマイナス 0.501 トンとなり、前月(マイナス 2.562 トン)か
ら増加した。
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●スイスから香港への金純輸出量(ネット)
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◆9 月の中国金準備は前月比 5.0 トン増加
●中国の金準備
●中国の外貨準備
9 月の中国金準備は前月比 5.0 トン増加の 1,838.5 トンとなった。中国は長らく金準備高を国家機密として国際通貨基
金(IMF)への毎月の残高報告をしてこなかったものの、中国人民銀行は昨年 6 月の金準備が 1,658.25 トンとなり、前回、
保有量の調整が行われた約 6 年前に比べ 57%増加したと発表。その後、昨年 7 月~今年 9 月まで 15 ヵ月連続で増加
させている。なお、昨年 11 月(同 20.8 トン)は、残高報告再開後で最大の増加幅となっている。
中国人民銀行(中央銀行)が 11 月 7 日に発表した 10 月末時点の外貨準備高は 3 兆 1,206 億ドルとなり、9 月末(3 兆
1,664 億ドル)から 458 億ドル減少。4 ヶ月連続で減少となり、2011 年 3 月以来約 5 年半ぶりの低水準となった。景気減
速に加え、米国の利上げが近いとの観測から、中国での運用に見切りをつけて国外に資金を移す動きが加速していると
みられております。元安圧力が強く、人民銀は元相場を支えようと、外貨準備を取り崩してドル売り・元買い介入を続けて
いる模様。人民元は 10 月 1 日に、国際通貨基金(IMF)の仮想通貨「特別引き出し権(SDR)」に加わり、IMF から主要国
際通貨に認定されたため、中国はメンツを懸けて元急落の回避に努めていると見られている。
中国の外貨準備は 2014 年には 4 兆ドル近くあったものの、景気減速を背景に減少傾向が続いているが、国際通貨基
金(IMF)は、中国の外貨準備の必要水準は 2 兆 8,000 億ドル前後としている。なお、10 月末の金準備高は 753 億 4,800
万ドルで前月の 781 億 6,900 万ドルから減少した様だ。
米財務省が 10 月 18 日に発表した国際資本収支統計によ
ると、8 月末時点の中国の米国債保有高は 1 兆 1,850 億ドルと
なり、前月末(1 兆 2,188 億ドル)から減少。3 ヶ月連続の減少
となり、2012 年 11 月(1 兆 1,831 億ドル)以来の低水準となっ
た。ただ、米国債の最大保有国の地位は変わらず。2 位の日
本は 1 兆 1,440 億ドルとなり、前月(1 兆 1,540 億ドル)から減
少。
3
●中国の米国債高
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◆四半期別 中国の金需要
貴金属調査会社トムソン・ロイターGFMS は 10 月 27 日に「GOLD SURVEY 2016:Q3 REVIEW & OUTLOOK」を公表。
2016 年第 3 四半期(7-9 月)の世界金総供給は前年同期比 1.3%増の 1,153 トンとなり、2014 年第 4 四半期(10-12、1,153
トン)以来の高水準となった。
金需要を国別で見てみると、中国は同 16.5%減の 155.8 トン。内訳は、宝飾需要が同 27.0%減の 98.1 トンとなり、2 期
連続で 100 トンの大台割れ。退蔵需要(コイン・バーの合計)も同 11.0%増の 57.7 トンとなった。ただ、インドは同 45.1%
減の 129.6 トンとなり半減(宝飾需要が同 41.0%減の 107.6 トン、退蔵需要は同 60.0%減の 22.0 トン)したため、、3 期連
続で中国が世界一の金需要国となっている。
◆中国レアアース採掘量、2020 年までに年 14 万トン以下に
中国工業情報省(MIIT)が 10 月 18 日に Web 上で公表した 5 ヶ年計画の最新改定版によると、5 年間のレアアース(希
土類)開発計画を発表し、2020 年までに年間採掘量を 14 万トン以下に制限する方針を打ち出した。レアアースの分離精
製能力も 2015 年の 30 万トンから 20 万トンに削減する。また、採掘に関する違法行為の取り締まりや、付加価値の高い
レアアース製品の増産に取り組むとしている。
希少金属の需要は、今後 4 年間は増加が続く見通し。ベースメタルの消費は減速を見込む。それによると、電気・軽量
自動車や航空機にも使用されるコバルト、リチウム、マグネシウムなどの消費量は今後 4 年にわたって増加する見込
み。鉄の酸化防止のために建設材などに使用される亜鉛の需要は 2020 年末までにピークに達するとしている。
◆LME、中国で在庫追跡システム
ロンドン金属取引所(LME)は 10 月 31 日に、電子システムを使って LME の認証在庫外に保管される中国の金属を追
跡する「LME シールド」を、1 年の期間で試験導入すると明らかにした。LME シールドは今年 4 月に発表された。金属業界
関係者は、このシステムが現在、認証在庫の登録を認められていない LME にとって、中国市場への裏側からの参入に
つながる可能性があると見てきた。LME シールドは、在庫される金属の保有証明として電子レシートを発行。2 年前に中
国の青島港で起きた、金属在庫を利用した不正資金調達事件を受け、業界や銀行からの要望を受け開発された。
LME によると、中国国営倉庫会社「CMST デベロップメント(中儲発展)」が過半数株を有する英ヘンリー・バースが、上
海の保税倉庫でシステムの使用を開始し、その後国内の他地域にある倉庫でも導入してゆく考え。LME は計画の目的
について、「試験導入の終了時には、他の倉庫でも LME シールドが発行できる体制になるよう確実にする」と説明。「12
月 31 日に計画に関心のある倉庫業者と契約を結び、計画を主導してゆく」としている。
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◆米ゴールドマン、2017 年のベースメタル価格見通しを引き上げ
ゴールドマン・サックスは 10 月 27 日に、すべてのベースメタルについて、2017 年の価格見通しを引き上げた。需要増加と
石炭価格の上昇が見込まれることが背景。ゴールドマンは「今後 3~12 ヶ月、中国の金属需要の伸びは引き続き堅調だと
予想している」と指摘。ただ、中国が重厚長大産業が主導する成長モデルからの移行を図っているため、2018 年以降は大
幅な下振れリスクがあると指摘した。2016 年の銅平均価格は従来見通しの 1 トン=4,565 ドルから 4,693 ドルに、2017 年
は 4,083 ドルから 4,275 ドルに、それぞれ引き上げた。2016 年のニッケル平均価格は、従来見通しの 9,739 ドルから 9,653
ドルに引き下げたものの、2017 年は 1 万 0,500 ドルから 1 万 1,250 ドルに引き上げた。
香港から中国本土への金輸出量
NY 金
平均価格
高 値
安 値
香港からの中国
香港から中国への輸出入量
本土への純輸出量
9月
輸出量
前月比
年
輸出
輸入
ネット
2015 年 10 月
1,159.4
1,191.7
1,103.8
71.581
-25.661
2008
9.297
0.341
8.956
11 月
1,083.9
1,142.7
1,051.6
79.003
7.422
2009
1.479
0.102
1.377
12 月
1,068.6
1,088.3
1,045.4
129.266
50.263
2010
9.540
0.069
9.471
2016 年 1 月
1,097.3
1,128.7
1,061.0
33.041
-99.225
2011
56.896
3.582
53.314
2月
1,201.6
1,263.9
1,115.3
53.869
20.828
2012
69.711
23.270
46.441
3月
1,245.7
1,287.8
1,207.7
71.790
17.921
2013
116.306
5.392
110.914
4月
1,243.8
1,299.0
1,210.3
68.756
-3.034
2014
91.745
23.104
68.641
5月
1,260.8
1,306.0
1,201.5
115.292
46.536
2015
109.786
12.544
97.242
6月
1,279.2
1,362.6
1,208.2
70.886
-44.406
2016
64.826
12.064
52.762
7月
1,339.8
1,377.5
1,310.7
91.135
20.250 ※単位:トン、ドル/トロイオンス
8月
1,344.5
1,374.2
1,306.9
50.484
-40.652 平均価格は終値ベースで計算
9月
1,329.6
1,357.6
1,305.5
52.762
※香港統計局のデータを基に EVOLUTION
2.278
JAPAN 作成
(11 月 08 日企画部リサーチ担当 大湖 一樹 記)
本レポートは EVOLUTION JAPAN(以下、当社)が情報提供を目的として作成したものであり、投資その他の行動を勧誘するものではあり
ません。本レポートは信頼できると思われる情報に基づき作成されておりますが、当社はその正確性及び完全性に関して責任を負うもの
ではありません。また、記載された内容は作成時点のものであり、予告なく変更する場合があります。投資に係る最終決定はお客様ご自
身の判断でなさるようお願い致します。
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