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EVO Commodity Report
Evolution Japan Co., Ltd.
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平成 26 年 11 月 19 日発行
WGC「Gold Demand Trends」
2014 年第 3 四半期の世界金需要は2期連続で前年同期比マイナス“
●2014 年第 3 四半期の世界金需要は前年同期比 16.1%減少
有力産金業界団体である WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)が 11 月 13 日に発表した「Gold Demand
Trends」によると、2014 年第 3 四半期(7-9 月期)の世界金需要は前年同期比 2.5%減少の 929.3 トンとなり、2 期連
続で前年同期比マイナス。2009 年第 4 四半期(10-12 月)以来約 5 年ぶり低水準になった。世界最大の金需要国と
なった中国の金需要が同 37.3%減となったことが要因。なお、中国はインドに抜かれ、四半期ベースでは世界 1 位の
座をインドに譲っている。
WGC の市場情報責任者のアリステア・ヒューイット氏は、「米国や英国を含む多くの国・地域で景気が回復してお
り、金相場は下落している」と指摘。「価格が下がったことで、多くのインド人がさらに金を買えるようになる。宝飾市
場については総じて非常に楽観している」と述べ、世界全体の金需要については、「昨年とおおむね同様の、4,000
~4,100 トンになる」と予想している。
なお、宝飾需要は同 4.0%減の 534.2 トンで、前期
四半期別 世界の金需要(宝飾・投資)
(512.9 トン)から増加。
バーやコインなどの投資需要は同 21.4%減の
245.6 トンとなり、前期(266.0 トン)から減少。2010 年
第 1 四半期(249.8 トン)以来の低水準となっている。
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●2013 年第 3 四半期と 2014 年第 3 四半期の国別需要の比較
国別で見ると、タイが 16.5 トンとなり前年同期比 42.3%減少。3 期連続で前年同期比マイナスとなった。また、イン
ドネシアは同 45.2%減の 12.5 トン、ベトナムは同 26.9 トン減の 19.0 トンとなるなど、アジアでは台湾以外の全ての国・
地域で減少となり、アジア(日本・中国を除く)の金需要は同 24.7%減となった。
中東では、トルコは同 13.4%減の 25.8 トンとなり 3 期連続で前年同期比マイナス、UAE は同 17.9%減の 12.4 トン
となっている。
一方で、米欧ではスイスは同 29.1%減の 12.0 トン
四半期別 トルコの金需要
となったものの、ドイツは同 3.1%増の 33.2 トン、英国
は同 18.0%増の 4.6 トンで、宝飾需要は 5 四半期連続
で前年同期比プラス。
米国は同 2.9%増の 42.3 トンで、宝飾需要は同
4.6%増の 34.4 トンとなり、7 四半期連続で前年同期
比プラスとなっている。
四半期別 タイの金需要
四半期別 インドネシアの金需要
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●2014 年第 3 四半期の中国金需要は前年同期比 51.8%減少
四半期別 中国の金需要
中国の金需要は前年同期比 37.3%減少の 182.7 ト
ン。内訳をみると、宝飾需要は同 38.8%減の 147.1 ト
ン、投資需要(バー、コイン)は同 30.1%減の 35.6 トン
となり、共に減少となった。
なお、WGC は中国の金需要について、2014 年は
相場下落にもかかわらず、買いブームだった昨年か
ら減少したとの認識を示すと共に、今年の中国の金
需要予想を 850-950 トンとし、従来予想(900-
1,000 トン)から引き下げ、ここ 3 ヶ月で 2 度目の需要
見通しの引き下げを行った。昨年の中国の金需要は 1,065 トンと過去最高だった。
WGC のアルバート・チェン極東地域担当マネジングディレクターは、「今後、中国の金市場は横ばいになるだろ
う。新たな正常に戻った」と述べている。また、消費者は相場が底入れしたと確信していないと指摘。「昨年、中国は
需要より多くの金を輸入した。それらの一部は在庫にあり、別の一部は資金調達に用いられている。それらが巻き
戻される中、金は消費市場で用いられており、中国は新たな金を輸入する必要はない」と述べている。
●2014 年第 3 四半期のインド金需要は前年同期比 39.4%減少
四半期別 インドの金需要
一方、インドの金需要は同 39.3%増の 225.1 トンと
なり、5 期ぶりに前年同期比で増加。四半期ベースで
はインドが世界一の金需要国の座を奪還している。
内訳をみると、宝飾需要は同 59.7%増 182.9 トンと
なり、第 3 四半期としては過去 2 番目の高水準。前年
に同国政府が輸入規制を強化したため、輸入関税を
引き上げた昨年第 3 四半期に需要が減退した反動と
見る向きもあるものの、政権が交代し、同国経済の
先行きに対する楽観的な見方が強まる中、消費者の
四半期別 インドの金輸入量(ネット)
マインドがプラスに変化している様だ。投資需要(バ
ー、コイン)は同 10.4%減の 42.2 トンとなっている。
インドの金の輸入量(ネット)は 224 トンとなってお
り、前期(211 トン)から小幅増加。1-9 月期では 589
トンとなった(2013 年累計は 924 トン)。
なお、WGC の市場情報責任者のアリステア・ヒュ
ーイット氏は、「インドと中国の通年予想は同じで、両
国とも需要は 850 トンから 950 トンの間になる」と述べ
ている。
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●2014 年第 3 四半期の世界金供給は前年同期比 7.2%減少
2014 年第 3 四半期(7-9 月期)の世界金供給量は
四半期別 金価格と金の二次供給
1,047.5 トンとなり、前年同期比 7.2%減少。
鉱山生産が同 1.2%増の 812.0 トンとなり、2013 年
第 4 四半期(10-12 月、822.5 トン)以来ぶりの高水準
となった。
内訳をみると、二次供給(リサイクル)は同 24.9%
減の 250.5 トンとなっており、最近の価格下落を受け
て、消費者の売り控えが起きている様だ。
また、鉱山会社のヘッジ(ネット)がマイナス 15.0 ト
ンとなっている。
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●公的機関金購入は、15 四半期期連続で買い越し
四半期別 公的機関金購入
公的機関の金購入量は 92.8 トンとなり、前期
(117.8 トン)から減少。2 期連続で前期から減少とな
ったす。また、前年同期比では 8.6%減となっている。
ただ、公的機関の買い越しは 15 四半期連続で買
い越しとなった。
引き続き、ロシアやカザフスタン、トルコなど新興
国が金準備を継続的に積み増するなど、公的機関
は保有資産の多様化の一環として継続的に金を購
入してる模様。
●金 ETF は、7 四半期連続で純減
四半期別 金 ETF
金 ETF(上場投資信託)需要は、ネット・ベースで
41.43 トンの減少となり、前期(39.9 トン)から流出幅
が拡大。米国で早期利上げ観測が強まる中、2013
年第 1 四半期以降、7 四半期連続でマイナスとなっ
た。
なお、世界最大の金 ETF である SPDR ゴールド・
シェアの増減を四半期ベースで見ると、前期比 20.84
トン減少。第 1 四半期は 5 四半期ぶりに増加に転じ
ていたものの、第 2 四半期に続き 2 期連続で減少と
四半期別 SPDR ゴールド・シェアの金保有残高
なった。
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●日本金需要は 7 期連続でプラスとなるも・・・・
日本の金需要は 3.2 トンとなり、前年同期比 43.9%
減少となったものの、7 四半期連続でプラスを維持し
た。宝飾需要は同 15.2%減の 3.9 トン、投資需要は、
マイナス 0.7 トンとなっている。4 月の消費税率引き上
げの影響に加え、価格の下落基調を受けて買い控
えの動きが出ている様だ。
なお、大手地金商の田中貴金属工業は 10 月 22
日に発表したところによると、2014 年 1-9 月期金地
金販売量は前年同期比 22.6%減の 2 万 1,673 キロだ
った模様。買い取り量は同 41.2%減の 1 万 8,011 キ
ロ。
同社は「前年同期に比べ国内平均価格が約 250
円下回ったことや、為替相場の影響で値動きが乏し
い状況から、取引自体がそれほど活発にならなかっ
た」としている。
(11 月 19 日 ERI 大湖 一樹 記)
本レポートは EVOLUTION 総研株式会社(以下「ERI」という)が情報提供を目的として作成したものであり、投資その他の行動を勧誘する
ものではありません。本レポートは信頼できると思われる情報に基づき作成されておりますが、ERI はその正確性及び完全性に関して責任
を負うものではありません。また、記載された内容は作成時点のものであり、予告なく変更する場合があります。投資に係る最終決定はお客
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