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金>昨年12月の公的機関の金準備

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金>昨年12月の公的機関の金準備
Evolution Japan Co., Ltd.
EVO Commodity Report
平成 28 年 02 月 16 日発行
12 月の公的機関の金準備は 3 ヶ月連続で増加!
●10 月の公的機関の金準備は、前月比 63.6 トン増加
国際通貨基金(IMF)が既に発表しているデータの確認となるが、有力産金業界団体のワールド・ゴールド・カウン
シル(WGC)が、IMF のデータを基に 2 月 4 日に発表したレポートによると、昨年 12 月の公的機関の金保有は 3 万
2,739.2 トンとなり、前月比 37.2 トン増加。3 ヶ月連続で増加した。
なお、金保有国ベスト 100 で前月から増加させた国は 11 ヶ国となり、前月(8 ヶ国)から増加した。減少させた国
は 2 ヶ国となり、前月から 1 ヶ国増加。
国別にみると、市場の注目を集める中国が前月比 19.0 トン増加となり、突然増加した 6 月以降、6 ヵ月連続で増
加。一方で、9 ヶ月連続で増加していたロシアは増減無しとなった。カザフスタンは同 3.1 トン増となり、25 ヶ月連続
で増加となっている。
トルコは同 5.8 トン増加、UAE は同 2.4 トン増加、ベラルーシは同 0.2 トン増加、ブルネイが同 0.3 トン増加、マレ
ーシアは同 1.0 トン増加、フランス・スリランカ・セルビアはそれぞれ同 0.1 トン増加させている。また、ウクライナは
同 10.0 トン増加させた。
一方で、メキシコは同 0.2 トン減少となり 8 ヶ月連続で減少。カナダは同 0.3 トン減少となっている。
●公的機関の金準備
保有ベスト 100 で前月から増加した国(前月比)
フランス(+0.1 トン)、中国(+19.0 トン)
トルコ(+5.8 トン)、カザフスタン(+2.8 トン)
ベラルーシ(+0.2 トン)、マレーシア(+1.0 トン)
ウクライナ(+10.0 トン)、スリランカ(+0.1 トン)
セルビア(+0.1 トン)、UAE(+2.4 トン)
ブルネイ(+0.3 トン)
保有ベスト 100 で前月から減少した国(前月比)
メキシコ(-0.2 トン)、カナダ(-0.3 トン)
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平成 28 年 02 月 16 日発行
●公的機関の金準備増減と NY 金の動き
世界公的機関の金購入と NY 金の動き
ドル建て金価格の 12 月の平均価格は 1,045.4 ド
ルとなり、前月(1,083.9 ドル)から下落。それに加え、
米国が 9 年半ぶりの利上げに踏み切ったことや、世
界景気の減速懸念が強まる中、「安全資産」として引
き続き買い進められた様だ。
米ドルからの外貨準備を多様化する動きが続く
中、公的機関の買いは今後も価格の下支えになると
の見方は多い様だ。
国別 公的機関の金購入推移
NY 金
平均価格
公的機関の金保有残高
高 値
安 値
世界合計
前月比
増加した国
減少した国
2015 年 1 月
1,253.1
1,307.8
1,167.3
32,033.3
55.7
9
5
2月
1,225.8
1,286.5
1,190.0
31,997.4
-35.9
3
7
3月
1,177.8
1,223.0
1,141.6
31,957.5
-39.9
9
5
4月
1,199.8
1,224.5
1,174.1
31,949.0
-8.5
6
3
5月
1,198.6
1,232.0
1,168.4
31,953.3
4.3
6
7
6月
1,181.2
1,205.7
1,162.1
31,956.0
2.7
8
6
7月
1,130.0
1,174.4
1,072.3
32,682.4
726.4
12
4
8月
1,118.8
1,169.8
1,080.2
32,659.4
-23.0
11
7
9月
1,123.9
1,156.4
1,097.7
32,623.2
-36.2
6
8
10 月
1,159.4
1,191.7
1,103.8
32,686.8
63.6
4
5
11 月
1,083.9
1,142.7
1,051.6
32,702.0
15.2
8
1
12 月
1,068.6
1,088.3
1,045.4
32,739.2
37.2
11
2
(単位:トン、ドル/トロイオンス、平均価格は終値ベースで計算、公的機関の増加・減少国はベスト 100 位以内、WGC のデータを基に ERI 作成)
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●ロシアの金準備
平成 28 年 02 月 16 日発行
●カザフスタンの金準備
ロシア中銀は外貨準備高の 10%まで金を積み増
カザフスタンの金準備は昨年 12 月時点で 221.8 ト
す方針を示し、2007 年から実際に積極的に金を買い
ンとなり、前月比 3.1 トン増加。25 ヶ月連続で増加と
付けているが、昨年 12 月時点の金準備は 1,392.9 ト
なっている。
ンとなり、前月比変わらず。ここまで 9 ヶ月連続で増
加していた。
●ウクライナの金準備
●トルコの金準備
ウクライナの金準備は昨年 12 月時点で 37.4 トンと
トルコの金準備は昨年 12 月時点で 515.5 トンとな
なり、前月比 10.0 トン増加となった。増加は 10 月以
り、前月比 5.8 トン増加。2 ヶ月連続で増加となった。
来 2 ヶ月ぶり。
●ロシアの外貨準備と金の割合推移
ロシアの外貨準備と金の割合推移
ロシアの外貨準備(金を含む)は、米欧がロシアへの
経済制裁を強化していることに加え、原油安が続く中、
外貨準備の減少が続いていたが、1 月末時点では
3,715.59 億ドルとなり、前月末比 3,160 億ドル増加となt
った。昨年 12 月末時点の外貨準備に占める金の割合
は 13.0%となり、前月と変わらず。
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平成 28 年 02 月 16 日発行
●昨年 12 月中国金準備は 1,762.3 トン
有力産金業界団体のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)に 中国の金準備
よると、昨年 12 月の中国金準備は前月比 19.10 トン増の 1,762.3
トンとなった。
中国は長らく金準備高を国家機密として国際通貨基金(IMF)
への毎月の残高報告をしてこなかったものの、中国人民銀行は
6 月の金準備が 1,658.25 トンとなり、前回、保有量の調整が行わ
れた約 6 年前に比べ 57%増加したと発表。その後、7~12 月ま
で 6 ヵ月連続で増加させている。なお、昨年 11 月(同 20.8 トン)
は、残高報告再開後で最大の増加幅となっている。
●中国の金準備、今年は約 200 トン増加か?
英金融大手バークレイズは、人民銀による金購入はここ数ヶ月非常に安定しており、「中国の外貨準備総額がこ
の間に大幅に減少したことを考えれば、このことは特に印象的だ」と指摘。今年は月間ベースで平均約 17.9 トン、年
間ベースでは 215 トンを買い入れる可能性があるとの見方を示した。また、人民銀による金購入は安定しており、
購入によって金価格が大幅に上昇すると、人民銀のコスト上昇につながる可能性があるため、購入ペースはあまり
加速しなかった様だと指摘している。
●ドイツ連銀、2015 年に金準備 210 トンを国内移送
ドイツの金準備
ドイツ連邦銀行(中央銀行)は 1 月 28 日に、外国に保管を委
託している金準備のうち合計 210 トンを 2015 年にフランクフルト
の本店に移送したと発表。うち、FRB の金庫から移した金は 99.5
トン、フランス銀行からのは 110.5 トンとなっている。
●ベネズエラ中銀、ゴールドスワップをドイツ銀と協議
ベネズエラ中央銀行は外貨準備の流動性を高めるために、保
有する金塊を担保にドル資金などの供給を受けるゴールドスワッ
プ取引を行う方向で、ドイツ銀行と協議に入っている模様。
四半期別 公的機関の金準備
●2015 年第 4 四半期の公的購入は 132 トン
貴金属調査会社トムソン・ロイターGFMS は 1 月 26 日に「GOLD
SURVEY 2015:Q4 REVIEW & OUTLOOK」を公表。2015 年第 4 四
半期(10-12 月)の公的購入は同 23.2%増の 132 トンとなったも
のの、前期(151 トン)からは減少している。
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平成 28 年 02 月 16 日発行
●2015 年 世界の国・機関の金保有残高の増減
2015 年に公的機関の金保有は前年末比 761.6 トン増加の 3 万 2,739.2 トンとなった。金保有国ベスト 100 で 2015
年に増減があった国・機関は 30 ヶ国・機関で、増加が 18、減少が 12 となっている。
なお、1 番増加したのは中国で 708.2 トン。以下、2 位がロシアで 184.7 トン、3 位がカザフスタンで 30.0 トン、4 位
がヨルダンの 24.0 トン、5 位がウクライナの 13.8 トンとなっている。
一方で 1 番減少させたのは、トルコの 13.6 トン。2 位はエルサルバトルの 7.3 トン、3 位がコロンビアの 6.9 トン、4
位がベネズエラの 6.6 トン、5 位が BIS の 3.0 トンとなっている。
(02 月 16 日 ERI 大湖 一樹 記)
本レポートは EVOLUTION 総研株式会社(以下「ERI」という)が情報提供を目的として作成したものであり、投資その他の行動を勧誘する
ものではありません。本レポートは信頼できると思われる情報に基づき作成されておりますが、ERI はその正確性及び完全性に関して責任
を負うものではありません。また、記載された内容は作成時点のものであり、予告なく変更する場合があります。投資に係る最終決定はお客
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