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欧州
2016年6月13日
英国民投票、残留と離脱拮抗で戦術シフトか
英国民投票の世論調査で残留、離脱が極めて拮抗しています。英国がEUから離脱した場合の経済的損失は巨額
だという内容が連日報道されていますが、それでもEU離脱が根強い支持を維持している背景を考えます。
英世論調査:離脱と残留が拮抗、市場は英
国のEU離脱リスクを懸念
英国の欧州連合(EU)離脱、残留を問う国民投票を6月23日
に控え、各種世論調査が週末公表されました(図表1参照)。
2つの英世論調査の結果はいずれも支持が拮抗(きっこう)し
ています。例えば、オピニウムが実施したオンライン調査(11
日公表)によると、残留派が44%、離脱派が42%で、調査会社
ユーガブの世論調査では離脱派が43%、残留派が42%でした
一方、インターネット調査によるORBが10日に公表した調査
では離脱派が55%と、残留派45%を上回りました。この結果を
受け、ポンドは下落しました。
どこに注目すべきか:
英国民投票、移民問題、ブラウン元首相
英国民投票の世論調査では、残留、離脱が極めて拮抗して
います。英国民投票に関する報道で英国がEUから離脱した
ら経済的に大変だということが連日報道されており、離脱に
よる経済的損失は誰にでも容易に想像できますが、それで
もEU離脱が根強い支持を得ている背景を考えます。
まず、そもそも国民投票に至る流れを振り返ると、2015年5
月の英国総選挙でキャメロン首相の保守党が勝利、続投を
決定すると共に公約であるEU離脱を問う国民投票に向け準
備を進めました。2016年2月には英国とEUの間で残留に向
けたEU改革案が話し合われ、概ね英国の主張が4項目認め
られ、キャメロン首相は国民投票を6月に設定しました。
では、4項目の中で関心が高い、または国民投票の結果を
左右するのは、移民問題と思われます(図表2参照)。英国
民へのアンケートでも移民問題が上位にランクされています。
なお、ここで移民問題といっているのはEU(特に東欧)から
の経済移民が英国内で職を奪う、または英国の福祉を享受
することが問題となっています。紛争を背景とした欧州の難
民問題や難民問題の要因ともなっているEU内の移動の自
由を悪用したテロリストとは、本来別問題とも言えますが、こ
れらの問題が悪化したことも離脱支持を下支えした可能性
ピクテ投信投資顧問株式会社
が考えられます。
一方、EU残留を目指すキャメロン政権のキャンペーンは先の
4つのEU改革以降はEUを離脱した場合の経済的脅威を繰り
返す戦術でしたが、EU残留を増やせたか効果は不透明です。
そこで、決め手に欠くキャメロン政権は戦術をシフトする模様
です。報道によると、労働党の(2010年にキャメロン首相によ
り首相の座を奪われた)ブラウン元首相に応援を求めており、
ブラウン元首相は応援演説で雇用や労働権の確保をしっか
り支えることを訴える模様です。
移民政策の内容が福祉への制限だけであれば、移民が職を
奪ったという有権者に響かなかったのかもしれません。また
英国民が求める国境審査の強化にも不満が残っていると思
われます。キャメロン首相の戦術変更後に注目しています。
図表1: EU離脱を問う英国国民投票の世論調査
(調査、期間:2015年9月4日~2016年6月9日)
70
%
60
50
40
30
20
10
0
15年9月
離脱
残留
わからない
15年12月
16年3月
16年6月
※世論調査:調査会社7社の世論調査結果をブルームバーグが平均を算出
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
図表2:英国がEUに求めた主なEU改革案
項目
1
経済統治
2
3
4
競争力
国家主権
移民政策
内容
非ユーロ加盟国の保護(ユーロ加盟しなくても不利
とならない)
より競争力のあるEU推進と規制の削減
より緊密な統合プロセスからの英国の解放
EUからの移民に対する福祉、社会保障の制限
出所:各種報道を参考にピクテ投信投資顧問作成
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