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DentaICaries- A DisappearingDisease CE Renson
新潟歯学会誌 1 5巻 1号 Dent aICar i e sA Di sappear i ng Di sease DMFT i nde x ▲ ? 1 0 新 潟大学歯学部予 防歯科学教室 境 45 1 9 85 年 9 価 8 う蝕 は消滅す る疾 患か - この表題 は 、昨年 1 984年 11月 に香港 で開催 され たア ジア太平洋歯学 大会 (APDC) 7 の クロニ クルに掲 載 され た C. E. Re ns o n教授の講 6 ns o n 教授は1981 年に 演要 旨に付 され た もの であ る。Re WHOと国際歯科連盟 ( FDI)の常 設委 員会I の一つ 、 5 Co mmi s s i o no n Or alHe al t h,Re s e a r c h and Epi de mi ol o gy(CORE)か ら依 頼 を受 けて、 "変わ りゆ く歯 4 科 疾患 の実態 " と題す るテーマ に関す る調査 ・検討 をす ▲ ノル ウェー △ デ ンマ ー ク 3 るため の共 同作 業姓 の班 長 を務 め 、今度 、 多 くの国々 、 と くに先進 国 での う蝕 の減 少 に関す るデー タをま とめ報 2 告 した。 また 、 この報告 は同委 員会 の メンバー の 1人であ る東 1 京歯科 大学 の高添一郎教授 に よ り、今年 4月の 日本歯科 0 医師会雑 誌 に掲載 され 、 その要 旨が共 同通信社 を通 じて 4月1 0日前後 に全 国紙 をは じめ新潟 日報や全 国 多数 の地 ● ロ ● ▼ ∇ ◆ ○ ★ フ ィンラ ン ド オラ ン ダ ニ ュー ジー ラン ド イギ リス オ- ス トラ リア スウェー テ ン ア メ リカ 日 本 ' 70 ' 75 ' 8 0年 各 国 の、 i 2歳 児 の 離 蝕 の推 移 ( 1 9 67 年 ∼1 983 年)。 方紙 に報道 され た。 その 内容 は 、いずれ も小 児の う蝕 が欧米先進諸 匡=こお う蝕予 防効 果 は認め られ なか ったの であ る。 そ して、 こ いて一 貫 して顕 著 な減 少がみ られ て い るのに反 して 、 日 れ ら う蝕減 少の要 因 として採 り上 げ られ た ものは次 の よ 本 では逆 に大幅 に増加 し、最 近 で も減 少 して いない。 そ うであった。① 水道水 フッ化物 添加 。② フッ化物 洗 口法 な して 、その原 因 として 日本 での フ ッ化物応用 の普 及率 の どフ ッ化物 の応用。③ フ ッ化物配合歯磨 剤 の普 及。④ 歯 低 い こ とを挙 げて い る もの であ った。 科 医療 の充実 。( 9受 診率 の増大 と歯科疾 患 に対す る国民 今度 の調査対 象 とな ったのは2 0ヵ国であ り、 口腔 内疾 の認識の向上 。⑥ 予 防 に対す る歯科 医師の努 力。 患 の推移 な らびに関連 因子 に関す る国家 レベ ルの統計や 報告 書 につ いて調 査分析 が行 われ た。 日本 の歯科 医師数 お よび医療機 関 は充実 してお り、母 親学 級や乳幼 児検診 を通 じて歯科保健指導 を行 な って い 図は顕著 な う蝕 の減 少 を示 した先進 9ヵ国につ いての 、 る公 的機 関 も完備 してい る。 また、砂糖 の消 費量 は先進 その年 次推移 を示 した もの であ る。いずれの国 もこの間 、 国 中で最 も少 ない。 そ して他 の先進 国 との唯一 の相違 は DM FT指数 (永久歯 う蝕 有病 歯数 -永久歯 の未処置歯 、 フ ッ化物 の応用 が極端 に遅 れ 、水道水 フ ッ化物 添加 は全 処 置歯 、喪失歯 の合計一 人平均 歯数 )の高 い減 少率 を示 く行 われ ていない し、フ ッ化物 洗 口法 も僅か 1 1万 人、全 して い るが 、 水道水フッ化物 添加の普 及 した米 国はす でに 学童 の 0. 9%が実施 してい るにす ぎない。 フ ッ化物配合 1 973年以前 に減 少 してお り、図 中で も最 も低 い う蝕 有病 歯磨 剤 の普 及率 は先進 国の82%か ら9 8% に対 して 、 日本 率 を示 してい る。 日本 は これ ら先進 国 中では例 外 で 1 957 では今 日で も1 5%程 度 であ り、 この事情 を端 的 に物語 る 年か ら1 975年 までの間に 2倍以上 の増加 を示 し、1 981 年 もの とな って い る。 には これ らの 国の 中では最 高値 を示す に至 った。 これ らの現 象に及ぼす要 因 を種 々考察 してい るが 、各 文 献 国の砂糖 お よび異性 化糖 の消 費量 はほとんど変化 してお ら / WHO 高添一郎 :変 わ りゆ く歯科疾患の実態 -FDI ず 、 また、 日本 は先進周 中では最 も少 ない こ とは注 目に 共同作業蛙 の最終会議 (ポツダム )か ら- 、 日本歯科 値 しよ う。 また、歯 口清掃や 歯科保健 プ ロ グラムに よる 医師会雑誌,3 8:21-2 8,1 9 85. - 45 -