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知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

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知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会
い~な
あまみ
中 央
さくら
しらさぎ
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1940 号 2014.6.3 発行
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知的障害者ら 一文字に思い 筆に込め
東京新聞 2014 年 6 月 3 日
祖母を思い「老」を書いた新沢さん(左)と、
講師の有馬さん=いずれも北区王子で
「結」
「光」
「馬」
。大きな画仙紙に書い
た一文字に思いを込めた知的障害者らの
書作展が、北区王子の北とぴあ六階ギャ
ラリーで開かれている。「元気をもらっ
た」
「躍動感がすごい」
。見学に訪れた人
がいずれも絶賛する力作計五十点を展示
している。 (丹治早智子)
書いたのは社会福祉法人ドリームヴイ
(北区上十条)書道クラブに通う二十~
四十代の部員二十五人。区内で長く特別支援学級の教諭をしていた書道家、有馬高枝さん
(70)の指導で月一回活動している。書作展は十回目。
家事手伝いの新沢布未代さん(33)は今回、千葉県に暮らす祖母を思って「高齢者を
いたわろう」と、
「老」の字を書いた。
昨年、肢体不自由児者美術展に「海」を出品、都知事賞を受賞した天沼臨さん(40)
は、いつも同行してくれる大好きなヘルパーの名を書いた。
「自分の好きな文字を書くことで、それぞれの個性が際立つ。活動を始めて十年。彼ら
の作品に魅せられ、手伝いをしてくれる人の輪が広がった」と有馬さんはいう。
十回を記念し、書家の角田恵理子さんが主宰する「遊墨会」が協力し、部員全員の「落
款(らっかん)印」も完成。それぞれの作品に押されている。
作品の一部を三期に分けて展示替えし、八日まで開催。午前十時~午後九時(日曜のみ
午後五時まで)
。入場無料。
障害者と交流
ピザマルシェ 安中
東京新聞 2014 年 6 月 3 日
ピザ作りをするボランティアスタッフ=安中市で
安中市松井田町のバリアフリーペンショ
ン「まついだ森の家」で一日、ピザを食べな
がら障害者と健常者が交流する初めての福
祉イベント「ピザマルシェ」が開かれた。
障害者が作った商品を販売する機会を提
供し、障害者の収入を増やそうと開催。交流
を盛りあげるため、前橋市の星野和二さん
(69)ら森の家のボランティアスタッフがピザを焼いた。
会場には、市内外の福祉作業所など九団体が出店。利用者が作ったマスコットや木工製
品、パン、農産物、ジャムなど、さまざまな製品が並び、来場者が品定めをしていた。ス
タッフたちは「年四回のペースで開きたい」と話していた。 (樋口聡)
障害者の旅支援センター…交通、宿泊の情報提供
読売新聞 2014 年 6 月 2 日
障害者や高齢者などの旅行の手助けをしているボランティア5団体は、車いすで移動し
やすい交通機関や宿泊先の情報を集め、障害者らに伝える「東京ユニバーサルツーリズム
センター」を共同で設立した。
2020年の東京パラリンピック開催を前に、障害者らが旅行しやすい環境整備を進め
るのが狙いだ。
都内の「高齢者・障がい者の旅をサポートする会」(久保田牧子理事長)の呼びかけに、
北海道、神戸市、沖縄県、熊本県の団体が応じた。移動しやすい都内観光の計画を作った
り、同行して介助するボランティアを手配したりする。福島県や仙台市などの他団体とも
旅行の受け入れや送り出しで協力していくという。
久保田理事長は「各地の団体にはそれぞれに培った支援のノウハウがある。それらをセ
ンターに結集したい」と話す。
特定非営利活動法人の認証申請を近く行う予定で、旅行などの相談は現在、高齢者・障
がい者の旅をサポートする会(電話070・5081・7404)で受け付けている。
両陛下、障害者支援施設を視察
日本経済新聞 2014 年 6 月 2 日
新潟県を訪問中の天皇、皇后両陛下は2日午前、長岡市の障害者支援施設「リハビリセ
ンター王見台」を視察された。病気やけがなどで体に障害を負った人が機能回復訓練など
を受ける施設で、両陛下は利用者が牛乳パックを使ってハガキを作る様子を見学された。
天皇陛下は利用者に「だいぶ慣れてきましたか」などと声をかけられた。
障害福祉サービス施設、概要まとめたガイド初作成 宇都宮市
下野新聞 2014 年 6 月 3 日
【宇都宮】市は、市内の就労系の障害福祉サービス
施設の概要をまとめたガイドブック「就労系障がい福
祉サービス事業所ガイドブック」を初めて作成した。
47 施設全てを網羅。送迎や給食の有無、平均給与など
のほか訓練や作業内容を掲載している。障害者にとっ
て施設の適切な選択に役立ち、特別支援学校の進路指
導やハローワークの就労支援機関で活用できる。
市はこれまで、施設名、定員、所在地、電話番号な
どを記した「事業所・施設等一覧」を作成し、情報提
供してきた。
しかし、就労系の施設は、事業所ごとに訓練や作業
内容、賃金が異なるため、障害者が選択する際の判断
材料となる情報の充実を図る必要に迫られていた。
また特別支援学校や、相談支援事業所、ハローワークなどの就労支援機関では、就労系
事業所の情報が不足。このため生徒や保護者の就労相談への対応に苦慮しているのが現状
という。
ガイドブックは、自動車部品の組み込み(ベアリング)さおり織り、シイタケの収穫か
ら販売、パン・ギョーザ製造販売など具体的に紹介。工賃は、就労時間や熟練度で個人差
が出るため、平均月額を載せた。
「安心の環境」を整え対応 「強度行動障害」
中日新聞 2014 年 6 月 3 日
大葉を袋に入れて箱詰めする作業を落ち着いた表情で
進める嵩大さん。1年前の混乱は影を潜めた=愛知県
豊川市の「ゆうサポートセンターどーや」で
激しい自傷行為、暴力などの問題を繰り返す
「強度行動障害」の人たちは、家族や支援者を
苦しめるだけでなく、虐待の被害者にもなりや
すい。本人が周囲の状況や「これから起きるこ
と」を理解して安心できるように環境を整えれ
ば、問題を防いだり、軽減したりする場合も多
いことが分かってきた。その取り組みと、昨年度から始まった国の研修事業を紹介する。
障害者の生活を支援する「NPO法人ゆう」
(豊田和浩理事長)が、愛知県豊川市で運営
する「ゆうサポートセンターどーや」。重度の知的障害を伴う自閉症の荻野嵩大(こうだい)
さん(18)は、大葉を袋に入れて箱詰めする。
大葉は他の利用者が計量して白いかごに入れる。嵩大さんは大葉を袋に入れた後、厚紙
で区切られた段ボールに三十袋ずつ詰めていく。帽子や手袋などを着けることも一つ一つ
練習した。見た物を覚えることが得意な自閉症の特性を生かし、混乱の少ない環境を整え
ていく「視覚的構造化」と呼ばれる手法だ。
さらに一日のスケジュールは、本人が理解できる形で示され、
「これからやること」が見
通せる。重要なのは、周囲を仕切られた専用スペースでの休憩時間。ソファに座ってペッ
トボトルをたたいて遊んだり、音楽を楽しんだり。
発達障害者を長く支援している豊田理事長やスタッフらは、利用者ごとに「生活の支え
方」を考えて、取り組んでいる。
一年前、特別支援学校の高等部に在籍していた嵩大さんは混乱の渦中にいた。怒って叫
ぶ、物を壊す、服を脱いで裸になる、暴力をふるう、送っていった車に乗ったまま、二時
間も降りない-など。いつも怒っていて、のどをカッカッと鳴らしていた。
「悪夢のようでした」と同法人の副理事長で、母親のます美さん。当時の嵩大さんの状
態を、ます美さんとスタッフが「強度行動障害スコア」=表=で採点してみると、平均は
二十六点。十点以上が半年以上続けば同障害と判定でき、かなりの深刻さだ。特別支援学
校を昨夏に退学し、家庭と通所先の双方で混乱のない環境に身を置くと、次第に安定し、
現在のスコアは十点前後に下がった。
強度行動障害の多くは、重い知的障害を伴う自閉症の人が、強い不安を感じる状況に置
かれることか
ら起こる。支
援の研究は進
ん できた が 、
「ゆう」のよ
うな取り組み
ができる事業
所はまだごく
一部だ。同法
人は米国で子
育てをしてき
たます美さんが帰国後、サービスの手薄さに驚き、二〇〇三年に仲間の豊田さんらと一緒
に立ち上げた。
四月にスタートした「どーや」の利用者は現在四人。豊田さんは「試行錯誤の連続。地
域の支援者たちで定期的に勉強会を開き、困っているケースを協議したりしている」と話
す。
厚生労働省は昨年度から「強度行動障害支援者養成研修」を始めた。幼少期からの継続
支援が乏しいために問題を生んでおり、施設内などでの虐待にもつながりやすいことから、
一二年に障害者虐待防止法が施行されたのを機に、支援の充実に乗り出した。
昨年十月に第一回の研修が開かれ、百十三人が参加。今後も定期開催し、その参加者が
地方で研修を開いて啓発する。重度知的障害者を支援する国立のぞみの園(群馬県高崎市)
が同省の委託を受け、プログラムを開発した。
生活を支える基本ツールとして、
(1)安定して通える日中活動(2)居住内の物理的構
造化(3)一人で過ごせる活動(4)確固としたスケジュール(5)移動手段の確保-の
五つを掲げ、研修でそれらの取り組みの基礎や理念などを学ぶ。物理的構造化とは棚や家
具の配置、間仕切り、カーテンなどを使い、作業、遊び、食事などの場を本人に分かりや
すく区別したり、余分な刺激を取り除いたりしていく工夫。スケジュールでは、一人一人
の理解力に応じて文字や絵カード、写真などを使う。
のぞみの園では〇六年から、知的障害者や精神障害者の外出を手伝うヘルパー養成の研
修も実施。それを土台に今回のプログラムを作成した。同園研究部長の志賀利一さんは「医
療とも連携しながら、本人が安心できる環境づくりをしようと、できるだけ分かりやすい
ものを目指した。標準的な支援方法はほぼ固まっているが、施設などの現場での取り組み
はまだまだ。虐待防止のためにも広めていきたい」と話す。(編集委員・安藤明夫)
亡き友の施設を今年も訪問 名古屋・西区の後藤さん
中日新聞 2014 年 6 月 3 日
菓子を届けている「七八会」のメンバーら
名古屋市西区那古野で和菓子店を営む後藤英
三さん(64)は毎年六月、同業の仲間と犬山市
の知的障害者支援施設「ひかり学園」に菓子を届
けている。学園には西区の菊井中時代の同級生が
いて、二十四年前の初訪問で再会して以来、ずっ
と旧交を温めてきた。しかし、その同級生は昨年
夏に他界。後藤さんは寂しさを抱きつつ、菓子を
待つ園生のために今年も学園を訪れる。
後藤さんは一九八八(昭和六十三)年、主に西区の菓子店主らと「七八会」を結成した。
「七転び八起き」にちなんで名付けた会の活動は、店同士の情報交換や勉強会。ひかり学
園の訪問は、後藤さんのいとこが学園に勤めていた縁で、九〇年から始まった。
学園を初めて訪れたとき、後藤さんはすぐ懐かしい顔に気付いた。中学時代の同級生で、
知的障害のある安藤孝さん。二十五年ぶりの偶然の再会だったが、後藤さんは「人懐こく
て人気者だったから、顔を見て分かった」と振り返る。
初めての訪問で用意したのは、おはぎとシュークリーム。メンバーが材料を持ち込み、
安藤さんら園生と一緒に仕上げ、出来たての味を楽しんでもらった。反応は想像以上。多
くの人がお代わりを平らげ、帰り際には早くも来年の菓子をリクエストする声が上がった。
最初は後藤さんの顔を覚えていない様子だった安藤さんも、訪問が回を重ねるごとに打
ち解けていった。当日は玄関で後藤さんを迎え、二人で一緒に写真を撮った。職員による
と、安藤さんは前の日から「明日は後藤君が来る」とうれしそうにしていたという。
だが、二人の「同窓会」は昨年で終わってしまう。昨年六月の訪問後の八月、後藤さん
の元に安藤さんの訃報が届いた。六十三歳。肺炎や貧血で体調
を崩したのが原因だった。
安藤さんの妹、ゆかりさん(54)は兄から後藤さんの話を
聞いていた。
「自慢そうに写真を見せてくれるんです。学園以
外に友達がいると聞いて、本当にうれしかった」
今年の訪問は四日。玄関先で出迎えてくれたあの笑顔を見る
ことは、もうできない。
「やっぱり寂しい。安藤君に会いに行
っていたようなものだったから」と後藤さん。でも、菓子をお
いしそうに食べていた友の顔を思い浮かべると、「まだやめる
わけにはいかない」と思えてくる。
2人そろって写真に納まる後藤さん(左)と安藤さん=2012年6月、
犬山市の「ひかり学園」で
発足から二十六年になる七八会。当時は働き盛りだった会員
たちも、今は八店のうち六店の店主が六十代になった。後藤さんは「長く訪問を続けるた
めにも、若い菓子店主に加わってもらいたい」と呼び掛けている。(佐藤航)
障害者、生き生き接客/三豊総合病院でバザー
四国新聞 2014 年 06 月 02 日
就労支援と交流を目的に初めて開かれた福祉ふれあいバザー=香川県観
音寺市豊浜町、三豊総合病院
香川県観音寺市豊浜町の三豊総合病院(安東正晴院長)でこ
のほど、
「福祉ふれあいバザー」と銘打ったイベントがあり、障
害者と患者、病院スタッフが交流を楽しんだ。障害者たちが就
労施設で育てた花や手作りの焼き菓子、小物などが飛ぶように売れ、完売商品も相次ぐ盛
況ぶりだった。
同病院では、昨年4月から、院内の花の手入れを市内の四つの就労施設に委託しており、
交流の場を設けようと初めて企画した。
病院中央にあるウッドデッキには、各施設で育てられた季節の花や手芸品、パンや焼き
菓子といった自慢の商品が並べられたほか、お好み焼きやすしなども提供。晴天に恵まれ、
人出も多く、補充が間に合わない商品も続出していた。
就労施設支援員の曽我部厚さん(59)は「普段、裏方で人と接する機会の少ない人も
今回、接客を担当した。最初は緊張していたが、患者さんや年配者から気軽に声を掛けて
もらい、自分の作った商品の感想も直接聞けて、励みになったようだ」と手応えを感じて
いた。
好評だったため、同病院では今後、定期開催を予定している。
クック・チャムがランチ専門食堂開店
新居浜
愛媛新聞 2014 年 06 月 02 日
「ごゆっくりどうぞ」
。来店客に食事を運ぶ従業員(左)
、新居浜
市郷1丁目の「ばぁばのお昼ごはん」
総菜製造販売のクック・チャム(愛媛県新居浜市、藤
田敏子社長)はこのほど、新居浜市郷1丁目にランチ専
門食堂「ばぁばのお昼ごはん」を開いた。従業員9人の
大半が知的障害者や65歳以上の高齢者で、店内には朗
らかな雰囲気が漂っている。
同社のグループ会社では現在計33人の知的障害者が、
グループの野菜生産事業や食材加工工場の従業員として
働いている。
「障害者や高齢者が主力となって働ける仕組みをつくりたい。食堂は客の反応
が直接分かり、やる気につながる」
(藤田社長)と同社で初の外食事業に乗り出した。
食堂は延べ床面積約100平方メートル。37席あり、メニューは四国中央市産の卵を
使った卵焼き定食や、瀬戸内産地エビのかき揚げ定食など計6種類。従業員が客に食べて
ほしいメニューを考えたという。営業時間は午前10時半~午後2時半。日曜定休。
虐待相談4年ぶり増加 鹿児島市
読売新聞 2014 年 06 月 03 日
鹿児島市に2013年度寄せられた児童虐待に関する相談件数は152件(前年度13
4件)で、4年ぶりに増えたことが、市のまとめで分かった。このうち市が虐待と認定し
たのは92件(同84件)で、2年連続の増加となった。市は「虐待に対する社会的な意
識の高まりが増加につながっている」と分析し、早期の発見・対応を目指すとしている。
(峰
啓)
2日、市と関係機関でつくる要保護児童対策地域協議会の代表者会議で、市子育て支援
部が報告した。
報告によると、虐待と認定した92件のうち、実母によるものが61件と全体の3分の
2を占めた。虐待を受けた児童を年齢別にみると、約6割にあたる55件が未就学児だっ
た。虐待の種類別では育児放棄などのネグレクトが46件と最も多く、身体的虐待が26
件、心理的虐待が20件と続いた。
代表者会議には、県警や小学校校長会、児童養護施設協議会など24団体の関係者が出
席。市に対し、出席者からは「子どもが虐待を受けて施設に入所する以前の予防、対策を
強化すべきだ」
「どこに相談していいか分かりにくい。県の児童相談所とは別に、市の相談
所も設けてほしい」などの声が上がった。
市子育て支援部の古江朋子部長は「協議会の各機関が一体となって発生の予防に取り組
み、
(虐待があった場合は)早期対応を目指したい」と述べた。
17万人超が成年後見制度を利用 過去最多、支援整備を
共同通信 2014 年 6 月 2 日
認知症や知的障害で物事の判断が十分にできず、第三者に財産管理などを委ねる「成年
後見制度」の利用者数が、2013年末時点で17万6564人に上ったことが2日、最
高裁の調査で分かった。前年より約1万人増え、集計を始めた10年以降で最も多かった。
男性の約67%、女性の87%が65歳以上。高齢化の進行が背景とみられ、支援体制
の整備を求める声が上がっている。
13年中に新たに制度を利用したいとの申し立てがあったのは3万4548件で、12
年(3万4689件)からやや減少した。内容別では「預貯金の管理・解約」が最も多く、
「介護サービスの契約」が続いた。
児童情報メモリー紛失 富山・恵光学園 匿名で郵送、戻る 中日新聞 2014 年 6 月 3 日
知的障害児らの発達支援施設「富山市恵光学園」
(同市石坂新)は二日、児童四十一人の
個人情報が入ったUSBメモリーを紛失したと発表した。USBメモリーはその後、「道路
に落ちていた。セキュリティーをしっかりしなければいけない」という内容の匿名の手紙
と一緒に、富山県障害福祉課に郵送されてきた。
学園は、市の委託を受けた社会福祉法人「富山市桜谷福祉会」が運営し、知的障害や肢
体に不自由のある三~五歳児三十九人が通園。USBメモリーには、三十九人と保護者の
氏名や住所、電話番号のほか、昨年度卒園した二人を含む四人の障害の説明が書かれた支
援計画が保存されていた。
学園によると、女性保育士(27)が五月二日午前十時ごろ、職員室のパソコンにUS
Bメモリーを挿したまま席を離れ、午後二時半ごろに席に戻り紛失に気付いた。その間、
常に他の職員が職員室にいたという。園内を探したが見つからず、三十日に県に手紙とU
SBメモリーの入った封筒が郵送されてきた。手紙は印字されていた。
市は委託業者が個人情報をUSBメモリーに保存するのを禁じているが、保育士は私物
のUSBメモリーに保存していた。橋本伸子園長は、当日夜に紛失の連絡を受けたが、三
十日まで市に報告していなかった。
橋本園長は、二日の会見で「利用者に迷惑を掛けて申し訳ございません」と謝罪。富山
西署に同日相談したという。
社説:
【厚木の白骨事件】見守る目は十分だったか
高知新聞 2014 年 06 月 03 日
子どもをめぐるやりきれない事件がまた起きてしまった。
神奈川県厚木市のアパートで白骨遺体が見つかり、県警は約7年前に当時5歳だったと
みられる息子を死亡させたとして、保護責任者遺棄致死容疑で父親を逮捕した。
県警などによると母親は2005年に家を出て、父親が食事などの世話をしていた。男
児が亡くなる約2カ月前には週1、2回しかアパートを訪れなくなっていたという。
父親は「食事が足りず、いずれは死んでしまうと認識していた」と供述しているという。
詳しい捜査を待ちたいが、無責任な育児放棄を決して許すことはできない。
今回の事件で驚くのは、発見まであまりにも長い年月がかかったことだ。しかも男児に
は、県の厚木児童相談所や厚木市、市教委など公的な福祉、教育部門が関わる機会が多く
あった。
その際、男児や家族から出ていた可能性がある「異常サイン」を、きちんとキャッチし
ていたか。組織間の連携の在り方はどうだったのか。反省すべき点は多いはずだ。
男児は、市の1歳6カ月定期健康診断は受けたものの、3歳6カ月は未受診だった。未
受診の乳幼児の中には、何らかの問題を抱えている例があり、今回も兆候があったかもし
れない。
児相は、母親がいなくなる前に男児を迷子として保護。その後、小学校に入学しなかっ
たことを把握していた。
市教委も就学前説明会に保護者が来なかったため、一度自宅を訪問している。だが外観
から生活実態がないと判断し、就学児童の名簿から削除した。
遺体発見のきっかけは、先月、児相が「中学に入学するはずの男の子が来ない」と警察
に通報したからだ。
児童虐待 10+ 件などでは警察や児相、教委などが情報を共有して対応する決まりだ。こ
の事件の場合、なぜ長期間発見できなかったのか。神奈川県は第三者委員会で検証する計
画で、きっちりと経緯を明らかにしてほしい。
文部科学省の昨年の調査で、1年以上居場所が分からない児童生徒は700人を超す。
全てに事件性があるわけではないだろうが、あまりにも多い。厚生労働省も実態調査を進
めている。
行政機関の情報把握や連携、地域の見守る目は果たして十分なのか。この悲しい事件は、
あらためて重い宿題を社会に突き付けている。
産経児童出版文化賞大賞受賞、村山純子さん(57)「点字本の刊行が広がってくれたら」
産經新聞 2014 年 6 月 3 日
点字で構成された線を指でたどる迷路絵本『さわるめいろ』(小学館)で、第61回産経
児童出版文化賞の大賞を受賞したエディトリアルデザイナーだ。記念スピーチでまず口に
したのは、
「この本を作るに当たっては、たくさんの方々の力をお借りしました」との感謝
の言葉だった。
第 61 回「産経児童出版文化賞」大賞受賞者の村山純子さん=2日午後、東京
都港区の明治記念館(大橋純人撮影)
受賞作は、大阪市在住の視覚障害者、岩田美津子さんを中心に出
版各分野の関係者らが平成14年に設立した「点字つき絵本の出版
と普及を考える会」の10周年記念企画。会員である小学館の編集
者を通じ、村山さんに依頼が舞い込んだのは23年だった。
点字絵本の刊行は年1冊あるかないかで、まだまだ数が不足して
いる。武蔵野美術大視覚伝達デザイン学科を卒業し、児童書のデザ
インなどを多数手がけてきたが、点字絵本は初めての経験。だが、
引き受けたからには「今までに誰もやっていない本を作りたい」と
のプロ意識に燃えた。迷路の壁ではなく、道の上に点字の盛り上げ
印刷を施したのは、村山さんのアイデア。「点字を道としてたどる
というのは、例がないのでは。迷路本はさわって遊ぶものだから、
点字とは相性が良いと思った」
デザイナーとして心がけていることは、何よりも読みやすさ。受
賞作でも、その点は特に気を配った。迷路の難易度調整をはじめ、点の大きさ、線の太さ、
点と点の間隔…。2度の試作版を作り、実際に盲学校の子供に遊んでもらうなど、細かな
配慮を重ねた。
「点字つき絵本の数はあまりにも少ない。点字本でもこんなことができる、という可能
性を示して、刊行が広がってくれれば」
(磨井慎吾)
仔という字 6月3日
産經新聞 2014 年 6 月 3 日
親から虐待を受けて病院の児童精神科に入院した3人の小学生が主人公だ。退院して1
7年後、再会した3人の周辺で次々に殺人事件が起こる。平成11年に刊行された長編小
説『永遠の仔』は、200万部を超えるベストセラーとなった。▼タイトルの「仔」とい
う字は、仔猫や仔羊のように、動物に使われる場合が多い。動物の赤ちゃんが母親のお乳
を吸おうとすがりつくように、人間も親の絶対的な愛情を求めずにはいられない。著者の
天童荒太さんは、そんな意味を込めて選んだという。▼神奈川県厚木市のアパートの一室
で、5歳の男児、斎藤理玖(りく)ちゃんも母親の愛情を必死に求めていたはずだ。どん
な事情があったのか不明だが、母親は出ていった。父親は、母親の代わりに愛情を注ぐど
ころか、食事や水を与える回数を減らしていった。やがて、週に1、2日程度にしか帰ら
なくなる。▼理玖ちゃんは、ひとりぼっちで餓死した可能性が強い。
「仔」という字は、
「子」
に「人」が寄り添っているようにも見えるというのに。むごいとしか言いようがない、仕
打ちである。▼今年4月に中学に入学するはずの男児の所在がわからない。児童相談所か
ら警察に通報があり、ようやく理玖ちゃんの白骨化した遺体が見つかった。亡くなってか
ら7年もたっていた。同じように居所がわからない児童が、全国で700人以上もいると
いう。▼虐待事件が発覚するたびに、児童相談所や警察、学校の対応の甘さが指摘される。
3年前、児童虐待についての小紙の取材に応じた天童さんは、虐待が起きた後の対策だけ
では不十分だという。義務教育でセックスと出産、育児についてきちんと教え、望まぬ妊
娠を減らす、予防策の重要性を訴えていた。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行
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