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知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

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知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会
い~な
あまみ
中 央
しらさぎ
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1363 号 2013.6.7 発行
==============================================================================
人見知り、赤ちゃんも葛藤 同大などグループ研究
京都新聞 2013 年 06 月 06 日
人見知りが強い赤ちゃんは、
「近づきたい」「怖くて離れたい」という相反する気持ちか
ら「心の葛藤」を持ちやすいと推察されることが、同志社大赤ちゃん学研究センターの松
田佳尚特任准教授、東京大、京都大などのグループの研究で分かった。乳児期や学童期の
心の成長を理解する手がかりになるといい、米科学誌プロスワンで6日に発表した。
生後7~12カ月の乳児57人を「知らない人に慣れるのに時間がかかる」などの項目
から、人見知りが強い組(24人)と弱い組(33人)に分け、母親や他人の顔を動画で
見せて目の動きを比較した。
最初に顔を見るときに「目」
「鼻」
「口」をそれぞれどのぐらい注視するか時間の割合を
調べると、人見知りが弱い乳児は「目」を見る時間が約1割で、人見知りが強い乳児は約
2割と長かった。目を見るのは相手の意図を探りコミュニケーションを求める行動で、「近
づきたい」気持ちが表れるという。
正面を向いた顔(正視)と斜めを向いた顔(よそ見)のどちらを長く見るか調べると、
人見知りが強い乳児はよそ見の顔を見る時間が長かった。見つめ返されると「怖くて離れ
たい」気持ちになるためだという。
学童期の人見知りは「近づきたい」
「怖い」という心の葛藤に起因するとの研究があるが、
乳児期でも心の葛藤を抱えていると推察された。
乳児の人見知りは生後6カ月ぐらいから現れ、多くは成長すると消えるとされるが、そ
のまま続く子もいる。松田特任准教授は「『近づきたい』や『怖い』という気質は誰もが持
っている。赤ちゃんにもあるこの二つの気質のバランスを探ることで、学童期やその後の
心の葛藤を理解する一助になる」と話す。
【宅間元死刑囚
鑑定本出版】著者の医師「興味本位でなく検証を」
産經新聞 2013 年 6 月 6 日
産経新聞のインタビューに答える岡江晃医師=大阪市内(山田哲司撮影)
児童8人が犠牲になった大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田
市)の児童殺傷事件で、宅間守元死刑囚=平成16年執行、当時(4
0)=の精神鑑定を担当し、先月に精神鑑定書のほぼ全文を掲載した
書籍を出版した岡江晃医師(66)が産経新聞の取材に応じた。事件
は8日で発生から12年。岡江氏は「今なら興味本位でなく本当に関
心のある人に読んでもらえ、鑑定を検証してもらえる」と出版の動機
を語った。
書籍は「宅間守精神鑑定書 精神医療と刑事司法のはざまで」
。亜紀書房から先月23日
に発売された。同社によると、医療関係者から「意義ある出版」との声が寄せられるなど
の反響があったという。
宅間元死刑囚の生い立ちから事件に至るまでの詳細な経緯のほか、精神症状の治療歴も
掲載。
「殺すことを想像したらモリモリーと食欲が出てきてね」という生々しい発言なども
そのまま記されている。
鑑定時の宅間元死刑囚について、岡江氏は「弱々しく卑屈な半面、非常に饒舌(じょう
ぜつ)で感じたことをそのまま話す単純な面があった」と振り返る。当初は「もしかした
ら統合失調症かもしれない」との印象を持ったが、最終的には「物事を理解した上で計画
的に実行している」として、責任能力に問題はないと結論づけた。
事件後、殺人などの重大事件を起こした精神障害者の処遇を定めた「心神喪失者医療観
察法」が成立するなど、精神疾患と犯罪との関係が注目されるようになった。「この事件を
機に精神医療が大きく変わった。どういう事件だったか、残しておく必要があると考えた」
と岡江氏。
出版にあたっては、被害者らのプライバシー保護に対する懸念もあった。ただ「関係者
1人1人に接触する手段はなかった」ため、事前に了解を得ることはせず、関係者を特定
されないよう匿名にしたという。
ほかの著名事件でも鑑定を担当してきたが、
「宅間元死刑囚は10代半ばから精神科を受
診する一方、犯罪や異常行動を起こしていた。精神医療と司法とのはざまを行き来してい
た特異なケース」と語り、同様に鑑定書を全文公表するつもりはないとしている。
岡江氏は「精神医療は適正な治療を提供できたのか。どうしたら防げるのか。鑑定書を
通じて問いかけたい」と話している。
心の病で働けなくなったら… 保険で備える難しさ 保険コンサルタント 後田亨
日本経済新聞 2013 年 6 月 7 日
病気やけがで働けない状態が一定期間を超えて続く場合、所得を補てんする保険があり
ます。なかでも保険業界関係者の評価が高いのが日立キャピタル損害保険の「長期就業不
能所得補償保険」という商品ですが、6月からうつ病などに対応していた「精神障害補償
特約」の新規取り扱いを中止しました。業界から見たその背景と、消費者がこうした事態
に備える場合の保険との相性について考えてみます。
この商品は主に入院に備える医療保険と違い、自宅療養中なども保険金支払いの対象と
なる点が特徴です。働けない状態が続く限り、例えば加入時から 60 歳までといった長期に
わたる支払いにも対応します。住宅ローンを抱える方などは検討する価値がある保険だと
思います。
働けない状態のうち精神障害の特約を販売しなくなると聞くと、「保険会社は、うつ病な
どで悩む人たちなどを救う気がないのか」「こうした特約への需要は高まっているはずなの
に、なぜやめるのか」と思う方もいるでしょう。しかし私は「だからこそ販売をやめるこ
とになったのだ」と考えています。
例えば厚生労働省のサイトによると、1996 年に約 218 万人だった精神疾患の患者数は
2011 年には 320 万人を超えています。また国立精神・神経医療研究センター精神保健研究
所精神保健計画研究部の「目で見る精神保健医療福祉(10 年度)」のまとめでは、64 歳以
下の在院患者数が全体の半数以上を占めています。こうしたデータを改めて見ると、心の
病で働けなくなる不安に保険で備えたいという消費者ニーズは高まってくるかもしれませ
ん。一方で保険会社にとっては、保険金支払いにどの程度のリスクを負うのか計算しづら
いだろう、と思うのです。
12 年 10 月 12 日付の「こんなに割高 『持病がある人も安心』な保険」や同 12 月 28 日
付「保険で『残念パターン』に陥るのはこんな人」などで繰り返し書いてきた通り、保険
は持病がある人の入院や老後の介護といった「発生しがちな事態」への備えには向いてい
ません。集めたお金を困っている加入者に分配する仕組みのため、頻繁に起こる事態に備
える保険だと加入者が負担する保険料と受け取れる保険金の額は接近する一方だからです。
実際、長期にわたり働けなくなる事態に備える保険を取り扱うライフネット生命保険で
は、10 年の発売当初から精神障害は保険金支払いの対象としていません。
こうした商品に限らず、一般の医療保険でも、例えば抗うつ剤を服用したことがある方
の加入は残念ながら断られる可能性が高いのが実情です。
一方で、精神障害に対応した商品を積極的に扱う保険会社もあります。富国生命保険が
11 年5月から販売している就業不能保障特約「はたらくささえ」や、プルデンシャルジブ
ラルタファイナンシャル生命保険が今年2月に発売した「就労不能障害年金」を支払う新
商品などです。
とはいえ、両社とも精神障害に対する保障は限定的です。プルデンシャルジブラルタフ
ァイナンシャル生命の商品は保険期間が仮に 25 年あったとしても、精神障害による就業不
能で年金が支払われるのは3年間とされています。富国生命の商品では年金ではなく一時
金 30 万円の支払いとなっています。
限定的といえば、日立キャピタル損保でも「精神障害補償特約」を付加する契約では月々
の保険金支払限度額は 10 万円、支払期間も2年間でした。かなり長期にわたって働けない
状態も想定している保険でありながら、精神障害に関してはあらかじめ例外的な規定を設
けていたわけです。
繰り返しますが、精神障害への対応は保険の仕組み自体になじまな
いのです。また、それは決して理不尽なことだとは思わないのですが、
いかがでしょうか。
後田亨(うしろだ・とおる) 1959 年生まれ。1995 年に日本生命に
転職。2012 年より保険相談室代表・
(社)バトン代表。2007 年に上梓
した「生命保険の『罠』
」
(講談社+α新書)で保険のカラクリを告白、
業界に波紋を広げる(2012 年8月 20 日に文庫版発売)。以後、主に
執筆・セミナー講師・個人向け有料相談を手掛ける。近著に『がん保険を疑え!』(ダイヤ
モンド社)
。このほか「
“おすすめ”生命保険には入るな!」(ダイヤモンド社)、
「生命保険
のウラ側」
(朝日新書)
。メディア掲載多数。
公式サイト(1)http://www.seihosoudan.com/(2)http://www.yokohama-baton.com/
がん遺族の心、前向きに
体験語り合う集い
広がるケアの動き
中日新聞 2013 年 6 月 4 日
「居場所ある」と安心感
がんで夫を亡くした体験を語り合う下和田由美さん(中)と遺
族たち=岐阜市正木北町で
がんで大切な人を失った遺族が集い、思いや体験を
語り合う取り組みが地域で始まっている。宣告後から
死と向き合い、つらい治療も多いがん患者の遺族は、
闘病に寄り添った末に直面する深い悲しみと喪失感に、
うつ状態になったり、体調を崩したりする人も。遺族らをサポートしようと行政も動き始
めたほか、相談の窓口として「遺族外来」を設ける病院も出てきた。(山本真嗣)
「葬儀の後、どんどん(夫への思いが)深くなっていった…」
5月下旬、岐阜市の飲食店で開かれた「なのはな会」の初めての集い。呼び掛け人の下
和田由美さん(51)=岐阜県池田町=がとつとつと語ると、他の遺族の女性2人がうな
ずいた。集いは毎月1回。無料で、遺族ならだれでも参加できる。話を聞くだけでもいい。
下和田さんは「ここに来れば安心できる。そんな心のよりどころになれば」
下和田さんは2008年、22年連れ添った夫武彦さん=享年44=を消化管の肉腫で
亡くした。5年間入退院を繰り返し、4度の手術と抗がん剤に耐えた夫の闘病を支えた。
多くのがん患者は宣告後、すぐに亡くなることはない。闘病中、患者や家族は生き方や
治療法に悩み、最善策を探し歩き、患者の死後、遺族は選択が正しかったのかを悩む。「も
っと一緒にいてあげられたのでは」
「痛みにもっと気付いてあげればよかった」。下和田さ
んも夫への対応を振り返り、自分を責めた。
スーパーに買い物に行き、カートを押す夫婦を見ると胸が締め付けられる。「かわいそう
に」
「もう落ち着いた?」
。周囲からの言葉も心に突き刺さった。ストレスで血圧が上がり、
頭痛や吐き気、眠れない日が続き、仕事も辞めた。行き場のない思いに押しつぶされそう
だった。
昨年3月、網膜に穴が開き、岐阜大病院に
入院した際、がん患者を支援するNPO法
人・がんサポートセンター(岐阜市)を知っ
た。スタッフの辻かおるさん(50)=同市
=も夫を肺がんで亡くしており、下和田さん
の話をうなずいて聞いてくれた。
「同じ境遇だ
からこそわかり合える。自分だけではない、
という思いに救われた」
その後、センターと岐阜県が始めた、がん患者や家族の話を聞いたり、相談に応じたり
する「ピアサポーター」の養成講座を受講。今年5月、辻さんや講座で知り合った遺族と
「なのはな会」をつくった。目標は参加者が前向きに生きるきっかけになること。より充
実した終末期の参考にと、余命宣告を受けた患者や家族も受け入れるという。
滋賀県で遺族のサロンなどを開く「きらら会」代表の池田美奈子さん(55)=同県守
山市=によると、緩和ケア病棟(ホスピス)のある病院では遺族もケアを受けられること
もある。だが、一般病棟で亡くなる多くの患者の遺族は対象外という。
こうした現状に、ようやく行政も動き始めた。国は昨年6月に改定した「がん対策推進
基本計画」で、初めて支援の必要性を指摘。具体化を検討する今年5月の有識者会議では、
地域のがん治療の拠点病院に遺族が相談を受けられる体制づくりを求めた。
三重県では県がん相談支援センター(津市)が10年から毎月1回のサロンを開催。進
行役の僧侶矢田俊量さん(50)=同県桑名市=は「サロンに来ることができる人は、既
に一歩を歩みだしている。まだ来ることができない人も、居場所があるという安心感が支
えになる」と話す。
(問)なのはな会=電090(9932)5633、きらら会=電090(4568)
1934、三重県がん相談支援センター=電059(253)3550
「外来」でカウンセリングも
愛知県の小牧市民病院は4月から、緩和ケア科に医師や臨床心理士がカウンセリングを
する「遺族外来」を設けた。
対象はがん患者の遺族に限らず、全ての疾患や事故、災害などで大切な家族を失った人。
毎週木曜日午後2〜4時に開き、1回30分。予約制で初回は無料だが、2回目以降は自
費診療(1回2360円)
。専門治療が必要と判断すれば、心療内科や精神科などの受診を
勧める。渡辺紘章医師(36)は「遺族会などで話すのが難しい人もいる。相談窓口とな
り、治療が必要な人を見つけることができれば」と話す。
北海道の旭川医科大病院(旭川市)も2年前に開設。これまで訪れた二十数人の大半が、
がん患者の遺族だ。精神科医でもある緩和ケア診療部の阿部泰之医師(40)は「終末期
に患者が十分な治療を受けられたかどうかが、遺族の心に影響する。常に家族の存在を意
識し、亡くなる前からケアすることが必要」と話す。
女性手帳、反対するだけで終わらないために
産婦人科医 吉田穂波
日本経済新聞 2013 年 6 月 7 日
安倍内閣が導入を検討していた「女性手帳」
。市民団体などから「女性の生き方の選択に
国が干渉すべきではない」などと批判が相次いだこともあり、当面配布の見送りが決まり
ました。女性手帳について、4児の母でもある産婦人科の吉田穂波さんはどのように考え
ているのでしょうか。
私が最初に「女性手帳」という記事を見たとき、
「ああ、またね」と言う程度にしか認識
しませんでした。と言うのは、今までにも、日本産婦人科学会・日本産婦人科医会が「女
性の生涯健康手帳」を発行しており、ほかにも「女性○○手帳」と名のつく小冊子にはた
くさんお目にかかってきたからです。
森少子化相(右)に提言書を手渡す「少子化危機突破タスクフ
ォース」の佐藤博樹座長=共同
子を持つ母親ならだれでも、子どもの数だけ「母
子健康手帳」
、そして「お薬手帳」
「歯の健康手帳」
などをお持ちのことでしょう。
あっという間に忘れてしまう医療保健関連のイベ
ントを記録しておくために、手帳というものは大変
ありがたい記録ツールです。私は医師として、その
ほかにも「服薬手帳」
「血圧手帳」
「体重管理手帳」
など、健康サポートのためのいろいろな手帳を知っています。これらをすべて管理するの
は大変だなぁ、なんて思っていました。
■妊娠・出産適齢期の知識は必要
今話題の「女性手帳」には、妊娠適齢期などの必要知識や自治体の支援施策を記した部
分があるようです。妊娠適齢期や産みやすく育てやすい年齢がある、ということは、女性
にとって必須の知識です。
女性手帳のコンセプトを産婦人科医の立場から改めて見直してみると、妊娠・出産適齢
期に関する知識は、持っていて邪魔になるものではありません。
「いつのまにか自分では選
択できない年齢になっていた!」
「産むか・産まないかではなく、産めるか・産めないかと
いう年齢になっていた!」という状況を防ぐことは、キャリア・デザインの一助になりま
す。
一昔前なら、親から子へ、学校や社会から、子どもを持つってすばらしい、やっぱり 20
代で子どもを持つ方が健康的なんだよ、と言われたものでした。もちろん、母親にこう言
われた娘が反発したり、上司からこう言われて「セクハラ」と受け止めるというケースも
あったのでしょうけれど。
どうも、上から「啓蒙」と出されると、「少子化の責任を女性だけに押し付けている」と
いう抵抗や反発の方が目立つようです。カップルが2人でこのような手帳を見て、2人で
子育てについて考えるのが理想なのでしょうけれど。
■女性が幸せになることが一番
ハーバードを卒業した 2010 年、
私は、安倍フェローシップという研究助成をいただいて、
少子化に関する研究をしていました。少子化の原因が、自然な人口減少であるならば止め
られません。でも、もし女性がハッピーでない事情があり、それが産むことの障害になっ
ているのであれば、それは問題だと考え、少子化の要因を探り、社会の中の絆・結びつき
や、女性の自己肯定感の向上など解決方法を探っていたのです。
現在も、国の公式なデータや、産後の女性への聞き取り調査、女子大生へのアンケート
などを組み合わせながら、少子化に関する前向きな解決策の研究を続けていました。
子どもは永遠に子どもではなく、近い将来、国の根幹を成す人的資本となり、経済も含
めて日本という国を背負うことになります。政府だけでなく、私のような一人の母親も、
そういうマクロな視点、シリアスさを持って子育てができると、目の前の大変さだけでな
く少し先を見通せる気持ちになります。
しかし、だからと言って「国のために産め」という姿勢は受け入れられるのでしょうか。
「女性が幸せになることが一番、そのために役立つこととして」健康知識を普及させると
いうのであれば大歓迎です。
■「お国のため」と言われてもうれしくない
私が4人の子どもを連れて歩いていると、周囲の高齢者の方々から、「偉い、偉い。表彰
状ものだ」
「少子化に貢献している」
「将来、私たちの年金を払ってくれる」という言葉を
いただき、とても複雑な気持ちになります。「がんばって育てているね」ではなく、「お国
のために産んでくれてありがとう」と言われてうれしい親が、いるでしょうか。いずれは
国家の財政を担わなくてはならなくなるとしても、今から高齢者の年金を払うために子ど
もを育てている親が、いるのでしょうか。
子育て中の多くの親は、子どもが豊かな子ども時代を過ごし、たっぷり愛情を受けて育
ち、いつかほかの人に愛情を注げるような、どこでもたくましく生きていけるような、そ
して、世のため人のために働くような人間になって、独り立ちすることを願っています。
子どもの幸せや生きがいと社会に貢献することが自然につながればいいのですが、もし、
政府や世間の関心が、未来の納税者としての数には関心があるけれど、子どもの幸せや健
康や保育は知らんぷり、というのでは納得がいかないでしょう。
特定の見方で「これは正しい」
「間違っている」とジャッジするのではなく、女性の気持
ちをより深く理解するために、
「どんな人生を目指したいのか」「自分が望む生き方をする
にはどうしたら良いのか」など、実際に生活を生きている女性に寄り添う形で、調査や研
究をしたうえで、ニーズに合わせたサポート・ツールを見つけられないかな、と思いまし
た。
■男女双方で支えあうもの
ニーズ・アセスメントをし、障害となっている要因(Determinants of barriers)を特定
し、その部分を治していく…。これは、私が公衆衛生の研究でよく使う方法です。
どうすれば内閣府の「少子化危機突破タスクフォース」につながることが出来るのかは
分かりませんが、クレームを言うよりは建設的な代案を出して、せっかくの「女性の健康
をサポートしたい」という世間からの関心をつぶさないよう、「二度と口にできない話題」
にならないよう、うまく生かしていければと願っています。
子どもを持つ・持たないは個人の自由意思で選択できることも踏まえたうえで、誰でも
産める、誰でも親であることを楽しめる、誰でも親になることを経験することができる環
境を整え、子どもを持つことが自分にとっても周りにとってもプラスになることを社会的
にも認め、みんなでシェアできる社会になればと思います。
子どもや家庭は男女双方で支えあってはぐくむもので、女性の産み時や産むかどうかの
選択には夫、上司の理解と協力が欠かせません。女性だけではなく男女全体の常識として
女性の強みやその活かし方を知り、お互いを誇りに思えるような空気作りが必要です。男
性も女性も一人一人が幸せで、個人の能力を十分発揮して楽しい人生を送ることが、家庭
を持つための基本となります。今回の少子化対策の良い部分を大事にしながら、次世代に
誇れるような政策作りができるよう、応援したいと思っています。
吉田穂波(よしだ・ほなみ)産婦人科医。国立保健医療科学院 主任研究官。独・日・米
3カ国で4人を出産した経験もふまえ、ママこそ自分のカラダをもっといたわってほしい
と思いながら、診察や研究にいそしむ日々。
政府、少子化の緊急対策を決定
結婚・出産支援で危機突破
神戸新聞 2013 年 6 月 7 日
少子化社会対策会議であいさつする安倍首相。左は森少子化相=
7日午前、首相官邸
政府は7日、全閣僚で構成する少子化社会対策会議(会長・安倍
晋三首相)を開いた。結婚・妊娠・出産への支援を柱にした「少子
化危機突破のための緊急対策」を決定。
少子化社会対策会議であいさつする安倍首相。左は森少子化相=7日午前、
首相官邸
緊急対策は、有識者による政府の作業部会「少子化危機突破タスクフォース」の提言を
取り入れた。妊娠・出産に関する情報提供、産後の悩みや育児への不安に対応する「産後
ケア」の強化、地域の「相談・支援拠点」の整備を盛り込んだ。
待機児童解消などの「子育て支援」や、子育てと仕事の両立などの「働き方改革」も促
進する。
政府は、緊急対策の着実な実行を、経済財政運営の指針である「骨太方針」に盛り込む
考えだ。
住人の母子と確認
大分合同新聞 2013 年 06 月 06 日
大阪市北区のマンションで5月下旬、部屋に食料などがなく死後数カ月経過した状態で
見つかった2人の遺体について、大阪府警天満署は6日、DNA型の鑑定結果から、現場
の部屋に住む井上充代さん=当時(28)=と長男瑠海ちゃん=同(2)=と確認した。
天満署によると、2人は2月ごろ死亡したとみられる。死因は特定できておらず、詳し
い経緯を調べている。
身元判明を受け、大阪府中央子ども家庭センターは6日に記者会見。井上さんが同府守
口市に住んでいた昨年10月、瑠海ちゃんへの虐待や育児放棄(ネグレクト)を心配する
連絡が親族からあったことを公表した。
大阪母子死亡:託児所利用、10 月まで 以降は連絡途絶え 毎日新聞 2013 年 06 月 07 日
大阪市北区天満のマンションで母子とみられる女性と男児の遺体が見つかった事件で、
女性は昨年11月以降、男児を託児所に預けていなかったことが、捜査関係者への取材で
分かった。男児の体調不良を理由に予約を取り消し、以降は連絡が途絶えた。その後、男
児を医療機関で受診させた形跡もなく、大阪府警天満署は昨年11月以降に男児に異変が
あった可能性もあるとみて、経緯を調べている。
府警は6日、女性は部屋の住人の井上充代さん(当時28歳)で、男児は長男の瑠海(る
い)ちゃん(同2歳)と発表した。DNA型鑑定で確認した。
府警によると、2人は昨年10月、家族に知らせず大阪府守口市の自宅から北区のマン
ションに転居。先月24日に遺体が室内で発見され、司法解剖の結果、今年2月ごろまで
に死亡したとみられる。
井上さんは数年前から大阪・北新地で働き、昨年末まで複数の飲食店を転々とした。そ
の際、瑠海ちゃんを北新地に近い託児所に預けていた。しかし、昨年10月末、井上さん
は託児所に「息子は発熱したので休ませたい」と連絡を入れ、翌月の予約を取り消した。
以降は連絡が途絶え、瑠海ちゃんの姿を見た人はいないという。
一方、井上さんは昨年末まで連日、北新地の飲食店で勤務し、12月28日に約30万
円の給料を受け取って店を辞めた。その後、翌月下旬にかけ、求人募集している店に問い
合わせをしていたが、2月以降は井上さんの姿は目撃されていない。
井上さんの部屋には冷蔵庫がなく、
「最後におなかいっぱい食べさせてあげたかった」と
書かれたメモも見つかったこともあり、当初は2人が餓死した可能性も指摘された。しか
し、井上さんに収入があったことや、2人がやせ細った状態ではなかったことから、府警
は詳しい死因の特定を急いでいる。
一方、大阪府中央子ども家庭センター(児童相談所)は6日、昨年10月9日に瑠海ち
ゃんに対するネグレクト(養育放棄)を疑う通報を井上さんの親族から受けていたと発表
した。センターによると、同日、当時の井上さん宅(守口市)を職員が訪問すると、井上
さんは「子育てに困っていない」などと返答。職員は玄関から室内や瑠海ちゃんの様子も
確認し、異常はないと判断したという。センターは「対応に問題があったとは考えていな
い」としている。
「京都版トキワ荘」 市が入居者募る
京都新聞 2013 年 06 月 06 日
京町家で若者らが共同生活しながら漫画家を目指す「京都版トキワ荘」が、8月に京都
市上京区に誕生する。かつて手塚治虫さんら著名な漫画家が暮らしたアパートのように、
同じ志を持った仲間が研さんする場となるよう市が整備した。古都から世界で活躍する漫
画家の育成を目指す。
「トキワ荘」は東京都豊島区に1952年~82年まであった木造アパート。人気漫画
家だった手塚さんが居住したことから、漫画家志望の若者が集まった。赤塚不二夫さんや
藤子・F・不二雄さん、石ノ森章太郎さんらを輩出したことで知られる。
京都版トキワ荘は、京都国際マンガミュージアムやマンガ学部のある京都精華大、ゲー
ム会社が立地する京都の強みを生かした人材を育成しようと市が計画した。運営は、東京
で同様のプロジェクトを手掛けるNPO法人に委託する。
第1号となる男子寮は、上京区寺之内通堀川西入ルの京町家で敷地面積141平方メー
トル。シェアハウスで、風呂やトイレは共用となり、6畳や8畳の個室がある。定員は5
人。女子寮も同区内に開設予定で、9月から5人を募集する。市は、将来的に入居者50
人分となる計10カ所の整備を目指す。
入居者はマンガミュージアムの資料を利活用できるほか、プロの漫画家や出版社との勉
強会に参加ができるなど支援を受けられる。門川大作市長は「世界に羽ばたく漫画家が京
都から育ってほしい」と話す。
男子寮の申し込みは7月16日まで。対象は18~29歳。詳細は「京都版トキワ荘事
業」ホームページへ。問い合わせは京都市新産業振興室TEL075(222)3324。
小諸「複数担任制」検討 市教委、小1を対象に
信濃毎日新聞 2013 年 6 月 07 日
小諸市教育委員会事務局が、1学級に2人の担任教員を置く「複数担任制」導入を検討
し始めたことが6日、事務局などへの取材で分かった。柳沢恵二・市教育長によると、市
内全6小学校の1年生の全学級への導入を検討中で、実施時期は未定。同事務局によると、
小学校低学年を対象に「複数担任制」を実施している埼玉県朝霞市の事例などを参考にし
ており、
「まだ全国的にも導入例は少ないのではないか」としている。
現段階では、定年退職後の教員経験者(教員免許状等のある人)を市費で雇用し、各学
級に常時配置する考え。学級担任の通常の仕事をサポートする役割を担い、必要に応じて
児童に対する個別のケア、指導などをする。
同教育長らによると、市内小中学校では軽度発達障害の児童の増加に合わせ、学校生活
の手助けをする「支援員」
(教員免許状等の有無は不問)を増員しており、現在23人。
「対
症療法として増やしてきている」
(柳沢教育長)ことから、より有効な対応として、学校生
活の入り口となる小学1年生の段階で手厚いケアができる態勢を取れないか検討すること
にした。
現場の教員からも「複数担任制」導入を希望する声が出ているという。
現在1年生は6校計14クラスで、人材確保が課題になるとみられる。
柳沢教育長は「市在住者だけで14人を集めるのは至難の業」とし、近
隣市町村まで募集範囲を広げる必要があるとみている。
同教育長は6日の市議会6月定例会一般質問で、導入について聞く小
林重太郎議員の質問に対し「前向きに検討している」と説明。
「費用対効
果などを研究し、市長部局と十分に協議していきたい」と述べた。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行
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