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尋常性疣贅に対するモノクロロ酢酸(101006)

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尋常性疣贅に対するモノクロロ酢酸(101006)
ROCKY NOTE
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尋常性疣贅に対するモノクロロ酢酸(101006)
尋常性疣贅の小児を診察。液体窒素による紹介目的に専門医へ紹介したところ、疼痛で処置
が出来ないとのことで、モノクロロ酢酸で加療したとのことモノクロロ酢酸の効果を調べてみること
にした。以下の項目も参照を。
「疣贅の局所療法のまとめ」
http://rockymuku.sakura.ne.jp/hifuka/yuuzeinokyokusyotiryou.pdf
痛くない治療が求められる背景には疼痛があることと、自然治癒があり得ること、疼痛が少ない
治療法のオプションがあることなどが挙げられる。

Massing と Epstein の報告によると 24 週から 28 週で 24%が自然治癒している。1)

(札幌医療センターでは)液体窒素による凍結療法が 62%、モノクロロ酢酸が 22%、サリチル
酸と液体窒素が 13%であった。1)

(札幌医療センターでは)治療期間を見てみると、1 ヶ月以内が 29%、3 ヶ月以内が 13%、1
年以上は 8%であった。1)

液体窒素による凍結療法はスタンダードな治療であるが、最大の難点は施術した際と治療
後の痛みである。1)
参考文献 1 に紹介されていたモノクロロ酢酸の項目が具体的な方法と注意点がまとめられてい
て参考になるのて一部引用。
モノクロロ酢酸
試薬は、和光純薬工業のモノクロロ酢酸 15g に精製水 5ml で溶解し、ほぼ飽和状態となったも
のを用いる。若干結晶が残る。冷蔵庫に保存しておき、爪楊枝などで局所に塗布する。数分た
って、液が乾いた後帰宅してもらう。原則として週1回通院治療をしている。爪楊枝で少し刺すよ
うにするのがコツといわれているが、比較的大きなイボには爪楊枝の頭の部分を使うとよい。綿
棒だと液が吸い取られる恐れがある。報告では固まった角質を削るとなっているが、当院の経
験によると自然に剥れてくることも多く、削ってすぐまた塗布すると痛がる患者も多いようで無理
に削らないようにしている。モノクロロ酢酸治療の難点は鼻腔入口部や口唇部などの病変の治
療では、匂いと酸味のため適さないことがある。腐食作用、催涙作用があるので、取り扱いに注
意が必要で、家庭での治療には不適である。腐食が強すぎると若干の疼痛を訴える患者もい
る。
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(引用終わり)
札幌医療センター斗南病院のホームページにも患者向けの治療の紹介が行われている。
モノクロロ酢酸によるいぼ治療
モノクロロ酢酸は強い酸であり、皮膚を腐食する作用があります。この作用を利用して、いぼを
腐食させるという治療です。液体で浸透しやすい ため、液体窒素では治りにくいいぼ、特に足
底の難治性のいぼに効果があるといわれています。痛みも液体窒素より少ないため小児の患
者さんにも好評です。
方法
1. イボの部位に医師がモノクロロ酢酸を1~数回塗布します。
2. うちわなどで完全に乾かします。二週に一度行います。
・当日の入浴は避けていただきます。手の場合は数時間ぬらさないようにします。
・塗布時の痛みは液体窒素よりは少ないですが、傷があるとしみます。数時間~半日後に鈍痛
がある場合があります。
・反応が強いと水ぶくれや、皮膚の壊死を起こすことがありますが軟膏治療で改善します。
( 札幌医療センター斗南病院のホームページ http://www.tonan.gr.jp/tonan/hifu/07.html )
PubMed ではあまり有用な論文を検索できなかったが、Free word で「monochloroacetic acid
Verruca vulgaris」で検索したところ、参考文献 2 がヒットした。抄録しか確認できなかったが、サリ
チル酸と併用することで有効であったという結論であった。(批判的吟味は出来なかったが結果だ
け計算してみる。)
RRR:1-66/18=-2.67 治癒する患者が 267%増加
ARR:18-66=-48 治癒する患者が 48%増加
NNT:1/ARR=-2.1 2.1 人治療すると一人の治癒を認める(6 週間)
Nineteen (66%) patients in the active treatment group compared with five (18%) patients in the
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placebo group were cured after 6 weeks (P = 0.002). The active treatment was associated with a
significantly higher cure rate 6 months after entry (P = 0.04).
モノクロロ酢酸とスピール膏を組み合わせた治療を行っている皮膚科医の先生のブログもあっ
た。( http://blog.livedoor.jp/shimuraskinclinic/archives/cat_50045922.html )
もちろん注意は必要な処置だが、なんだかプライマリ・ケア医にとっても比較的敷居の低い治療
のような気がする。1~2 週間に 1 回通院が必要なようなので、どうしても遠方の皮膚科へ通院が
困難な患者ではチャレンジしてもいいかもしれない。
参考文献
1.
Ichiro Tsukinaga: Painless therapy for viral warts , Journal of the Japan Organization of
Clinical Dermatologists 24: 8-11, 2007 .
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jocd/24/1/24_8/_article
2.
Steele K, Shirodaria P, O'Hare M, Merrett JD, Irwin WG, Simpson DI, Pfister H.
Monochloroacetic acid and 60% salicylic acid as a treatment for simple plantar warts:
effectiveness and mode of action. Br J Dermatol. 1988 Apr;118(4):537-43.
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