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頬粘膜圧痕(白線)(090312)
ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html 頬粘膜圧痕(白線)(090312) 60 台女性。頬粘膜~下口唇に一列に並ぶ線状から丘疹状の白色隆起。痛みは無い。テレビを 見て癌が心配になったということで来院。 歯列の隙間に一致しており、明らかに悪性の所見は無し・・・。歯科の先生にも確認してもらった が、頬粘膜圧痕+舌圧痕で間違いないとのこと。頻度が多く、たまに質問されることがあるので、 これを機会に勉強してみた。 (参考文献 5 より引用:良く見かけます。) この線状の隆起は Occlusal line(咬合線)、linea alba、white line(白線)、頬粘膜圧痕(buccal mucosa ridging)など様々な呼び名があるようだ。 参考文献 2 によると、咬合線には、角化して白色の程度が弱いものと、強いものがあり、強いも のは白線といい、弱いものと強いものとを合わせて頬粘膜圧痕というと記載されている。舌に存在 する圧痕を舌圧痕(tongue indentation)と呼ぶ。 参考文献 1 のポイントをまとめてみる。 □ 頬の内側に、咬み合わせた上下の歯の線に沿って、軽度の隆起を伴った白線を認める □ 発生頻度は 61% □ 女性に多く、20 代に好発(参考文献 3 も参照を) □ Occlusal line(咬合線)、linea alba、white line、白線、頬粘膜圧痕など様々な呼び名がある □ 通常痛みはない(頬咬みの場合には疼痛はあるが、それ以外には自覚症状無し) □ 範囲が変化することはない □ 成因は①咬頬癖(cheek chewing)、②頬吸引癖(cheek sucking)、③噛みしめ・くいしばり (clenching)④顎関節症などが考えられる ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html □ 頬粘膜圧痕部に圧力が加わるのは、唯一、嚥下運動時であったという研究結果もあり、一日 650~1500 回の嚥下時にその圧痕が形成され、その圧迫力が強いと白く(角化)なるものと考 えられている(おそらく参考文献 4 のことと思う) □ 喫煙と強く関連している白色浮腫や、口腔カンジダ症、口腔扁平苔せん等との鑑別が必要 □ 普通の頬粘膜圧痕(頬粘膜の白線)は治療の必要なし □ 頬咬癖の場合はスプリントを装着する場合がある (参考文献 4 より引用) (参考文献 4 より引用) 特に症状と関連はなさそう。vertical dimension(顎間垂直距離)と関連すると記載されている。い ずれにしても、無用な心配をさせないことが重要と思う。 ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html (参考文献 3 より引用) 参考文献 1. 安田歯科医院 http://yasudadental.cocolog-nifty.com/dental/2005/09/post_8a15.html 2. 歯科学ノート http://konoclinic.blog.so-net.ne.jp/2007-12-29-1 3. Takagi I, Sakurai K.. Investigation of the factors related to the formation of the buccal mucosa ridging. J Oral Rehabil. 2003 Jun;30(6):565-72. 4. Piquero K, Ando T, Sakurai K.. Buccal mucosa ridging and tongue indentation: incidence and associated factors. Bull Tokyo Dent Coll. 1999 May;40(2):71-8. 5. DentalMedSoft, Inc. ホームページ.http://www.dentalmedsoft.com/ ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html