好酸球性血管浮腫 Episodic (non-episodic) angioedema with

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好 酸 球 性 血 管 浮 腫 Episodic (non-episodic) angioedema with eosinophilia(EAE,
NEAE)（120328）
30 代女性。四肢・顔面にむくみが出現し、増悪しているとのことで来院。頚部から肩の筋肉痛に
対してロキソプロフェンを処方されており、処方後から症状が増悪していた。NSAIDｓを中止したと
ころ速やかに浮腫は軽快した。今回のように原因がはっきりしていれば対応もしやすいが、そうで
なければ検査に頼ることも多いと思う。若い女性に多い浮腫といえば、特発性浮腫や好酸球性血
管浮腫を想起するが、好酸球性血管浮腫について知識を整理しておこうと思う。
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臨床像

20～30 歳代の若年女性に好発する四肢末梢の血管浮腫 2)

（繰り返す）血管性浮腫 1)

体重増加 1)2)

蕁麻疹 1) 2)

発熱 1) 2)

著明な末梢血好酸球増加 1) 好酸球数は疾患の活動性と相関する 2)

皮膚組織への好酸球浸潤（臓器障害）を認めない 1)

予後は良好 1)

少量のステロイド薬が有効だが、数ヵ月で自然寛解する症例も多い 2)

本邦では再発する例は少なく、non-episodic angioedema with eosinophilia, NEAE のタイ
プが多い 2)
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鑑別診断

好酸球増多症候群（Hypereosinophilic syndrome; HES）→皮膚以外に心臓、神経、肺、
消化管などの臓器障害がみられる。心電図やエコー、X 線写真なども評価すること 1)2)

寄生虫疾患 1)

アレルギー性疾患 1)

Churg-Strauss 症候群→小血管の血管炎による臓器障害に好酸球増加、喘息症状を認
める。2)

リウマチ性疾患→関節痛を伴う場合 2)
文献 3～6 は抄録だけの確認だが、重要そうなところを抜き出してみる。
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EAE 例は女 6 例、男 2 例。平均年齢 28.3±3.3 歳(他の HEAD33 例 47.4±14.4 歳)。6)
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末梢血好酸球数最大値 8991±6905/μL、IgE 147±481U/mL、CRP 0.26±0.63mg/dL、
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ESR 5.7±2.1mm/hr 3)
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末梢血好酸球数は 5390 から 18400/μｌと著明に上昇。4)

末梢血白血球数 16038±5238/μL、好酸球数 8915±4166/μL、ECP 63～257μg/L、IgE
119±79U/mL(他の HEAD 例 2580±4798U/mL)、CRP 0.6±1.1mg/dL、ESR 8.4±3.5mm/h。
4)

関節痛は 6 例（50％）、全例 10 日から 60 日以内に症状が軽快した。ステロイドを増量または
開始したのは 3 例（25％）だった。3)
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7 例中 5 例（71％）に膝、足、手などの関節痛を自覚し、うち 2 例（29％）に炎症所見が陽性で
関節リウマチを始めとしたリウマチ性疾患の鑑別が必要であった。4)

症状は、遠位に強く圧痕を残さない四肢と関節周囲の浮腫、関節痛が主で、内臓臓器障害
は認めなかった。6)

治療は、抗アレルギー剤が 2 例に投与されたが他は無治療で 3 ヶ月程度の経過で軽快した。
4)

日本人における好酸球性血管浮腫はステロイドを要さずに自然緩解する可能性が高いため、
ステロイド投与を避けて観察することが推奨される。3)

EAE は著しい好酸球増多を呈するが、若い年齢の女性に多く、IgE 値が低く、皮膚関節症状
にとどまり、ステロイド治療を必要としない病態と想定された。
知っていれば、あまり慌てなくて済みそう。病歴はもちろん、一般採血、心電図、心エコー、腹部
エコー、X 線写真などは評価して、より重大な疾患については除外しておきたいと思う。
参考文献
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須藤 博.Dr.須藤のビジュアル診断学.第 6 回「四肢・関節シリーズ」.診療の達人 2009 年 1 月
号.
2.
宮田靖志、中川紘明.プライマリ・ケアの現場で役立つ一発診断 100.東京,文光堂,2011.
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仲地真一郎, 猪熊茂子, 浅島弘充, 松尾佳美, 六反田諒, 萩原清文, 小林祥子.P2-16-1
当院における好酸球性血管浮腫 12 例の検討と 治療の要・不要.ア レルギー 60(3/4):
496-496, 2011.
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佐藤健夫, 猪熊茂子, 萩原清文, 小林祥子, 秋山修.74 当科における好酸球性血管浮腫症
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5.
塩澤史隆, 猪熊茂子, 岡崎優子, 森美賀子, 田中良明, 瀬戸口京吾, 黨康夫, 河野肇, 古
田島理佐.328 好酸球性血管浮腫 8 例の検討.アレルギー 52(2/3): 382-382, 2003.
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