Comments
Description
Transcript
Ⅰ 国際関係 07・01 オバマ米大統領が核開発を続けるイランに対する
大西 利尚・大野圭一郎 細川 洋嗣・本間 麻衣 編 本蔵 一茂 (共同通信) Ⅰ 国際関係/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別 2010 年 7 月 1 日− 31 日 Ⅰ 国際関係 07 ・ 01 オバマ米大統領が核開発を続けるイランに対する米国独自の圧力強化策としてガソ リン禁輸などを柱とした制裁法案に署名、同法が成立 06 食品の国際的な基準を作る政府間組織「コーデックス委員会」が中国製の粉ミルクに混 入し乳幼児に大きな被害が出た有害化学物質メラミンについて人為的な混入を一切認め ない新基準を設定すると発表 エリザベス英女王が国連総会で 53 年ぶりに演説しテロとの戦いや気候変動などの新たな 挑戦への取り組み強化、貧困撲滅や世界平和実現へのさらなる努力を訴え 07 IMF が世界経済見通しを改定し 2010 年の世界全体の実質 GDP を前年比 4.6% 増と予想、4 月見通しを 0.4 ポイント上方修正、アジアを中心に 2010 年前半の貿易や生産活動が予想 以上に好調だったことが主因、日本の成長率も 2.4% 増と 0.5 ポイント引き上げ OECD が 2010 年の雇用見通しを発表、2010 年 1 ― 3 月期の加盟国の平均失業率は 8.7% と 第 2 次世界大戦後最も高い水準で推移 08 米司法省がロシアのスパイ団事件で男女 10 被告について欧米のスパイとしてロシアで 服役していた 4 人と交換することで米ロ両国政府が合意したと発表、冷戦後では最大規 模の交換、8 日の公判で 10 被告全員が罪を認め強制送還処分 09 国連安保理が韓国哨戒艦沈没事件に関する公式会合で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮) の名指しを避け攻撃国を特定せずに非難する議長声明を採択、10 日、北朝鮮が議長声明 に明白な判断や結論がないと指摘する抑制的な反応を示し非核化努力も表明 11 サッカーのワールドカップ(W 杯)南アフリカ大会の決勝でスペインが延長の末にオラ ンダを 1 ― 0 で破り初優勝(← 6 月 11 日) 12 メドベージェフ = ロシア大統領が「イランは核兵器製造が可能な技術の保有に近づいて いる」と警告、核開発を続けるイランに対して国際社会がより厳しい態度で臨む必要が あるとの認識を表明 20 新エネルギーや省エネ技術の開発、普及を進めるための方策を話し合うクリーンエネル ギー閣僚級会合が電気自動車や次世代送電網「スマートグリッド」、二酸化炭素の地中 貯留などの分野で国際協力を推進していくことで合意(← 19 日、ワシントン) アフガニスタンの治安問題などを協議する閣僚級国際会議開催(カブール) 、カルザイ = アフガニスタン大統領が 2014 年までに治安を確立するとの目標を表明 22 国際司法裁判所(ICJ)が 2008 年 2 月のコソボによるセルビアからの独立宣言は国際法 上合法と判断、タディッチ = セルビア大統領が反発、ロシア外務省も「独立を認めない 立場に変わりはない」との声明を発表 国連貿易開発会議(UNCTAD)が 2010 年版の「世界投資報告」で各国が 2010 年に受け 入れる外国からの直接投資額は 1 兆 2000 億ドル(約 104 兆円)を上回るとの見通し 23 国連人権理事会がイスラエルが境界封鎖しているパレスチナ自治区ガザへ向かっていた 国際問題 No. 594(2010 年 9 月)● 52 国際問題月表 国際支援船団をイスラエル軍が地中海の公海上で急襲、乗船者 9 人を殺害した事件で国 際法違反の有無を調査するため独立した調査委員会の設置を発表 25 韓国海軍哨戒艦沈没を受け米韓両軍が大規模な合同軍事演習を開始(→ 28 日、日本海) 、 北朝鮮側が核兵器で対抗する姿勢を強調 26 EU 外相理事会がイランに対しエネルギー分野への投資禁止、金融取引の制限などを柱 とする独自の追加制裁を決定、27 日発動 ロシア外務省がイランの核兵器保有が近いと警告したメドベージェフ大統領をアハマデ ィネジャド = イラン大統領が批判したことについて「絶対に受け入れられない」と非難 の声明 キャノン = カナダ外相が核開発を続けるイランの石油、ガス産業への新規投資を禁じる などの新たな独自制裁を決め即時実施したと発表 28 ユネスコの世界遺産委員会が緊急保全対策が必要とされる「危機遺産リスト」に登録さ れていたエクアドル領ガラパゴス諸島を 3 年ぶりにリストから削除すると決定、31 日、 冷戦下で米国が核実験を繰り返したマーシャル諸島のビキニ環礁の世界遺産(文化遺産) 登録を決定(ブラジリア) 中東のペルシャ湾とオマーン湾の間にあるホルムズ海峡を航行していた商船三井の原油 タンカー「M ・ STAR」 (マーシャル諸島船籍)の船体後部にある救命艇付近で爆発が起 き乗組員のインド人 1 人が軽傷 29 IMF が中国経済に関する年次審査報告書を発表、焦点の人民元評価は「元相場が中期的 な(適正)水準を著しく下回る」とする事務当局の従来の主張を明記 Ⅱ 日本関係 07 ・ 01 6 月の日銀短観(短期経済観測調査)で大企業製造業の業況判断指数がプラス 1 で 2 年ぶりにプラスに 05 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルに入っていた 岩石試料の収納容器に微粒子が入っていたと発表 06 日本とインド両政府が外務・防衛の次官級定期対話(2 プラス 2)を初開催(ニューデリ ー)、ソマリア沖からインド洋に活動範囲を広げている海賊対策のほかテロ対策などで 引き続き両国間の連携を確認、安全保障分野での協力をさらに深めていく必要性で一致 07 岸信介首相が日米安保条約改定(1960 年)に際し条約の適用範囲を「太平洋地域」に拡 大する米国案に「朝鮮、台湾の巻き添え」を懸念し賛同しなかったことが公開された外 交文書で判明 東京地方裁判所が日本の調査捕鯨船乗組員に対する傷害などに問われた反捕鯨団体「シ ー・シェパード」のベスーン被告に執行猶予付き有罪判決 08 新潟水俣病の未認定患者ら 125 人が国と原因企業の昭和電工に損害賠償を求めた訴訟で 新潟地裁が原告、被告双方に和解を勧告 11 第 22 回参議院選の投開票、民主党が 44 議席で大敗、非改選を含めた与党議席は過半数 割れ、自民党は 51 議席で改選第 1 党、みんなの党が躍進し 10 議席獲得 14 IMF が日本経済に関する年次審査報告を正式発表し「周期的な景気回復を利用し 2011 年 度から財政再建に着手すべきだ」と明記、 「消費税率の段階的な引き上げ」を要請 国際問題 No. 594(2010 年 9 月)● 53 国際問題月表 業務用の電子メールを削除し金融庁の検査を妨害した疑いが強まったとして警視庁が銀 行法違反の疑いで日本振興銀行の木村剛前会長ら 5 人を逮捕 15 東京第 1 検察審査会が資金管理団体「陸山会」の収支報告書虚偽記入事件の 2007 年報告 書分について不起訴となった小沢一郎前民主党幹事長について「不起訴不当」と議決 16 殺人未遂罪などに問われた元日本赤軍最高幹部の重信房子被告について最高裁判所が上 告を棄却する決定をしたことが判明、懲役 20 年とした 1、2 審判決が確定 19 防衛省が沖縄県の先島諸島周辺での中国海軍の活発な活動を踏まえ宮古島などに陸上自 衛隊の国境警備部隊、与那国島に沿岸監視部隊を 5 ― 8 年後に配備することを検討して いることが判明 20 大韓航空機爆破事件の実行犯である金賢姫元北朝鮮工作員が拉致被害者横田めぐみさん の両親らと会うため来日、被害者家族と面会したが新証言は出ず(→ 23 日) 22 防衛省が韓国海軍哨戒艦沈没を受け米韓が日本海で実施する合同軍事演習に海上自衛官 4 人がオブザーバー参加すると発表 23 岡田克也外相とクリントン米国務長官が会談(ハノイ)、米軍普天間飛行場(沖縄県宜 野湾市)の代替施設の場所や工法の検討を 2010 年 8 月末までに完了させるとした 5 月の 日米共同声明を確認 27 政府が 2011 年度予算の概算要求基準を閣議決定、成長戦略などに充てる 1 兆円超の特別 枠を設定、財源として全省庁一律 10% 削減 口蹄疫問題で宮崎県が県内で最後に残っていた宮崎市の発生農場を中心とする家畜の移 動、搬出制限区域を解除、東国原英夫知事が非常事態宣言の全面解除を発表 日本のポータルサイト最大手のヤフーが米インターネット検索最大手のグーグルと日本 での検索・ネット広告の事業で提携すると発表 28 東京拘置所で 2 人の死刑執行、政権交代後初めてで千葉景子法相が異例の立ち会い 日本航空の管財人を務める企業再生支援機構が 5215 億円の債権放棄を柱とした更生計画 案について主力取引銀行などの合意を得られる見通しになったと発表 29 民主党が参院選大敗を総括する党両院議員総会を開催、菅直人首相が消費税率 10% への 言及を陳謝し 9 月の代表選への出馬を表明 30 第 175 臨時国会召集、衆参「ねじれ国会」が再来、参院議長に民主党の西岡武夫氏、副 議長に自民党の尾辻秀久氏を選出 31 総務省が 2010 年 3 月末時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査を発表、死亡数が出生 数を上回る自然減が約 7 万人と過去最多を記録 Ⅲ 地域別 ●アジア・大洋州 07 ・ 03 中国政府が 2010 年 3 月に各国が領有権を主張する南シナ海を中国領土保全の「核心 的利益」とする新方針を米高官に対し表明したことが判明 07 ザルダリ = パキスタン大統領と胡錦濤中国国家主席が会談(北京)、エネルギーや交通 のインフラ建設などでの協力強化で一致 09 中国の2010 年上半期の国内新車販売台数が前年同期比 47.7% 増の901 万6100 台と過去最高 15 在韓国連軍司令部と北朝鮮の朝鮮人民軍が韓国海軍哨戒艦沈没事件で実務協議、軍事休 国際問題 No. 594(2010 年 9 月)● 54 国際問題月表 戦委員会の将官級会談の開催で原則合意 クリシュナ = インド外相とクレシ = パキスタン外相が会談(イスラマバード)、包括対 話の再開を目指す会談の継続で合意 ソウル高等裁判所が韓国留学中に北朝鮮スパイ事件で服役した在日韓国人の李宗樹さん の再審公判で容疑捏造と認定し無罪判決 中国の 4 ― 6 月期の実質 GDP が前年同期比 10.3% 増、景気に過熱感が出ていた 1 ― 3 月期 の 11.9% から減速 16 国際刑事警察機構(ICPO)がサッカー W 杯南ア大会中にアジア各地でサッカー賭博を 摘発、5000 人以上逮捕、約 1000 万ドル(約 8 億 7000 万円)を押収と公表 17 ギラード = オーストラリア首相が連邦議会下院を解散、8 月 21 日に総選挙実施と発表 20 ASEAN 外相会議が東アジアサミットを拡大して米国とロシアを参加させることで正式 合意、21 日の同サミットの外相非公式協議で承認(ハノイ) 21 米韓両国の外務・国防担当閣僚による初会談開催(ソウル)、クリントン米国務長官は 北朝鮮指導部の資産を標的にした金融制裁などを実施すると表明 24 ASEAN 地域フォーラム(ARF)閣僚会議が議長声明で北朝鮮の名指しを避け「攻撃に より引き起こされた韓国の哨戒艦沈没に深い懸念」を表明(← 23 日、ハノイ) 26 カンボジアの旧ポル・ポト政権の大虐殺をめぐり元幹部を裁く特別法廷が人道に対する 罪などに問われた元政治犯収容所長に禁固 35 年の判決、特別法廷での判決は初めて 27 ミャンマー軍事政権トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長とシン = インド首相 が会談(ニューデリー)、両国国境付近で活動するインドの反政府武装勢力の取り締ま りやミャンマーの天然ガス田開発など資源分野での協力を強化する共同声明を発表 28 パキスタンの首都イスラマバードで 152 人が乗った地元航空会社の旅客機が墜落、全員 死亡 韓国で国会の 8 議席をめぐる再・補欠選挙の投票が行なわれ中央選挙管理委員会の開票 結果によると与党ハンナラ党が 5 議席を獲得、選挙前の 1 議席を大きく上回り勝利 29 キャメロン英首相とシン首相が会談(ニューデリー)、軍事、経済を軸とする幅広い分 野での協力関係強化を確認する共同声明を発表 鄭雲燦韓国首相が辞任を表明、中央官庁移転計画撤回に関する法案の国会否決で引責 ●中近東・アフリカ 07 ・ 02 ネタニヤフ = イスラエル首相がパレスチナ自治区ガザへの支援船をイスラエル軍が 急襲、トルコ人乗船者 9 人を射殺した事件について「謝罪することはできない」とトル コ政府の謝罪要求をあらためて拒否 05 イスラエル政府がガザ境界の封鎖緩和策を発表、食料や日用品など民生品の多くが搬入 可能に、セメントや鉄材など建設資材の制限は維持 07 イラクの首都バグダッド北西部でイスラム教シーア派の巡礼者を狙った自爆テロがあり 35 人が死亡、同様なテロは 6 日から 8 日まで 3 日連続発生、80 人以上が死亡、25 日、中 部のイスラム教シーア派聖地カルバラ近くで車 2 台に仕掛けられた爆弾が爆発、巡礼者 ら 25 人が死亡 11 ウガンダの首都カンパラのレストランなどでサッカー W 杯南ア大会決勝戦の観戦客を狙 国際問題 No. 594(2010 年 9 月)● 55 国際問題月表 った自爆テロ、76 人が死亡、ソマリアのイスラム過激派組織アッシャバーブが犯行を認 める声明 13 サウジアラビアで 2009 年 6 月ごろに消息を絶ったイランの原子力科学者シャハラム・ア ミリ氏を在米パキスタン大使館内のイラン利益代表部で保護、イランは米情報機関に拉 致されたと主張、クリントン米国務長官がそれを否定、15 日、同氏はイランに帰国 15 イラン南東部シスタンバルチェスタン州の州都ザヘダンのモスク(イスラム教礼拝所) 前で爆発があり革命防衛隊の隊員数人を含む 27 人が死亡、約 270 人が負傷、スンニ派武 装組織ジュンダラが自爆テロと犯行声明 18 バグダッドと西部カイムでイラク政府による国際テロ組織アルカイダ掃討作戦に協力し ているイスラム教スンニ派部族らの治安組織「覚せい評議会」を狙った自爆テロが相次 ぎ 48 人が死亡 20 9 月に期限を迎える米国仲介のイスラエルとの間接交渉を直接交渉に格上げする問題で アッバス = パレスチナ自治政府議長が「むやみに進むことはできない」と述べ早期の直 接交渉入りに否定的な姿勢、29 日、アラブ連盟の外相級会合が直接交渉開始を原則的に 支持し開始時期や条件はアッバス議長の判断に委ねることを決定(カイロ) 25 北および西アフリカで活動するアルカイダ系の「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ 組織」が 2010 年 4 月に誘拐したフランス人男性の人質を 24 日に処刑したと発表、22 日 のフランス軍による人質救出作戦でメンバーが殺害されたことへの報復、26 日、サルコ ジ = フランス大統領が報復を宣言 26 バグダッドで中東の衛星「テレビ・アルアラビーヤ」のバグダッド支局を狙ったとみら れる自爆テロがあり警備員ら 4 人が死亡、16 人が負傷、29 日、アルカイダ系武装勢力 「イラク・イスラム国」が犯行を認める声明 27 アフリカ連合(AU)首脳会議が内戦状態が続くソマリアに展開している AU の 6000 人 規模の平和維持活動(PKO)部隊をさらに数千人増強することで合意し閉幕(← 25 日、 カンパラ) 30 アサド = シリア大統領がアブドラ = サウジアラビア国王とともに約 5 年ぶりにレバノン を訪問、スレイマン = レバノン大統領と会談し宗教宗派間の暴力の回避やレバノンの安 定の重要性を強調したとする声明を発表 ●欧 州 07 ・ 01 スウェーデンが 100 年以上にわたって維持してきた徴兵制を正式に廃止 03 クリントン米国務長官がシコルスキ = ポーランド外相と会談、弾道ミサイル迎撃用ミサ イル SM3 の 2018 年までの配備で合意(ワルシャワ) 04 フランスのブラン首都圏開発担当相とジョワイヤンデ協力・フランス語圏担当相が辞任、 葉巻 1 万 2000 ユーロ(約 130 万円)分を購入するなど公費流用疑惑が報じられており事 実上の解任 ポーランドでカチンスキ大統領が 4 月に航空事故死したことに伴う大統領選の決選投票 実施、ロシアや EU との関係を重視する下院第 1 党の中道右派「市民プラットフォーム」 のコモロフスキ大統領代行(下院議長)が当選 06 サルコジ = フランス大統領が 2007 年の大統領選の際に富豪から選挙資金として 15 万ユ 国際問題 No. 594(2010 年 9 月)● 56 国際問題月表 ーロ(約 1660 万円)を受け取っていた疑いがあるとメディアが報道、12 日、サルコジ 大統領が疑惑を全面否定、29 日、捜査当局がブルト労相を参考人として事情聴取 07 フランスの首都パリの軽罪裁判所が麻薬取引で得た裏金をフランスの金融機関に移しマ ネーロンダリング(資金洗浄)したとして訴追されたパナマの元最高実力者ノリエガ被 告に禁固 7 年の判決 ドイツ政府が赤字財政の再建に向け 2011 年予算案と 4 年間で計約 820 億ユーロ(約 9 兆 円)の歳出削減などを盛り込んだ中期(2011 ― 14 年)財政計画案を閣議決定 08 ガシュパロビッチ = スロバキア大統領が保守のスロバキア民主キリスト連合の女性幹部 イベタ・ラディツォバー前労働・社会問題・家庭相を首相に任命、同国初の女性首相 12 スイス司法省が約 30 年前の米国での少女淫行事件のため同国で身柄を拘束され軟禁状態 に置かれていた映画『戦場のピアニスト』のポランスキー監督の身柄を米国に移送しな いことを決定、釈放 13 フランス政府が法定退職年齢を現在の 60 歳から 2018 年までに 62 歳へ引き上げることを 骨子とした年金制度改革案を閣議決定 フランス国民議会(下院)がイスラム教徒の女性の全身を覆う衣装ブルカなどを公共の 場所で着用することを禁じる法案を賛成多数で可決、イスラム急進派の浸透を防ぐこと などが狙い クラウス = チェコ大統領が第 2 党で右派の市民民主党党首のペトル・ネチャス首相率い る内閣の閣僚を任命、同党など 3 党による中道右派連立内閣が発足 15 欧州自動車工業会が欧州 28 ヵ国の 6 月の新車登録台数(乗用車)が前年同月比 6.2% 減 の 138 万 3445 台だったと発表、3 ヵ月連続で前年同月を下回る 23 スイス南部バレー州で日本人観光客多数を乗せた観光列車「氷河特急」が脱線、兵庫県 尼崎市の女性 1 人が死亡し日本人 28 人が負傷、30 日、スイス政府運輸当局が事故は速度 超過が原因だったとする調査結果を発表、人的ミスと断定 欧州銀行監督委員会が域内 91 銀行の健全性を審査する「ストレステスト」の結果を公 表、計 7 行が資本不足で「不合格」に 27 英石油大手 BP が 2010 年 4 ― 6 月期連結決算を発表、メキシコ湾の原油流出事故の処理費 用が負担となり純損益が 171 億 5000 万ドル(約 1 兆 5000 億円)と英国企業の四半期決算 としては過去最悪の赤字 28 スペイン北東部カタルーニャ自治州議会が自治州内での闘牛を 2012 年 1 月 1 日から禁じ る条例を賛成多数で可決、スペイン本土では初めて 30 EU の統計機関ユーロスタットがユーロ圏(16 ヵ国)の 6 月の失業率(季節調整済み)が 前月と同じ 10.0% と発表、2 桁台は 4 ヵ月連続 イタリア与党の自由国民のナンバー 2 のフィーニ下院議長がベルルスコーニ首相との路 線対立から新たな政治グループ「イタリアのための未来と自由」の創設を決定、下院で 与党は過半数割れに ●独立国家共同体(CIS) 07 ・ 02 キルギス中央選管が 6 月 27 日の国民投票の結果を発表、新憲法案が承認を受けて発 効しオトゥンバエワ暫定大統領の 2011 年 12 月 31 日までの暫定大統領としての任期も承認 国際問題 No. 594(2010 年 9 月)● 57 国際問題月表 04 ロシア国防省が北方四島の択捉島で大規模な軍事演習を実施したと発表、日本政府の演 習中止要求は無視 05 ロシア、カザフスタン、ベラルーシが関税同盟について首脳会議開催(アスタナ)、メ ドベージェフ = ロシア大統領は会議後 3 ヵ国が統一法の導入に関する声明に署名したと 表明、6 日、ロシアとのガス紛争などで関税同盟関係会合を欠席していたベラルーシが 同盟に復帰 クリントン米国務長官がサーカシビリ = グルジア大統領との会談後の共同記者会見でグ ルジアの主権と領土の統一性を支持すると表明、2008 年のグルジア紛争後に南オセチア とアブハジア自治共和国のグルジアからの独立を一方的に承認したロシアを暗に批判 06 リャプコフ = ロシア外務次官が米国とポーランドが合意した弾道ミサイル迎撃用ミサイ ル SM3 の地上配備について「目的が不明確だ」と述べ不快感を示す 07 ロシア下院が日本が第 2 次大戦の降伏文書に調印した 9 月 2 日を大戦終結の記念日として 新たに制定する法案を賛成多数で可決、26 日、ロシア大統領府はメドベージェフ大統領 が 25 日までに 9 月 2 日を事実上の「対日戦勝記念日」に制定する法改正案に署名したと 発表、法改正が成立 14 シマトコ = ロシアエネルギー相が核開発を継続するイランのミルカゼミ石油相と会談、 石油や天然ガス分野での協力を強化する共同声明に署名(モスクワ) 21 ロシア南部カバルジノ・バルカル共和国で武装集団がバクサン水力発電所を襲撃し警備 員 2 人を殺害、2 人負傷 30 6 月から記録的な猛暑が続くロシアで森林火災が拡大、この日までに少なくとも 30 人が 死亡、モスクワでは 29 日に観測史上最高の 38.2 度を記録 ●北 米 07 ・ 01 オバマ米大統領が雇用や麻薬の問題と密接に絡んで深刻な社会問題となっている不 法移民について初めて演説、連邦政府による包括的な政策見直しが必要だと強調 2010 年上半期の米新車販売台数が前年同月比 16.7% 増の 561 万 4023 台と 5 年ぶりに回復 02 米労働省が発表した 6 月の雇用統計によると景気動向を敏感に反映する非農業部門の就 業者数は前月比 12 万 5000 人減と半年ぶりに減少、減少幅は 2009 年 10 月(22 万 4000 人 減)以来 8 ヵ月ぶりの大きさ 06 オバマ大統領がネタニヤフ = イスラエル首相と会談(ワシントン)、パレスチナ自治政 府との直接和平交渉の早期開始で一致 07 米司法省が 2009 年 9 月に発覚したニューヨークの地下鉄を狙った爆破テロ計画で新たに 国際テロ組織アルカイダのメンバーら 5 人を殺人謀議などの容疑で訴追したと発表 08 米財務省が外国為替報告書を発表、中国が 6 月に発表した人民元相場の弾力化について 「重要な進展」と評価しながらも切り上げを求めていく姿勢を強調 13 米財務省が発表した 6 月の財政収支によると 2010 会計年度の赤字額は 9 ヵ月間の累計で 1 兆 40 億 2800 万ドル(約 98 兆円)となり 2 年連続で 1 兆ドルの大台を突破 15 米上院が金融危機の再発防止に向け規制を大幅強化する金融規制改革法案を可決、1930 年代以来の抜本的な見直し実現へ、21 日、オバマ大統領が同法案に署名し成立 米ルイジアナ州沖のメキシコ湾で原油流出事故を起こした英石油大手 BP が流出源の油 国際問題 No. 594(2010 年 9 月)● 58 国際問題月表 井に設置した密閉ぶたにより海中への原油流出が完全に止まったと発表 20 キャメロン英首相が米国を初めて公式訪問しオバマ大統領と会談(ワシントン)、原油 流出事故を起こした BP の損害賠償責任を確認、同社の企業力維持が両国にとって重要 との認識で一致 米電子機器大手アップルが 2010 年 4 ― 6 月期決算で売上高が 157 億ドル(約 1 兆 3700 億 円)と過去最高を更新、 「iPad」の大ヒットが要因 25 アフガニスタンでの軍事作戦や情報活動の内情を示す機密文書 9 万点以上を民間のウェ ブサイト「ウィキリークス」が公表、文書の一部はパキスタンの情報機関がアフガン反 政府武装勢力タリバンと秘密裏に協議し米兵襲撃を計画したと指摘 27 米下院軍事委員会が日本問題に関する公聴会を開きファネスティール米海軍次官補が 2014 年までに完了することになっている在沖縄海兵隊約 8000 人のグアム移転について グアムの社会基盤整備の遅れのために先送りする考えを表明、米国防総省が 2014 年完了 を断念する内容を盛り込んだグアムの環境影響評価の最終報告を公表 28 米アリゾナ州フェニックスの連邦地裁が不法移民摘発強化を目指す同州の新移民法の主 要部分の施行を差し止め、同法を違憲と提訴していた政府が勝訴 ●中南米 07 ・ 01 ペルー南部の世界遺産マチュピチュ遺跡へのほぼ唯一の交通手段で豪雨被害により 1 月下旬から寸断されていた鉄道が全面復旧、約 5 ヵ月ぶりに遺跡観光が正常化 07 キューバのカトリック教会トップのオルテガ枢機卿がラウル・カストロ国家評議会議長 らと会談、同国政府が政治犯 52 人の釈放を決定(ハバナ) フィデル・カストロ = キューバ前国家評議会議長がハバナの研究機関を訪問、2006 年に 病気療養入りした後公の場に外出したことが確認されたのは初 15 アルゼンチン上院が同性婚を認める法案を可決、法案成立、保守的なカトリックの影響 が強い中南米諸国で国が法律で同性婚を規定したのは初 19 スリナム国会が過去に 2 回クーデターを起こしたデシ・ボーターセ元国軍司令官を大統 領に選出 20 チャベス = ベネズエラ大統領が反政府系の報道専門テレビ局「グロボビシオン」の株式 を半数ほど政府が保有し近く取締役会のメンバーに政府代表を派遣すると発表 22 チャベス大統領がコロンビアと断交すると発表、非合法左翼ゲリラのコロンビア革命軍 がベネズエラ領内に宿営し活動しているのを同国政府が黙認しているとコロンビア側が 批判したのに反発、コロンビア側は遺憾の意を表明 国際問題 第 594 号(電子版) 2010 年 9 月号 編集人 『国際問題』編集委員会 発行人 野上 義二 発行所 財団法人日本国際問題研究所 〒 100−6011 東京都千代田区霞が関 3−2−5 霞が関ビル 11 階 電話 03−3503−7262(出版・業務担当) http://www.jiia.or.jp/ *本誌掲載の各論文は執筆者個人の見解であり、執筆者の所属する 機関、また当研究所の意向を代表するものではありません。 *論文・記事の一部分を引用する場合には必ず出所を明記してくだ さい。また長文にわたる場合は事前に当研究所へご連絡ください。 *電子版最近号 09 年 7・8 月号 焦点:海賊問題と国際法 09 年 9 月号 焦点:世界恐慌と国際政治 09 年 10 月号 焦点:20 周年を迎えた APEC 09 年 11 月号 焦点:国際政治の構造変動 09 年 12 月号 焦点:戦争法の変容 10 年 1・2 月号 焦点:2010年代の日本の外交― 10年間の展望 10 年 3 月号 焦点:オバマ政権と岐路に立つアメリカ 10 年 4 月号 焦点:躍動する中国 苦悩する中国 10 年 5 月号 焦点:アフリカの現在 10 年 6 月号 焦点:国際規制の交錯 10 年 7・8 月号 焦点:深刻化する世界の人口問題 国際問題 No. 594(2010 年 9 月)● 59