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Ⅰ 国際関係 02 ・ 01 地球温暖化に関する世界の研究者らでつくる「気候
小玉原一郎・清水 敬善
田中 寛・細川 洋嗣 編
Ⅰ 国際関係/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別
2007 年 2 月 1 日− 28 日
(共同通信)
Ⅰ 国際関係
02 ・ 01
地球温暖化に関する世界の研究者らでつくる「気候変動に関する政府間パネル
(IPCC)
」の第 1 作業部会が第 4 次報告書を発表(パリ)
、今世紀末の地球の平均気温は最
大 6.4 度の上昇が予測されるなどと指摘
02 中東和平を仲介する国連、米国、EU、ロシアの 4 者による外相級会合がパレスチナ自治
区ガザで激化するパレスチナ人同士の衝突に「深い懸念」を表明、
「法と秩序の尊重」を
呼び掛ける声明を発表(ワシントン)、21 日に 4 者が再び会合(ベルリン)、「パレスチ
ナとイスラエルの有意義な交渉継続」などを要請
03 米国務省が中国の衛星破壊実験を受け 2006 年 4 月の胡錦濤中国国家主席訪米の際にブッ
シュ大統領との間で合意した非軍事分野の宇宙開発協力拡大を中止する方針を表明
05
アフリカなどの紛争に駆り出されている子ども兵士の根絶へ向けた国際会議開催(パ
リ)、6 日に紛争への子どもの利用に終止符を打つことを目指す「パリの誓い」を採択
06 国家による外国人拉致などを禁じる「強制的失踪防止条約」の署名式をフランス外務省
で実施(パリ)、日本を含む 50 ヵ国以上の代表らが出席、条約は 20 ヵ国の批准で発効
08
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核問題をめぐる 6 ヵ国協議が約 1 ヵ月半ぶりに再
開(北京)
、13 日共同文書を採択し閉幕、60 日以内に北朝鮮が寧辺の核施設の活動停止
および封印と IAEA の査察を受け入れる見返りに重油 5 万トン相当のエネルギー支援を
開始することで合意
09 潘基文国連事務総長が新たな広報局長に赤阪清隆 OECD 事務次長、政治局長にアジア専
門家のリン・パスコー駐インドネシア米大使を充てるなどとする事務次長人事を決定
10 先進 7 ヵ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が「為替相場は経済の基礎的条件を反映す
べきだ」などとする声明を採択し閉幕(← 9 日、エッセン〔ドイツ〕)、焦点の円安につ
いて欧州勢が強い懸念を表明したが声明は円安に直接言及せず
プーチン = ロシア大統領が安全保障国際会議で演説(ミュンヘン)、米国がテロとの戦
いで「世界を危険に陥れ、民主主義を破壊している」と述べブッシュ政権を激しく批判、
11 日ゲーツ米国防長官が同じ会議でロシアとの新たな冷戦は望まないと反論
20 国連安保理がイスラム原理主義勢力「イスラム法廷会議」残存兵の抵抗などで治安が悪
化しているソマリア安定化のためアフリカ連合(AU)加盟国による平和維持活動(PKO)
を認める決議案を全会一致で採択
22 エルバラダイ IAEA 事務局長がイランの核問題をめぐり安保理と IAEA 理事会に報告書を
提出、2006 年末の国連安保理の制裁決議が求めたウラン濃縮関連活動停止などにイラン
が応じず活動を継続、拡大していると指摘、26 日安保理常任理事国とドイツの計 6 ヵ国
が高官会合を開催(ロンドン)、追加制裁を可能にする新たな安保理決議の協議を始め
ることで合意
クラスター(集束)弾禁止条約の制定を目指す国際会議が主催国ノルウェーをはじめと
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国際問題月表
する有志国を中心に条約交渉を開始(→ 23 日、オスロ)
、2008 年末までに決着させる方
針を盛り込んだ「オスロ宣言」を採択し閉幕、日本は支持せず条約交渉に加わらない方
針を表明
27 上海株式市場の総合指数が前日比 268.81 ポイント急落し 2771.79 に、下落率は約 9% で
約 10 年ぶりの大幅急落、これを嫌気し欧州株も下落、ニューヨーク市場も米ダウ工業
株 30 種平均が米中枢同時テロ以来最大の下落幅を記録、全面安の展開は中南米の新興
市場にも波及、28 日の東京市場やアジア各国の市場も軒並み急落し世界同時株安に
Ⅱ 日本関係
02 ・ 06
ブラジル在住の被爆者 3 人が健康管理手当のうち時効とされた計約 290 万円の支給
を広島県に求めた訴訟の上告審判決で最高裁が請求を認めた 2 審判決を支持
09 気象庁が 1 月の世界の平均気温(速報値)を発表、2006 年 12 月に続き観測史上最高だっ
たことが判明、日本も平年より 1.44 度高く 1898 年以降で 4 番目の暖かさ
11 チェイニー米副大統領の 20 日からの訪日に関し米側がイラク開戦の判断や在日米軍再編
問題をめぐる久間章生防衛相のブッシュ政権批判発言に強い不快感を表明、副大統領と
久間氏の会談日程を入れないよう日本側に伝えていることが判明
12 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が国際宇宙ステーションに設置予定の実験棟「きぼう」
を完成させるため日本人宇宙飛行士の若田光一さんが 2008 年秋から約 3 ヵ月間同ステー
ションに滞在することになったと発表、日本人飛行士の宇宙長期滞在は初
15 米系投資ファンド「スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド」
がサッポロホールディングスに対し株式公開買い付け(TOB)でサッポロ株を 66.6%(議
決権ベース)まで買い進め子会社することを提案
ニュージーランドの南方にある南極海のロス海で調査捕鯨を行なっていた日本鯨類研究
所の船団の調査母船「日新丸」で火災が発生、乗組員 1 人を遺体で発見
16 厚生労働省と農水省が輸入した米国産牛肉のなかに生後 20 ヵ月以下とする輸入条件に違
反する可能性がある牛肉が見つかったとして出荷した米国の食肉処理施設からの輸入手
続きを当面停止と発表
安倍晋三首相と李肇星中国外相が会談(東京)
、東シナ海のガス田開発問題について 3 月
にも局長級協議を再開させることで合意
21 日銀が金融政策決定会合で政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の
年 0.25% 程度から 0.5% 程度に引き上げることを決定、即日実施
安倍首相とチェイニー副大統領が会談(都内)、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に
向け連携することで一致
22 新潟県警が蓮池薫さん夫妻拉致事件について国外移送目的略取などの疑いで事件当時北
朝鮮の工作機関指導員だった男 2 人の逮捕状を取得、警察庁が 23 日に国際手配
23 静岡、福岡両県警が軍事転用可能な無人ヘリコプターを中国に不正輸出しようとしたと
して外為法違反容疑でヤマハ発動機のスカイ事業部長ら 3 人を逮捕
東京証券取引所が欧州の中核市場のロンドン証券取引所と業務提携で合意、1 月末のニ
ューヨーク証券取引所(NYSE)との提携に続くもので今後も海外の取引所との関係強
化を進める方針
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国際問題月表
23
2003 年の鹿児島県議選で公選法違反(買収)の罪に問われた元県議ら 12 被告全員に鹿
児島地裁が無罪判決
28 名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で公正取引委員会が独禁法違反(不当な取
引制限)容疑で大林組などゼネコン 5 社を初めて刑事告発、名古屋地検特捜部は仕切り
役の大林組元支店顧問や営業担当者ら計 5 人を逮捕
Ⅲ 地域別
●アジア・大洋州
02 ・ 02 韓国の釜山地裁が日本の植民地時代に広島市の旧三菱重工業の工場に強制連行され
被爆した韓国人元徴用工 6 人が三菱重工業に損害賠償など計 6 億 600 万ウォンの支払いを
求めた訴訟で韓国の民法上の消滅時効を理由に請求を棄却
中国の海洋調査船が日本の排他的経済水域(EEZ)内で事前通報した水域と異なる水域
で調査を実施、外務省は強く抗議し調査の中止を申し入れ
05 韓国自動車最大手の現代・起亜自動車グループの不正資金事件でソウル地裁が背任と横
領の罪で鄭夢九同グループ会長に懲役 3 年(求刑同 6 年)の実刑判決
06
姜瑜中国外務省副報道局長が 2 日の日本の EEZ 内での海洋調査に関し調査を実施した尖
閣諸島(中国名:釣魚島)近海は中国が日本に事前通報すべき対象海域に当たらず日本の
抗議は理屈に合わないとの認識を表明
WHO は鳥インフルエンザで世界最多の 64 人が死亡したインドネシアがウイルス検体提
供を拒否した問題で憂慮を表明、16 日インドネシア政府は検体を使って開発されたワク
チンを同国など発展途上国が安価に調達できる「公正な仕組み」の導入を条件に WTO
との間で検体提供再開に合意
10
胡錦濤中国国家主席がスーダンやリベリア、モザンビーク、南アフリカなどアフリカ 8
ヵ国の歴訪を終了(← 1 月 30 日)
、就任以来 3 度目、2 年連続の中国トップによる訪問で
中国のアフリカ重視姿勢が鮮明に
13
台湾の台北地検が最大野党の国民党の馬英九主席を台北市長時代の経費横領罪で起訴、
馬氏は責任をとり主席を辞任すると表明
17 パキスタン西部クエッタの裁判所の法廷で爆発が発生、地元警察などによると判事など
少なくとも 16 人が死亡、20 人以上が負傷
18 インドの首都ニューデリー北方のハリヤナ州でインドとパキスタンを結ぶ特急列車が爆
発炎上、乗客 67 人が死亡、50 人以上が負傷、両国の和平妨害を狙ったテロとの見方
21 東ティモールの首都ディリでコメ不足により政府への激しい抗議が広がり国連警察が取
り締まりを強化、カレ国連事務総長特別代表(東ティモール担当)は 79 人以上を逮捕し
たが国連警察官 7 人が負傷したと公表
カスリ = パキスタン外相とムカジー = インド外相が会談(ニューデリー)、和平進展の
ための「包括対話」継続とテロ対策での協力で合意
22 2006 年のノーベル平和賞を受賞した経済学者ムハマド・ユヌス氏が新党「市民の力」を
結成、バングラデシュ総選挙に参加すると正式表明
23 ネパール政府と武装組織ネパール共産党毛沢東主義派の和平履行を監視する国連ネパー
ル支援団(UNMIN)が第 1 段階として毛派の戦闘要員約 3 万人の登録を終了、約 3400 の
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武器類を回収したと発表
25
ノーベル平和賞受賞者のラモス・ホルタ東ティモール首相が 4 月の大統領選への出馬を
宣言
28 台湾の陳水扁政権が国民党政権が台湾人の抵抗運動を弾圧した 2.28 事件から 60 年を迎え
て盛大な記念式典を開催
韓国の盧武鉉大統領が与党ウリ党を離党
●中近東・アフリカ
02 ・ 01 パレスチナ自治区ガザ地区中部でアッバス = パレスチナ自治政府議長の警護隊への
補給物資を積んだトラックの車列をイスラム原理主義組織ハマスの部隊が襲撃し戦闘に、
ガザ各地で両派が衝突し 2 日までに 21 人が死亡、負傷者は約 200 人、1 月 30 日に成立し
た停戦が崩壊、2 日アッバス議長とハマスの最高幹部マシャル氏が電話会談で停戦に合
意
ソマリアの首都モガディシオで港に駐屯するエチオピア軍やソマリア暫定政府部隊に何
者かが迫撃弾を発射、首都北部でもホテルや民家を迫撃弾が直撃し 7 人が死亡、数人が
負傷
イラク中部ナジャフ近郊で 1 月下旬に「救世主」を自称する人物が指導し「天国の兵士」
を名乗るカルト組織が 1000 人近い戦闘員を動員しイラク軍と米軍の合同部隊と大規模な
戦闘を展開、同組織の 200 人以上が死亡、組織の実態は不明、イラク政府報道官は「天
国の兵士」が宗教権威の殺害とイスラム国家建設を計画していたと発表
03 バグダッド中心部のイスラム教シーア派地区にある市場でトラックを使った自爆テロが
あり 135 人が死亡、300 人以上が負傷、1 回の爆発による死者数としては 2003 年のイラ
ク戦争開戦以来最悪
05
イランがこの日までに中部ナタンツの地下核施設にウラン濃縮用の遠心分離機 164 基を
連結した「カスケード」2 つを設置
07 イラク駐留米軍とイラク治安部隊が宗派対立を激化させているイスラム教スンニ派武装
勢力やシーア派民兵組織に対する大規模掃討作戦をバグダッドの各地で開始
国連コンゴ監視団(MONUC)の軍報道官が 1 月 30 日にコンゴ(旧ザイール)西部バコ
ンゴ州でコンゴ政府治安部隊と地方選挙の結果に異議を唱える団体の間で激しい衝突が
起き 134 人が死亡したと発表
08 アッバス自治政府議長とハマスの最高幹部マシャル氏が「挙国一致内閣」樹立の合意文
書に署名(メッカ)、欧米が求めてきた明確なイスラエル承認には踏み込まず、18 日オ
ルメルト = イスラエル首相が閣議でイスラエルの生存権承認など国際社会の要求を満た
さなければ新内閣を認めない方針でブッシュ米大統領と一致したと発言
11 アハマディネジャド = イラン大統領がイスラム革命記念日の式典で演説し「平和目的の
核技術を保有した」と宣言、国連安保理の対イラン制裁決議が求めたウラン濃縮活動停
止を「屈辱的だ」として拒否(テヘラン)
米当局者がイラン製高性能爆弾により 2004 年 6 月から現在までにイラク駐留米兵ら少な
くとも 170 人が殺害され 620 人以上が負傷したと発言、12 日アハマディネジャド大統領
が否定、14 日ブッシュ大統領はイラン指導部の関与は未確認と表明
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12 労働組合や野党などがコンテ大統領の辞任を求めてストライキを実施するなど政情が不
安定化しているギニアで同大統領が国家非常事態を宣言し治安回復のため軍部隊にあら
ゆる手段をとることを許可、デモ隊と治安部隊の衝突で 1 月以降の死者数は数十人に
14 イラク軍報道官がバグダッドでの集中的な掃討作戦開始を宣言、同時にシリア、イラン
両国との国境検問所の大部分は閉鎖
イラン南東部ザヘダンの路上で乗用車に仕掛けられた爆弾が爆発、革命防衛隊兵士 11 人
が死亡、31 人が負傷、地元警察が武装集団の 5 人を拘束、16 日にも警察と武装集団が激
しい銃撃戦、治安当局はイスラム教スンニ派武装集団「ジュンダラ」とつながりがある
容疑者 65 人を拘束
15
バシル = スーダン大統領とデビ = チャド大統領、ボジゼ中央アフリカ大統領の 3 首脳が
スーダン西部ダルフール地方の紛争をめぐり会談(カンヌ)、互いの反政府勢力を支援
しないことで合意
17 アサド = シリア大統領とアフマディネジャド = イラン大統領が首脳会談(テヘラン)
、両
国は米国の中東政策を批判、アサド大統領はイランの平和目的の核開発を支持
26 イエメン北部サーダ州でイスラム教シーア派に属するザイド派の民兵組織と政府軍との
戦闘が 1 月末から続き 26 日までに少なくとも双方合わせ 270 人が死亡
27 アフガニスタンのカブール近郊のバグラム米軍基地前で自爆テロ、タリバン勢力が同基
地に滞在中のチェイニー米副大統領を狙ったとの犯行声明を発表、副大統領は無事
●欧 州
02 ・ 01
フランスで公共交通機関や企業、学校、商店など公共の場所が原則的に禁煙に、
1992 年に禁煙法が施行されたがあまり守られず政府は政令で基準を厳格化
02 アハティサーリ国連事務総長特使がタディッチ = セルビア大統領に国連の暫定統治下に
あるコソボ自治州の最終地位交渉をめぐり仲介案を提示、仲介案は「独立」という言葉
を使っていないもののコソボに国際社会の監督下で憲法を制定する権利のほか独自の旗
や記章の制定、国際機関加盟など事実上の独立を認める内容、セルビア側は反発
07
EU 欧州委員会が地球温暖化防止策の一環として域内で販売する新車の二酸化炭素排出
量を 2012 年までに現行水準より約 25% 削減することを目指す規制案を発表、15 日 EU の
エネルギー担当相理事会は加盟 27 ヵ国が地球温暖化防止のため自動車燃料についてガソ
リンに代わるバイオ燃料の比率を 2020 年までに「10% 以上」とすることを義務付ける方
針を確認(ブリュッセル)、20 日 EU の環境相理事会で地球温暖化防止のため 2020 年ま
でに二酸化炭素の域内排出量を 1990 年比で 20% 以上削減するとした欧州委員会の包括政
策案を加盟 27 ヵ国が承認(ブリュッセル)
08 NATO 国防相理事会がアフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)を約 5000 人
増強することで合意(セビリア〔スペイン〕)
09 ボスニア・ヘルツェゴビナ下院がセルビア人政党のシュピリッチ新首相が指名したアル
カライ外相ら閣僚 9 人を賛成多数で承認、2006 年 10 月の選挙から 4 ヵ月以上が経過して
ようやく新内閣が発足
11 カトリック教徒が多数を占め人工妊娠中絶が原則禁止のポルトガルで妊娠 10 週までの人
工中絶合法化を問う国民投票実施、賛成票が 60% 近くを占めたが投票率が規定の 5 割を
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超えず国民投票は不成立、ソクラテス首相は議会で合法化のための法案を成立させると
表明
17
イタリア北部で米軍基地の移転拡張計画に反対する人々がデモ、約 10 万人が参加
19
カチンスキ = ポーランド首相とトポラーネク = チェコ首相が会談(ワルシャワ)、両国
内に米国が建設を計画しているミサイル防衛(MD)施設を受け入れる方針で一致
フランスの上下両院合同会議が大統領の弾劾や死刑廃止などに関する憲法改正案をそれ
ぞれ賛成多数で可決、承認
21 プローディ = イタリア首相がアフガニスタン駐留延長を含む政府の外交方針案が一部与
党議員の造反から上院で成立しなかった事態を受けナポリターノ大統領に辞表を提出、
大統領が受理、22 日ナポリターノ大統領が後任を決めるため意見聴取を開始、24 日大統
領がプローディ氏に続投を要請、同氏が受諾、閣僚も留任、28 日上院がプローディ首相
の信任案を可決、下院でも 3 月 2 日に大差で信任され続投決定
ブレア英首相が下院で演説、イラク南部バスラの一定の治安改善を理由に約 7100 人の英
軍部隊を数ヵ月以内に約 1600 人削減し 5500 人規模にすることを明らかに
EU 欧州委員会が域内のエレベーター販売などをめぐり価格カルテルを結んでいたとし
て欧米大手 4 グループと三菱エレベーターヨーロッパの計 14 社に総額約 9 億 9200 万ユー
ロ(約 1680 億円)の制裁金支払いを命令
コソボ自治州の最終地位に関する国連仲介案をめぐりセルビアとコソボ側の交渉が開始
(ウィーン)
26 ブラウン英国防相が下院でアフガニスタン駐留英軍の増派規模をこれまで表明していた
数百人よりさらに約 1400 人増やし駐留英軍の総数を約 7700 人とする計画を発表
約 20 万人が死亡したとされ多数のイスラム教徒が殺害された旧ユーゴスラビアのボスニ
ア・ヘルツェゴビナ紛争(1992 ― 95 年)でハーグの国際司法裁判所(ICJ)が「国家的
なジェノサイド(民族大量虐殺)とは認定できない」とする判決を下す
●独立国家共同体(CIS)
02 ・ 02 モスクワ市の裁判所が 2004 年に同市の地下鉄で起きたチェチェン独立派による 2 件
のテロで爆発物の製造に関与したとしてテロや殺人の罪に問われた 3 被告に終身刑の判
決を言い渡し
06 フリステンコ = ロシア産業エネルギー相が東シベリアから太平洋岸への石油パイプライ
ン建設計画で日本などへの原油供給を想定した中間点から太平洋岸までの建設を 2012 年
までに終えることができるとの見通しを表明、22 日には石油パイプライン建設実現に不
可欠な東シベリア油田の原油埋蔵量調査を 2008 年末までに終了し 12 年までにパイプラ
インを太平洋岸まで敷設する方針を明らかに
11
トルクメニスタンで旧ソ連時代から 21 年間にわたり独裁的指導者として君臨したニヤ
ゾフ大統領の急死に伴う大統領選実施、14 日選挙管理委員会がベルドイムハメドフ副首
相が得票率 89.23% で当選したと発表
プーチン = ロシア大統領がサウジアラビアを初訪問、アブドラ国王と会談しイラク情勢
や中東和平問題、原油価格調整に絡むエネルギー政策などで意見交換、12 日には財界関
係者との会合でサウジの核エネルギー開発に協力する用意があると表明(リヤド)
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15
プーチン大統領がイワノフ副首相兼国防相を第 1 副首相に任命する大統領令に署名、後
任の国防相にはセルジュコフ連邦税務局長を任命
プーチン大統領が南部チェチェン共和国のアルハノフ大統領の辞任を受け入れラムザ
ン・カディロフ首相を大統領代行に任命する大統領令に署名
18
ロシアのサンクトペテルブルク中心部のハンバーガー店マクドナルドで爆発が起き 6 人
が負傷
19 ロシアの原子力関連企業担当者がロシアの支援でイラン南部に建設中のブシェール原子
力発電所について設備搬入の遅れなどが原因で 2007 年 11 月の本格稼働が遅れる可能性
があるとの認識を提示
ロシア極東サハリン州検察当局がロシア国境警備当局に拿捕された北海道羅臼町の漁船
「第 38 瑞祥丸」の川端隆船長を違法操業の罪で起訴したことを明らかに
24 ユーシェンコ = ウクライナ大統領を支持する「われらのウクライナ」とティモシェンコ
元首相率いる「ティモシェンコ連合」の親欧米 2 党が野党勢力として再び協力していく
ことで合意
27 ラブロフ = ロシア外相がイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部マシャル氏と会談(モ
スクワ)、パレスチナの穏健派ファタハとハマスが合意した新内閣樹立を支持し欧米に
よるパレスチナ自治政府への経済制裁の解除に向けロシアが支援する方針を表明
●北 米
02 ・ 02
米政府が CIA など 16 の情報機関がイラク情勢についてまとめた機密報告書「国家
情報評価」の要約を公表、報告書はイラクの現状を「内戦」と表現することが的確だと
初めて認定
米通商代表部(USTR)は中国政府が国内輸出企業などへの不当な補助金を放置してき
たとして WTO に提訴、米国が中国を訴えるのは 2004 年の半導体への優遇税制と 2006 年
3 月に EU と共同提訴した自動車部品関税に次ぎ 3 件目
フロリダ州中部で大型の竜巻が発生、19 人が死亡、教会や家屋など 1500 を超える建物
が倒壊や一部損傷などの被害
05
米上院本会議がブッシュ大統領が進める 2 万人超のイラク駐留米軍増派に反対する決議
案をめぐり趣旨説明を行なうなど本格審議を開始、民主党が提出した審議打ち切りに道
を開く動議は共和党の反対で可決に必要な 60 票に届かず
ブッシュ大統領が 2008 会計年度の予算教書を議会に提出、米軍のイラク駐留経費など
として 2448 億ドル(約 29 兆 5000 億円)を新たに要求、米中枢同時テロ以降の「テロ
との戦い」への支出は累計約 7978 億ドル(約 96 兆 2000 億円)に
06 ゲーツ米国防長官が上院軍事委員会の公聴会でイラクへの米軍増派について「10 ― 15%
増えることがありうる」と発言、さらに最大 3000 人程度を増援する可能性を明らかに
10
バラク・オバマ上院議員(民主党)が次期大統領選への出馬を正式表明(イリノイ州)
13
2006 年の米貿易赤字が 5 年連続過去最大を更新
15 米下院外交委員会の「アジア太平洋・地球環境小委員会」が太平洋戦争中の従軍慰安婦
問題で日本政府に「明確な謝罪」を求めた超党派決議案をめぐり元慰安婦を証人に招い
て公聴会を開催、元慰安婦の証言は米議会史上初めて
国際問題 No. 560(2007 年 4 月)● 58
国際問題月表
16 米下院本会議がブッシュ大統領が進めるイラクへの米軍増派に反対する超党派の決議案
を 246 対 182 の賛成多数で可決、与党共和党からも 17 人が賛成票
20 ブッシュ政権が巡航ミサイル用の核弾頭「W80」の全廃を見送り当面は弾頭を保持する
方針を決めていたことが判明、米国の核兵器を統括する戦略軍は弾頭の「退役」を進言
したが文民の政権高官が反対
22 フランスの通信機器大手アルカテル・ルーセントが音声再生技術の特許を侵害したとし
てソフトウエア最大手の米マイクロソフト(MS)を訴えた裁判で米サンディエゴ連邦
地裁の陪審が特許 2 件の侵害を認定、15 億 2000 万ドル(約 1850 億円)の損害賠償を支
払うよう MS に命じる評決を下す
23
ゲーツ国防長官と金章洙韓国国防相が会談(ワシントン)、米韓連合軍司令官(在韓米
軍司令官が兼務)がもつ韓国軍に対する有事作戦統制権を 2012 年 4 月 17 日に韓国に移管
し米韓連合軍司令部を解体することで合意
27 19 世紀まで奴隷制の中心だった米南部バージニア州議会が奴隷制に対して「深い遺憾の
意」を表わす決議を全会一致で可決、同様の決議が州議会レベルで可決されたのは初
●中南米
02 ・ 01 チャベス = ベネズエラ大統領が豊富な超重質油を抱えるオリノコ川流域で欧米の国
際石油資本(メジャー)が出資する 4 つの操業プロジェクトについて「5 月 1 日から国
有化する」と発表
06
1999 年に静岡県浜松市で女子高生がひき逃げされ死亡した事件で日本政府の「代理処
罰」要請を受けて過失致死などの罪に問われた日系ブラジル人の初公判がサンパウロ地
裁で開かれ被告が起訴事実を認める
16
2005 年の静岡県浜松市のレストラン経営者殺害事件で日本政府から「代理処罰」要請
を受けていたブラジルのミナスジェライス州検察庁が日系ブラジル人の容疑者を強盗殺
人と放火未遂の罪で起訴したと発表
エクアドルのグアモテ付近で展望デッキ付きの列車が線路上の電話線を巻き込み電話線
とその支柱がデッキを直撃、ツアーに参加した日本人客 2 人が死亡
20 ペルー外務省は同国のガルシア大統領が 11 月に日本を公式訪問する予定と発表、2000 年
のフジモリ政権崩壊後ペルー大統領の訪日は初めて
27 カストロ = キューバ国家評議会議長がベネズエラ国営ラジオの番組に生出演中のチャベ
ス大統領に電話をかけ「だんだん良くなっている」などと発言、議長の肉声が生放送さ
れるのは 2006 年 7 月末の療養入り以来初めて
国際問題 第 560 号(電子版) 2007 年 4 月号
編集人 『国際問題』編集委員会
発行人 佐藤 行雄
発行所 財団法人日本国際問題研究所
〒 100−6011 東京都千代田区霞が関 3−2−5 霞が関ビル 11 階
電話 03−3503−7262(出版・業務担当)
http://www.jiia.or.jp/
*本誌掲載の各論文は執筆者個人の見解であり、執筆者の所属する
機関、また当研究所の意向を代表するものではありません。
*論文・記事の一部分を引用する場合には必ず出所を明記してくだ
さい。また長文にわたる場合は事前に当研究所へご連絡ください。
*印刷版最近号
05 年 12 月号 焦点:対日歴史認識の諸相
*電子版最近号
06 年 4 月号 焦点:日・米・中の対外政策と展望
06 年 5 月号 焦点:東アジア共同体をめぐる政治
06 年 6 月号 焦点:気候変動の将来枠組み
06 年 7・8 月号 焦点:東アジア経済統合と日本
06 年 9 月号 焦点:核拡散と核管理の展望
06 年 10 月号 焦点:欧州の外交と安全保障―イラク戦争後
06 年 11 月号 焦点:自衛権の新展開
06 年 12 月号 焦点:BRICs 経済の実像
07 年 1・2 月号 焦点:日本外交の展開―小泉政権から安倍政権へ
07 年 3 月号 焦点:米中の協調と対立
国際問題 No. 560(2007 年 4 月)● 59
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