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Ⅰ 国際関係 06・01 国際航空運送協会(IATA)が電子航空券の普及で紙
大野圭一郎・小宮伸太郎 清水 敬善・細川 洋嗣 編 本蔵 一茂 (共同通信) Ⅰ 国際関係/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別 2008 年 6 月 1 日− 30 日 Ⅰ 国際関係 06 ・ 01 国際航空運送協会(IATA)が電子航空券の普及で紙の航空券発行打ち切り APEC 貿易相会議が閉幕(← 5 月 31 日、アレキバ〔ペルー〕)、アジア太平洋地域の経済 統合に関連し 2010 年までに域内の投資を円滑化させる行動計画の承認などを柱とした議 長声明を採択 04 OECD が 2008 年の経済見通しを発表、OECD 全体の実質経済成長率を 1.8% と 2007 年 12 月の前回予測から 0.5 ポイント下方修正 05 世界的な食料価格の高騰問題を話し合う「食料サミット」が食料危機を克服するため国 際社会に「緊急の協調行動」を求める宣言を採択し閉幕(← 3 日、ローマ) 、焦点のバイ オ燃料に関しては表現が大幅後退し課題持ち越し OECD 閣僚理事会が食料や原油などの価格高騰による物価上昇を懸念する議長総括を採 択(パリ) 06 国際電気通信連合(ITU)によると中国(香港、マカオ、台湾除く)のブロードバンド・ インターネット契約者数が 2007 年に 6646 万人を超え米国を抜いて初の首位 09 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の発表によると 2007 年の世界の軍事費総額は 前年比実質 6% 増の推定 1 兆 3390 億ドル(約 140 兆円)、中国が 583 億ドルで世界 3 位に 浮上、1 位は米国で世界の 4 割以上を占める 5470 億ドル 国連が 2007 年 12 月のエイズウイルス(HIV)感染者が世界で推定 3320 万人とする報告 書を発表、新たな感染者は各国の対策で減少傾向 10 米 EU 首脳会議が国連安保理の制裁決議を拒否しウラン濃縮活動を続けるイランに金融 制裁強化を警告する共同宣言を採択(リュブリャナ近郊〔スロベニア〕) 11 英 BP の発表によると 2007 年の全世界の原油生産は前年比 0.2% 減の日量 8153 万バレル、 OPEC が 2006 年 11 月と 2007 年 2 月に減産に踏み切ったことが主因 安保理拡大問題でチリなど 4 ヵ国の国連大使でつくる「タスクフォース」が報告書をま とめ 22 ― 26 ヵ国の範囲で拡大させる 5 つの選択肢を提案、17 日ケリム国連総会議長は 各国に報告書に沿った政府間交渉入りを促す 国際天文学連合(IAU)が冥王星など海王星外側の準惑星を「冥王星型天体」と命名 12 アフガニスタン復興支援について協議する閣僚級のアフガン支援国会合開催(パリ) 、参 加各国が総額約 200 億ドル(約 2 兆 1600 億円)の支援を約束 14 主要国(G8)財務相会合が原油や食料の価格高騰を重大な試練と位置付け世界的なイン フレ圧力の増大に懸念を示した声明採択(大阪市) 16 世界食糧計画(WFP)が 2007 年の途上国に対する食料支援量が前年比 15% 減の計 590 万 トンで統計をとり始めた 1961 年以来最低と発表、主要穀物の価格高騰が主要因 17 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が紛争などが原因で祖国を追われた世界の難民 の数が 2007 年末に前年比 150 万人増の 1140 万人と 5 年ぶりに 1000 万人を上回ったとの調 国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 53 国際問題月表 査結果を発表、イラクやアフガニスタンからの難民増が主要因で増加は 2 年連続 18 国連人権理事会が国際人権規約のうち労働や教育などの権利を保障する「社会権」を侵 害された個人による通報制度新設で合意、日本が提案したハンセン病患者に対する差別 撤廃を求めた決議案を全会一致で採択(ジュネーブ) 21 米国、日本、EU や中国、インドなど温室効果ガス排出量が多い発展途上国も参加する 米国主導の主要経済国会合(MEM)開催(→ 23 日、ソウル) 、2050 年に世界の温室効果 ガス排出量を半減させるなどの数値目標を盛り込むことには合意できず 22 OPEC 加盟国、欧米、日中など 36 ヵ国が「産油国・消費国閣僚会合」を緊急開催(ジ ッダ〔サウジアラビア〕 ) 、ヌアイミ = サウジアラビア石油鉱物資源相が原油の生産能力 を 2009 年末までに日量 1250 万バレル規模に引き上げ将来的には現在の約 1.5 倍の 1500 万バレル規模にする用意があると表明 23 国際捕鯨委員会(IWC)総会が開幕(→ 27 日、サンティアゴ) 、24 日までの参加国代表 による非公式会合で委員会の正常化に関し 23 ヵ国からなる作業部会設置で合意 EU が国連安保理決議に反してウラン濃縮を続けるイランに対しイラン国営銀行の EU 内 の資産凍結、域内への渡航禁止のイラン政府高官リストの拡充など制裁強化を決定、イ ラン政府は「外交的な解決につながらない」と非難 24 パレスチナの警察機構や司法制度の整備を支援し治安の安定化を目指す国際会議が開か れ各国が表明した支援拠出額は計 2 億 4200 万ドル(約 260 億円) (ベルリン) 26 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が 6 ヵ国協議合意に基づく核計画申告書を議長国の 中国に提出、ブッシュ米大統領が見返り措置として北朝鮮に対するテロ支援国家指定解 除を決定、ハドリー米大統領補佐官が北朝鮮がウラン濃縮による核兵器開発や核拡散活 動に関し「現在は一切手を染めておらず今後もそうした活動に従事することはない」と 約束したことを明らかに、27 日ケーシー米国務省副報道官が無能力化を進めている寧辺 の核施設だけでなくウラン濃縮や核拡散活動なども含めた「核計画の全面的な検証」を 受け入れることに原則同意したと指摘、28 日北朝鮮が抽出したプルトニウム量は約 30 キロ、うち約 2 キロを 2006 年 10 月の核実験で使用と説明していたことが判明 米ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場が供給懸念から急 騰、米国産標準油種(WTI)8 月渡しは初めて 1 バレル= 140 ドルを突破 G8 外相会議開催(→ 27 日、京都) 、北朝鮮にすべての核兵器と核計画の放棄などを求め る議長声明を発表し閉幕 27 国連食糧農業機関(FAO)が欧州・中央アジア地域会議を開催(← 26 日、インスブルッ ク〔オーストリア〕 ) 、生産が拡大しているバイオ燃料について「伝統的農業などに対し バランスのとれたものであるべきだ」とする報告書を採択し閉幕 Ⅱ 日本関係 06 ・ 01 04 石油元売り各社が石油製品卸価格を一斉引き上げ、ガソリン 1 リットル 170 円台に 最高裁判所が未婚の日本人父とフィリピン人母との間に生まれた 8 ― 14 歳の子ども 10 人が日本国籍を求めた訴訟の上告審判決で父母の婚姻を国籍取得の要件とする国籍法の 規定は違憲と認定、原告の逆転勝訴、法務省が法改正へ 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の星出彰彦さんがロボットアームを操作して日 国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 54 国際問題月表 本の実験棟「きぼう」の船内実験室の設置に成功 06 金融庁が国内の銀行、信用金庫、信用組合などが保有する米国の信用力の低い人向け住 宅ローン(サブプライムローン)関連を含む証券化商品などの損失が 3 月末時点で 2 兆 4360 億円に上ったと発表 衆参両院が本会議でアイヌ民族を先住民族と認め総合的な施策に取り組むことを政府に 求める決議を全会一致で採択 省庁幹部人事の一元管理を盛り込んだ国家公務員制度改革基本法が成立 08 東京の秋葉原で歩行者天国の通りに男がトラックで突っ込みナイフで通行人らを次々と 刺し 7 人が死亡、10 人が重軽傷、警視庁が殺人未遂の現行犯で派遣社員加藤智大容疑者 (25 歳)を逮捕 09 福田康夫首相が日本の地球温暖化対策「福田ビジョン」を発表、今秋から排出量取引制 度を試行的に実施、2050 年に温室効果ガスの 60 ― 80% 削減を掲げるなどの内容 11 民主、社民、国民新 3 党提出の福田首相に対する問責決議が参議院で史上初めて可決、 首相は総辞職など否定、12 日衆議院が内閣信任決議を自民、公明などの賛成多数で可決 13 町村信孝官房長官が日朝実務者協議(北京、11 日→ 12 日)で北朝鮮が拉致被害者の再 調査、よど号乗っ取り犯関係者身柄引き渡しへの協力を表明したことを明らかに、「一 定の前進」と評価、対北朝鮮制裁措置の一部解除を決定 14 東北地方でマグニチュード(M)7.2 の大地震、岩手県奥州市などで震度 6 強、土砂崩れ で旅館が倒壊し孤立集落相次ぐ、死者 12 人、不明 10 人、気象庁は「岩手・宮城内陸地 震」と命名、30 日町村官房長官が岩手県の一関、奥州両市と宮城県栗原市の 3 市を災害 復旧事業費に対する国の補助をかさ上げする「局地激甚災害(局激) 」に指定と発表 18 日中両政府が東シナ海ガス田の共同開発で合意と正式発表、排他的経済水域(EEZ)の 日中中間線をまたぐ形で北部海域が対象、中国が先行開発する白樺(中国名:春暁)に日 本も出資 20 環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」が調査捕鯨船の乗組員が自宅に送った鯨肉 を無断で持ち出したとして青森県警などが窃盗容疑などで同団体担当部長ら 2 人を逮捕 24 政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が最終報告書を提出、 集団的自衛権行使容認に向けて憲法解釈の変更を求めたが福田首相は否定 25 農林水産省が水産物輸出入販売「魚秀」が中国産ウナギかば焼き 205 万匹を「愛知県三 河一色産」と偽装表示していたと発表 政府は国家公務員が深夜帰宅のタクシー運転手から現金やビールなどを受け取っていた 「居酒屋タクシー」問題で金品受領の職員は 17 府省庁・機関の計 1402 人、うち 151 人を 処分したと発表 地球温暖化対策でオフィスビルなど大規模事業所に二酸化炭素の排出削減を国内で初め て義務付ける東京都の改正環境確保条例が都議会で成立 26 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の周辺住民がヘリコプターを中心とした米軍機の騒 音被害を訴えた訴訟の判決で那覇地裁沖縄支部が総額約 1 億 4600 万円の支払いを国に命 じる判決、飛行差し止めと将来の賠償は請求を却下 30 福田首相が潘基文国連事務総長と会談(東京)、スーダン南部で展開中の国連平和維持 活動(PKO)スーダン派遣団司令部に自衛官を派遣する方針を表明 国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 55 国際問題月表 Ⅲ 地域別 ●アジア・大洋州 06 ・ 02 パキスタンの首都イスラマバードのデンマーク大使館前で大きな爆発があり 8 人死 亡、24 人負傷、4 日国際テロ組織アルカイダがデンマークの新聞がイスラム教預言者の 風刺画を掲載したことへの報復とインターネット上に犯行声明 03 ゲーツ米国防長官が李相喜韓国国防相と会談(ソウル)、在韓米軍削減計画を凍結し現 在の規模(2 万 8500 人)を維持することを確認 東アジア・サミットに参加する日本、中国、ASEAN 加盟国など計 16 ヵ国が経済統合を 促す政策研究の核として日本が提唱した「東アジア・ ASEAN 経済研究センター」設立 総会を開催(ジャカルタ) 04 金夏中韓国統一相が北朝鮮にトウモロコシ 5 万トンを支援する用意があると李明博政権 で初の支援表明 中国政府が四川大地震の死者 6 万 9122 人、行方不明者 1 万 7991 人と発表 05 韓国公正取引委員会が米半導体大手インテルの関連 3 社が韓国のコンピューターメーカ ーにライバル社の中央演算処理装置(CPU)を購入しない条件でリベートを提供してい たと認定、インテル側に課徴金約 260 億ウォンの支払いと是正を命じたと公表 06 スリランカの中心都市コロンボ郊外で通勤バスが爆発、21 人死亡、50 人以上が負傷、軍 報道官は反政府武装組織タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)の犯行との見方示す 10 韓昇洙韓国首相が米国産牛肉の輸入問題をめぐる政府への国民の批判を受け自らを含む 全閣僚の辞意を表明、市民団体が全国主要都市で大規模集会を開催、約 100 万人参加 ミャンマー軍事政権が最大都市ヤンゴンの国際赤十字事務所にサイクロン被災の窮状を 直訴した被災者 16 人を拘束したことを明らかに 11 ネパールの制憲議会により王位を剥奪されたギャネンドラ元国王が王宮から退去、約 240 年間存続したシャー(グルカ)王朝は終焉、連邦共和制へ移行 12 台湾の対中交流窓口機関である海峡交流基金会の江丙坤理事長と中国側の海峡両岸関係 協会の陳雲林会長が会談(北京) 、7 月からの週末直行チャーター便運航と中国からの台 湾観光解禁で合意、両機関トップの会談は約 10 年ぶり、13 日胡錦濤中国国家主席が江 理事長と会談(北京)、今回の合意を評価、対話継続による関係発展に期待を表明 13 アフガニスタン南部カンダハルで旧政権タリバンの残存勢力が刑務所を襲撃、タリバン ら 890 人が脱走、襲撃により市民 1 人を含む 17 人が死亡 17 馬英九台湾総統が 10 日に尖閣諸島(中国名:釣魚島)沖で起きた日本の巡視船と台湾の 遊漁船の衝突事故で日本の遺憾表明は不十分としあらためて明確な謝罪と賠償を要求 18 金正日北朝鮮総書記が中国の次世代最高指導者候補とされる習近平国家副主席と会談 (平壌) 、中国と協力し 6 ヵ国協議の合意を履行する立場を確認 22 台風 6 号が通過したフィリピン中部シブヤン島沖で客船「プリンセス・オブ・ザ・スタ ーズ」が転覆、乗客リストには約 870 人の名、23 日までに 32 人の生存を確認 24 海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が中国広東省湛江市に到着、日中防衛交流の一環で自 衛隊の艦艇として初の訪中 26 韓国政府が 2007 年 10 月以来中断していた米国産牛肉の輸入手続きを再開、ソウルで続 国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 56 国際問題月表 く抗議行動が 28 ― 29 日にかけ先鋭化、集会参加者と機動隊が衝突し 400 人超が重軽傷 27 北朝鮮が寧辺の核施設にある実験用黒鉛減速炉(5000 キロワット)に付属する冷却塔を 爆破、非核化プロセスの進展をアピールする象徴的作業 28 ライス米国務長官が柳明桓韓国外交通商相と会談(ソウル)、記者会見で最終的に核兵 器を含む北朝鮮の完全な非核化を達成する意欲示す、30 日には中国の胡錦濤国家主席、 温家宝首相らと相次いで会談(北京)、記者会見で長官は「朝鮮半島の非核化」には核 兵器の放棄が必須と強調 30 インド政府が地球温暖化問題に関する国家行動計画を発表、具体的な数値目標は示さず 温暖化防止の一義的責任は先進国にあると強調、自国の経済高成長優先の姿勢鮮明に 米国から北朝鮮への食料支援の第 1 便約 3 万 8000 トンが北朝鮮に到着、約 2 年半ぶりの 支援再開 ●中近東・アフリカ 06 ・ 04 ジンバブエ警察が大統領選決選投票の野党候補である民主変革運動のツァンギライ 議長を一時拘束、22 日同議長は不公正な選挙として決選投票への不参加を表明、27 日 決選投票、29 日選挙管理委員会がムガベ大統領の当選を発表、周辺諸国の投票延期の要 請を無視しての選挙強行でムガベ新政権の国際的な孤立深まる イラクのバグダッドで警察高官の自宅を狙った車爆弾テロ、少なくとも 16 人が死亡、50 人以上が負傷、バグダッドでの車爆弾テロとしては 3 月以降で最悪の規模 05 アブドラ = アラブ首長国連邦外相が湾岸諸国外相としてはイラク戦争開戦後初めてバグ ダッドを訪問、マリキ首相らとの会談で駐イラク大使を指名すると表明 トルコの憲法裁判所がイスラム教徒女性に大学でのスカーフ着用を認めた憲法改正は国 是の世俗主義に反し違憲との判断 07 マリキ首相がアハマディネジャド = イラン大統領らと治安問題や国境の安全保障問題な どを協議(テヘラン) 08 アルジェリアの首都アルジェの東約 100 キロの鉄道駅で爆弾が爆発、フランス人技術者 ら 13 人が死亡、数人が負傷、9 日アルジェ東方 120 キロのバスターミナルで爆発、少な くとも 20 人が死亡、「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織」による犯行との見方 10 スーダンのハルツーム国際空港でスーダン国営航空の旅客機エアバス A310 が着陸後に 炎上、28 人が死亡、66 人不明 14 ソラナ EU 共通外交・安全保障上級代表がモッタキ = イラン外相と会談(テヘラン) 、イ ランがウラン濃縮を停止した場合の新たな「包括的見返り案」を提示、19 日モッタキ外 相がイランを含む複数の地域にウラン濃縮共同体を設置するというイラン提案が検討さ れることを条件に「包括的見返り案」について交渉の用意があると表明 イラン南東部で 2007 年 10 月に武装集団に誘拐された横浜国立大 4 年中村聡志さんが約 8 ヵ月ぶりに解放され在イラン日本大使館員が保護、17 日帰国 15 ライス米国務長官がリブニ = イスラエル外相(エルサレム)、アッバス = パレスチナ自 治政府議長(ヨルダン川西岸ラマラ)とそれぞれ会談、共同記者会見でイスラエルの入 植活動が和平交渉に悪影響を与えると強い懸念を表明、イスラエルは 2007 年末の和平交 渉再開後も入植住宅増設を相次ぎ発表 国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 57 国際問題月表 17 バグダッド北西部のイスラム教シーア派地区の市場で車爆弾が爆発、少なくとも 51 人 が死亡、75 人が負傷、過去数ヵ月で最悪規模の被害 18 イスラエルとパレスチナ自治区ガザを支配するイスラム原理主義組織ハマスとの間で停 戦合意、19 日発効、エジプトが仲介、ハマスがガザを制圧してから初の停戦 25 甘利明経済産業省がバグダッドを電撃訪問、イラクのハシミ副大統領、マリキ首相らと 相次いで会談、原油価格高騰に「強い懸念」を共有し日本がイラクの石油産業復興など を支援することを盛り込んだ共同声明を発表 30 シャハリスタニ = イラク石油相が南部ルメイラなど 6 油田と 2 ガス田開発に欧米の国際 石油資本(メジャー)を含む外国企業の参入を認めると発表、1972 年に主要石油会社が 国有化されて以来メジャーのイラク油田開発参入は初 ●欧 州 06 ・ 01 マケドニア議会選挙(1 院制)が行なわれグルエフスキ首相が率いる右派国家統一 民主党を中心とした政党連合が勝利 05 英領北アイルランド議会がプロテスタント系の民主統一党党首ピーター・ロビンソン自 治政府財務相を自治政府首相に選出 メドベージェフ = ロシア大統領とメルケル = ドイツ首相が会談(ベルリン)、大統領は 欧州との関係強化のためにはまずドイツとの関係強化が重要と強調 10 ブッシュ米大統領が欧州 6 ヵ国を歴訪(→ 16 日)、ドイツやフランス、英国などで各首 脳と会談、イランが「包括的見返り案」を拒否しウラン濃縮を続けるなら米欧がイラン 国営銀行などに対する制裁を強化することで一致 12 英下院がテロ容疑者の起訴前拘置期間を 28 日から 48 日に延長することを柱とする反テ ロ法改正案可決、最大野党の保守党で「影の内閣」内相のデービス下院議員が抗議で議 員辞職を表明 13 アイルランドで EU の新基本条約「リスボン条約」批准の是非を問う国民投票、反対 53.4%、賛成 46.6% で否決、20 日 EU 首脳会議が開かれ対応策を 10 月の首脳会議で協議 することで合意(ブリュッセル) 、予定していた 2009 年 1 月の条約発効を事実上断念 15 コソボで憲法が発効、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)からコソボ政府への全面的 な権限移譲は実現せず 16 EU の統計機関ユーロスタットが発表した 5 月のユーロ圏の消費者物価指数が 2007 年同 月比 3.7%上昇、上昇率は 1999 年の欧州通貨統合以来最高水準 EU がボスニア・ヘルツェゴビナと EU 加盟申請の前提となる安定連合協定に調印(ルク センブルク) 2000 年にオーストリアで起きたケーブルカー火災事故で日本人犠牲者 10 人の遺族らの 代理人が「オーストリア政府などによる証拠隠滅、証言妨害があった」として政府和解 案を拒否、ニューヨーク高等裁判所で審理中の損害賠償請求訴訟を継続する意向を表明 27 スペインからの分離独立問題を抱える北部バスクの自治州議会がバスクの民族自決をめ ぐり住民投票の実施を賛成多数で可決、スペイン政府は違法として憲法裁判所に提訴す る方針を発表 ダディッチ = セルビア大統領が新連立政権の首相に EU 加盟推進派の民主党のツベトコ 国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 58 国際問題月表 ビッチ財務相を指名 28 コソボ北部のセルビア系住民地域で極右民族派のセルビア急進党やセルビア民主党など が中心となり独自の地元議会設立を宣言、民族対立の新たな火種に ●独立国家共同体(CIS) 06 ・ 03 メドベージェフ = ロシア大統領が軍の合理化を進めるセルジュコフ国防相との対立が 伝えられていたバルエフスキー参謀総長を解任し後任にマカロフ国防次官を任命と発表 04 メドベージェフ大統領がユーシェンコ = ウクライナ大統領に対しウクライナがクリミア半 島セバストポリにある黒海艦隊基地のロシアへの貸与を基地貸与協定期限の2017年以降打 ち切る方針を示したことについて「一方的行動」を避けるよう要求、強く牽制 06 メドベージェフ大統領が CIS の首脳らを集めて会談しプーチン前大統領の路線に従って NATO 拡大に反対していく外交姿勢示す(サンクトペテルブルク) 07 メドベージェフ大統領がサンクトペテルブルクで開かれた「国際経済フォーラム」で演説、 米国中心の世界経済秩序を厳しく批判し新たな秩序の構築にロシアが積極的に関与してい く姿勢を表明 16 ロシア国営パイプライン会社トランスネフチのトカレフ社長が日本などへの輸出を視野に 東シベリアから太平洋岸方向へ建設中の石油パイプライン「太平洋ルート」のうち東半分 の「第2 段階」を2009 年12 月に着工する予定であることを明らかに 27 ロシア政府系天然ガス企業ガスプロムの理事会がズプコフ第 1 副首相を新会長に選出 28 カザフスタン政府が日本の国際石油開発も参加するカスピ海のカシャガン油田開発で原油 の商業生産の開始を 2013 年に遅らせることで事業会社側と合意したと発表 プーチン = ロシア首相がティモシェンコ = ウクライナ首相と会談(モスクワ) 、会談後ウ クライナのNATO加盟問題を念頭に「NATOは拡大でいかなる脅威にも対処できず、新た な境界線をつくり出してしまう」と批判 ●北 米 06 ・ 03 米大統領選の民主党候補指名争いは初の黒人大統領を目指すオバマ上院議員の獲得 代議員数が指名に必要な過半数に達しオバマ氏が勝利宣言、7 日クリントン上院議員は 選挙戦撤退とオバマ氏支持を表明、5 ヵ月以上に及んだ歴史的激戦が最終決着 米国土安全保障省が 2009 年からのテロ対策強化策を公表、90 日以内の観光やビジネス 目的の場合査証申請を免除している日本など 27 ヵ国からの旅客に対し生年月日やパスポ ート番号などの情報を出発前に当局のホームページへの入力、申告を義務付け 04 ハドリー米大統領補佐官が温室効果ガス排出削減について「すべての主要排出国が拘束 力のある国際合意を目指すなら米国も一緒に取り組む」と述べ長期目標設定には排出量 が増えている中国やインドの参加が必要と表明 ブッシュ米大統領がオルメルト = イスラエル首相と会談(ワシントン)、イランの核武 装を阻止するため制裁などの圧力を強化しつつウラン濃縮をやめさせて外交交渉に引き 込むための硬軟両様の対応が必要と指摘 06 米上院本会議が民主党系無所属のリーバーマン、共和党の重鎮ウォーナー両議員が超党 派で提案した 2050 年までに米国内の温室効果ガス排出を約 70% を削減する「気候安全保 国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 59 国際問題月表 障法案」を審議、採決に必要な支持が得られず廃案に 12 米連邦最高裁がキューバのグアンタナモ米海軍基地にテロ容疑者を無期限で拘束してい るのは違憲として一般の裁判手続きで拘束の是非を争う権利を容疑者側に認める判決、 同基地での拘束をめぐる最高裁の初判断でブッシュ政権に大きな痛手 米インターネット検索大手のヤフーが米グーグルから検索広告の提供を受ける業務提携 で合意、ソフトウエア最大手の米マイクロソフトとの提携交渉を打ち切ったと発表 18 米政府が中国との投資拡大を目指した二国間投資協定締結に向けて両国が具体的協議を 開始することで合意したと発表 19 米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「フェニックス」を運用している研究チームが地 面に 4 日前にあったさいころ大の塊が蒸発して消えたとして「氷に違いない」と発表 米司法当局が証券大手ベアー・スターンズの系列ファンド破綻に絡み同証券の元幹部 2 人を起訴、サブプライム住宅ローン問題で金融機関幹部が刑事責任を問われるのは初 20 IMF が米国経済に関する年次審査報告書で「景気減速は心配していたより緩やかで来年 (2009 年)には景気回復が始まる」と指摘、米経済の判断を上向きに改定 米下院本会議が政府の要請でテロ対策目的の盗聴に協力した通信企業について訴訟を起 こされた場合でも免責を与える「外国情報監視法」の改正法案を賛成多数で可決 24 ブッシュ大統領がグエン・タン・ズン = ベトナム首相と会談(ワシントン)、投資協定 締結に向けた交渉開始などで合意 25 米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会を開き 2007 年 9 月以来続けてき た利下げを休止、主要な政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を現 在の年 2.0% に据え置くことを決定、 「景気重視型」から景気悪化とインフレの両方を警 戒する「中立型」の金融政策に転換 26 米連邦最高裁が自宅での短銃所持を禁じたワシントンの銃規制法が武器保有の権利を定 めた憲法に違反すると判決、銃規制に関する最高裁初の憲法判断 ●中南米 06 ・ 01 モラレス = ボリビア大統領と対立する白人富裕層が多い同国東部ベニ、パンド両県 で自治色を強める憲章制定の是非を問う住民投票が実施されいずれも賛成派が圧勝、22 日の東部タリハ県の住民投票でも賛成派が勝利、大統領と東部各県との対立が先鋭化 06 2008 年 3 月にコロンビア政府軍がエクアドル領内にいた左翼ゲリラを越境攻撃したこと から断交していた両国がカーター元米大統領の仲介を受けて国交の即時回復で合意 17 フェルナンデス = アルゼンチン大統領が世界的な食料価格高騰の一因とされる大豆など 農産物の輸出増税案を近く国会に提出する意向を表明 キューバ国営テレビが病気療養中のフィデル・カストロ前国家評議会議長とチャベス = ベネズエラ大統領が 16 日に会談した際の映像を放映、前議長の映像公開は 5 ヵ月ぶり 18 日本人のブラジル移住開始から 100 周年を迎えルラ大統領主催の記念式典が皇太子さま も参加して開催(ブラジリア) 、サンパウロなど各地でも記念式典 30 フジモリ元大統領の公判に側近だった国家情報部のモンテシノス元顧問が検察側証人と して初出廷、元大統領とは決裂したとされていたが「(元大統領は)無罪だ」と全面的 に擁護する証言 国際問題 No. 574(2008 年 9 月)● 60