Comments
Description
Transcript
Ⅰ 国際関係 11・02 EU諸国などがミャンマー軍事政権による反政府デモ
遠藤 幹宜・小宮伸太郎 清水 敬善・細川 洋嗣 編 Ⅰ 国際関係/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別 2007 年 11 月 1 日− 30 日 (共同通信) Ⅰ 国際関係 11 ・ 02 EU 諸国などがミャンマー軍事政権による反政府デモの武力鎮圧を「強く非難」 、自 宅軟禁中の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんら政治犯の解放を求める人 権決議案を国連総会第 3 委員会(人権)に提出、20 日採択 ウラン濃縮活動を続けるイランに対する国連安保理の追加制裁決議を協議する安保理常 任理事国にドイツを加えた 6 ヵ国の高官会合開催(ロンドン)、IAEA などの報告で進展 がなければ 3 度目の安保理制裁決議案を作成することで合意 05 米国務省は 1 日に訪朝した米作業チームが朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)寧辺の核 施設の無能力化作業を開始したと発表 13 クラスター(集束)弾を規制する国際ルールづくりを協議する特定通常兵器使用禁止制 限条約(CCW)締約国会議が 2008 年から政府専門家会合で規制内容について交渉を始 めることで合意(← 7 日、ジュネーブ) EU の欧州議会が本会議を開催(ストラスブール)、域内を運航する国際民間航空機が排 出する二酸化炭素量に航空会社ごとの上限を設ける欧州委員会の地球温暖化対策案につ いて航空会社にいっそう厳しい条件となる修正を盛り込み可決 15 イランが行なった過去の核開発計画に関する情報開示により同国が国連安保理の制裁決 議に反して遠心分離機を約 3000 基に増設、ウラン濃縮活動を拡大していることを確認し たとする報告書をエルバラダイ IAEA 事務局長が IAEA 理事会に配布 国連総会第 3 委員会(人権)が死刑制度がある国連加盟国に対し死刑の一時停止(モラ トリアム)を求める決議案を採択、日米、中国などは反対 17 日米欧、中国、インドなど 20 ヵ国・地域が財務相・中央銀行総裁会議(G20)開催(ケ ープタウン郊外)、18 日米国の信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン) 問題をきっかけとした国際金融市場の混乱により「世界経済の下振れリスクが高まった」 との警戒感を示した声明を採択 OPEC が 7 年ぶりの首脳会議を開催(リヤド)、ドル安が加盟国経済に与える影響を協議 するため早期に財務相会合を開くことで一致 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)総会が開かれ地球温暖化の被害を小さく できるかどうかは今後 20 ― 30 年間の温室効果ガス排出削減努力が鍵とする統合報告書 を承認(バレンシア〔スペイン〕) 20 国連気候変動枠組み条約事務局が京都議定書で温室効果ガスの排出削減目標を定めた先 進 40 ヵ国と EU の排出量などを示すデータを公表、森林伐採などが原因の排出を除いた 2005 年の排出量は約 181 億 8000 万トン余りで 1991 年以降最大 国連合同エイズ計画(UNAIDS)と WHO が 2007 年版のエイズ報告書を発表、2007 年の 世界のエイズウイルス(HIV)感染者数は 3320 万人と推計 21 OECD が米サブプライムローン問題で金融機関の損失が 2000 億― 3000 億ドル(約 21 兆 国際問題 No. 568(2008 年 1・2 月)● 67 国際問題月表 7000 億― 32 兆 5000 億円)に達する可能性があるとの見通しを明らかに 27 ブッシュ米大統領がオルメルト = イスラエル首相、アッバス = パレスチナ自治政府議長 と 3 首脳会談(米メリーランド州)、両者が 2008 年中の合意を目標にパレスチナ国家樹 立のため和平交渉を直ちに再開することで合意したと発表、7 年ぶりの和平交渉 ブッシュ大統領の呼び掛けによる中東和平国際会議が開催(メリーランド州)、イスラ エルと国交がないサウジアラビア、シリアなど 14 のアラブ諸国を含む約 50 の国・機関 が参加、国際社会が結束して和平プロセスを支援する意思を表明 国連開発計画(UNDP)が地球温暖化問題に焦点を当てた 2007 ― 08 年版の「人間開発報 告書」を発表、先進国に対し 2050 年までに温暖化の原因となる二酸化炭素など温室効果 ガスの排出量を 1990 年の水準から少なくとも 80% 削減するよう要求 砂漠化の防止などを目指す砂漠化対処条約の締約国が 2008 ― 09 年の事務局予算を前期 比約 4% 増の 1489 万 6000 ユーロ(約 23 億 9000 万円)とすることで合意、日本の反対で 決裂した 9 月の混乱が収拾(ニューヨーク) 29 二酸化炭素など温室効果ガスの排出量取引を推進している EU 欧州委員会が米国のニュ ーヨーク州など 9 州などと将来の「世界市場」創設を提唱する初の米欧間協定「国際炭 素取引協定」を締結(リスボン) 欧州安保協力機構(OSCE)の閣僚理事会(外相会議)開催(マドリード) 、30 日 OSCE の選挙監視活動に関して米欧とロシアが対立したまま閉会 Ⅱ 日本関係 11 ・ 01 テロ対策特別措置法の期限切れに伴い石破茂防衛相がインド洋の海上自衛隊部隊に 撤収を命令、給油活動は 5 年 11 ヵ月で中断 沖縄戦の集団自決をめぐる高校日本史の教科書検定問題で日本軍の強制に関する記述を 削除、修正した教科書会社 5 社のうち東京書籍と実教出版が軍の強制を示す記述を復活 させる内容で文部科学省に訂正申請、他の 3 社も 8 日までに申請 日本の植民地時代に広島に強制連行され被爆した韓国人元徴用工らの賠償請求訴訟で最 高裁が国の上告を棄却し原告側の勝訴確定、在外被爆者訴訟で国家賠償確定は初めて 02 福田康夫首相が小沢一郎民主党代表と 2 度目の党首会談を行ない連立政権樹立に向け協 議することを提案したが民主党が拒否、4 日小沢代表は連立政権協議が党役員会で否定 されたことを理由に辞意表明、6 日一転辞意撤回 07 薬害肝炎大阪訴訟で大阪高裁が和解勧告、薬害肝炎をめぐる一連の訴訟で和解勧告は初 めて、舛添要一厚生労働相が歴代厚労相として初めて原告らと面会、謝罪の言葉はなし 08 福田首相や石破防衛相らがゲーツ米国防長官と会談(都内)、インド洋での海上自衛隊 の給油活動を早期に再開する必要があるとの認識で一致 東京地検特捜部が守屋武昌前防衛省事務次官へのゴルフ接待などが発覚した防衛商社 「山田洋行」の宮崎元伸元専務ら 2 人を米国子会社から約 1 億円を着服したとして業務上 横領容疑などで逮捕 13 インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法案が衆院本 会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、衆院を通過 14 米軍の核兵器搭載船の日本への寄港などを認める日米間の密約をめぐり米政府が 1963 年 国際問題 No. 568(2008 年 1・2 月)● 68 国際問題月表 から 68 年にかけ佐藤栄作元首相らに確認を迫っていたことが米公文書で判明 15 守屋前防衛事務次官が参院外交防衛委員会の証人喚問で山田洋行の元専務との宴席に久 間章生元防衛相と額賀福志郎財務相が同席していた記憶があると証言 甘利明経済産業相が南部アフリカを訪問、レアメタル(希少金属)の共同開発などで南 アフリカと合意、16 日ボツワナのモハエ大統領と会談しレアメタルの共同探査で合意 16 福田首相が就任後初訪米、ブッシュ大統領と会談(ワシントン)、首相はインド洋での 給油活動再開に全力を尽くすと表明、大統領は北朝鮮問題で「拉致被害者と家族を置き 去りにしない」と明言 19 額賀財務相が参院決算委員会で山田洋行に計 220 万円の政治資金パーティー券を購入し てもらい全額返還したことを明らかに、守屋前防衛事務次官が証人喚問で指摘した宴席 への同席は否定 20 福田首相が温家宝中国首相、盧武鉉韓国大統領と会談(シンガポール)、北朝鮮の核問 題に関する 6 ヵ国協議の合意文書に基づき北朝鮮が核施設の無能力化やすべての核計画 申告を着実に履行することが重要との認識で一致 16 歳以上の外国人に入国審査で指紋、顔写真の提供を義務付ける改正入管難民法が施行 21 京都大と米ウィスコンシン大が人の皮膚細胞に遺伝子操作を加えさまざまな細胞に成長 できる「万能細胞」づくりに成功と発表 22 福田首相が与野党党首と個別に会談、新テロ対策特別措置法案の会期内成立に協力を要 請したが小沢代表らは拒否 28 東京地検特捜部が防衛装備品納入について便宜を図った見返りに過剰なゴルフ接待を受 けたなどとして収賄容疑で守屋前次官と幸子夫人を逮捕、贈賄容疑で山田洋行元専務の 宮崎容疑者を再逮捕 イラクに派遣した航空自衛隊を撤収させるため民主党が提出した「イラク復興支援特別 措置法廃止法案」が参院本会議で野党の賛成多数により可決 韓国の半導体大手ハイニックス半導体の製品に日本が相殺関税を課しているのは不当だ として韓国が WTO に訴えた通商紛争で日本の実質敗訴が確定 中国海軍の艦艇が東京の晴海埠頭に入港、海上自衛隊が歓迎行事開催 29 OECD が 2006 年の学習到達度調査の結果を発表、日本の高校 1 年生は科学的応用力の順 位が 2 位から 6 位に低下 30 山田洋行元専務との宴席同席問題に関し参院財政金融委員会で実施される予定だった額 賀財務相の証人喚問について与野党が見送りで合意 戦争犯罪や大量虐殺などを裁く国際刑事裁判所の締約国が欠員判事 3 人の補欠選挙を行 ない斎賀富美子外務省人権担当大使が当選、日本人の選出は初めて Ⅲ 地域別 ●アジア・大洋州 11 ・ 03 ムシャラフ = パキスタン大統領が非常事態を宣言、現行憲法を停止し「暫定憲法命 令」を発令、27 日兼任していた軍の最高司令官である陸軍参謀長を辞任、29 日非常事 態を 12 月 16 日に解除し停止した憲法を復活させると発表 04 ガンバリ国連特別顧問がミャンマー軍事政権のニャン・ウィン外相らと会談(ネピドー 国際問題 No. 568(2008 年 1・2 月)● 69 国際問題月表 〔ミャンマー〕)、軍政と自宅軟禁中の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん との対話実現を働き掛け ゲーツ米国防長官が曹剛川中国国防相と会談(北京)、緊急時に両国の不測の衝突を避 けるため軍事ホットライン設置で合意 06 アフガニスタン北部バグランで工場視察の目的で現地入りしていた国会議員のグループ を狙ったとみられる自爆テロがあり国会議員 6 人を含む 60 ― 90 人が死亡とロイター通信 が報道 07 ゲーツ国防長官が金章洙韓国国防相と会談(ソウル)、在韓米軍基地再編問題の着実な 実施を確認 11 ミャンマー問題を担当する国連人権理事会のピネイロ特別報告者がミャンマーを訪問、 反政府デモ弾圧の舞台になったヤンゴンのシュエダゴン・パゴダ(仏塔)の幹部と会談 12 カンボジア大虐殺をめぐる特別法廷の捜査当局がイエン・サリ元副首相兼外相らを拘束、 19 日国家元首を務めたキュー・サムファン元国家幹部会議長を逮捕 13 フィリピンのマニラ首都圏ケソン市にあるフィリピン議会の下院ロビー付近で爆発があ りワハブ・アクバル下院議員ら 4 人が死亡、爆弾テロの可能性 14 韓国と北朝鮮が首相会談を 15 年ぶりに開催(ソウル) 、16 日金英逸北朝鮮首相と韓悳洙 韓国首相は共同漁業事業など 8 項目の合意書を発表、南北の経済協力拡大が本格化 パキスタン当局が反大統領の中心人物で野党パキスタン正義運動のカーン党首を拘束 15 中国政府の国務院新聞弁公室が政党に関する初の白書「中国の政党制度」を発表、共産 党一党独裁の正当性を強調 ベンガル湾に発生した大型サイクロン(台風)がインド東部オリッサ州からバングラデ シュまでの一帯を直撃、死者が 1 万人に達する恐れ 19 香港で 18 日投票が行なわれた区議会選の開票が終了、民主派最大政党の民主党が前回よ り 36 議席減らし大敗 20 パキスタン選挙管理委員会が下院選を 2008 年 1 月 8 日に実施すると発表 ASEAN10 ヵ国首脳が加盟国の人権問題を扱う組織の創設などを盛り込んだ最高規範 「ASEAN 憲章」に署名(シンガポール) 21 ASEAN と日本、中国、インドなど 16 ヵ国による第 3 回東アジア・サミットが開かれ地 球温暖化対策として森林面積を 2020 年までに 16 ヵ国合計で 1500 万ヘクタール増やすと の目標を盛り込んだ宣言を採択(シンガポール) 24 オーストラリア総選挙でイラクからの撤兵や京都議定書批准を公約とするケビン・ラッ ド党首が率いる最大野党の労働党が圧勝、約 11 年半ぶりに政権交代、ハワード首相は 選挙区で落選 25 韓国の次期指導者を決める大統領選が告示、最大野党ハンナラ党の李明博前ソウル市長、 与党系の大統合民主新党の鄭東泳元統一相ら過去最多の 12 人が立候補 26 胡錦濤中国国家主席がサルコジ = フランス大統領と会談(北京)、地球温暖化防止協力 を明記した共同声明など 20 余りの文書に調印 28 マニラ首都圏マカティ市で 2003 年の反乱事件に関与した元将校ら 2 人を中心とする兵士 らが高級ホテル「ペニンシュラ・マニラ」に立てこもりアロヨ大統領の辞任を要求、約 7 時間後に投降し逮捕 国際問題 No. 568(2008 年 1・2 月)● 70 国際問題月表 ●中近東・アフリカ 11 ・ 03 イラク安定化会議外相級会合がイラク北部を拠点にトルコ攻撃を繰り返すクルド労 働者党(PKK)封じ込めに向けイラクによるテロ防止活動の支援などを採択(イスタン ブール) 08 ソマリアの首都モガディシオで 9 日にかけ同国暫定政府を支援するエチオピア軍とイス ラム原理主義勢力「イスラム法廷会議」の残存勢力などが交戦、70 人以上が死亡、200 人以上が負傷 12 パレスチナ自治区ガザ市で 3 年前に死去した故アラファト前自治政府議長を追悼する集 会の参加者とイスラム原理主義組織ハマスの治安部隊が衝突、5 人死亡 19 イスラエル政府が閣議で収監中のパレスチナ人約 440 人を刑期途中で釈放するというオ ルメルト首相の提案を承認、米国での中東和平国際会議に向けパレスチナ側との信頼醸 成を図る目的 サッカーの 2010 年ワールドカップ(W 杯)が開催される南アフリカでスタジアムの建設 作業員らの所属する労働組合が待遇改善を求め 11 月上旬から実施していたストライキが 労使間交渉が妥結し解除 20 日本とアラブ諸国の対話や交流を促進し中東和平における両者の役割などを話し合う日 本・アラブ会議が開催(→ 21 日、アレクサンドリア〔エジプト〕) 24 アガザデ = イラン原子力庁長官が西部アラクに建設中の実験用重水炉で使用するための ウランを焼き固めたペレットの製造に初めて成功したことを明らかに 親シリア派と反シリア派の対立が続くレバノンで親シリア派のラフード大統領の任期が 切れ大統領不在の事態に 28 サウジアラビアの治安当局が石油施設やイスラム法学者らに対するテロを計画していた として武装勢力のメンバーら 208 人を拘束したと発表 30 トルコ中部イスパルタで民間航空アトラスジェットの旅客機が墜落、乗客乗員 57 人が死亡 ●欧 州 11 ・ 06 EU 欧州委員会が加盟交渉を進める各国に関する年次報告書を発表、トルコに対し て「表現の自由」などの分野でいっそうの改革を進めるよう要求 オーストリアで 2000 年に起きたケーブルカー火災事故の被害者救済目的で同国政府が設 立した和解委員会が国やケーブルカー会社などが総額 1340 万ユーロ(約 22 億円)の補 償金を日本人被害者の遺族らに支払うとの案を提示 07 フィンランドの首都ヘルシンキの北方にあるトゥースラのヨケラ高校で男子生徒が授業 中の生徒らに向けて銃を発砲し 8 人が死亡、約 10 人が負傷、男子生徒は犯行後自殺 08 欧州航空安全庁が事故が相次いだボンバルディア社の航空機 DHC-Q400 に関して「事故 は設計上の欠陥が原因ではなく(航空機が安全に飛行できる)耐空性に問題はない」と 発表 09 EU 欧州委員会が秋季経済見通しを発表、2008 年の経済成長率予測を加盟 27 ヵ国は 2.4%、 ユーロ圏 13 ヵ国は 2.2% へと、それぞれ 5 月の予測から 0.3 ポイント下方修正 第 2 次大戦中の従軍慰安婦問題でオランダ下院本会議が日本政府の対応を非難し元慰安 婦の女性らへの謝罪、賠償などを求める決議案を全会一致で採択 国際問題 No. 568(2008 年 1・2 月)● 71 国際問題月表 13 フランス国鉄労組が公共企業の特別年金制度の改革をめぐり無期限ストに突入、14 日ド イツ鉄道運転士組合が賃上げを求め同国鉄道史上最大規模のスト デンマークで国会総選挙実施、ラスムセン政権の中道右派が勝利、3 期目 16 ポーランド下院選で第 1 党となった中道保守政党「市民プラットフォーム」のドナルド・ トゥスク党首が新首相に就任、23 日の下院での施政方針演説で新首相はイラクに派遣し た軍部隊約 900 人を 2008 年中に完全に撤退させると正式表明 17 国連が 1999 年から暫定統治を続けるセルビアのコソボ自治州で任期満了に伴う州議会選 挙(定数 120)実施、18 日急進独立派の最大野党コソボ民主党の勝利が確実に 20 EU 欧州委員会が欧州のテレビ局などで使われている業務用ビデオテープについて違法 な価格カルテルを結び EU 競争法に違反したとしてソニー、富士フイルム、日立マクセ ルの 3 社に計約 7500 万ユーロ(約 122 億円)の制裁金支払いを命令 21 シラク前フランス大統領がパリ市長時代に有力政治家らに架空業務を委託したとされる 事件で捜査担当の予審判事が公金横領の疑いでシラク氏の予審開始を決定、容疑者とし ての本格捜査開始、フランスで大統領経験者が容疑者となるのは初めて 22 EU 欧州委員会が EU 域内で流通する中国製玩具から有害な鉛入り塗料などが相次ぎ検出 された問題で調査報告書を発表、中国当局の対応を前向きに評価、輸入禁止措置は回避 23 2006 年 11 月に「毒殺」されたロシアの元情報機関員リトビネンコ氏の妻マリーナさん がプーチン政権は事件に責任があるにもかかわらず捜査を妨害しているなどとして欧州 人権裁判所に提訴したことを明らかに 25 クロアチアで議会選挙実施、サナデル首相率いる中道右派のクロアチア民主同盟が中道 左派野党の社会民主党を小差でリード、首相が勝利宣言 26 セルビアのコソボ自治州の最終地位をめぐる交渉開催(→ 28 日、バーデン〔オーストリ ア〕 ) 、独立を譲らないコソボ側と広範な自治を認めることで解決を求めるセルビア側の 主張が平行線をたどり決裂 27 EU の農漁業相理事会が日本などに輸出され高級刺し身の材料となるクロマグロの漁獲 規制を厳格化し 15 年間にわたり適用し続けることを決定(ブリュッセル) 28 EU 欧州委員会が欧州での板ガラス販売をめぐり話し合いで値上げを決めるなどカルテ ルを結び EU 競争法に違反したとして旭硝子などに総額約 4 億 8700 万ユーロ(約 785 億 円)の制裁金支払いを命令 30 オランダ政府が戦闘が続くアフガニスタン中部に駐留する約 1600 人の部隊について派遣 期限を 2010 年まで約 2 年間延長することを閣議決定 ●独立国家共同体(CIS) 11 ・ 02 グルジアの首都トビリシ中心部にある議会庁舎前の広場でサーカシビリ大統領に反発 する野党勢力が約 5 万人規模の大集会を開き議会選の早期実施や拘束されている野党関係 者らの釈放などを要求、7 日サーカシビリ大統領が野党勢力のデモを強硬手段で排除、全 土に非常事態を宣言(→ 16 日) 11 スロベニア大統領選で中道左派の野党などが支持するトゥルク元国連事務次長補が当選 12 シン = インド首相がプーチン = ロシア大統領と会談(モスクワ) 、軍事技術や原子力分野 での協力について協議、大統領は新型戦闘機や輸送機の共同開発で合意したと発言 国際問題 No. 568(2008 年 1・2 月)● 72 国際問題月表 15 ロシア国防省がグルジアに駐留していたロシア軍の撤退が完了したと発表、黒海沿岸のバ トゥーミ基地から武器などを載せた最後の列車が出発し国境を越えロシア内に 16 サーカシビリ大統領が非常事態宣言を解除し内閣を解散、22日グルジア議会は大統領が新 首相に指名したラド・グルゲニゼ氏と新内閣を承認 18 ウクライナ東部ドネツクのザシャチコ炭鉱でメタンガスが爆発、少なくとも 70 人死亡 20 ロシア最高裁が12月の下院選(比例代表制)でプーチン大統領が与党「統一ロシア」の候 補者名簿の筆頭となったことは法律に違反していないとの決定 ロシアの政府系天然ガス独占企業ガスプロム会長を兼任するメドベージェフ第 1 副首相が 日本などへの輸出を視野に東シベリアから太平洋岸へ建設中の石油パイプラインに天然ガ スパイプラインを併設する案についてガス供給をめぐる日本などとの合意が前提との考え を提示 24 ロシア下院選を前にモスクワで野党連合勢力が反政府集会、チェス元世界王者カスパロフ 氏ら 25 人を治安部隊が拘束、25日サンクトペテルブルクの野党集会でも約 200 人拘束 26 ロシア上院が大統領選実施を 2008 年 3 月 2 日に決定 29 2004年の「オレンジ革命」でウクライナに民主化をもたらしたユーシェンコ大統領とティ モシェンコ元首相の両陣営が最高会議(議会)で協力するとの連立文書に正式調印 30 プーチン大統領が欧州各国が配備する通常兵器の上限を定めた欧州通常戦力(CFE)条約 の履行停止に関する法案に署名、12 月 12 日から条約履行の停止が決定 ●北 米 11 ・ 01 広島に原爆を投下した B29 爆撃機エノラ・ゲイの機長ポール・ティベッツ氏死去 (92 歳) ゲーツ米国防長官がインド洋での日本の給油活動がテロ対策特別措置法の期限切れで中 断したことに関し「早く再開してほしい、数週間での再開を期待する」と発言 02 ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場が高値更新を続け 20 日には一時 1 バレル= 99.29 ルまで上昇 05 ブッシュ米大統領がエルドアン = トルコ首相と会談(ワシントン)、非合法武装組織ク ルド労働者党(PKK)への対応策について協議、大統領は情報機関による関連情報の共 有を進める方針を提示 07 ブッシュ大統領がサルコジ = フランス大統領と初の公式会談(米バージニア州)、ウラ ン濃縮活動を続けるイランへの制裁強化が必要との考えで一致 08 バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長がサブプライムローン問題について 2008 年初めまで景気減速、損失額は推計 1500 億ドルに上ると表明 ニューヨークの金先物相場が続伸、12 月渡しが 1 オンス= 837.50 ドルで取引を終え 1980 年 1 月の終値最高値 1 オンス= 834.00 ドルを約 28 年ぶりに塗り替え 10 ニューヨーク・ブロードウェーの舞台設営係らでつくる組合がストライキに突入、ミュ ージカル『ライオンキング』など大半の公演が休演、29 日ストが収拾し公演再開 ブッシュ大統領がメルケル = ドイツ首相と会談(米テキサス州)、イランのウラン濃縮 活動を断念させるため連携する方針を確認 15 米連邦大陪審がステロイド使用に関する偽証罪などで本塁打の米大リーグ最多記録をも 国際問題 No. 568(2008 年 1・2 月)● 73 国際問題月表 つバリー・ボンズ外野手を起訴 20 FRB が 2010 年までの経済見通しを公表、2008 年の米実質成長率は前年比 1.8 ― 2.5% と 7 月に公表した予想(2.5 ― 2.75%)を大幅に下方修正、サブプライムローン問題による景 気の急減速を見込んだもの、29 日には米政府も半期に 1 度の経済見通しを発表、2008 年 の実質 GDP は 2.7% 増と予測、6 月時点での 3.1% 増の見込みを下方修正 28 カナダ下院が第 2 次世界大戦中の従軍慰安婦問題をめぐり日本政府に謝罪などを求める 決議案を全会一致で採択 29 シュワブ米通商代表部(USTR)代表が中国の補助金制度をめぐる通商紛争で中国側が 2008 年 1 月 1 日までに補助金を撤廃することで合意したと発表 ●中南米 11 ・ 01 メキシコ南東部で大洪水、約 70 万人被災 02 ベネズエラ国会が反米左翼のチャベス大統領が目指す憲法改正案を賛成多数で承認、改 正案は大統領の再選制限規定を撤廃し任期を現在の 6 年から 7 年に延長して権限を強化 するなどの内容、改正案の是非を問う国民投票を 12 月 2 日に実施と発表、29 日改正に 反対する市民ら数十万人がカラカスで大規模な抗議デモを展開 05 グアテマラ大統領選決選投票で国民希望党のアルバロ・コロン氏が当選 10 イベロアメリカ首脳会議が開催されスペイン前首相を批判したチャベス大統領に対しス ペイン国王フアン・カルロス一世が「黙れ」と発言(サンティアゴ) 14 チリ北部でマグニチュード(M)7.7 の地震、震源に近い北部アントファガスタ県トコピ ジャで崩れた民家の下敷きとなって 2 人が死亡、アントファガスタ市内などで少なくと も 100 人以上が負傷 19 ペルー最高裁がチリからペルーに引き渡されたフジモリ元大統領の初公判を当初予定し ていた 26 日から 12 月 10 日に延期したと発表 25 ブラジル北東部バイア州サルバドルの 50 年以上前に建設されたサッカー競技場で国内プ ロリーグの試合中にスタンドの床の一部が突然崩落、男女 8 人が死亡 26 ペルーの最高裁特別刑事法廷がフジモリ政権下の 1992 年に大統領が憲法を停止して国会 を閉鎖、非常国家再建政府を樹立したことに加担して反逆罪に問われた元閣僚 10 人に対 し禁固 10 ― 4 年の判決 28 コロンビアのウリベ大統領がチャベス大統領がコロンビアの左翼ゲリラとの人質解放交 渉で同国軍高官と接触したのは越権行為だとして仲介要請を取り下げ、チャベス大統領 が反発、国交を断絶すると表明 国際問題 第 568 号(電子版) 2008 年 1・2 月号[合併号] 編集人 『国際問題』編集委員会 発行人 佐藤 行雄 発行所 財団法人日本国際問題研究所 〒 100−6011 東京都千代田区霞が関 3−2−5 霞が関ビル 11 階 電話 03−3503−7262(出版・業務担当) http://www.jiia.or.jp/ *本誌掲載の各論文は執筆者個人の見解であり、執筆者の所属する 機関、また当研究所の意向を代表するものではありません。 *論文・記事の一部分を引用する場合には必ず出所を明記してくだ さい。また長文にわたる場合は事前に当研究所へご連絡ください。 *電子版最近号 06 年 12 月号 焦点:BRICs 経済の実像 07 年 1・2 月号 焦点:日本外交の展開―小泉政権から安倍政権へ 07 年 3 月号 焦点:米中の協調と対立 07 年 4 月号 焦点:国際刑事裁判所の課題 07 年 5 月号 焦点:盧武鉉政権の韓国 07 年 6 月号 焦点:グローバル・ガヴァナンスの現在 07 年 7・8 月号 焦点:危機 10 周年のアジア経済 07 年 9 月号 焦点:平和構築―紛争後の不安定と安定 07 年 10 月号 焦点:日本の海洋境界画定 07 年 11 月号 焦点:急増するFTA ―世界貿易体制とアジア 07 年 12 月号 焦点:グローバリゼーションと経済安全保障 国際問題 No. 568(2008 年 1・2 月)● 74