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Ⅰ 国際関係 10・01 米ニューヨークのウォール街で格差是正などを求める

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Ⅰ 国際関係 10・01 米ニューヨークのウォール街で格差是正などを求める
會田 裕子・大野圭一郎 編
細川 洋嗣 (共同通信)
Ⅰ 国際関係/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別
2011 年 10 月 1 日− 31 日
Ⅰ 国際関係
10 ・ 01
米ニューヨークのウォール街で格差是正などを求める抗議デモ、市警察が参加者
700 人以上を逮捕、全米各地に反格差社会デモ拡大、15 日、欧州各国、アジア各地にも
拡大、衝突で負傷者や逮捕者も続出、格差への世界的な不満の高まりが浮き彫りに
02 日米欧 9 ヵ国のチームが 2011 年春に北極上空でオゾン層破壊が進み南極にできるオゾン
ホールに匹敵する大きさになったのを初確認と英科学誌『ネイチャー』電子版に発表
03
ノーベル医学生理学賞が免疫に関する重要な発見により米国とフランスの 3 教授に、う
ち米ロックフェラー大のラルフ・スタインマン教授が発表後に死亡していたことが判明
04
米格付け会社ムーディーズが欧州の財政不安からイタリア国債の格付けを 3 段階引き下
げ、7 日、欧州系格付け会社フィッチがスペイン、イタリア両国債の格付けをそれぞれ
引き下げ、13 日、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がスペイン国
債の長期格付けを 1 段階引き下げ、18 日、ムーディーズがスペイン国債を 2 段階格下げ
国連安保理が反政府デモへの弾圧を続けるシリアに対し制裁を警告する決議案を採決、
中国、ロシアの拒否権行使で否決
07 ノーベル平和賞に中東とアフリカで女性の権利向上を目指す「非暴力の闘い」に尽力し
たサーリーフ = リベリア大統領ら女性 3 人
08
EU の研究機関が 2010 年の世界の二酸化炭素排出量が 1990 年比 45% 増の 330 億トンと過
去最高となり前年比 5.8% 増、20 年で最大の伸び率との報告書をとりまとめ
12 22 万人以上が死亡・行方不明となったインドネシアのスマトラ沖地震(2004 年 12 月)に
よる巨大津波を教訓にユネスコが主導し日米が支援してインド洋沿岸諸国が進めてきた
津波警報システムが運用開始、参加国は 24 ヵ国
15 20 ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が財政危機克服のため欧州に対し銀行
の資本増強や欧州金融安定化基金(EFSF)の再拡充を柱とする包括対策の実行を要請
する共同声明を採択(パリ)
19
ILO が 2011 年の若者(15 ― 24 歳)の失業者が推定で 746 万人、失業率は 12.6% となり
2010 年より減少するとの統計を発表
国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会が原子力を含む低炭素技術を推進しエネルギー
供給の多様化を促進することで合意(パリ)
24 米外交公電約 25 万件などを公開した内部告発サイト「ウィキリークス」が資金不足のた
め情報公開活動を一時停止すると表明
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核問題をめぐり 3 ヵ月ぶりに米朝高官協議(ジュ
ネーブ)
、25 日、米朝の隔たりが埋まらず終了、早期の再協議では一致
25 欧州債務危機への懸念が再燃し円相場がニューヨーク外国為替市場で一時 1 ドル= 75 円
73 銭に急騰、21 日の戦後最高値(75 円 78 銭)を更新、31 日、オセアニア外為市場の
円相場が一時 1 ドル= 75 円 32 銭へ急騰、戦後最高値を更新、同日、日本政府と日銀は
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国際問題月表
東京市場で約 3 ヵ月ぶりとなる円売りドル買い介入実施、円相場は一時 1 ドル= 79 円台
半ばまで急落
31 ユネスコが現在オブザーバー資格であるパレスチナの正式加盟を賛成多数で可決、アッ
バス = パレスチナ自治政府議長の国連への加盟申請(9 月 30 日)後国連機関で正式加盟
を果たしたのはユネスコが初、米国務省がユネスコへの拠出金を凍結したと発表
国連人口基金(UNFPA)の推計によると世界の人口が 70 億人に到達
Ⅱ 日本関係
10 ・ 01 国際海洋法裁判所(ハンブルク)が駐米大使などを歴任した柳井俊二判事が同裁判
所の所長に当選したと発表
03
福島第 1 原子力発電所事故の賠償費用捻出のため東京電力の経費削減を検討する政府の
第三者委員会が報告書を提出、東電に当初計画の約 2 倍の計 2 兆 5455 億円のコスト削減
などを要請
04 日本労働組合総連合会(連合)定期大会で古賀伸明会長が原子力に依存しない社会を目
指すと表明、原発の新・増設推進のエネルギー政策を転換
05
2012 年度一般会計予算の概算要求総額が 98 兆 4686 億円と 3 年連続最大に、震災復旧・
復興費の 3 兆 5051 億円が全体を押し上げ
06 政治資金規正法違反で強制起訴された民主党元代表の小沢一郎被告が東京地方裁判所初
公判で起訴内容を否認し全面無罪を主張、尿管結石のため深夜緊急入院
07
政府が 2011 年度第 3 次補正予算案の骨格と臨時増税を明記した基本方針決定、歳出額
12 兆円のうち 9 兆 1000 億円を復旧・復興に充当
08 政府が太平洋戦争末期に硫黄島で戦死した日本兵の遺骨収容を強化する方針を固め東日
本大震災などで中断していた収容団派遣を 11 月に再開、今後 3 年間を集中実施期間に
09 福島県が原発事故を踏まえた県民健康管理調査の一環として 18 歳以下の子ども全員を対
象に甲状腺検査を開始、約 36 万人を生涯チェック
10
環境省が原発事故による放射性物質の汚染で年間の被曝線量が 1 ミリシーベルト以上の
地域の除染は国が財政措置をとる方針案を決定
11
厚生労働省が年金の支給開始年齢を 68 歳に引き上げるなどの複数案を提示、60 歳以降
も会社で働く人の在職老齢年金制度の見直し案も提示
政府税制調査会が東日本大震災の復興特区への新規立地企業の法人税を 5 年間実質免除
する制度を正式決定
12 福島県の一般米の放射性物質の本調査終了、すべて国の暫定基準値を下回り佐藤雄平知
事が安全宣言、全域で出荷可能に
13 文部科学省が震災の影響で転校した小中高校生や幼稚園児が 2 万 5751 人(9 月 1 日現在)
と発表、うち福島県が約 7 割の 1 万 8368 人
14 佐賀県の玄海原発再稼働のやらせメール問題で九州電力が最終報告書を提出、真部利応
社長と松尾信吾会長は役員報酬減で続投、第三者委員会の指摘を否定し古川康県知事の
責任に触れず、枝野幸男経済産業相が「問題外」と厳しく批判
枝野経産相が中国を訪問し温家宝首相、陳徳銘商務相と会談、日本から中国への食品輸
出の再開や中国からのレアアース(希土類)の安定供給などの問題について中国側に対
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国際問題月表
応を改善するよう要請(広州市)
17 藤村修官房長官が米軍普天間飛行場の移設先として名護市辺野古の環境影響評価書を年
内に提出したいとの意向を表明、一川保夫防衛相が仲井間弘多沖縄県知事にも伝達、25
日、防衛相がパネッタ米国防長官と会談、年内提出方針を表明
18 原発の使用済み燃料を再利用するプルサーマル計画をめぐり日本の電力 10 社が費用負担
して改修工事が進んでいた英国のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料工場が
福島原発事故が原因で閉鎖決定、拠出した改修費数十億円が無駄になったことが判明
枝野経産相がユルドゥズ = トルコ・エネルギー天然資源相と会談(パリ)、日本が受注
を目指している現地の原発建設計画について交渉継続を要請
IEA の閣僚理事会で枝野経産相が「原発の安全性を世界最高水準まで高める」と述べ当
面は原発輸出から撤退しないとの方針を強調(パリ)、国内のエネルギー政策に関して
は「ゼロベースで見直しを進める」と明言
19
野田佳彦首相が李明博韓国大統領と会談(ソウル)、欧州金融不安を受けたウォン安回
避に向け韓国への資金支援枠を現行の 130 億ドル(約 9900 億円)から 700 億ドル(約 5
兆 3600 億円)に拡大することで合意、中断している経済連携協定(EPA)締結交渉につ
いて早期再開を目指した実務協議の加速で一致
23
日本原子力発電が東海第 2 原発の津波対策として自主判断で実施中だった防水壁建設工
事により東日本大震災による全電源喪失が瀬戸際で回避されたことが判明
24
東電が福島第 1 原発の運転手順書を黒塗りにして衆議院科学技術・イノベーション推進
特別委員会に提出した問題で原子力安全・保安院が黒塗り部分のない手順書を公開、長
時間の電源喪失を想定していないなど事故想定の甘さが明らかに
財務省発表の 2011 年度上半期の貿易統計速報によると震災による輸出減が影響し貿易赤
字額は 1 兆 6666 億円と過去最大
25 原子力委員会の原子力発電・核燃料サイクル技術検討小委員会が原発事故リスクに対応
するための発電コストを試算、1 キロワット時当たり 0.1 ― 1 円上昇とすることで合意
27
日銀が金融政策決定会合で進行する円高などを受け資産買い入れ基金を 5 兆円増額し 55
兆円にする追加金融緩和を決定、
「経済・物価情勢の展望(展望リポート)
」で 2011 年度
の実質成長率を 0.3% に下方修正
28
食品に含まれる放射性セシウムの年間被曝限度について小宮山洋子厚労相が年 5 ミリシ
ーベルトを 1 ミリシーベルトに引き下げる方針表明
30 高速増殖炉もんじゅを運営する原子力機構の鈴木篤之理事長が実用炉建造より研究開発
に軸足を移す考え表明
Ⅲ 地域別
●アジア・大洋州
10 ・ 04 石川県能登半島沖で保護された脱北者の男女 9 人を滞在先の長崎県大村市の法務省
施設から韓国に移送
05 カルザイ = アフガニスタン大統領がカルザイ政権が進める反政府武装勢力タリバンとの
和平交渉をめぐりタリバンとは直接対話しないと表明
06 シンガポール与党の人民行動党(PAP)が初代首相で「建国の父」とされるリー・クアン
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ユー氏とゴー・チョクトン前首相らが党の幹部職である中央委員を辞任することを承認
07
ASEAN と日本、中国、韓国の計 13 ヵ国が農相会議を開き大規模災害などの緊急時にコ
メを支援し合う緊急コメ備蓄協定に署名(ジャカルタ)
09 インラック = タイ首相が国内の洪水対策に専念するためシンガポール、マレーシア訪問
を中止と発表、タイでは 7 月下旬から続く大雨で北部や東北部を中心に大規模な洪水被
害が発生、11 日、ホンダ、トヨタ自動車が現地自動車工場の生産停止を表明、14 日、日
産自動車も生産停止を表明、16 日、アユタヤ県内 5 ヵ所の工業団地すべてが水に漬かり
被災した日系企業は約 310 社に、17 日、パトゥムタニ県のナワナコン工業団地が浸水、
日系企業 104 社に被害、20 日、パトゥムタニ県のバンカディー工業団地が冠水、日系企
業 29 社の工場が被災、22 日、バンコク中心部のドゥシット地区で浸水が始まり洪水は
首都中心部へ、インラック首相は水が引くのに 1 ヵ月以上かかるとの見通しを表明、各
地の死者は 356 人、23 日、スクムパン = バンコク知事が首都北部ドンムアン地区の住民
ら約 9 万 5000 人に避難勧告、25 日、ドンムアン空港を閉鎖、政府が避難を促すため首
都などで 27 日から 5 連休にすると決定
中国人民大会堂で開かれた辛亥革命 100 周年記念大会に死亡説が一時出ていた江沢民前
国家主席が出席
10
台湾が中華民国の「建国 100 年」に際し軍事パレードなどの祝賀行事を実施、馬英九総
統が中国に対し孫文が理想とした民主国家の建設を目指すよう呼び掛け
11
プーチン = ロシア首相が中国を訪問し温家宝首相と会談(北京)、プーチン氏は大統領
への返り咲きを見据え対中重視の姿勢をアピール、12 日、胡錦濤国家主席と会談、
「G20
での協調を強め国際金融システムの改革を進める」との両国政府のコミュニケを発表
12
シン = インド首相がチュオン・タン・サン = ベトナム国家主席と会談、9 月に合意した
ベトナム沖の南シナ海でのインド国営企業などによる石油や天然ガス開発での協力確認、
14 日、シン首相はテイン・セイン = ミャンマー大統領と会談、ミャンマーとの国境付近
で活動するインドの反政府武装勢力の取り締まりやミャンマーの天然ガス田開発など資
源分野での協力推進で一致(ニューデリー)
ミャンマーでテイン・セイン大統領の恩赦による受刑者 6359 人の釈放開始
13
中国税関総署が 9 月の貿易黒字が 145 億 1400 万ドル(約 1 兆 1000 億円)と発表、黒字額
は前月より縮小したが 6 ヵ月連続で 100 億ドルを上回る
17 馬英九総統が今後 10 年間の対中国政策を発表、中国との「平和協定」の交渉、締結につ
いて「可能性は排除しない」と述べ平和協定締結の可能性に初めて言及
18
ユドヨノ = インドネシア大統領が閣僚 13 人を交代させるなど大幅な内閣改造を発表、
2009 年 10 月の第 2 次ユドヨノ政権発足以来初の改造
中国共産党の第 17 期中央委員会第 6 回総会(6 中総会)が「文化体制改革の深化」に関
する決定を採択し閉幕(← 15 日、北京)
、総会で文化産業振興で中国の「ソフトパワー」
を高め国際的な影響力と競争力の強化を図る一方インターネット管理など国内の思想を
引き締める方針も盛り込んだコミュニケを発表
中国の 2011 年 7 ― 9 月期実質 GDP が前年同期比 9.1% 増、3 四半期連続で成長減速
20 クリントン米国務長官がアフガニスタン周辺国歴訪でカルザイ = アフガニスタン大統領
らと会談(カブール)、会談後の共同記者会見で同国務長官は米国は長期的にアフガン
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国際問題月表
に関与し続けると表明、次いでペトレアス CIA 長官らとともにギラニ = パキスタン首相
らと会談(イスラマバード)
、9 月に発生した在アフガニスタン米大使館攻撃事件に関与
したとされる反政府武装勢力タリバンの一派のハッカニグループの掃討を強く求めたが
パキスタン側は応じず
中国と台湾の窓口機関トップが会談し「原子力発電安全協力協定」に調印(天津)
、国際
評価尺度(INES)の「レベル 2」以上の異常事態が起きた場合の相互通報義務などを規定
23
パネッタ米国防長官が ASEAN 加盟 10 ヵ国の国防相らと会談(バリ島)、領有権の争い
がある南シナ海問題について法的拘束力のある行動規範の策定を目指して取り組むよう
要請
26 韓国で 2012 年に行なわれる総選挙と大統領選の前哨戦となるソウル市長選が投開票され
野党統一候補で無所属の朴元淳氏が当選
27 ミャンマーの連邦議会が政党登録法の改正案を可決、民主化運動指導者アウン・サン・
スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)が参加可能に
28
パネッタ国防長官が金寛鎮韓国国防相と会談(ソウル)、北朝鮮のウラン濃縮活動につ
いて「重大な脅威」との認識で一致
29 カブール駐留の国際治安支援部隊(ISAF)に対する自爆攻撃があり同部隊員の米兵や軍
属ら 13 人が死亡
スー・チーさんが ASEAN 議長国インドネシアのマルティ外相と会談(ヤンゴン)
、ミャ
ンマーが 2014 年の ASEAN 議長国に就任することについて明確な反対を示さず
●中近東・アフリカ
10 ・ 09
エジプトの首都カイロでキリスト教の一派コプト教徒らのデモ隊と治安部隊が衝
突、25 人死亡、200 人以上負傷
シリア各地で政権から離反した兵士らと軍部隊が衝突、デモ弾圧などもあり少なくとも
31 人が死亡、17 日、シリア軍戦車部隊がアサド大統領退陣を求める大規模デモが頻発す
る同国西部ホムスに進攻し住民ら 25 人が死亡
11 イエメンを拠点とする国際テロ組織アルカイダ系のイスラム武装勢力「アラビア半島の
アルカイダ」がこの日までに幹部のアンワル・アウラキ師が米機の空爆で死亡したこと
を確認、ウェブサイト上に報復を宣言する声明
17 イエメンの首都サヌアで政府軍とサレハ大統領の辞任を求めて軍を離反した部隊などに
よる戦闘があり双方の兵士や巻き添えになった市民ら 17 人が死亡
18 パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが 2006 年に拉致したイスラエル兵を解放、イ
スラエルは「捕虜交換」の一環としてパレスチナ人服役囚約 1000 人のうち 477 人を釈放
19 トルコ南東部ハッカリ県で少数民族クルド人系の武装勢力がトルコ兵を襲撃、兵士 26 人
が死亡、16 人が負傷
20
リビアの反カダフィ派幹部がカダフィ大佐が死亡したと確認、42 年にわたる独裁に幕、
23 日、反カダフィ派「国民評議会」が北東部ベンガジで独裁支配からの決別と全土の
「解放」を宣言、25 日、カダフィ大佐の遺体は砂漠の秘密の場所に埋葬、31 日、「国民
評議会」が暫定政府の首相にアブドルラヒム・キーブ氏を選出
22 サウジアラビア王室がスルタン・ビン・アブドルアジズ皇太子が病気のため死去と発表、
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国際問題月表
28 日、アブドラ国王がナエフ第 2 副首相兼内相を新皇太子に任命
23
トルコ東部でマグニチュード 7.2 の地震、死者 601 人、負傷者 4100 人以上(30 日現在)
27 チュニジアの新憲法制定制憲議会選挙(23 日実施)で選挙管理当局がイスラム政党アン
ナハダが 217 議席中 90 議席を獲得し第 1 党になったと発表、中東の民主化運動「アラブ
の春」で独裁政権が崩壊した国では初の選挙、イスラム政党が大躍進
イラクの首都バグダッド北東部のサドルシティー近くで爆弾 2 発が相次いで爆発し 32 人
死亡、71 人負傷
29 陸上自衛隊部隊が国連平和維持活動(PKO)に派遣される南スーダンの北部で反政府武
装勢力が同国政府軍や市民らを襲撃し 20 人以上が死亡
●欧 州
10 ・ 01 9 月の選挙で社会党を中心とする左派が過半数となったフランス上院が議長に社会
党のジャンピエール・ベル上院議員を選出、社会党の上院議長は史上初
03 EU 財務相理事会が EU の財政規律を定めた「財政安定成長協定」を改定し規律に違反し
た加盟国に対し自動的に制裁を科すことを正式決定、2012 年 1 月から発効
05
深刻な財政危機に陥っているギリシャ全土で政府の緊縮策に反対する官民 2 大労組がゼ
ネスト実施
06 欧州中央銀行(ECB)が欧州の金融不安に対応して追加資金供給策を決定、英中央銀行
のイングランド銀行が量的緩和策の資金枠を拡大
NATO 国防相理事会でパネッタ米国防長官が米国が NATO への関与を減らす方針を明言
(ブリュッセル)
09 フランス、ベルギー両政府がギリシャ財政危機の影響で経営が悪化している欧州の金融
大手デクシアの分割解体で合意、20 日、ギリシャ国会が年金支給額削減や公務員の人員
整理などを盛り込んだ追加緊縮案を可決、前日 19 日から法案に反対し全土で官民二大
労組の連合組織が 48 時間のゼネスト、22 日、EU 財務相理事会が資産悪化が懸念される
欧州の主要銀行に対し合計で最大 1000 億ユーロ(約 10 兆 6000 億円)の資本増強を実
施、27 日、EU がユーロ圏 17 ヵ国の緊急首脳会議で金融危機の包括的対策について基本
合意、民間銀行が保有するギリシャ国債の 50% の価値減額を自主的に受け入れることで
合意(ブリュッセル)、31 日、パパンドレウ = ギリシャ首相が EU 首脳が合意した金融
危機封じ込めの包括的対策について受け入れの是非を問う国民投票を実施する意向表明
ポーランド下院選挙でトゥスク首相が率いる中道保守の与党「市民プラットフォーム」
が第 1 党に、連立相手のポーランド農民党が 4 位で両党で過半数確保
11 英国原子力規制庁が英国内の原発の安全性に関する最終報告を発表、英国では巨大地震
や津波が起こる可能性は低いため安全性に問題はなく原発の新規建設方針を変える必要
はないと結論
スロバキア議会がギリシャ財政危機の拡大阻止に向けた EFSF の機能強化策を否決、13
日、再度の採決で可決、ユーロ圏 17 ヵ国すべてが承認
12 フランスの女性作家がストロスカーン IMF 前専務理事から性的暴行を受けそうになった
として暴行未遂罪で告訴した事件でフランス検察当局が時効を理由に不起訴処分
16 2012 年のフランス大統領選候補を選出する最大野党の社会党の予備選決選投票でオラン
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国際問題月表
ド前第 1 書記がオブリ第 1 書記を破り統一候補に
19 EU の欧州委員会がブラウン管ガラスの販売をめぐりカルテルを結び EU 競争法に違反し
たとして旭硝子や日本電気硝子など日欧の 3 社に計 1 億 2873 万 6000 ユーロ(約 136 億円)
の制裁金支払いを命令
21 欧州宇宙機関(ESA)が EU 独自の衛星利用測位システム(GPS)
「ガリレオ」の 2014 年
の稼働に向けシステム最初の衛星 2 基を南米フランス領ギアナの基地から打ち上げ
23
スイス上下両院選挙で下院(国民会議、定数 200)では移民受け入れに反対する第 1 党
の右派国民党が 8 議席減の 54 議席、第 2 党の社会民主党が 4 議席増の 47 議席
28 アイルランド大統領選(27 日投票)で与党第 2 党の労働党の元閣僚で詩人のマイケル・
ヒギンズ氏が当選
NATO 大使級理事会がリビア市民をカダフィ政権の攻撃から守るため NATO が 3 月末か
ら実施してきた「統一の防衛者」作戦の 10 月 31 日終了を正式決定(ブリュッセル)
英女王を国家元首とする英連邦首脳会議が英王室の王位継承法に関し男子優先規定を廃
止し男女平等の長子優先とすることで合意
30 ブルガリア大統領選決選投票で与党の中道右派「欧州発展のためのブルガリア市民」の
プレブネリエフ前地域開発・公共事業相が当選
●独立国家共同体(CIS)
10 ・ 08
カパナゼ = グルジア外務次官がロシアのWTO加盟に関する両国間の交渉が進展のな
いまま終了したと述べグルジアはロシアの加盟を支持できないと明言
10 ラトビアで与党連合「統一」など中道右派 3 党が連立合意に達し「統一」を率いるドムブ
ロフスキス首相が続投
11 ウクライナの首都キエフ地区裁判所がロシアとの天然ガス取引をめぐり職権乱用罪に問わ
れたティモシェンコ前首相に禁錮 7 年の実刑判決、プーチン = ロシア首相が「理解できな
い」と批判、12 日、イルベス = エストニア大統領が同国を訪問中のグリシェンコ = ウクラ
イナ外相との会談を取りやめ
13 メドベージェフ = ロシア大統領がチュンマリ = ラオス大統領と会談(モスクワ)
、両国が
それぞれ良好な関係を保っている北朝鮮の核問題を話し合う 6 ヵ国協議の早期再開に向け
た協力などに言及
18 CIS首相会議が開かれ8ヵ国がCIS枠内の自由貿易協定(FTA)に署名(サンクトペテルブ
ルク)
、署名したのはロシア、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キ
ルギス、モルドバ、タジキスタン
29
ロシアが配備する戦略核弾頭数が米国との新戦略兵器削減条約(新 START)が発効した
2011 年 2月以降 29 増えていることが判明、米国務省がこの日までに公表した資料で判明
30 キルギス大統領選で社会民主党党首のアタムバエフ前首相が当選、現政権が憲法を改正し
て実現した「議会中心の政体」を支持
●北 米
10 ・ 05 米アップルの共同創業者で iPhone など革新的製品を次々生み出したスティーブ・ジ
ョブズ前最高経営責任者(CEO)が死去(56 歳)
国際問題 No. 607(2011 年 12 月)● 56
国際問題月表
07 オバマ米大統領が内部告発サイト「ウィキリークス」に大量の外交公電や軍事機密文書
が流出した事件の再発防止策として政府職員による情報漏洩を取り締まる新機構の設立
など機密情報の保全強化を命じる大統領令を発令
米国務省が東京電力福島第 1 原発の半径 80 キロ圏内に出していた避難勧告を原則として
20 キロ圏内に緩和する米国民向けの渡航情報を発表
11
米上院がオバマ大統領による 4470 億ドル(約 34 兆円)規模の雇用創出法案の修正案の
審議入りを否決、事実上廃案に、中国人民元めぐる対中制裁法案は可決
12 米上下両院が韓国など 3 ヵ国との FTA 批准に向けた法案を可決、21 日、オバマ大統領が
同法案に署名
13
オバマ大統領が李明博韓国大統領と会談(ワシントン)、米韓同盟について「米国にと
って太平洋地域の安全保障の礎石」と規定、地球規模の課題に共同対処するため軍事協
力の枠を超えた「21 世紀の戦略同盟」へ深化・発展させることを確認
米下院外交委員会が国連が米政府の求めに応じて改革を進めなければ現在 22% を負担し
ている国連分担金の拠出を半減させるとの法案を可決
14
米国の 2011 会計年度(2010 年 10 月― 11 年 9 月)の財政赤字額が前年度比 0.3% 増の 1 兆
2986 億 1400 万ドル(約 100 兆円)と 3 年連続で年間 1 兆ドルを突破
21 オバマ大統領がイラク駐留米軍を予定どおり 2011 年末までに完全撤退させるとの声明発
表、9 年近くにわたるイラクでの戦争が終結すると宣言
31 米証券大手 MF グローバル・ホールディングスが連邦破産法 11 条の適用を申請したと発
表、保有する欧州国債の損失懸念から経営環境が悪化
●中南米
10 ・ 11
サントス = コロンビア大統領がアッバス = パレスチナ自治政府議長と会談(ボゴ
タ)、同自治政府の国家としての国連加盟申請に反対する考えを表明
19 ハイチで医療援助を展開する米非政府組織(NGO)パートナーズ・イン・ヘルスがハイ
チでコレラの流行が始まってほぼ 1 年で感染者が累計約 50 万人、死者が 6500 人以上に達
したとの集計を発表、人口比で世界最悪のコレラ禍に
ブラジル中央銀行が政策金利を 0.5% 引き下げて 11.5% とすることを決定
23 アルゼンチン大統領選で中道左派の正義党(ペロン党)のクリスティナ・フェルナンデ
ス大統領の再選が決定
国際問題 第 607 号(電子版) 2011 年 12 月号
編集人 『国際問題』編集委員会
発行人 野上 義二
発行所 財団法人日本国際問題研究所(http://www.jiia.or.jp/)
〒 100−0013 東京都千代田区霞が関 3−8−1
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機関、また当研究所の意向を代表するものではありません。
*論文・記事の一部分を引用する場合には必ず出所を明記してくだ
さい。また長文にわたる場合は事前に当研究所へご連絡ください。
*電子版最近号
10 年 11 月号 焦点:イランをめぐる国際情勢
10 年 12 月号 焦点:国際裁判:紛争の司法的処理と日本
11 年 1・2 月号 焦点:日本外交―競争と協調
11 年 3 月号 焦点:オバマ政権の試練
11 年 4 月号 創刊 600 号記念特集:日本外交を考える
11 年 5 月号 焦点:経済・金融のグローバル・ガヴァナンス
11 年 6 月号 焦点:中国の自信と不安
11 年 7・8 月号 焦点:「人間の安全保障」と対外政策
11 年 9 月号 焦点:パワー・トランジッション下の国際政治
11 年 10 月号 焦点:アラブ諸国の地殻変動
11 年 11 月号 焦点:急変する世界のエネルギー事情
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国際問題 No. 607(2011 年 12 月)● 57
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