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知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会
い~な あまみ 中 央 さくら しらさぎ 大阪+知的障害+地域+おもろい=創造 知の知の知の知 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1490 号 2013.8.21 発行 ============================================================================== 社説:公契約条例 官民挙げ制定に努力を 北海道新聞 2013 年8月 19 日 札幌市が「公契約条例」の制定に向けて再び動き始めた。 昨年2月に市議会に条例案を提出したが、企業負担が大きいなどの理由で建設やビルメ ンテナンスの業界が強く反対し、継続審議となっている。事実上頓挫した状態だ。 市は一部を修正して9月定例市議会への再提案を目指している。 条例は市発注事業の受注業者で働く労働者の賃金下限額を定めるもので、 「官製ワーキン グプア(働く貧困層) 」の防止が目的だ。 景気回復の面でも賃金引き上げは欠かせない。条例をぜひとも実現させたい。 市は制定への障害となっている問題点を精査したうえで、業界側に条例の趣旨を粘り強 く説明し、理解を得ていく必要がある。 業界側も企業経営への影響だけでなく、地域への効果という視点も持って判断してほし い。 官民双方が歩み寄り、一致点を探る努力が何より重要だ。 日本経済は光明が少し差してきたが、本格的な賃金上昇には至っていない。今年4~6 月期にはパートやアルバイトなどの非正規雇用が拡大した。道内も例外ではない。 賃金引き上げは、労働者の働く意欲を高め、市民生活を安定させるために必要だ。個人 消費にも刺激を与える。公契約条例はその有効な手段の一つになるはずだ。 全国的には第1号となった千葉県野田市のほか、相模原市や川崎市などで施行されてい る。 野田市では市長自ら業界説得に積極的に動いた。相模原市によると、建設業界などから 札幌市と同様の疑問の声が挙がったが、約半年間で各業界と12回の意見交換会を重ね、 賛同を得たという。 地道な対話の大切さを示す例だ。参考にしなければならない。 確かに、負担増に不安を抱く企業は多い。市は負担軽減策にも知恵を絞るべきだ。 公契約条例制定の動きは、バブル崩壊後の公共事業減少によって入札競争が激化し、賃 金下落が続いたことが背景にある。低賃金が仕事の質を劣化させ、市民サービスを低下さ せたことも要因と言える。 そのため、全国市長会などが公契約における賃金の下落に歯止めをかける対策を国に要 請した。しかし、政府の反応は鈍い。地方自治体が条例を整備し、政府にその必要性を迫 ることも大事だ。 札幌市が制定すれば道内初となる。他の自治体が追随し、全道的に賃金底上げを促す可 能性もある。 札幌市の取り組みの成否が持つ意味は極めて重い。 就労支援:iPadでスムーズ 県、障害者の求職・求人に活用 ハローワーク特区の一環 /佐賀 毎日新聞 2013 年 08 月 19 日 2012年10月に県内などで始まった「ハローワーク特区」の一環で、県は障害者ら を対象にタブレット端末「iPad」を活用した就労支援を始めた。県が管理するサーバ ーに求職・求人情報を登録し、企業や支援団体に示すなどして使う。県は「雇用先と求職 者のマッチングをスムーズにできる」と期待を寄せている。 【蒔田備憲】 6月27日、県障害者就労支援コーディネーターの土田裕一郎さんが佐賀市のデイサー ビス「たかハウス」を訪ねた。運営する西村美也子園長が「清掃やマッサージができる障 害者の雇用を検討している」と求めると、土田さんはiPadを開き、即座に求職者情報 を検索した。 この日、該当者は見つからなかったが、西村園長は「これまでは口頭だけだったり、膨 大な紙資料を一枚一枚めくって探したりしなければならなかった。求職者の持っている免 許や希望条件も一目で分かる」と話す。 県がiPadを導入したのは、同月20日から。利用は、県職員がパスワードを入力し た上で、県のインターネットサーバーに接続する。事前に入力された数十人の求職者や数 百件の求人情報を即座に閲覧できる。iPad本体に個人情報などデータは保存せず、紛 失しても、情報が漏れないよう配慮している。 今後は、求職中の障害者が作業する様子を動画で紹介したり、企業側の職場を撮影した 写真を掲載したりすることも検討している。県は「雇用先と求職者がお互いの希望に沿う ような支援につなげたい」と意気込む。 「ハローワーク特区」は、厚生労働省の出先機関ハローワークの業務の一部を県が担う ことで、生活支援と職業紹介などを一体運営し、サービスを向上させる取り組み。ハロー ワーク佐賀などが指定され、県は障害者や若者の就労に重点を置いた施策を展開している。 村木・厚労事務次官:共生社会実現へ訴え 演 冤罪契機に「愛の基金」 愛媛・四国中央で講 毎日新聞 2013 年 08 月 19 日 厚生労働省の村木厚子事務次官が17日、愛媛県四国中央市で「共生社会を創る」と題 した講演会(同市社会福祉協議会主催)を行った。国が進める障害者支援の法律・制度や、 村木さんが設立した累犯障害者を支える取り組みを紹介。集まった市民ら約350人に、 障害者を含め、誰もが地域で共に生きられる社会の実現に向けた多様な「支え」の必要性 を訴えた。 講演で村木さんは郵便不正を巡る冤罪(えんざい)事件に触れ、「家族や弁護士の支えが あって乗り越えられた」と振り返り、「(共生社会も)福祉や医療の制度・人材の充実や、 家族・地域のつながりを強くすることが今後の課題」と述べた。 冤罪事件を契機に、累犯障害者の社会復帰を支援する「共生社会を創る愛の基金」を設 立したことにも言及。福祉の支援がないために刑務所に入った障害のある受刑者の7割は 出所後、再び罪を犯して刑務所に戻るとされ、「負の回転ドア現象」と呼ばれる。村木さん は「地域が受け入れ、社会の仲間だと分かってくれれば社会を支える側に回ってくれると 思っており、支援したい」と語った。 村木さんは講演に先立ち、自立困難な高齢受刑者や障害のある受刑者らの社会復帰支援 のために厚労省が整備した「地域生活定着支援センター」の四国4県の代表者と面談した。 代表者からは「 (就労などの)受け入れ先が少ない」などの意見が出た。村木さんは課題と して、センターの運営基盤が財政面などで弱いことを指摘。 「恒久的な根拠のある制度にし ていければと思う」と述べ、センター事業の体制強化を検討する考えを示した。 【広沢まゆ み】 性暴力:半数が親権者以外…家庭や施設内、全国児相調査 毎日新聞 2013 年 08 月 19 日 子供たちが避けることができない家庭や施設内での性的被害に関し、全国児童相談所長 会(東京都)が初めて相談状況を集計・分析した。児童虐待防止法に基づき、厚生労働省 は、親や保護者が加害者のケースを毎年集計・公表してきたが、これに該当しない親族や 知人らからの性暴力被害者が2011年度は748人と半数近くに達していた。同省は「表 面化しにくい被害を把握し、苦しむ子供を支援する手がかりとしたい」としている。 【野倉 恵】 ◇被害児の2割、うつ 親元や保護先の施設など、加害者を避けにくく、被害が反復しかねない環境下での被害 実態を把握する目的。全国の児童相談所で11年度に対応した相談・対応事案を集約した。 まとめによると、対応した性暴力被害者は1614人(うち女子1419人)で、中卒 以上234人▽中学生562人▽小学生576人▽3歳〜就学前164人▽0〜2歳44 人(一部、年齢無回答) 。 加害者(疑いを含む)は、実父455人▽兄弟191人▽母親の内縁の夫119人▽実 母99人▽祖父49人−−など。保護された施設関係の児童から被害を受けた人も174人 いた。 児童虐待防止法は、両親や養育に当たる監護者からの被害を「児童虐待」と定義し、被 害件数をまとめている。今回、加害者がこれに該当したのは1614人中の866人。残 り748人は、相談・対応に当たってはいるが、直接的には児童虐待統計に入らない、き ょうだいや知人らが加害者のケースだった。 被害者のうち知的障害など何らかの障害がある人は14.6%。施設に保護された被害 者の心身の不調や問題行動は、気分変動・うつ状態19.7%▽不眠15.8%▽心的外 傷後ストレス障害(PTSD)14.4%▽自傷行為・自殺未遂12.4%▽暴力やいじ め加害7.3%−−などに達した。 日本子ども家庭総合研究所の山本恒雄子ども家庭福祉研究部部長は「性的被害は『家庭 が壊れる』と子供が認めない場合も多い。全体像を把握し、深い心の傷を癒やすプログラ ム作りに生かすのが課題だ。施設入所児同士の暴力は切実な問題で、別途調査が必要だ」 としている。 ◇声なき悲鳴、救う仕組みを 逃げることができない家庭内や施設内での性暴力に苦しむ子供が、水面下に多い実態が 浮かんだ。 「打ち明けたら行き場がなくなる」と考え、隠し続ける子も多いとされる。声な き悲鳴をどう聞き出し、支援を進めるか。課題は多い。 東日本の自立援助ホームに3年前入所した女性(19)は小学生時代、自宅に出入りす る母の交際相手に性的虐待を繰り返されたという。養育放棄の疑いが強まって児童相談所 が保護したが、しばらくたってからようやく性的被害を打ち明けた。 「自分は汚れている」と皮がむけるほど手を洗い続けたことも。信頼を寄せた職員が他 の入所者の面倒をみていると、 「見捨てられる」と感じたのか、刃物を手にした。ホーム元 職員は「性的虐待は心を深く傷つけるだけでなく、自分が存在してよいという感覚さえ揺 るがす。家庭に戻れず行き場を失いかけている子供もいる」と深刻さを語る。 各地の自立援助ホームは、児童養護施設などを出た未成年者らが働いたり仕事を探した りしながら自立を目指す。複数の施設関係者によると、ここ数年、性的虐待の後遺症に苦 しみ、働ける状態にならない10代後半の女性の入所が相次ぐという。自傷行為を繰り返 す10代の女性が入所する関東地方のホーム施設長は「自らを傷つける時の記憶がないよ うだ。もっと専門的なケアが必要だ」と悩みを語った。 押収の名簿に「夢見る高齢者」…警察が注意喚起 読売新聞 2013 年 8 月 19 日 振り込め詐欺や投資詐欺などの犯行グループから押収した名簿を使って、全国の警察が、 名前の掲載されている高齢者らに注意を呼びかける取り組みに力を入れている。 活用されている名簿は約63万人分。だまされる寸前に被害を食い止めたり、容疑者が 逮捕されたりするケースも。ただ、今年上半期の特殊詐欺の被害額は過去最悪となってお り、警察庁は、新たに押収した約60万人分の追加を決めた。 ◆振り込め“迎撃” 「品川区で息子を装った電話が入りました。すぐに注意喚起を始めて」 。警視庁の「特殊 詐欺被害防止対策電話センター」に警察官の大きな声が響いた。同センターでは連日、約 30人の民間オペレーターが警察官の指示を受けながら、矢継ぎ早に電話をしている。 「だましの電話」は同じ地域で続く傾向があり、押収された名簿などを基に周辺へ集中 的に「気をつけてください」などと連絡を入れる。こうした“迎撃電話”は、一日約6500 件に上り、直後に詐欺犯から電話を受けた人からの通報が、犯人逮捕に結びついた事件は 1~7月で31件に上った。 同庁が連絡した人の2割程度には、事前に詐欺犯から電話がかかっており、同庁幹部は 「同種の名簿を手に警察と詐欺グループがせめぎ合っている。どちらが早く連絡できるか の勝負だ」と力を込める。他の道府県警では電話や郵便のほか、戸別訪問で直接注意を呼 びかける場合もある。 ◆手書きメモも 警察がこれまで押収した名簿は、健康食品購入者、大手企業退職者、株取引経験者など 様々。 「セレブデータ」や「夢見る高齢者」と題された名簿もあり、大半は名前、住所、電 話番号や商品購入額などが印字されている。空欄には「1人暮らし」「80歳くらい」「長 話ができる」など、相手の暮らしぶりや印象が手書きされている名簿も。 「別のメンバーが 電話する時に読みやすいように、丁寧にメモしろと指示された」と供述した逮捕者もいた。 先月10日には、26都道府県警が合同で摘発した投資詐欺グループの拠点から、未公 開株購入者など、名簿業者などから購入したとみられる計約35万人分の名簿が見つかっ た。グループは実体のない会社への投資話で1360人から約31億円をだまし取ったと みられている。警察幹部は言う。 「詐欺グループの目には、金銭的な余裕がある高額商品の 購入者らが、だましやすい相手に映っている」 福祉作業所のスタンプラリー「障害者との交流を」/横浜 神奈川新聞 2013 年 8 月 20 日 知的障害者らが働く福祉作業所への理解を深めてもらおうと、横浜市中区のNPO法人 などが、区内の作業所を巡る「スタンプラリー」に取り組んでいる。住民に身近な作業所 を目指しており、 「障害者と交流する機会になれば」と参加を呼び掛けている。 同区で作業所を運営するNPO法人「新(あらた)」などが主催しており、今年初めに続 いて2回目。住民との接点が薄い作業所が、地域に溶け込むきっかけにしようと企画した。 スタンプラリー対象施設は、中区障害者支援拠点「みはらしポンテ」 (同区新山下3丁目) など10カ所。参加者は作業所を直接訪ねてスタンプラリー用紙をもらい、各施設に足を 運ぶ。30日までの期間中に3カ所回ると、障害者の手作り製品が贈られる。 参加者を迎えた「ホップステップゆとり」 (同区本牧町2丁目)通所者の渡辺梓さん(3 2)は「初めて会う人と話をするのは楽しい」とにっこり。企画に協力するNPO法人「ム イットボン!」の上田尚矢さん(38)は「福祉に関心がある人だけでなく、スタンプラ リーが好きな子どもや住民らにも参加してほしい」と話している。 参加無料。作業所の開所時間は原則、平日午前10時~午後4時。スタンプラリー企画 の一環で、27日には車いす体験ツアーがある(前日までに予約、定員15人)。申し込み・ 問い合わせは、人の輪プロジェクト事務局電話045(622)2122。 障害児 地域で職場体験 広がる「ぷれジョブ」 共生社会めざす 読売新聞 2013 年 8 月 20 日 小学生以上の障害がある子どもたちが、地元の会社や商店で働く「ぷれジョブ」という 活動が全国に広がりつつある。職場体験を通じて住民と相互理解を深め、共に生きる社会 を築こうという試みだ。 (梅崎正直) 「ラークの仲間はどこだったかな」。たばこ店の店員に声をかけられ、棚から商品を選ぶ とエプロンのポケットへ。自動販売機を開け、商品を補充していった。店の人は「今日は 一度に2種類のたばこを運べたね」と、 「合格!」をくれた。 東京都杉並区で小学校の特別支援学級に通うヒデトくん(11)(仮名)は、毎週金曜日 の午後、この店で1時間働いている。障害児の親たちで作る「杉並ぷれジョブの会」が、 今年4月から始めた職場体験活動の第1号だ。 多種類あるたばこのパッケージを覚え、正しい位置に正しい数を補充するのは簡単では ないが、次第に上手になった。体験は半年の予定で店員と同会のジョブサポーターが付き 添う。 「仕事を認めてもらえて、金曜日は目が輝く」と母親。店員も「礼儀正しく笑顔であい さつしてくれて、こちらも元気になる」と話す。 障害のある子が職場体験をする「ぷれジョブ」は、2003年に岡山県倉敷市で誕生し、 今では21都府県に広がる。親や地域の人々のボランティアで運営され、サポーターや受 け入れ企業も無償で参加。学校の職業実習と違い、就職目的でないのが特徴だ。 全国ぷれジョブ連絡協議会の西幸代・代表世話人は、 「障害のある子に大切なのは、地域 社会で生きていく力を育むこと。職場体験は自信につながり、地域の人も障害者の状況を 理解する。共に支え合う社会になっていければ」と語る。だから、企業就労は難しい重度 障害の子も参加する。 活動の要は、サポーターや職場の人、教師も出席する毎月の定例会だ。各自が体験を持 ち寄り、活動の理解を深めるのが狙いだ。 長野県小諸市で8月6日に開かれた「ぷれジョブinさく連絡協議会」の定例会では、 子どもたちが自らの活動を報告した。 市の動物園で飼育員を体験した中学3年のサトシくん(14) (仮名)が「仕事は楽しか った。ライオンは怖かった」と話すと、母親は「ライオン舎の作業後は『猫は小さいな』 と言いながら、飼い猫の世話をするようになった」と成長を語った。 スーパーで野菜の袋詰めをした特別支援学校中学部1年生(13)の母親は「普段は学 校と家を往復するだけで、地域と交流が少ない。いつも買い物に行く店で受け入れてもら えて世界が広がった。責任感も芽生えてきたようだ」と話した。 同協議会は昨年7月に発足し、26人の障害児が参加。サポーターのなかには、高校生 ボランティアもいる。 共生社会を目指す活動は、東日本大震災の被災地でも始まった。昨年5月には青森県八 戸市で「ぷれジョブ八戸」がスタートした。 松林真弓代表は、震災後に停電が続いたため、 「電動車いすを使う娘はとても困った。ど こに避難すればいいかがわからず、頼れる人もなかった」と振り返る。避難で困難を感じ た障害児と親は「普段から子どもの存在を知り、気にかけてくれる人がいる地域作りが必 要だ」と痛感したという。 協力事業所は保育園や喫茶店など6か所に増え、これまでに小学5年から大学1年まで 7人が参加した。 高校2年の女子生徒(17)は、同市のスーパー「コープあおもり・るいけ店」で商品 の陳列を担当。他人とのやりとりが苦手だが、4か月通い、今は「いらっしゃいませ」が 言える。店長も「店員が障害のある子に接して理解することで、多様なお客さんへのサー ビス改善に役立っている」と話す。 地域福祉に詳しい東京学芸大学の松矢勝宏・名誉教授は「こうした活動は、高齢者やひ きこもりの若者、外国人など様々な人たちと共生できる社会を作ることにもつながる」と 評価する。 ぷれジョブ 障害がある小学校高学年から高校生くらいまでの子が週1回、1時間程度、 地域の会社や店舗で仕事を体験できるよう支援する活動。仕事体験は6か月程度で、ボラ ンティアのジョブサポーターが付き添う。事業者も無償で協力する。 【問い合わせ先】 「全国ぷれジョブ連絡協議会」 (http://www.prejob.jp/)連絡は、電話 090・ 1014・8637 かメール [email protected] で 稲美の2施設、災害時の福祉避難所に指定 神戸新聞 2013 年 8 月 20 日 福祉避難所指定の協定書に調印する医療法人社団「奉志会」の大 西奉文理事長(左)、古谷博町長(中央)、社会福祉法人「日の出 福祉会」の大西壮司理事長=稲美町国岡1 地震などの大規模災害に備え、兵庫県稲美町は19日、 同町国安の特別養護老人ホーム「稲美苑」と介護老人保 健施設「サンライズ」を福祉避難所に指定した。被災し た高齢者や障害者、妊婦らのケアを充実させ、健康を守るのが狙い。民間、公共の施設を 含め、同町で初めての指定となる。 福祉避難所は、災害時に援護が必要な人用の施設。バリアフリー構造で介助員らを配置 する。同町には、小・中学校など15カ所の避難所があるが、長期間、高齢者らが避難所 で生活した場合、体調を崩すケースがあるため、新たに福祉避難所を決めた。 この日、稲美苑を運営する社会福祉法人「日の出福祉会」(同町)、サンライズを運営す る医療法人社団「奉志会」 (加古川市)と協定を締結。各施設のロビーを開放してもらうと ともに、災害時要援護者らをケアする保健師ら相談員を必要に応じて派遣してもらう。 同町危機管理課は「福祉避難所の指定を今後も拡大させ、災害時要援護者らの不安を少 しでも解消したい」としている。 (西尾和高) 電気を使わず吸引器 障害児たち震災の備え…親ら研修会 読売新聞 2013 年 8 月 19 日 電気のいらない吸引器を体験する参加者 障害のある子どもたちの震災時の備えなどについて学ぶ 研修会が18日、津市の三重県庁講堂で開かれた。 肢体不自由児施設の県立草の実リハビリテーションセン ターが企画。特別支援学校の職員や障害児の親など約10 0人が出席した。 東日本大震災後、地域の福祉施設を巡回した小児科医の田中総一郎・東北大学准教授が、 「災害と子どもたち、笑顔を守り未来を築くためにできること」と題して講演。当時の経 験から「成長した障害児用のおむつは、赤ちゃんや高齢者が使うものとはサイズが違う。 震災の時は不足したので事前の備えが必要」などと語った。 会場では、電気がなくても使える足踏み式の痰の吸引器などが紹介され、出席者が使い 方を体験した。 参加した県立くわな特別支援学校の実習助手、多田智美さん(45)は「行政からの支 援に頼るだけではなく、自ら積極的に備えを整える必要があると感じた」と話していた。 ベトナムで絵画交流 ホイアン市の日本紹介フェス11人出品 読売新聞 2013 年 8 月 20 日 出品される作品と早川さん(右)ら 障害者の芸術活動を支援している松阪市小阿坂町のNPO法人 「希望の園(その)」が、23日からベトナム・ホイアン市で始まる 日本文化の紹介イベント「第11回ホイアンフェスティバル」に、 アーティスト11人の絵画を出品する。出品者は「松阪とホイアン の文化交流を深める架け橋になりたい」と意気込んでいる。 ホイアンは、江戸時代に松阪出身の豪商・角屋七郎兵衛(かどやし ちろべえ)(1610~1672年)が活躍するなど、松阪市とは縁 が深い。 これまで松阪市の友好団体が民間レベルで交流を続けてきたが、 昨年のフェスティバルに山中光茂市長が市長として初めて招待された。今年のフェスティ バルにも山中市長が招待されたのに合わせ、「希望の園」は「民間交流に貢献したい」と、 ほぼ自費でフェスティバル参加を決めた。 作品を出品するのは、希望の園で活動する高校3年から59歳のアーティスト11人。 2010年から今年7月に描いた作品から「創作力あふれるエネルギーが伝わる力作」を テーマに、それぞれが1点ずつ作品を厳選。油絵の具や色鉛筆などで描かれた、はがきサ イズから10号キャンバスまで個性あふれる絵画がそろった。 作品は24、25日、ホイアン市内で展示される。電車を題材に、独自の作品を描く玉 城町の早川拓馬さん(24)らアーティスト3人が現地入りする予定で、早川さんは「行 ったことがない町なので楽しみ。たくさんの人に絵を見てもらいたい」と目を輝かせてい た。 希望の園の村林真哉園長は「国境を越え、作品を見てもらえるのは本当にうれしい」と 話している。 手作り「ヌゥ」帽子完成 大宮の施設 クリテリウムに登場予定 東京新聞 2013 年 8 月 20 日 「ヌゥ」の顔の形をした帽子を手作りしたNE UEのメンバーたち=さいたま市役所で さいたま市大宮区にある障害者授産施 設「地域活動支援センターNEUE(ノ イエ) 」が、市のPRキャラクター「つな が竜ヌゥ」の顔の形をした帽子を作製し、 販売を始めた。 身体などに障害のある二十~四十代の 男女九人が作業を担当。切り取ったフェ ルトに綿を詰めて耳や角などを作り、既 製の黄緑色の帽子に貼り付けた。これまでに二十五個を仕上げた。 さいたま市で十月に自転車競技大会「さいたまクリテリウムbyツールドフランス」が 開催される際には、スタッフやボランティアらがこの帽子をかぶる予定だ。神田正子施設 長は「一つ一つみんなで協力して作っている。市のイベントなどで多くの人にかぶってほ しい」と語った。 価格は一個千三百円。大宮区役所や大宮ふれあい福祉センター、NEUEで販売中。生 産の受注も受け付ける。問い合わせはNEUE=電 048(643)4422=へ。 (増田紗苗) 社説:いじめ対策―先進例を共有しよう 朝日新聞 2013 年 8 月 20 日 夏休み明けの2学期は、いじめが増えるといわれる。ゆううつな気分で新学期を迎える 子もいるに違いない。 6月に国会でいじめ防止対策推進法ができたのを受け、文部科学省の有識者会議が対策 の基本方針の話し合いを始めた。 いじめに関してはさまざまな調査研究がある。それらも活用しながら、現実にあった効 果的な対策を打ってほしい。 同法は、各地でいじめによる自殺が相次いだのを受けてつくられた。そのため、学校と 警察の連携や、加害生徒の出席停止といった「特定の加害者」を想定した対策に力点をお く。 もちろん、暴力や恐喝など犯罪にあたるようないじめには厳しく臨む必要がある。だが、 それだけでは不十分だ。 国立教育政策研究所が今月公表した調査を見ると、だれもが被害者にも加害者にもなり うるし、被害者と加害者が入れかわる。それが今のいじめの特徴であることがわかる。 だから、クラスの子全員を対象にした予防策が大切なのだと調査は説いている。 調査は、複数の小中学校を数年間続けて調べた。中学校の場合、3年間まったくいじめ の被害を受けなかった生徒も、逆に3年間加害経験がなかった生徒も3割ずつしかいなか った。 いじめられっぱなし、いじめっぱなしという生徒は、ほとんどいなかったという。 また、国際比較をすると、日本は身体的な暴力が少なく、仲間はずれや無視、陰口が多 い。一つ一つは軽い行為にみえるぶん、だれでも加担しやすい。そこに危険があるようだ。 学校や教育委員会、家庭にこうした基本認識を広めるのが対策の第一歩になろう。 各校が実情に応じて対策がとれるよう、各地の先進例の共有も進めてほしい。 たとえば、小6に小1の面倒をみる活動をさせたら、中学に進んでいじめが減ったとい う報告がある。人の役に立ち、評価された経験が効くのかもしれない。また、生徒同士が 気楽に悩みを相談しあえる仕組みを採り入れた学校もある。 先生も生徒もいそがしく、取り組みに多くの時間を割けないという声も聞く。だったら、 政府が強化するという道徳教育の時間を、そうした活動にあててはどうか。 新設校名「熊本かがやきの森」 産經新聞 2013 年 8 月 20 日 熊本県教委は、平成26年度に熊本市西区に開校する特別支援学校の校名を「県立熊本 かがやきの森支援学校」とすることを決めた。肢体不自由の障害児を対象に小学、中学、 高等部を設置する。現在の熊本支援学校在籍の児童生徒が新設校へ移り、他校からの受け 入れを27年度に開始する。 月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も 大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行