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知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会
い~な あまみ 中 央 しらさぎ さくら 大阪+知的障害+地域+おもろい=創造 知の知の知の知 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1607 号 2013.10.28 発行 ============================================================================== NPO 条例で個別指定 読売新聞 2013 年 10 月 28 日 千葉市は、NPO法人への寄付促進と活動基盤の強化を目的に、市民から一定の支持を 受けるNPOを条例で個別に指定する制度の導入を目指している。 新制度の導入は、NPOの財政基盤を強化することで、活動をしやすくし、地域活性化 を図るのが目的だ。 NPOの中でも、国の制度に基づく認定NPO法人になると、寄付した人が住民税のほ か所得税の寄付金控除を受けられるため、寄付が集まりやすくなり、財政基盤強化につな がる。しかし、認定NPOになるには、直近の5事業年度(初回申請は直近2事業年度) で、「年間3000円以上の寄付者が年平均100人以上」か、「経常収入に占める寄付金 の割合が20%以上」と、ハードルが高い。 市の案では、これらの条件に「市民限定」を加え、 「市民等の寄付者50人以上」か、 「市 民等の寄付金の割合が10%以上」と、半分に緩和。より多くのNPO法人に寄付が集ま り、寄付者が住民税の寄付金控除を受けられるようになることを目指す。認定NPOへの ステップにもなるという。 市では11月1日から12月2日まで、条例案を市ホームページなどで公表し、意見を 募集する。来年の市議会に条例案を提出して、4月からの制度導入を予定している。 NPO認定の所管が昨年度、政令市と都道府県に移行したことを受け、千葉市は24日、 初めて同市中央区の「成年後見なのはな」を認定NPO法人に認定した。 同NPOは、2006年に設立。司法書士や行政書士、社会福祉士ら42人が加盟。認 知症高齢者や知的障害者など、判断能力が不十分な人たちの成年後見人を法人として引き 受け、財産管理の支援などを行っており、現在約350人の後見人を務めている。 土井雅生理事長(64)は「活動費の支援となる寄付を堂々と頂いて、権利と財産を守 っていきたい」と語った。 県勢メダル27個獲得/全国障害者スポーツ大会 四国新聞 2013 年 10 月 22 日 知的障害者青年男子200メートルで優勝した西 森卓真(リソーシズ・中央)=味の素スタジアム 全国障害者スポーツ大会「スポーツ祭東京2013」に参加した県選手団 第13回全国障害者スポーツ大会「スポーツ祭東京2013」は14日までの3日間、 東京都の各地で行われ、香川県勢は22選手が5競技に出場。金8を含む27個のメダル を獲得した。 10選手が出場した陸上が金メダル7と活躍。肢体不自由者女子2部ジャベリックスロ ーは山下裕見子(居宅)が11メートル96の大会新記録で優勝し、同砲丸投げでも頂点 に立った。肢体不自由者男子1部の山本勇紀(高松養護学校)はジャベリックスローとソ フトボール投げの2冠。知的障害者青年男子では西森卓真(リソーシズ)が100メート ルと200メートルの2種目を制覇し、夏山成水(穴吹ハウジングサービス)が100メ ートルで王座に就いた。 卓球では知的障害者少年男子の木村敏和(香川中部養護学校)が優勝した。 全国障害者スポーツ大会:出場の福岡市選手団、過去最多23個のメダル獲得 市役所訪れ 結果報告 /福岡 毎日新聞 2013 年 10 月 25 日 東京で開かれた全国障害者スポーツ大会(12〜14日)に出場した福岡市選手団が2 3日、市役所を訪れ、高島宗一郎市長に結果を報告した。獲得したメダルは金11個、銀 8個、銅4個の計23個で昨年より6個多く、過去最多だった。 メダル受賞選手15人を含む選手団26人が市役所を訪れ、小手川郁人総監督が「選手 一人一人が本当に頑張り、素晴らしい結果となった」と報告すると、高島市長は「これま での努力と家族や周囲の支えがあっての素晴らしい結果だと思う。これを大きな力にして、 また活躍してください」と祝福した。 ボウリングで大会新記録を出して金メダルに輝いた青木奨さん(15)は「ボランティ アのおかげで緊張せずに力を発揮できた。うれしかった」と話した。 【松本光央】 全国障害者スポーツ大会:金メダルの2人、日光市長に報告 /栃木 毎日新聞 2013 年 10 月 25 日 成績を報告後、斎藤文夫市長と握手する五十嵐和徳さん(中央) と脇島広吉さん(右)=日光市役所で 国体と同時開催された「全国障害者スポーツ大会」で 入賞した日光市松原町の五十嵐和徳さん(48)と同市 猪倉の脇島広吉さん(71)が、日光市役所に斎藤文夫 市長を訪ね、競技成績を報告した。2人は9年後の栃木 国体での健闘を誓い、斎藤市長は「頑張ってください」 と激励した。 車椅子の五十嵐さんは陸上競技100メートルと200メートルで1位。聴覚障害があ る脇島さんはフライングディスクで1位(アキュラシー・ディストリート・ファイブ)と 3位(ディスタンス・メンズ・スタンディング)の成績を収めた。 マラソンが専門の五十嵐さんは短距離の経験は浅かったが、見事に克服。指導している 後輩も参加していたので、 「うれしいというよりほっとした」と振り返った。27日の大阪 マラソンに参加するという。脇島さんはキャリア17〜18年。 「風が落ち着いていたので メダルが取れた」と話した。2人とも現役を続ける方針。【浅見茂晴】 男子バレー一丸全国V 兵庫・三田の支援学校チーム 朝日新聞 2013 年 10 月 25 日 全国優勝したバレーボール部員の多田拓海君(前列左)、迫田圭佑君(同 右) 、吉田拓未君(後列中央)ら=三田市大原の県立高等特別支援学校 【伊藤武】東京で今月開かれた「全国障害者スポーツ大会」 で、兵庫県三田市の県立高等特別支援学校の生徒とOBでつ くる「兵庫排球倶楽部」が男子バレーボールの知的障害者の 部で優勝した。一昨年まで4年連続で優勝してきたが、昨年 は1回戦負け。悔しさをバネに練習を重ねた成果だ。 大会は12~14日に東京・国立代々木競技場の体育館で あり、全国から7チームが出場。近畿ブロック代表の兵庫排 球倶楽部は、支援学校の現役バレーボール部員5人とOB7人で挑んだ。 2セット先勝のトーナメント方式。2回戦であたったのが、昨年負けた東京都のチーム だった。選手たちはこの日のために試合のビデオを見て相手を研究。サーブでねらうポイ ントなどを確認し、接戦をものにした。決勝戦ではシードの埼玉県のチームを破った。 日光の阿部さん 障害者ダーツで全国優勝 下 野新聞 2013 年 10 月 23 日 【日光】東京都内で今月開かれた第 13 回全国障害者スポー ツ大会のオープン競技「第 30 回日本障がい者ダーツ選手権大 会」(日本ダーツ協会主催)の女子シングルス部門で、今市の 阿部紀子さん(42)が初優勝に輝いた。 阿部さんは「たくさんの方々に支えてもらい、結果を残すこ とができた。仲間とともに次の大会でも連覇を目指したい」と 意欲をみせている。 阿部さんは、約4年前に生活のストレスなどが原因でうつ病 になり精神障害者手帳が交付された。その後、徐々に体も弱り、歩行も困難になっていっ たという。外出の機会をつくろうと、ことし1月から高校生のころ趣味にしていたダーツ を再開した。 宇都宮市で開かれている2カ所のダーツ教室に月3回通い腕を磨いた。3月の前回大会 は決勝で敗れたため、今大会は優勝を目指し開催の2週間前から食事も忘れるほど練習を 重ねたという。 障害ある長男に贈る完走…大阪マラソン 読売新聞 2013 年 10 月 28 日 <出雲市・会社員内田淳さん 36 「いつか一緒に」> 完走後、健太君(右)らに手作りのメダルをかけてもらった内田さん(大 阪市で) 大阪市を舞台に27日開かれた第3回大阪マラソン(読売新聞 社共催)には、県内からも大勢のランナーが参加した。大阪城を 午前9時にスタートした参加者たちは、御堂筋を南下し、思い思 いのペースで大阪・南港のゴールを目指した。(岸下紅子) 「お父さん、おめでとう」 。出雲市平田町の会社員内田淳さん (36)がゴールすると、妻の由理さん(37)、長男の健太君 (7)ら家族が駆け寄り、内緒で手作りしたメダルを首にかけて くれた。 健太君には知的障害がある。今回のチャリティーでは、障害者スポーツを支援する団体 を寄付先に選んだ。 「2020年に東京でパラリンピックが開催される頃には健太も中学生。 もっと障害者のスポーツが広がっていてほしい」との思いからだ。 月100キロ走ることを目標に宍道湖畔や斐伊川の土手を走ってトレーニングを重ねて きた。長女の歌音さん(11)は自転車で伴走してくれた。出雲大社まで往復30キロを 走り、鳥居の前で「家族が健康で過ごせるように」とお祈りして帰った日もあった。 この日は体調が万全ではなかったが、中之島、京セラドーム大阪前と家族の声援を受け る度、足が軽くなった。 「健太にも声援を受ける喜びを知ってもらいたい。自分が走る姿を 見て、いつかは『俺も』と思ってもらえたら」。走りきった今、その思いが強くなった。 持てる力出し切れ 大分国際車いすマラソン 大分合同新聞 2013 年 10 月 27 日 第33回大分国際車いすマラソン大会(27日・大分市)の開会式が26日、同市のガ レリア竹町ドーム広場であった。国内外の選手約160人が参加し、ボランティアや子ど もたちと一緒にパレード。レースに向けて健闘を誓い合った。 選手宣誓する井上聡選手(愛媛)=26日午後、大分市のガレリア竹町ド ーム広場 笑顔の交流、健闘誓い合う 大会会長の広瀬勝貞知事が「数多くのドラマを生み歴史を刻 んできた大会。持てる力を最大限に発揮し、悔いのないレース をしてほしい」と激励。障害が重いT51クラスで昨年優勝の 井上聡選手(35)=愛媛県=が宣誓した。選手たちは県警音 楽隊の先導で中央通り沿いの商店街をパレードし、風船を配り ながら市民の声援に応えた。県内を中心に障害児のスポーツを 支援するNPO法人キッズ・スポッチャで活動する子どもたち が、ハロウィーンの仮装をして一緒に練り歩いた。 佐賀県伊万里市から家族で訪れ、パレードに参加した内田琢 馬君(11)は「陸上を教えてくれている山本浩之選手(福岡 県)や渡辺習輔選手(別府市)の走りが楽しみ」と笑顔。フルマラソンに出場する上田隆 司選手(39)=兵庫県=は「久しぶりに大分に来て、懐かしい選手仲間にたくさん会え た。明日は力いっぱい走りたい」と意気込んだ。 激励、ウエルカムボード 今月、大分市内でのワークショップで選手を励ますウエルカムボードを作った、前山聡 一朗君(由布川小3年)と衛藤梓乃(しの)さん(大分大付属小4年)、渡辺由姫乃(ゆき の)さん(金池小3年)の3人が開会式に参加。選手を前に、クレヨンで描いたレースの 絵を掲げ「ドゥー・ユア・ベスト。頑張ってください」と声をそろえエールを送った。 ゴスペルやダンス披露 開会式を前にオムロン(京都)の社員らでつくる「オムロン ダイアログ クワイヤー」 がゴスペルを披露し、歌で選手を力づけた。ダンスも交えたパフォーマンスに、集まった 人が体を揺らした。代表の山川倫子さん(50)=京都府=は「選手はもちろん、ボラン ティアの皆さんも応援する気持ちを込めた」と話した。 「行動することが大切」 26回目の出場、城さんが講演 大分国際車いすマラソンに第1回から今回で26回目の出場となる城隆志さん(53) が26日、大分市内であった「中村裕記念基金講演会」で、車いす生活などについて語っ た。城さんは学生時代のバイク事故で頸椎(けいつい)を損傷した。車いすバスケットボ ールを通して自信をつけたという。 「くよくよして何もしないより、まずは行動してみるこ とが大切」と訴えた。27日の車いすマラソン大会について「応援してくれる人のために も自分のためにも頑張りたい」と笑顔を見せた。 2001年の試合中のアクシデントにより車いす生活を送っているプロレスラー、ハヤ ブサさんがメーン講師を務めた。 「障害者レクリエーション大会」 、360人がスポーツやダンスで交流/小田原市 神奈川新聞 2013 年 10 月 28 日 スポーツやダンスを通じ、障害の有無を超えた交流を目指す「小田原市障害者レクリエ ーション大会」が27日、小田原市西酒匂の県立西湘地区体育センターで開かれた。障害 者とボランティアら約360人が一緒になって体を動かし、楽しんだ。 外出の機会が限られがちな障害者に家族や地域住民との触れ合いを楽しんでもらおうと、 NPO法人小田原市障害者福祉協議会が約40年前から開催している。 投げやすく倒しやすいボールやピンを用いたプラボウリングでは、見事命中してピンが 倒れると大喜び。車いすで楽しめるダーツや、音で動きが分かるように工夫された鈴入り 風船バレーなど、障害に応じて取り組めるさまざまな競技を楽しんだ。 県内外で活躍するパフォーマンスグループ「HANDSIGN」の手話ダンスも披露さ れ、参加者らもともに体を動かした。 同市の女性(46)は「 (ピンポン球を使った)ソフトダーツが楽しかった」と笑顔だっ た。 神秘的光がまちを包む 倉吉で山陰KAMIあかり 日本海新聞 2013 年 10 月 27 日 和紙の明かりで秋の夜を楽しむ「第8回山陰KAMIあかり」 (倉吉あかりネット、実行 委員会主催)が 26 日夕、鳥取県倉吉市の赤瓦・白壁土蔵群一帯であり、神秘的な光がまち を包んだ。 夜の闇に浮かび上がる里見八賢士の像=26 日、倉吉市 の赤瓦・白壁土蔵群一帯 伝統的な街並みと明かりを融合させて県内外 に発信しようと毎年開催している。 同市の造形作家・岡村貴史さんが毎年1体ず つ制作していた里見八賢士の最後の1体が完成 し、八賢士が勢ぞろい。勇ましい武者姿に市民 たちが嘆声を上げ、盛んに写真を撮っていた。 障害者と共同制作したオブジェや、恒例の「あ かりアートコンテスト」「白壁スクリーンアー ト」などもあり、市民や観光客らが夜の街歩きを堪能していた。 難病の子へ笑い届ける 福岡、臨床道化師が自宅訪問 朝日新聞 2013 年 10 月 28 日 朱央ちゃんにあいさつをするブルーノさん(右 から2人目)ら=福岡市中央区 【山下知子】重い病気や障害ゆえ外出 の難しい県内の子ども6人の自宅を26、 27日、フランスのクリニクラウン(臨 床道化師)、ブルーノ・アメドゥーリさん (52)が訪問した。日本人の有志4人 と手品や風船アートを披露し、親やきょ うだいも一緒に楽しませた。 27日に訪ねた福岡市中央区の下津浦 朱央(みお)ちゃん(1)は軟骨無形成 症を患う。カラフルな衣装に身を包んだ ブルーノさんらがベッド脇に寄ると、目 と首を懸命に動かして姿を追っていた。 母親の裕里英さん(35)は「楽しい時間をみんなと一緒に過ごせてよかった」 。 今回の訪問は、子どもホスピスの建設を目指す「福岡子どもホスピスプロジェクト」が 企画した。 クリニクラウンは英語のクリニック(病院)とクラウン(道化師)の造語。ブルーノさ んの本職は仏南部のモンペリエ大の化学専攻の研究者だ。「素晴らしい時間だった。クリニ クラウンは幸せを運ぶのが仕事。また来たいですね」 ピアニストが障害児施設にピアノ寄贈/横浜 神奈川新聞 2013 年 10 月 27 日 難病や障害がある子どもと家族を支援するNPO法人「スマイルオブキッズ」の理事で ピアニストの関孝弘さんが、県立こども医療センター(横浜市南区)の重症心身障害児施 設にグランドピアノを寄贈した。同施設で26日、贈呈式とミニコンサートが開かれた。 重症心身障害児施設の入所者らの前で寄贈したピアノを演奏する 関さん=横浜市南区の県立こども医療センター 関さんは約2年前から、定期的に同施設を訪問。ボラ ンティアで演奏会の開催を続けてきたほか、同センター が進める音楽医療の研究に協力してきた。 しかし同施設には、古いアップライトピアノしかなく、 「子どもたちにより良い状態で音楽を聴かせてあげた い」という思いからグランドピアノの寄贈を決めた。購 入資金は、昨年から日本やイタリアでのコンサートで寄 付を募り、集めたという。 同センターの山下純正病院長から感謝状を手渡された関さんは「このピアノには日本と イタリアの大勢の人たちの温かい気持ちが詰まっている。これからも子どもたちに笑顔が 広がるよう、さらなる支援をしていきたい」とあいさつ。子どもたちの前でショパンの「ノ クターン」やモーツァルトの「トルコ行進曲」など計6曲を演奏した。 次女(6)が同施設に入所している男性は「なかなか聴くことのできない素晴らしい音 楽を施設の中で聴くことができた。娘も音楽の良さや楽しさを感じることができたと思う」 と話していた。 同施設には、重度の障害のある40人が入所。医師や看護師、保育士らが連携し、医療 ケアや生活支援を行っている。 くらしナビ・学ぶ:NPOが全国小学校教員アンケート 深刻さ増す現場の疲弊 毎日新聞 2013 年 10 月 28 日 先生は忙しい。その忙しさは解消されるどころか、うつ病など心の病で休職した公立学 校の教員が2008年度から4年連続で5000人を超えるなど現場の疲弊は深刻さを増 すばかりだ。昨年から今年にかけて東京都のNPOが全国の小学校教員を対象に実施した アンケートからは、先生の焦燥感や不安が色濃く浮かび、手厚い支援を望む声が聞かれた。 ●11時間半労働 調査はNPO「日本標準教育研究所」が実施。昨年3月〜今年1月まで、テーマ別に計 3回にわたって延べ約1000人から回答を得た。 教師の仕事で悩んでいることを尋ねたところ、上位三つは「自分の時間が持てない」「保 護者との関係」 「特別支援が必要な子供への対応」だった。 調査の結果、学校にいる時間は平均「11時間半」。東京大社会科学研究所が調べた全産 業の平均(10時間半)に比べ約1時間長い。その上、9割が帰宅後に自宅で仕事をする ことがあると回答し、休日出勤も月平均2・2回だった。 自由記述では「外国語活動、他校との連携、総合学習など、やらなければいけないこと が多く、じっくり授業を組み立てられない」 (教員歴29年、千葉県、女性) 、「家族との時 間が持てない」 (同20年、東京都、女性)という悲痛な訴えも目立った。教員の多忙化は、 国が定数増など対策を打ってはいるが、解消されていない実態が浮き彫りになった。 ●支援体制の不備 保護者との関係では、勤務25年の東京都のベテラン男性教員は「15年前の保護者は 協力的だったが、現在は批判から始まることが多い」と対応の難しさを強調。さらに貧困、 虐待、家庭内暴力など家庭が抱える問題が子供の問題行動や学力低下の一因になっている こともある。学校には福祉の面からの支援も求められているが、そうしたノウハウが乏し い上に、多忙化で対処しきれていないのが実態だ。 特別支援教育については、文部科学省の12年の調査で、学習障害(LD)や注意欠陥 多動性障害(ADHD)で、学習面や行動面で特別な教育的支援を必要とする児童生徒は クラスの6%程度(40人学級ならおよそ2人)と推定される。 「その子によって対応の仕 方が異なるので、これまでの経験があまり役立たない」 (教員歴20年、北海道、女性)な ど自身の指導力への悩みのほか、 「担任するクラスが通常学級から特別支援学級に変わった が、指導のための資料が不十分で、教科書さえなかった」「自分一人では対応しきれない時 がある」と支援体制の不備を指摘する声もみられた。 ●少人数学級要望 児童の現状を聞いたところ、半数が「学力格差」を強く感じていた。生活習慣が身につ いていないと強く実感しているという声も3割を超え、自由記述では「小学校入学までに しつけがなされていない子が多い」 (教員歴32年、茨城県、女性)という意見も目立った。 打開策として、要望が最も多かったのは「時間的な余裕の確保」 (75%)で、次いで「学 級の定員減」 (60%)。1クラスの定員は現行は40人が上限。小学1年は法改正で11 年度から、小学2年は予算措置によって12年度から、それぞれ35人学級が全面導入さ れているが、対象学年の拡大を望む声が強かった。 さらに注目すべき結果は、半数の教員が「教師同士の協力関係」を要望した点だ。裏を 返せば、教員が互いの悩みを打ち明けたり、先輩教員からアドバイスをもらったりする機 会がない現実を表している。 今回の調査を担当した元小学校教員の増田修治・白梅学園大准教授は「今の学校教育は 先生たちの自己犠牲の上に成り立っている実態が改めて分かった。だがこれは本来の教育 の姿ではない。先生の環境改善が急務だ」と話している。【三木陽介】 【社説】特養入所制限 不安をあおらないか 中日新聞 2013 年 10 月 28 日 手厚い介護が受けられる特別養護老人ホーム(特養)への入所が制限されそうだ。中重 度の要介護者に重点化する方向だが、介護が必要な人を施設から締め出し地域で孤立させ ないか心配になる。 特養は自身で食事や入浴、移動などが満足にできなくなった人を二十四時間介護する居 住施設だ。入居者は全国に約五十万人いる。入居費用の大半を介護保険で賄っている。 厚生労働省は新しく入所する人を対象に、要介護度の基準を一番軽い「1以上」から中 重度の「3以上」に厳しくする考えだ。 中重度者を入所しやすくする。入所を待つ「4以上」の人は全国に約六万七千人いる。 二〇一五年度からの実施を目指す。 特養の入所制限は社会保障制度改革国民会議が「中重度者への重点化」を求めているこ とに対する対応だ。 要介護度の認定制度は介護の必要量を測るものさしではある。だが、それだけで個々の 入所の可否を決められるわけではない。 認知症で絶えず見守りが必要でも体が元気だと要介護度は低めに判定される場合がある。 医師が治療の必要性を決める医療と違い、介護分野では個々の高齢者の状態を正確に判 断する専門家がいない。要介護度はそれに代わる便宜的なものでしかない。 介護する家族がいても仕事との両立が難しいなど要介護度とは別に事情があって入所を 希望するケースもある。 介護事業者は、こうした点も考慮して入居者を決めてきた。実際には中重度の人から優 先的に入所している。認定制度の限界や現場の事情を無視した一律制限は乱暴ではないか。 これでは利用者の不安をあおるだけだ。 介護保険は、重度化を介護サービスで防ぎ自立した生活を支えることが目的だが、入所 を待つ家族や本人が逆に重度化を望む事態が起きないか心配になる。 一律制限への批判を受けて厚労省は入所希望者の事情に配慮するよう方針を見直す方向 だ。だが、制限そのものを撤廃し、入所の判断は現場に任せるべきだ。 特養入居者の八割は低所得者だ。 「2以下」の人の在宅支援にも低所得者対策は必要にな る。厚労省は、住宅やサービスの確保も合わせて生活支援を進める考えだが、受け皿がな いままでの制限はかえって重度者を増やすことになりかねない。再検討すべきだ。 社説:社会保障改革 安心得るにはまだ遠い 中國新聞 2013 年 10 月 28 日 医療、介護、年金など社会保障制度改革の工程を定めたプログラム法案が、開会中の臨 時国会に提出されている。政府は早期成立を期すという。 正式名称は「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案」 だ。少子高齢化により現行制度が早晩、行き詰まるのは明らか。 「持続可能」は確かに、こ の先を考えるキーワードであろう。 ただ今回の法案は現行制度の大枠を存続させるのが前提で、給付抑制と負担増が目立つ。 やむを得ない財政事情は理解できるにしても、真に持続可能かどうかは心もとない。将来 世代の安心には程遠いのではないか。 法案は2014~17年度に実施する改革の工程を列挙した。なかでも論議を呼びそう なのは医療と介護の両分野である。 医療面では、70~74歳の医療費窓口負担を現行の1割から本来の2割へと段階的に 引き上げる。後期高齢者医療への支援に「総報酬割」方式を全面導入し社員の所得水準が 高い企業の健保組合に負担増を求める。 介護保険でも、高所得者がサービスを利用した際の自己負担を1割から2割へと上げる。 能力に応じた負担という考え方に一定の理解は得られよう。ただ消費税の増税と合わせ、 将来にわたり家計にのしかかる。 むろん自己負担の強化が、受けるべき医療や介護を受けられない事態につながってはな らない。きめ細かい弱者対策が求められよう。医療費の適正化を図るには、お年寄りや生 活習慣病世代を対象にした健康管理・増進の取り組みも欠かせない。 医療と介護が連携し、地域で高齢者の生活と健康を支えていく仕組みが今後ますます問 われる、ともいえるだろう。 その意味で地域に関わりの深い内容が法案に盛り込まれた。国民健康保険の運営を市町 村から都道府県へ移すことや、介護給付の対象のうち軽度者は市町村事業に移行させるな どだ。 国保は慢性赤字で、市町村は一般会計から年間3千億円を持ち出しているという。ただ 運営広域化がどれほどスケールメリットをもたらすかは不透明。財政責任がなし崩し的に 押しつけられる、と懸念する声が知事から上がるのも無理はない。 一方で都道府県は、医療をあまねく提供するための責任も求められる。過疎地を中心と した無医地区をどうなくすか、大学との連携強化が問われよう。 軽度者向け介護を市町村事業に委ねる結果、必要とされるサービスが切り捨てられては 困る。市町村間で格差が生じても利用者は戸惑う。介護ボランティアの養成など、地域の 覚悟と行動が求められよう。 心配が尽きないのは制度の将来像が見えず、安心できないためだ。その点で、安倍晋三 首相の今国会での所信表明は物足りなかった。 「世界に誇るわが国の社会保障制度を次世代 に安定的に引き渡していく」と述べたものの、具体性に欠けた。 団塊の世代が75歳前後となるのは10年後。消費税率が10%でも 財源は足りなくなるという。合わせて都市部の高齢化が一気に進む。従 来の発想と施策では立ちゆかなくなろう。 社会保障の在り方は長期的な視野で考えるほかない。国会は法案にと どまらず、先を見据えた議論を尽くしてもらいたい。 月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も 大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行