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ビル管理市場に関する調査結果 2014

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ビル管理市場に関する調査結果 2014
2014 年 12 月 11 日
ビル管理市場に関する調査結果 2014
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内のビル管理市場の調査を実施した。
1.調査期間:2014 年 7 月~9 月
2.調査対象:ビル管理事業者
3.調査方法:当社専門研究員による直接取材、及び電話アンケート調査、文献調査併用
<ビル管理市場とは>
本調査におけるビル管理市場とは、ビルの清掃管理、設備管理、警備保障業務等の受託サービスを対象として
算出した。ビル管理事業者が請け負う修繕工事、改修工事、リニューアル工事等の周辺業務を含むが、当該事業
者の異業種における売上高は含まない。
【調査結果サマリー】
‹ 2013 年度のビル管理市場規模は 3 兆 7,725 億円、前年度比 100.8%
2013 年度のビル管理市場規模(元請金額ベース)は、前年度比 100.8%の 3 兆 7,725 億円となった。
2013 年度の市場環境は、依然としてビル管理コストの減額要請が続く中で、消費税増税前の駆け込み等
により、工事分野の需要などが高まったことが要因となり、微増での推移となった。
‹ 有力ビル管理事業者における業容の拡大が進む
ビル管理の主要 3 業務(清掃管理、設備管理、警備保障)を個別の業務として受託する事業者が多い
中、有力なビル管理事業者においては、これら主要 3 業務をはじめとするビル管理に関連する業務全般
を総合的にマネジメントする業態へと変化しつつある。また、ビル管理業務だけでなく、管理から派生する
業務をビル所有者(オーナー)に代わってテナント企業にサービスとして提供するなど、有力なビル管理
事業者における業容の拡大が進んでいる。
‹ 2014 年度のビル管理市場規模は 3 兆 6,190 億円、前年度比 95.9%と予測
2014 年度のビル管理市場規模(元請金額ベース)は、2013 年度の駆け込み需要等の反動もあり、前
年度比 95.9%の 3 兆 6,190 億円と予測する。2014 年度も、ビル管理コストの減額要請が継続し、引き続き
厳しい状況が続く。一方で、低価格化は限界に達しており、サービス内容を充実させるなど対策が講じら
れており、ビル管理品質やビル管理業務効率のさらなる向上、業容の拡大などの準備段階の局面を今後
数年は迎えるものと考える。
◆ 資料体裁
資料名:「ビル管理市場の実態と展望 2014 年版」
発刊日:2014 年 10 月 6 日
体 裁:A4 判 447 頁
定 価:150,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。
Copyright © 2014 Yano Research Institute Ltd.
2014 年 12 月 11 日
【 調査結果の概要 】
1. ビル管理市場の現況
2013 年度の国内のビル管理市場規模(元請金額ベース)は、前年度比 100.8%の 3 兆 7,725 億円とな
った。4 期連続でプラス成長が続いているが、ほぼ横ばいでの推移となっている。(図 1 参照) 消費税増
税が一因となった工事分野の需要量増加が市場の拡大を後押ししたが、ビル管理業務単価の削減要請
など市場環境の厳しさは依然として続いているものと考える。
2013 年度は、消費税増税前の駆け込み需要ともみられる工事案件の増加が売上高増加の一因となり、
またビルリニューアルや移転なども多くなったことで、管理内容や価格体系への見直しが進むなど、ビル
管理業務の適正化への取り組みが進んだ。
ビル所有者(オーナー)からのビル管理コスト減額要請は依然として続いているものの、すでに単価の
引き下げが限界に近づいていることもあり単純なコスト削減は難しい。そのため、ビル管理業務の仕様見
直しや一部業務の解約(オーナーが自社で清掃を実施する等)などでビル管理コストの削減を達成させ
る提案も、ビル所有者が有効と判断するなど認識も変化しつつある。
有力なビル管理事業者においては、清掃や設備管理などビル管理業務を個別に受注するのではなく、
ビル所有者の管理コストの圧縮とビル管理業務効率向上の両方を実現する総合的な管理業務を提案す
ること、また、ビル管理から派生する業務をオーナーに代わってテナント企業にサービスとして提供するな
ど、業容の拡大が進んでいる。こうして、ビル所有者とビル管理事業者双方の存在意義を高めていくこと
が、今後のスタンダードになっていくと考える。
2.注目動向~ビル管理事業者の新業務展開
近年継続しているビル管理業務単価の減額要請は、一部で下げ止まり感が出てきているとの指摘もあ
る。ビル所有者(オーナー)からのビル管理コスト減額要請に対して、ビル管理事業者は実質的なサービ
ス水準の低下で対応するのではなく、これまでと同じコストでいかにして品質やサービス水準を向上させ
るかに注力している。そのため、単一のビル管理業務から派生した周辺業務の受注も視野に入れた提案
が、ビル管理事業者からオーナーに対して提案され始めている。(図 2 参照)
また、人材育成、労働力の確保についても、これまでと同様に注力されており、ビル管理事業者は将来
にわたって事業を遂行するための後進育成を進めている。特に、技術者の育成については長期的な視
野が必要であり、また、ビル管理業務を統括的にマネジメントすることのできる管理者の育成も課題となっ
ている。
3. ビル管理市場の将来見通し
2014 年度のビル管理市場規模(元請金額ベース)は、前年度比 95.9%の 3 兆 6,190 億円と予測する。
消費税増税前の工事分野の駆け込み需要等の反動もあり、2014 年度は低調なスタートとなっている。ビ
ルの新設などストック増加を背景とした市場見通しとしては、ビル管理業務効率のさらなる向上、周辺業
務を取り込むなどの業容の拡大、オフィス環境のあらゆる場面でのマネジメント機能の充実、各社の強み
を強化するなど、ここ数年は拡大成長へ向けた準備段階に入ると考える。
Copyright © 2014 Yano Research Institute Ltd.
2014 年 12 月 11 日
図 1. ビル管理市場の市場規模推移と将来予測
(単位:百万円)
4,500,000
(単位:%)
100.5% 100.0% 100.7% 100.8% 100.9% 101.9%
104.4%
104.4% 103.7%
101.1% 100.8%
92.6% 92.9%
4,000,000
102.6%
95.9%
98.0%
100%
3,500,000
80%
3,000,000
2,500,000
60%
2,000,000
40%
1,500,000
1,000,000
3,649,219
3,674,756
3,977,442
3,737,479
3,420,803
3,702,399
3,772,512
3,713,022
20%
3,649,219
500,000
3,704,101
3,808,490
3,682,384
3,571,773
3,743,910
3,618,950
3,638,318
0%
0
2001
年度
2002
年度
2003
年度
2004
年度
2005
年度
2006
年度
2007
年度
2008
年度
2009
年度
市場規模
2010
年度
2011
年度
2012
年度
2013
年度
2014
年度
(予)
2015
年度
(予)
2016
年度
(予)
前年度比
矢野経済研究所推計
注 1:市場規模は元請金額ベース
注 2:(予)は予測値
注 3:ビル管理事業者が請け負う修繕工事、改修工事、リニューアル工事等の周辺業務を含むが、当該事業者の異業種に
おける売上高は含まない。
図 2. ビル管理事業者の新業務領域に係る意識についてのアンケート調査結果
新しい業務・事業への取組み-新規事業領域-(n=95)
その他
4.2%
ビル管理業務と
異なる領域
18.9%
ビル管理業務の
一環
25.3%
ビル管理業務の
周辺領域
51.6%
n=95
矢野経済研究所作成
注 4:集計対象:新たな事業・業務に取組み済あるいは想定があると回答した全国のビル管理事業者 95 社、調査時期:
2014 年 7 月~9 月、調査方式:電話アンケート調査および一部直接訪問調査、単数回答
Copyright © 2014 Yano Research Institute Ltd.
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