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電子書籍市場に関する調査結果 2014
2014 年 9 月 10 日 電子書籍市場に関する調査結果 2014 -コミック分野が牽引、今後小説・文学などのコンテンツ拡大に期待- 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内電子書籍市場の調査を実施した。 1. 調査期間:2014 年 5 月~7 月 2. 調査対象:国内出版社、印刷会社、出版取次会社、電子書籍ストア等 3. 調査方法:当社専門研究員による直接面談、郵送・電話によるヒアリング、ならびに文献調査併用 <電子書籍市場とは> 本調査における電子書籍市場とは、PC・PDA 向け、携帯電話・スマートフォン向け、タブレット・電子書籍リーダ ー向けに配信される電子書籍(電子新聞および教科書、学術図書を除く)のコンテンツを小売価格ベースで算出し た。なおコンテンツを表示させる端末の代金やデータダウンロードにかかる通信費、広告収入等を除く。 【調査結果サマリー】 2013 年度の電子書籍市場規模は前年度比 19.7%増の 850 億円と 2 ケタ成長、 電子コミック分野が牽引 2013 年度の電子書籍市場規模は、小売価格ベースで前年度比 19.7%増の 850 億円であった。2013 年度の電子書籍市場について主なコンテンツ分野別にみると、コミック分野は 650 億円と市場全体の 8 割 弱を占め、国内の電子書籍市場はコミック分野が牽引している状況にある。同分野は長編シリーズが多く、 過去作品をまとめ買いするケースが多くあることも一因である。 2014 年度の市場規模は前年度比 23.5%増の 1,050 億円の見込、 2017 年度には 1,910 億円と拡大基調を予測 2014 年度の市場規模は小売価格ベースで前年度比 23.5%増の 1,050 億円の見込み、2017 年度には 1,910 億円と拡大基調を予測する。今後、コミック分野においては過去の作品の電子化が一巡することで、 市場の伸び率は鈍化していく可能性があるものの、小説・文学などの読み物分野においては徐々に電子 化される作品も増えていることから、今後の伸びが期待される。またスマートフォンやタブレット等、デバイ スの進化も電子書籍市場の拡大を後押しするものとみられる。 ◆ 資料体裁 資料名:「2014 年版 電子書籍市場の展望と戦略」 発刊日:2014 年 8 月 6 日 体 裁:A4 判 202 頁 定 価:105,000 円(税別) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2014 Yano Research Institute Ltd. 2014 年 9 月 10 日 【 調査結果の概要 】 1. 市場現況と将来展望 2013 年度の電子書籍市場規模は、小売価格ベースで前年度比 19.7%増の 850 億円であった。 2014 年度の市場規模は同 23.5%増の 1,050 億円を見込み、2017 年度には 1,910 億円まで拡大する と予測する。 モバイル端末におけるスマートフォンの普及、2012 年後半の外資系電子書籍ストアの日本市場への 本格的な参入によって、2013 年度の電子書籍市場は 2 桁成長となった。 2013 年度の電子書籍の主なコンテンツ分野別市場規模はコミック分野で 650 億円、読み物(小説・ 文学、ビジネス書、実用書など)分野で 160 億円、雑誌分野で 40 億円と、コミック分野は市場全体の 8 割弱を占め、国内の電子書籍市場はコミック分野が牽引している状況にある。 また出版科学研究所のデータをもとに試算すると、2013 年度の紙媒体を含む国内コミック市場規模 (コミック誌及びコミックスの合計)における電子コミック分野の構成比は約 15%程度、これに対し、紙媒 体を含む国内小説・文学(ライトノベル除く)市場規模における電子書籍分野は約 2%弱となる。 現下、巻数が多いコミック分野において過去の作品が電子化されることで、読者のまとめ買いするケ ースが多くみられており、市場の伸びを牽引している側面がある。このため、コミック分野においては過 去作品の電子化が一巡することで、市場の伸び率は鈍化していく可能性がある。 一方、小説・文学などの読み物分野においては有名作家の作品で未だ電子化されていないものも 多くあるものの、徐々に電子化される作品も増えていることから、今後の伸びが期待される。またスマー トフォンやタブレット等、デバイスの進化も電子書籍市場の拡大を後押しするものとみられる。 今後出版市場全体における電子書籍の構成比の上昇に伴い、現在コミック分野が大半を占める電 子書籍市場においても、既存の出版市場に近い形でのコンテンツ分野の構成比に変化していくものと 考える。 図 1. 国内電子書籍の市場規模推移 (単位:億円) 1,910 2,000 110 1,800 1,550 1,600 1,320 1,400 1,200 1,050 1,000 800 600 400 850 710 600 800 570 650 200 0 70 110 160 2011年度 2012年度 2013年度 870 270 2014年度 (見込) 読み物(小説・文学、ビジネス書、実用書など) 注 1. 注 2. 注 3. 注 4. 870 720 30 500 930 80 60 40 30 100 580 440 2015年度 (予測) コミック 2016年度 (予測) 2017年度 (予測) 雑誌 矢野経済研究所推計 小売価格ベース 電子新聞および教科書、学術図書を除く 本市場規模にはコンテンツを表示させる端末の代金やデータダウンロードにかかる通信費、広告収入等を除く (見込)は見込値、(予測)は予測値 Copyright © 2014 Yano Research Institute Ltd.