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児童・生徒の生活習慣病予防健診における血液検査及び食物
研究課題事前評価調書(標準様式∼表) 平成 15 年度 □ 当初予算 □ 補正予算 月) 記入日 平成 14 年 9 月 5 日 ( 機 関 名 衛生科学研究所 課題コード A11 事業年度 H15 年 度 ∼ H18 年 度 児童・生徒の生活習慣病予防健診における血液検査及び食物摂取状況調査の意義と方法に 課 題 名 関する調査研究 機関長名 宮島 嘉道 担当(班)名 健康管理部 連 絡 先 TEL 018-832-5026 担当者名 上席研究員 髙階 光榮 政策コード A 政 策 名 みんなが安心して活躍できる健康長寿社会の実現 施策コード 施 策 名 生涯を通じた健康づくりの推進 1 目標コード 施策目標名 健康づくりの推進 (生活習慣病死亡率(人口10万人当たり)) 1 研究 ○ 開発 試験 調査 その他 種 別 県単 ○ 共同 受託 その他 国補 評 価 対 象 課 題 の 内 容 1.課題設定の背景と問題の所在 生活習慣病死亡率の高い秋田県では、効率的な生活習慣病予防は重要な課題であり、子供の頃からの 健康づくりが大切である。しかし、学校保健以外に実施される生活習慣病予防健診は特定の地区、学年や 肥満者等の実施に留まっており、充分とはいわれない。また当所で実施した中学生の調査結果から、肝機 能や尿酸などの一般的でない血液検査に高い値を示す者が多いことがわかっている。これらの現象が、地 区、年齢及び調査集団による特異的なものでないことを検証しその対策を講じる必要がある。一方、食物摂 取状況にも栄養の偏りがみられることから調査が必要と考えられる。そこで児童・生徒の生活習慣病予防健 診に関して有効で効率的な実施方法を検討する必要がある。さらに事後指導に対応し、有用で、対象者と調 査者による違いが出にくい食物摂取状況調査方法の検討が必要である。 2.市場・ニーズの状況 平成10∼12年に県教育委員会が小学4年、中学1年、高校1年を対象として横断的に実施した「健康、ライ フスタイル調査」結果では、脂肪肝による肝機能障害の進行が推定される者が小学4年ですでにみられ、そ の頻度は中学1年で高くなり、高校1年ではさらに高くなることが報告されている。また、当所の介入による 中学生の追跡調査結果からは、学年が進むと改善される者もいることがわかっている。一方、県内全体で は、児童・生徒への生活習慣病予防健診の実施状況は低く、そのほとんどで血液検査は貧血や脂質検査 に限られており、特定の地区、学年や肥満者等への対応である場合が多い。また、児童・生徒への食生活 状況調査は、これまでアンケート方式による食習慣や簡単な頻度調査がほとんどであるため、具体的な食 物摂取状況は明らかになっていない。この研究内容の類似報告例は、疫学的研究以外は少ない。 3.最終到達目標 児童・生徒の生活習慣病予防健診の普及を図るために、血液検査を中心に、必要性及び有用かつ効率 的な実施方法を提案する。また、事後指導に対応し、かつ児童・生徒の食物摂取状況を把握するための有 用で実質的な簡易食物摂取状況調査法を提案する。さらに、これまでの調査結果を併せて検討し、秋田県 の地域性を加味した「児童・生徒用の生活習慣改善事項」を提示し、子供の頃からの健康づくり対策に寄与 する。 4.全体計画及び財源 (最終年度) 15 16 17 18 実施内容 到達目標 年度 年度 年度 年度 18年度 1.血液検査の必要性と実施方法の検討 (1)小中学生のスクリーニング 小中学生における血液検査のスク リーニングする 児童・生徒における血液検査の実態 1.(2)小中学生の追跡調査 把握と検証をする 1.(3)血液検査の必要性と実施方法の検 児童・生徒における血液検査の必要 討 性とその実施方法を提案する 2.食物摂取状況調査の簡易調査法と活 中学生の食物摂取状況調査における 用方法の検討 調査方法別の問題点と特徴を探る (1)既存調査成績による調査方法の検 2.(2)健診所見別指導のための項目の選 児童・生徒用の食物摂取状況調査の 定、及び補完調査 簡単な方法を探る 2.(3)簡易調査法(案)の作成と試行及び活 児童・生徒用の簡易食物摂取状況調 査法(案)を作成し、試行する 用方法の検討 簡易食物摂取状況調査法と活用方法 2.(4)簡易調査法の実施と評価、及び作成 を提案する 3.児童・生徒の健康つくりのための生活 児童・生徒のための生活習慣改善事 習慣改善事項の提示 項を提示する 予算額(千円) 一般財源 財源 国庫補助金 内訳 そ の 他 合計 1,527 1,527 1,400 1,400 1,330 1,330 1,260 1,260 5,517 5,517 (標準様式∼裏) 評価チームリーダー職・氏名 課 題 の 評 価 観 点 1.政策的妥 当性 2.研究開発 効果 3.技術的達 成可能性 学術振興課政策監 仙波日出夫 評 価 チ ー ム コ メ ン ト 食生活や運動などの生活習慣をよりよいものに改善し、癌・脳卒中などの生活習慣病の一 次予防対策に重点を置いた「健康秋田21計画」を昨年度スタートさせたところであり、小児 期における健康状態や食物摂取状況の調査研究は政策的にも合致する。また、1地区とは いえ中学生の健診結果から肝機能や尿酸の数値が高いと判明しており、児童・生徒を対象 とする研究であるため、協力を得るには家族並びに学校の理解が必要となる。これには公 的研究機関が行う方がより効果的成果を挙げやすい。なお、小児のライフスタイルの改善に 資するということは、住民全体のライフスタイル改善に大きく寄与するものであり、公共性・ 公益性が高いものと考える。 児童・生徒の尿酸や肝機能検査は新規的であり、多数のスクリーニング、同一人の血液検 査の実施から信頼性も高いと考える。それを基に将来の県民の健康、福祉のあり方にも大 きく寄与するものと考える。既に本研究を進めるに十分な検討がなされているので、新しい 成果が生まれる可能性が高く、また既存技術を秋田県の実情に合わせた形での研究であ ることから独創性が高く、技術移転に障害が生ずる心配はないものと考える。ただし、これだ けの要因で把握できるのは一部であり、家庭内環境、本人の性格など多くの要因が考えら れる。従って、結果がまとまったとしても解決できることは一部のみと思われるし、また追跡 調査がどこまでできるかの未確定要素もあると判断する。 既に本研究を行うに際しての基礎的準備は整っているため、特に問題なく行うことができる ものと考える。追跡調査は難点であると思うが努力していただきたい。もし、追跡調査が不 可能な場合であっても、他のデータ活用を想定しており、限りなく達成可能に近づくものと判 断する。 本研究は、もっと幅広い観点からの検討と、行政、学校、医師会等との連携を十分に図る必 要がある。研究期間を4年として予算は妥当と考えるが、果たしてこの範囲で収まるのか懸 4.研究計画・ 念が残るので、研究途中での進捗状況管理を十分に行っていただきたい。 研究体制 の妥当性 総 合 評 価 A優先実施 備 考 B 実 施 C計画改善実施 D 要 検 討