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食材に由来する高齢疾患予防因子の機能解析とその応用
研究課題事前評価調書(標準様式∼表) 平成 15 年度 □ 当初予算 □ 補正予算 月) ( 機 関 名 総合食品研究所 課題コード N21 記入日 事業年度 平成14年8月23日 15 年 度 ∼ 19 年度 食材に由来する高齢疾患予防因子の機能解析とその応用 生物機能部門(生物機能第一、第二)・ 担当(班)名 応用発酵部門(素材開発、発酵食品) 機関長名 所長 森 勝美 堀一之、畠恵司、樋渡一之、 電話 018-888-2001 担当者名 連 絡 先 高橋砂織、戸松誠、渡辺隆幸 政 策 名 豊かな自然と調和した個性あふれる農林水産業の振興 N 政策コード 施 策 名 地域農業との連携強化による秋田らしい食品産業の振興 施策コード 2 施策目標名 主要加工食品の県産原材料使用額 目標コード 1 ○ 開発 試験 調査 その他 研究 種 別 共同 県単 ○ 国補 受託 その他 評 価 対 象 課 題 の 内 容 1.課題設定の背景と問題の所在 生涯を通じた健康作りの推進は本県にとって最重要課題である。その中で、高齢者特有の疾患あるいは 症候群に対し医薬品的な治療と共に、食生活を通じた予防的あるいは緩和で継続的に病態の進行を遅延 させる方向性が重要視されている。総合食品研究所では、開設以来地域特産農水産物の生理機能性データ ベースの構築・抽出エキスバンクの蓄積を行い、タラノメ・トチュウ・ホップ・ロッカクレイシ・キンタケなどから注目すべき活性物 質の存在を明らかにし、情報発信・特許出願とともにいくつかの商品化を推進してきた。 本提案では、生活習慣病(糖尿病合併症、高血圧症およびメラノーマ細胞による抗白髪等)に評価を絞り、 秋田の食材の中から新たな高齢疾患の予防・抑止に繋がる知見を得ようとするものであって、今までの当 研究所の研究資源蓄積無しには、実現しないものである。これによって、高付加価値商品への展開が図ら れ地域食品産業振興に資すると確信する。 2.市場・ニーズの状況 健康食品市場は今日1兆円を超す規模であり、年率10%近い伸びを示す成長分野である。また、食薬区分 の30年振り全面的見直し、食品の形態区分の撤廃、保健機能食品制度の創設など、健康食品を取り巻く情 勢は規制緩和・市場開放が進行している。その中で、生き残る商品となるには、科学的な根拠が必須で、産 業振興の見地からも本研究のニーズは大きい。 課 題 名 3.最終到達目標 本研究では、高齢者特有の症候・疾患に対する評価系を確立し、生理活性の本質成分を分離・化学構造 を明らかとする。さらに細胞シグナルなど精密な評価系構築と構造活性相関研究を展開し、生理活性の発 現機構の解明に迫る。また、実際応用の為活性物質を効率よく安定に利用する方法を検討する。以上を総 合して、秋田の農水産物を活用した高付加価値の加工食品を市場に出すことを最終到達目標とする。 4.全体計画及び財源 実施内容 到達目標 16 17 18 19 15 年度 年度 年度 年度 年度 (最終年度) 19年度 再現性のある安定な各評 価系を確立する 各評価系での研究対象の 絞り込みがなされる 作用機構解析用精 細胞伝達シグナル系など本 密評価系の確立 質的評価法を確立する 各種評価系の確 立 各評価系によるス クリーニング 活性物質分離・構 造解析・構造機能 相関 各種の活性物質の化学構造が明 らかになり、作用機構解明のため の関連物質を誘導する 活性作用機構解 上記の評価系と活性物質群により 作用機構の知見が得られる 析 機能性成分の安 活性物質の安定抽出法や加工素 定な利用法検討 材としての利用法が確立する 機能性を付与した 実際に商品として市場に出 商品開発・事業化 る 6,000 6,000 6,000 6,000 6,000 予算要求額(千円) 6,000 6,000 6,000 6,000 6,000 一般財源 財源 国庫補助金 内訳 そ の 他 合計 30,000 30,000 (標準様式∼裏) 評価チームリーダー職・氏名 課 題 の 評 価 観 点 1.政策的妥 当性 2.研究開発 効果 3.技術的達 成可能性 学術振興課政策監 仙波日出夫 評 価 チ ー ム コ メ ン ト 現在健康食品に対するニーズが高いことから、様々な食材から新たな高齢疾患の予防・抑 止につながる知見を得て、加工素材としての利用を図る目的の課題であり、これは「地域の 農業との連携強化による秋田らしい食品産業の振興」の施策と合致している。また日本一 の高齢者率に向かう本県としては成果が待たれる課題あり、時間は多少かかるかも知れな いが将来的には県内全体への貢献が必ずあると考えられる。ただし、ターゲットが広範囲 に渡るため、具体的な研究成果が予測しがたい面もある。 また、本県の民間企業では研究資源、研究費の負担などの面からなかなか取り組みにくい 課題であるが、今後、各企業の研究開発意欲が望まれる。 技術的、能力的には問題はないと考える。応用可能性に関しても時間がかかると思われる が、一般消費者の望むものを科学的に証明し、商品化することの意義は大きい。費用対効 果に関しても研究開発時は多少かかるが将来、長期に渡って優位性を保てるので効果は 大きいと判断する。 しかしながら、それらの研究を県内食品産業に活用できるかは、受け皿の問題もあり、事業 化では困難を伴うものも予想される。また、類似の成果を既に有し商品化されているものに ついて、消費者に受け入れられているとは言い難い例もあるので、商品化については十分 な市場分析が必要と考える。 研究陣の経験から考えて十分に達成可能であると考えられ、学術面での成果は得られよう が、その社会的応用の部分について更に検討を加えるべきである。 機能性食品研究のため評価法の確立、ヒトによる培養細胞系の確立、商品化等多くの課題 があり、商品開発に至るには他分野(臨床医、原料生産者、加工業者など)の協力が必要 と考える。 手段、方法、体制ともに問題ないと考える。スケジュール的にはこの手の開発ははっきり、 いつ完成ということは困難であるが出来上がったものから商品化すれば良いと考える。予 4.研究計画・ 算は研究員の人数、開発年数から妥当と考える。 研究体制 6名の研究員が5年以上をかけるという点では、研究所の重点研究かも知れないが、これ の妥当性 だけのパワーをかけるのであれば、早く開発するということも忘れないでいただきたい。 総 合 評 価 A優先実施 備 考 B 実 施 C計画改善実施 D 要 検 討