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高リサイクル性プラスチック材料の開発と利用技術

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高リサイクル性プラスチック材料の開発と利用技術
研究課題事後評価調書(標準様式∼表)
機 関 名 工業技術センター
課 題 名
課題コード H100902
記入日 平成 15 年 7 月 14 日
事業年度 11 年 度 ∼ 14 年 度
高リサイクル性プラスチック材料の開発と利用技術
今野 義雄
担当(班)名
環境システムグループ
秋田市新屋町字砂奴寄4-11
担当者名
工藤 素
M
政 策 名 産業の技術力・競争力の源となる科学技術基盤の形成
1
施 策 名 科学技術を支える産・学・官それぞれの機能強化
1
施策目標名 特許出願件数
調査
その他
研究
○
開発
試験
種 別
県単
○
国補
○
共同
その他
受託
評 価 対 象 課 題 の 内 容
1.課題設定時の背景と問題の所在
近年、地球規模の環境問題に対する社会の関心が高まり、資源保護と廃棄物削減の観点からエコファクト
リーを目指す企業が増加しておりリサイクルの重要性が高まっている。プラスチック材料においても、リサイ
クルの要請を強く求められており、プラスチックの適用においてリサイクルの容易さが重要な要件の一つと
なっている。プラスチック成形企業において、リサイクル技術として比較的容易に取り組めるマテリアルリサ
イクルは、材料特性の低下や再生ペレットのバラツキ等により、同じ性能の素材として再使用することが難し
いという大きな問題がある。そのため、リサイクルしても同じ性能を発揮する材料の開発や生分解性プラス
チックの利用技術の確立が期待されている。
機関長名
連 絡 先
政策コード
施策コード
目標コード
2.課題設定時の市場・ニーズの状況
秋田県内のプラスチック成形業界において、これまで産業廃棄物としていた成形不良品や成形屑等を再
生ペレットとしリサイクルしようとする企業が増加しているが、材料特性の低下等が懸念されるため容易にリ
サイクルが行えないのが現状である。しかし、廃棄処理コストの高騰という大きな問題に直面している現在、
材料特性を低下させないでリサイクルする手法が強く求められている。また、自然環境下で微生物等によっ
て分解される生分解性プラスチックを用いた製品開発も注目されている。
3.課題設定時の最終到達目標
本研究で得られたリサイクル技術の成果は、プラスチック成形企業に対する共同研究、技術指導で成果普
及し、工場内リサイクル技術の向上を図る。一般に、工場内リサイクルされる再生材の混合率は30%程度
であるが、100%リサイクル材の利用が可能となるような材料を開発し、廃プラスチック処理費削減や生産
コスト低減を目指す。
また、生分解性プラスチックを用いた製品開発を行う。具体的な製品ターゲットは、花火の玉皮を作製し、
ユーザー(花火工場)の協力を得て、実用化する。これについては特許申請を目標とする。
4.課題設定時の全体計画及び財源
実施内容
到達目標
アロイ化材料の特 アロイ化材料の補強効果
性評価
等の材料特性の確認
アロイ化材料のリサイク アロイ化材料のリサイクル
ル性の評価・製品試作 性評価、及び試作品の作
生分解性プラスチックの
生分解性プラスチックの材
材料特性評価、製品試
料特性評価、試作品の作
作
製品開発
実製品への適用
応用研究
花火用玉皮の作製
成果普及指導
研究成果の普及
市場調査
市場調査
予算額(千円)
一般財源
財源
国庫補助金
内訳
そ の 他
11
年度
12
年度
13
年度
(最終年度)
14年度
合計
13,656
6,828
6,828
52,282
26,141
26,141
11,736
5,868
5,868
6,914
3,457
3,457
84,588
42,294
42,294
(標準様式∼裏)
評価チームリーダー職・氏名
課 題 の 評 価
機 関 に よ る 自 己 評 価
学術振興課政策監 仙波日出夫
評価チームによる評価
1.政策への貢献度
□ A.大きく貢献している
□ B.貢献している
□ C.十分に貢献していない
[理由]
生分解性樹脂を活用した花火玉皮の開発について特許出
願した。また、100%リサイクル材による製品開発など、県
内プラスチック成形企業におけるリサイクル率が向上し、競
争力向上につながった。
2.目標の達成度
□
□
□
A
B
C
□ A.計画以上に達成している
□ B.ほぼ計画どおり達成している
□ C.計画以下である
[理由]
100%のリサイクルを繰り返しても特性低下がない新しい
プラスチックアロイ材料を開発したほか、生分解性樹脂を活
用した花火玉皮の開発に成功するなど、当初の研究計画
を達成した。
□
□
□
A
B
C
3.研究の成果
□ A.当初の見込み以上の成果があがっている
□
A
□ B.当初の見込みどおりの成果があがっている
□
B
□ C.当初の見込み以下である
□
C
[理由]
100%のリサイクルを繰り返しても特性低下がない新しい
プラスチックアロイ材料を開発したほか、生分解性樹脂を活
用した花火玉皮の開発に成功するなど、当初の見込みどお
りの成果が上がった。
4.機関長による評価
本研究成果の普及により、企業のリサイクル率が向上したことは企業支援の立場から大きく評価できる。
また、生分解性樹脂を活用した花火玉皮の開発に成功したことは、新たなプラスチック材料の利用分野を開
いたということで大きく評価できる。
5.評価チームによる評価
(1)本研究課題は、成果の活用面においては、企業との共同研究により花火用玉皮への応用と言う画期的
な面に展開した点や特許出願を検討している点はたいへん評価できる。今後は、さらに多くの企業との共同
研究等や成果普及に努めることを望みたい。
(2) 本研究課題は、繰り返し使用しても材料特性の低下が少ないプラスチックの開発を目指しているが、プ
ラスチック成形企業におけるリサイクル率向上が図られたとの記述のみで、課題そのものがどれだけ達成さ
れたか、つまり最終到達目標を設定していることに対して、目標の達成度に明確な達成度が記入されていな
いことが残念である。
備
考
(参考)過去の評
価結果
事前
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