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花き専門店の切り花仕入・販売行動 41
花き専門店の切り花仕入・販売行動 [研究のねらい] 切り花の業務・家庭消費が停滞ないし縮小局面を迎えているなか、花き専門店の組織形態のう ち大型の「本店・支店形式及びチェーン店形式の店舗」(以下「多店舗店」)の切り花販売数量 が伸びています。こうした小売業態の変化に対する今後の産地の市場対応の基礎資料となる花き 小売業者の切り花仕入・販売行動と小売業者のニーズについて分析します。 [研究の成果] ①花き専門店の仕入額は「卸売業者・仲卸業者」が最も多い(図1)。重視する仕入先について みると、「多店舗店」は市場以外からの仕入を重視しており、価格変動の少ない相対取引が可 能な仕入ルートの確保を望んでいます(図2)。 ②単独店は価格高騰時に「量を減らす」や「仕入れない」といった弾力的な対応がとられるが、 多店舗店は「高くても仕入れる」との回答が多いです。また、仕入を予定していた品質の品の 高騰時も「高くても品質は落とさない」」との回答が多いです。以上のことから、多店舗店は 鮮度の高い花を安定的に仕入れたいというニーズが強いです(図3、4、5) 。 [成果の活用面・留意点] ①産地の市場対応策を決定する際の基礎資料として活用できます。 卸売業者 卸売業者・仲卸業者 仲卸業者 生花問屋 生花問屋 商社・輸入業者 商社・輸入業者 単独店 多店舗店 全体 生産者・農協 その他 その他 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 構成比(%) 0 図1 切り花の仕入先別仕入額構成比 高くても 定量仕入 仕入れない わからない 単独店 多店舗店 全体 0 10 20 30 40 50 60 構成比(%) 図3 価格高騰時の仕入対応 20 30 40 50 構成比(%) 60 70 高くても品質は 落とさない 品質を落とし 安い品を入れる 安くても 定量仕入 わからない 10 図2 重視する仕入先 量を増やす 量を減らす 単独店 多店舗店 全体 生産者・農協 単独店 多店舗店 全体 0 10 20 30 40 50 60 構成比(%) 図4 価格下落時の仕入対応 仕入れない 単独店 多店舗店 全体 わからない 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 構成比(%) 図5 仕入予定の品が高騰した時の仕入対応 資料:花き専門店に対するアンケート(1997年9月実施) 調査対象はNTT「タウンページ」(1997年度)生花店欄に記載のある大阪府下の花き専門店1,688 店とし、郵送にて調査票を配布し回収した。有効回答数は107(単独店68、多店舗店39)であった。 実施期間:平成8~11年度 担 当 者:辻 41 和良