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記 者 発 表 票(記者発表・資料配布)
平成25年度消費生活相談の状況について 平成25年度、丹波消費生活センターで受け付けた消費生活相談状況についてまとめた。 相談件数は475件(平成24年度は390件)であった。 相談の傾向 (1)相談件数が昨年度より85件(21.8%)増加 昨年度から、相談件数が2割増加(苦情59件、問い合わせ26件増加) (2)インターネット情報サービスが今年度の相談においてもトップ ネット利用者の幅広い層への広がりから、60歳以上の相談が増加。 (3)申し込んでいないのに送りつけられる健康食品のトラブル 昨年度に引き続き、注文をしていない健康食品を送り付けるという手口が横行。 (4)太陽光発電システムの契約トラブルが増加 補助金制度や買取制度により太陽光発電システムが普及し、トラブルも増加傾向。 対策 消費生活出前講座の強化 県・市が協働してセンター職員等が身近な施設に出向き、無料で地域住民に悪質商法への対処 法などを説明し、消費者問題について学ぶ機会を提供している。平成25年度は、世代毎に6 6回講座を実施した。 くらしの安全・安心推進員の設置 安全で安心なくらしの取り組みを推進するため、地域の消費者リーダーとして「くらしの安 全・安心推進員」を設置し、啓発活動などを行うとともに高齢者等への見守りを強化。 普及啓発事業の実施 「たんば消費者力アップ事業」 「次世代消費者力アップ事業」などにより高齢者や若い世代の 消費者力をアップすることで、消費者トラブルの減少を目指す。 相談の傾向と特徴について (1) 相談件数が昨年度より85件増加 (図1、表1参照) 減少傾向にあった苦情件数が59件(21.1%)増加し、問い合わせ件数についても26件 (23.6%)増加している。 出前講座や広報誌等で、最新の手口を紹介し「困ったときはすぐ相談」と呼びかけたことから、 何かあれば消費生活センターに相談をするという意識付けが地域に浸透した結果と考える。 今年度においても、消費者トラブルの被害当事者は60歳以上が4割を占めた。 ※ 「苦情」とは、実際に消費者トラブルが発生しているか発生の恐れがあるものを指し、 「問 合せ・要望」は、消費者トラブルが発生していないもの、事業者や行政からの問合せ、消 費生活相談に該当しないものを指している。 (図1)消費生活相談の推移 (表1)苦情における契約当事者の年代別内訳 20 歳未満 男性 女性 その他 合計 構成比 前年 構成比 20 歳代 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳代 70 歳以上 年齢不明 合計 7 7 0 14 4.1% 16 14 0 30 8.8% 18 15 0 33 9.7% 21 23 0 44 13.0% 18 22 0 40 11.8% 23 21 0 44 13.0% 27 69 0 96 28.3% 23 5 10 38 11.2% 153 176 10 339 100% 10 3.6% 25 8.9% 28 10.0% 31 11.1% 42 15.0% 42 15.0% 73 26.1% 29 10.4% 280 100% ※ その他=事業者や団体等からの苦情相談 (2)インターネット情報サービスが今年度の相談においてもトップ (表2、3参照) 今年度においても、苦情の最も多かった品目は、インターネット情報に関するトラブルであっ た。スマートフォンの普及で手軽にインターネットを利用できるようになったせいか、幅広い年 代層からの相談がみられ、特に60歳以上からの相談が増加した。 内容の多くは、無料と思ってアダルト情報サイトや動画サイトを見ようとしたところいきなり 登録料などの請求を受けたといったトラブルであった。 中には、 「お金がない人の支援をします」という金銭授受メールがきっかけとなり、有料サイ トへ誘導され高額な料金を支払ってしまったという相談があり、センターのあっせんにより解決 をみた。ただし出会い系サイトの相談は、減少傾向にある。未成年者については、オンラインゲ ームのトラブルなどがあった。 (表2)主な品目別苦情件数 順位 1 商品・役務内容 内容 25 年度 インターネット情報サー アダルトサイトなどをめぐる不当 前年度 増減 60 55 5 不審な電話勧誘、迷惑メールなど 20 11 9 健康食品 強引な送りつけの手口 17 16 1 4 融資サービス 多重債務など 14 15 △1 4 役務その他 法律家との委任契約など 14 10 4 6 空調・冷暖房設備 太陽光発電システムなど 13 8 5 7 和服 展示会、店舗販売による契約 8 2 6 7 自動車 中古自動車のトラブル 8 2 6 7 修理・補修 畳張替、壁面の張替など 8 4 4 7 生命保険 生命保険の解約 8 4 4 ビス 請求トラブル 2 商品一般 3 (表3) インターネット情報サービスに係る年代別相談件数 (総件数) 20歳未満 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳以上 不明 計 H 2 5(60) 9 3 5 15 10 11 5 2 60 前 4 9 13 8 11 7 2 1 55 年(55) (3)申し込んでいないのに送りつけられる健康食品のトラブル (表2参照) 昨年度から引き続き、高齢者を中心に「以前に注文を受けていた健康食品を代金引換で送る」 などと言って電話をかけ、断ってもしつこく勧誘を続け強引に送りつけるといった手口がみられ た。契約当事者については80歳以上の女性が最も多く、男性や40歳未満の消費者がターゲッ トとなるケースはほとんどなかった。 これらは、日頃から健康食品をよく利用する高齢女性の情報を手に入れた業者等が、記憶力の 低下や不安な気持ちに乗じて強引に代金を支払わせようとする悪質な手口である。実際に送付を 受ける前の相談も多かったため、代引で配達を受けてもお金を支払わず受け取り拒否するように 助言を行い被害を未然に防ぐことができた。 (4)太陽光発電システムの契約トラブルが増加 (表2、表4参照) 消費者の環境意識の高まり、補助金制度や固定価格買取制度により太陽光発電システムの普及 が進むにつれて、契約トラブルも増加傾向にあり、昨年度は、4件であった苦情件数が今年度に おいては10件となっている。訪問販売による勧誘が大半で、 「補助金や売電など、良い点ばか りを強調した説明を受けたが本当か」といった業者の信用性を心配する相談などがあった。また、 休耕田等を利用した売電事業目的の大型太陽光発電システムの契約トラブルなどもあり、事業目 的の契約の場合には消費者法が適用されずクーリング・オフなどができない場合があるので注意 が必要となる。 太陽光発電については今後も契約トラブルの増加が考えられ、契約金額が大きいだけにその場 では契約をしないなど慎重な対応が望まれる。 (表4)ソーラーシステム販売購入形態別件数 販売購入形態 25 年度 前年 訪問販売 8 4 電話勧誘販売 1 0 不明 1 0 合計 10 4