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2013年4月号 - JPモルガン・アセット・マネジメント
BRICS マンスリー・レター お客さま用資料 2013年4月号 B razil R ussia I ndia C hina S outh Africa 筆者のご紹介 門倉 貴史 (かどくら たかし) BRICs経済研究所 代表 1971年神奈川県生まれ。95年慶應義塾大学経済学部卒業。銀行系 シンクタンク、生保系シンクタンク等を経て05年にBRICs経済研究所 を設立。同志社大学大学院非常勤講師。現在はBRICs経済研究所 の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、文化放送「夕 焼け寺ちゃん活動中」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・ WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。 主な著書 『図説BRICs経済』(日本経済新聞社) 『今のインドがわかる本』(三笠書房) 『イスラム金融入門~世界マネーの新潮流』(幻冬舎新書) 『中国経済の正体』(講談社現代新書) 『必ず誰かに話したくなる経済学』(PHP研究所)など多数 投資信託は一般的に、株式、債券等様々な有価証券へ投資します。有価証券は市場環境、有価 証券の発行会社の業績、財務状況等により価格が変動するため、投資信託の基準価額も変動し、 損失を被ることがあります。また、外貨建の資産に投資する場合には、為替の変動により損失を 被ることがあります。そのため、投資信託は元本が保証されているものではありません。 ご注意していただきたい事項について • 投資信託によっては、海外の証券取引所の休業日等に、購入、換金の申込の受付を行わない場合があります。 • 投資信託によっては、クローズド期間として、原則として換金が行えない期間が設けられていることや、1回の換金(解約) 金額に制限が設けられている場合があります。 • 分配金の額は、投資信託の運用状況等により委託会社が決定するものであり、将来分配金の額が減額されることや、 分配金が支払われないことがあります。 ファンドの諸費用について 投資信託では、一般的に以下のような手数料がかかります。手数料率はファンドによって異なり、下記以外の手数料がか かること、または、一部の手数料がかからない場合もあるため、詳細は各ファンドの販売会社へお問い合わせいただくか、 各ファンドの投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。 投資信託の購入時:購入時手数料(上限3.675%(税抜3.5%))、信託財産留保額 投資信託の換金時:換金(解約)手数料、信託財産留保額(上限1.0%) 投資信託の保有時:運用管理費用(信託報酬)(上限年率1.995%(税抜1.9%))、監査費用(上限年間315万円(税抜300 万円)) *費用の料率につきましては、JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社が設定・運用するすべての公募投資信託のうち、 徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。 運用管理費用(信託報酬)、監査費用は、信託財産の中から日々控除され、間接的に受益者の負担となります。その他に 有価証券売買時の売買委託手数料、外貨建資産の保管費用、信託財産における租税費用等が実費としてかかります。 また、他の投資信託へ投資する投資信託の場合には、当該投資信託において上記の費用がかかることがあります。また、 一定の条件のもと目論見書の印刷に要する実費相当額が、信託財産中から支払われる場合があります。 金融商品取引業者等について 投資信託委託会社:JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第330号 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 本資料はJPモルガン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」といいます。)が、BRICS諸国の政治、経済、文化等の情報を提供するために、 BRICs経済研究所の協力により作成したものです。本資料は特定のファンドもしくは個別銘柄への投資勧誘を目的としたものではありません。また、 当社が特定の有価証券の販売会社として直接説明するために作成したものではありません。本資料は信頼性が高いとみなす情報に基づいて作成さ れていますが、当社およびBRICs経済研究所がその情報の正確性を保証するものではありません。また、当該意見・見通しは将来予告なしに変更さ れることがあります。また本資料に掲載されている個別銘柄については、その売買の推奨を意図したものではなく、また当社が運用するファンドへの 組入れを示唆するものではありません。 1 BRICS マンスリー・レター お客さま用資料 2013年4月号 今月のコラム インドのムンバイで活躍するダッバー・ワーラー インドの商業都市ムンバイでは、世界的に見て珍しいサービスが発達している。それが「ダッバー・ワーラー」のサービス である。耳慣れないかと思うが、ダッバー・ワーラーというのは、ヒンディー語で「弁当の運び屋」を意味する言葉だ。具体的 には、各家庭からお弁当を集めて、そのお弁当をランチタイムに勤務先の依頼者に届けるビジネスを指す。現在、18歳以 上の約5千人がダッバー・ワーラーの仕事に従事しており、このサービスの利用者は約20万人、1日のお弁当の取扱量は 約40万個に上る。 ダッバー・ワーラーの歴史は古く、今から130年以上も前の1880年(英国の植民地時代)にスタートした。正式な職業とし て認められたのは1890年頃である。 当時、英国企業に勤務していたインド人労働者には、英国式のランチが提供されたのだが、インド人の口には合わず、多 くのインド人労働者は家族が作ったお弁当を勤務先で食べたいと考えるようになった。そもそもの話として、インドでは宗教 上の理由などから食の好みが細かく分かれており、外資系のレストランやファストフード店が提供する画一的なメニューは 適していないと言われる。このようなインド人労働者のニーズを満たすために生まれたのがダッバー・ワーラーのサービス なのだ。 その後、ムンバイでは、弁当運びのサービスの利用者がうなぎのぼりで拡大していった。近年では、これまで以上にこの サービスの人気が高まっている。というのも、ムンバイでは、自宅から勤務先まで電車で通う労働者が多いのだが、朝の ラッシュ時は混み合って、電車内にお弁当を置くスペースがないからだ。 ところで、ダッバー・ワーラーは、基本的に、自転車でたくさんのステンレス製のお弁当箱を運ぶという、非常に労働集約 的なビジネスとなっている。ただし、コンピュータシステムをほとんど使っていないにもかかわらず、驚異的な配送の正確さを 実現しており、それが世界的な注目を集めている。ある調査によると、ダッバー・ワーラーで配送ミスが発生する確率はわず かに1,600万分の1にすぎないという。 では、なぜこのようなローテクの配達システムがうまく機能しているのだろうか。成功の秘密は、集荷から配達までの各過 程におけるチームワークの良さと、厳密な配達時間の管理によるところが大きい。配達サービスに携わる労働者には、読み 書きができない者も多く含まれるのだが、個々の弁当箱に塗られた色分けと数字で、届け先と受取人の正確な識別がなさ れている。また、組織が役員→管理者・監督者→ダッバー・ワーラーというわずかに3つの階層で成り立っており、複雑に階 層化されていないことも効率性・生産性のアップにつながっているとも言われる(図表1を参照)。 ダッバー・ワーラーに従事する労働者の賃金は平等で1ヵ月あたり2,000~4,000ルピーが相場となっている。ただし、この 仕事を始めるには、最低限の投資が必要だ。初期投資額は、自転車2台と大きめの木箱、白いクルター・パジャーマー(イン ドの男性用民族衣装)、ガンディー・トーピー(小さめの鍔無し帽子)のセットで合計5,120ルピー程度となる(図表2を参照)。 図表1 ダッバー・ワーラーの組織図 図表2 ダッバー・ワーラーに必要な初期投資額 役員 項目 投資額(ルピー) 自転車2台 監督者・管理者 大きめの木箱 500 白いクルター・パジャーマー 600 ガンディー・トーピー ダッバー・ワーラー(弁当配達屋) (出所)Dabbawala資料よりBRICs経済研究所作成 4,000 合計 20 5,120 (出所) Dabbawala資料よりBRICs経済研究所作成 本資料はJPモルガン・アセット・マネジメント株式会社が、BRICS諸国の政治、経済、文化等の情報を提供するために、BRICs経済研究所の協力によ り作成したものです。本資料は個別銘柄への投資勧誘を目的としたものではありません。また、当社が特定の有価証券の販売会社として直接説明す るために作成したものではありません。本資料は信頼性が高いとみなす情報に基づいて作成されていますが、当社およびBRICs経済研究所がその 情報の正確性を保証するものではありません。また、当該意見・見通しは将来予告なしに変更されることがあります。また本資料に掲載されている個 別銘柄については、その売買の推奨を意図したものではなく、また当社が運用するファンドへの組入れを示唆するものではありません。 2 BRICS マンスリー・レター お客さま用資料 2013年4月号 ブラジルで拡大するウイスキーの消費 今月のコラム 近年、ブラジルではワインやビール、カクテル、ウオッカなど各種のアルコール消費量が急拡大しており、高級酒とされる ウイスキーの消費も増加傾向にある。たとえば、英国の業界団体であるスコッチウイスキー協会(SWA)の統計によると、 2011年のブラジル向けスコッチウイスキー輸出金額は前年比48%増の9,920万ポンドとなり、主要輸入国の中ではトップの 伸び率を記録した。市場規模においてもブラジルは世界で第9位となっており(2011年)、周辺国のベネズエラやメキシコと ともにスコッチウイスキーの一大消費地を形成している(図表を参照)。 ちなみに、スコッチウイスキーというのは、英国北部のスコットランドで蒸留・熟成された世界5大ウイスキーのひとつだ。ス コッチウイスキーは、大麦麦芽を原料に単一蒸留所で蒸留した「モルトウイスキー」と、穀物を混ぜた「グレーンウイスキー」 に大別される。世界5大ウイスキーは、スコッチウイスキーの他に日本、米国、カナダ、アイルランドがある。 ウイスキーは従来一部の限られた富裕層が楽しむ高級酒で、主要な市場は所得水準の高い欧米などの先進諸国であっ たが、近年では状況が変わってきている。すなわち、債務危機の影響で欧州の消費者がウイスキーの消費を抑制している ため欧州市場が頭打ちとなる一方、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)をはじめとする有力新興諸国の市 場が急拡大しているのだ。 中南米のブラジルでスコッチウイスキーの消費が拡大している背景には、これまでの高い経済成長の成果によって購買 力のある富裕層やニューリッチ層が台頭し、単価の高いウイスキーをステイタスシンボルのひとつとして利用する人が増え ているといった事情がある。また、女性の社会進出が進み、比較的若い世代の女性の間でウイスキー愛好家が増えている ことも、スコッチウイスキーの消費拡大に拍車をかけている。 英国のスコッチウイスキーの有力メーカーもブラジルを将来の有望市場として捉えており、幅広い世代の消費を喚起する ため、様々なマーケティング戦略を展開している。最近では、フェイスブックやツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワー キング・サービス)を駆使してマーケティングを展開し、若い世代の消費者獲得を狙っているようだ。少し所得水準が下がる 若い世代向けに価格帯を引き下げたウイスキーを投入するといった戦略もみられる。買収によって市場シェアの拡大を図る メーカーも出てきている。ある英ウイスキー大手メーカーは、2012年、ブラジルで人気の蒸留酒カシャーサの大手メーカー を3億ポンドで買収した。 英国の酒類メーカーだけではない。日本の酒類メーカーがブラジルのウイスキー市場の開拓に乗り出すといった動きも出 てきている。たとえば、あるメーカーは2013年にブラジルに再進出することを決定、日本産のウイスキーを輸出販売していく。 このメーカーはブラジルの経済情勢の悪化などを受けて2004年に一度ブラジル市場から撤退していた。日本産ウイスキー は、サンパウロやリオデジャネイロといった大都市部のスーパーなどで販売される予定だ。 ブラジルではサッカーのワールドカップ(2014年)や夏季オリンピック(2016年)の開催を控えて、消費の市場が膨らんでい くとみられ、それに伴ってウイスキーなどのアルコールの消費量も拡大基調で推移していくことが予想される。 図表 スコッチウイスキーの輸入金額上位10ヵ国(2011年) (億ポンド) 7 6 5 4 3 2 1 0 米 国 フ ラ ン ス シ ン ガ ポ ー ル ス ペ イ ン 南 ア フ リ カ 台 湾 ド イ ツ 韓 国 ブ ラ ジ ル ベ ネ ズ エ ラ (出所)スコッチウイスキー協会(SWA)資料よりBRICs経済研究所作成 本資料はJPモルガン・アセット・マネジメント株式会社が、BRICS諸国の政治、経済、文化等の情報を提供するために、BRICs経済研究所の協力によ り作成したものです。本資料は個別銘柄への投資勧誘を目的としたものではありません。また、当社が特定の有価証券の販売会社として直接説明す るために作成したものではありません。本資料は信頼性が高いとみなす情報に基づいて作成されていますが、当社およびBRICs経済研究所がその 情報の正確性を保証するものではありません。また、当該意見・見通しは将来予告なしに変更されることがあります。また本資料に掲載されている個 別銘柄については、その売買の推奨を意図したものではなく、また当社が運用するファンドへの組入れを示唆するものではありません。 3