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ご参考資料
ピクテ・グローバル・マーケット・ウォッチ 2016年6月10日
先進国
Pictet Global Market Watch
米国大統領選挙で占う公益業界の行方
共和党指名候補にドナルド・トランプ氏が民主党指名候補にヒラリー・クリントン氏がそれぞれ11月の米大統領選の指
名候補となることが確実となりました。同候補ともエネルギー政策に言及しており、公益企業への影響に注目です。
過去の実績では共和党が優位な政権で
公益株式はアウトパフォーム
図表1:米国政権と米国株式、米国公益株式の騰落率
(政権、2年毎、期間:1991年~2016年
株価騰落率、2年毎、期間1990年~2016年、2016年は5月末まで)
2016年6月7日、11月の米国大統領選に向けて、民
共和党
民主党
次期大統領選は2016年11月予定
主党のヒラリー・クリントン前米国務長官と共和党の
クリントン
ブッシュ
オバマ
不動産王ドナルド・トランプ氏の対決が確実になりま 大統領
【過半数を占める政党】
した。2人は副大統領候補を決め、7月の党全国大
90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16年末
会で指名される予定です。過去の大統領の政党と各
上院
上院、下院の主要政党の状況と公益株式のパフォ
※同数
ーマンスを見てみると、過去の実績では、「企業より」
下院
で規制はミニマムを方針とする共和党が優位な政権
米国公益株式騰落率
80%
では市場平均を上回って上昇しています(図表1参
米国公益株式
57%
米国株式
照)。一方、「環境問題への取り組みに積極的」な民
60%
46%
43%
43%
41%
40%
32%
主党優位の政権では、市場平均を下回る傾向が見
?
40%
られ、大統領選の動向が米国の公益株式の行方を
18%21%
20%
9%
握るため、その行方が注目されます。
0%
0%
トランプ勝利~公益企業にプラスか
ヒラリー勝利~政策継続で大きな影響なし-20%
2016年11月の大統領選に向けて、トランプ氏、ヒラリ
ー氏ともにエネルギー政策に言及しています。環境
規制に関しては、トランプ氏は更なる化石燃料の生産
拡大と規制の緩和を目指す方針を示しています。ヒラ
リー氏はオバマ大統領の現行の環境保護強化路線
を基本引き継いでいく方針を打ち出しています。(次
頁図表2参照)このため、どちらが勝利しても、公益企
業にとっては大きなマイナス要因にはなりにくいと見
られ、トランプ氏が勝利の場合には、政策の進め方に
は注意が必要ですが、プラスになる可能性が考えら
れます。
(※将来の市場環境の変動等により、記載の内容が
変更される場合があります。)
-15%
-40%
-51%
-60%
米国株式騰落率
エンロン
ITバブル崩壊
92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16年
※米国株式:S&P500種指数(配当込み)、米国公益株式:S&P500公益事
業株価指数(配当込み)、 騰落率は2年毎の各年末、ドルベース、2016年
は2014年末~2016年5月末までの騰落率
出所:ブルームバーグ、グローバル・ファイナンシャル・データ、各種資料
を基にピクテ投信投資顧問作成
記載のデータは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保
証するものではありません。
VS
ピクテ投信投資顧問株式会社
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
1
4
ご参考資料
Pictet Global Market Watch
先進国
環境規制は公益企業のコスト負担を高める一方、補助
金や課税負担減などのインセンティブもあります。環境
規制の緩和が行われた場合には、多くの公益企業に
とってはプラスとなりますが、環境規制に対応した事業
戦略に早く舵をきり、投資を先行させている公益企業に
とっては、補助金などが削減されれば利益見通しの修
正が必要になります。
図表2:大統領候補のエネルギー政策
VS
共和党大統領候補トランプ氏、エネルギー
政策にて規制撤廃を提唱
ドナルド・トランプ氏は、2016年5月26日にエネルギー
政策を発表し、大統領に就任後100日以内に実行する
としました。
共和党ドナルド・トランプ氏
民主党ヒラリー・クリントン氏
共和党大統領指名候補ドナルド・トランプ氏が提唱する エネルギー関連政策
エネルギー政策は、更なる化石燃料の生産拡大と環境
再生エネルギーへの投資加速
規制の緩和です。まず、2015年末に合意した2020年以 2020年以降の温暖化対策「パリ協
定」からの離脱
降の温暖化対策「パリ協定」を「地球温暖化は信憑性が 国連の温暖化対策プログラムへの 資金拠出継続
ない」として、離脱すると宣言しています。 「パリ協定」で 資金拠出停止
はほとんどの参加国が温暖化抑制を推進することで合 石油採掘の規制撤廃
意をしています。
また、国連の温暖化政策プログラムへの拠出金を停止 カナダとテキサス州を結ぶ原油パイ 環境規制は継続
プラインの建設推進
し、石油掘削の規制の撤廃を提唱しています。
中東の同盟国との関係改善
オバマ政権は2015年8月火力発電所から出る二酸化
炭素排出を2030年までに2005年比で32%削減する
火力発電所のCO2排出規制を撤廃
目標を掲げていますが、共和党は経済や雇用を損なう
と反対、27州が撤廃を求めて提訴しており、これらも撤 10$/バレルの石油税の削減
10$/バレルの石油税の削減
廃の対象となります。
2001年に就任した共和党のブッシュ大統領はクリントン
前大統領が署名した地球温暖化ガス削減を進める「京 為替(参考)
日本の政策を円安誘導と批判
都議定書」から離脱した事例もあり、トランプ氏が離脱を 日本は「為替操作国」と批判
実行する可能性は十分あると見られます。
※2016年5月現在 出所:各種資料を基にピクテ投信投資顧問作成
一方、ヒラリー・クリントン氏は基本現行の政策を継続す
る方針を示しています。
(※将来の市場環境の変動等により、記載の内容が
変更される場合があります。)
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Pictet Global Market Watch
先進国
オバマ政権下では環境規制強化や輸出
規制などが公益企業に足かせ
民主党のオバマ政権下では、環境規制の強化やエ
ネルギーの輸出規制などが公益株式にとってマイナ
ス要因となってきました。
オバマ大統領は2009年の政権発足当初、連邦政府
主導の包括的気候変動・エネルギー法案の通過を目
指していましたが、議会の反対により通過しませんで
した。こうした経験から、大統領は2013年6月に「気
候変動行動計画」を発表し、議会の承認が不要な大
統領権限で実施可能なアプローチを最大限に活用し
て、既存法に基づく規制強化へと舵をきるなど、環境
規制強化を目指してきました。
しかし、こうした規制案は今後、法的・政治的な壁に
直面し、実施延期に追い込まれる可能性がでてきて
います。電力会社をはじめ、全米商工会議所、全米
製造業協会など多くの企業や団体は新基準を達成
するには企業側の負担コストがかさみ、米国経済に
悪影響が及ぶと規制案を強く批判しています。電力
会社からは訴訟で規制を阻止しようという動きも出て
くると見られ、最高裁まで争われる可能性があるとも
いわれています。
過去の実績では、共和党が優位な政権
下では公益企業が強い
過去の大統領選挙前後の公益企業に影響する事象
をみてみると、クリントンの民主党政権(1991年~
2000年)下では、施行されていた新資源リビュー
(NSR)(既存の発電施設の取替や改修を行う際に排
出規制の達成を義務付ける法律)が、公益企業にと
ってコスト負担となり、足かせとなっていました。
2000年11月の大統領選の前には、共和党のブッシ
ュ候補が、この規制に関して、古い箇所だけの取替
えや耐用年数の延長を認めるなど民主党のゴア候
補よりもより緩和的な規制を掲げていました。
また、民主党クリントン政権下で1994年以降の上院・
下院で共和党が過半数を占めていた時期には、米国
での電力自由化なども共和党が中心となって推進さ
れていました。このため共和党政権になった場合の
緩和的な政策は公益企業にとってプラスとの見方も
あり、大統領選が行われた2000年の米国の公益株
式は年間で米国株式が-14%下落するなか、同
+52%上昇しました。
その後、共和党のブッシュ氏が大統領に選出され、
上院・下院で共和党が過半数を占めていた2006年ご
ろまでは、エンロンによるカリフォルニア電力危機や
ITバブル崩壊の影響があった時期を除くと、米国公
益株式は市場平均を上回って上昇しています。
(1頁図表1参照)
(※将来の市場環境の変動等により、記載の内容が
変更される場合があります。)
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【ご参考】米国の環境政策:
PTC(Production Tax Credit) 風力発電
風力発電生産税額控除 2020年まで30%など
ITC(Investment Tax Credit) 太陽光発電
太陽光発電投資の税額控除 2017年まで100%、2020年まで
40%など
クリーン・パワー計画(CPP)
2030年までに2005年比で二酸化炭
素排出量を32%削減 27州が撤廃を
求める
温暖化ガス報告プログラム(CHGRP)
温暖化ガス排出量などの報告を義務
化
水銀および有害大気汚染物質基準
(MATS)
25MW以上の発電量を有する石炭、
石油発電に適用
各州間大気汚染規制(CSAPR)
23州の発電施設からの窒素酸化物排
出を規制2017年から開始
※2016年5月現在 出所:各種資料を基にピクテ投信投資顧問作成
【ご参考】米国各党の主な方針:
民主党:リベラル(自由主義)な政党。近年は共和党に比
べ環境問題への取り組みに積極的。貧困者や弱者に対し
て優しい政党。減税も含め、ミドルクラスを基盤とする経済
を目標。勤労者を支援し、ミドルクラスを増やす政策。財政
赤字削減の一環として、特に富裕層に対する更なる減税
には反対。海外に雇用を流出させている企業に対しては、
税控除を廃止し、国内投資を奨励することを提言。
共和党:保守主義で中道右派の政党。「企業寄り」、アメリ
カン・ドリームを復活させるためには、政府を縮小し、税率、
訴訟、規制をミニマムにすべきだと提唱。税制については
2001年と2003年のブッシュ減税を維持し、税制改革で相続
税などを廃止し、一律税率を提言。
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
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