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ECB、マイナス国債利回りでも購入
Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 欧州 2015年3月6日 ECB、マイナス国債利回りでも購入 ECBは国債購入の詳細を公表しましたが、市場が注目したのは、購入対象国債の利回りについて「中銀預金金利を 下回らない」と表明したことで、-0.2%以上であれば、マイナス利回りの国債でも購入すると明言したことと見ています。 欧州中央銀行:国債購入は9日から実施 ECBは効果に自信 欧州中央銀行(ECB)は2015年3月5日の理事会後、国債な どの資産を購入する量的金融緩和を3月9日に開始すると発 表しました。政策金利については過去最低の年0.05%で据え 置き、下限金利の中銀預金金利も-0.20%で据え置き、上限 金利の限界貸出金利を0.30%に維持しました。 ECBによる国債等の購入額は月600億ユーロ(約8兆円)で あることを確認し、購入は少なくとも2016年9月末まで続け、 資産購入の合計は約1兆1千億ユーロに達する見通しです。 なお、この日ECBの最新予測も公表され、2015年のユーロ 圏成長率は1.5%(図表1参照)との見通しが示されました。イ ンフレ率は2015年はゼロで、2016年は1.5%、2017年は1.8%を 見込んでいることが示されました(図表2参照)。 見通しは1.5%で、2014年12月予想の1.0%から引き上げ、2016 年についても1.9%と、12月予想の1.5%から上方修正しました。 ユーロ圏経済は、ユーロ安による輸出の回復、原油価格下落 による消費の下支え、融資の回復など底打ちの兆しが見られ、 ECBの成長見通しと同じ方向でユーロ圏の回復を見込んでい ます。また、2015年のインフレ率見通しは0.0%と、2014年12月 予想の0.7%から引き下げられましたが、原油価格の下落など 短期的要因を反映したものと見られます。一方2016年は1.5%、 2017年は1.8%とインフレ目標と整合する水準まで回復すると 見込んでいますが、市場の期待インフレ率にそこまでの回復 は見出だし難く、やや楽観的という印象です。 ECBの国債購入は融資の増加などの形で、ユーロ圏景気の 下支え要因となることが期待されますが、インフレ期待が市 場の予想とやや離れている点には注意が必要と思われます。 図表1:ECBによるユーロ圏の経済成長率予想 どこに注目すべきか ECB国債購入、マイナス金利、ECB経済予想 ECBは2015年1月の理事会で国債購入開始を予告していまし たが、今回購入の詳細を公表しました。市場が注目したのは、 購入対象国債の利回りについて「中銀預金金利を下回らな い」と表明したことです。これにより-0.2%以上であればマイナ ス利回りの国債でも購入すると明言したと見られます。 今回のECBの発表の注目点は以下の通りです。 ①買い入れ開始は3月9日:流通市場での買い入れ規模は国 債と民間資産合計で毎月600億ユーロで、2014年に開始した 資産担保証券(ABS)やカバードボンドなども継続購入し、購 入は2016年9月まで継続し、必要なら延長も視野に入れるオ ープン・エンド型であると表明した格好です。 ②マイナス金利でも購入:国債購入で-0.2%(中銀預金金利) を下回らなければ購入対象と表明したことで、満期構成や国 について幅広く国債購入できることが示されました。仮にプラ ス金利の国債に購入を限定した場合、購入可能な国債が偏 り、市場がゆがめられるという懸念は後退しました。 ③ECBの成長見通し、楽観的:2015年のGDP(域内総生産) ピクテ投信投資顧問株式会社 (期間:2015年~2017年、予測時点は2014年12月、2015年3月) 2.5% 2.0% 1.5% 1.0% 0.5% 0.0% 前回(2014年12月) 今回(2015年3月) 1.5% 1.5% 2.1% 1.9% 1.0% 今回 初公表 2015年 2016年 2017年 図表2: ECBによるユーロ圏のインフレ率予想 (期間:2015年~2017年、予測時点は2014年12月、2015年3月) 2.0% 1.8% 1.5% 前回(2014年12月) 1.3% 1.5% 今回(2015年3月) 1.0% 0.5% 0.0% 0.7% 今回 初公表 0.0% 2015年 2016年 出所:ECBのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 2017年 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。