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DEATH、SHAFT、5 快(080414)
ROCKY NOTE DEATH、SHAFT、5 快(080414) 高齢者の評価は難しい・・・。症状が無い場合でも老化は進行性であり、また、問題が無いと思 われる場合でも実は進行性の病気が隠れている場合もある。確認するべき指標について復習し てみた。 高齢者総合評価とは虚弱高齢者の健康問題に関する評価方法であり、その評価には様々な 構成要素がある。その基礎となる情報には大きく分けて 3 つの情報が含まれるべきである。それ は、①機能、②認知能、④社会的支援である。①の自立や機能の評価に用いられる指標には ADL(Activities of Daily Living)や IADL(Instrumental Activity of Daily Living)があるが、それら の代表的要素は DEATH や SHAFT と記憶するとよい。 ●ADL D:Dressing(着替え) E:Eating(食事) A:Ambulating(移動・歩行) T:Toileting(排泄) H:Hygiene(衛生:入浴、歯磨き、整髪) ●IADL S:Shopping(買い物) H:Housekeeping(掃除、洗濯などの家事労働) A:Accounting(金銭管理) F:Food preparation(炊事) T:Transport (乗り物を利用した外出) そのほか、IADL には服薬、電話などを含める場合もある。 もう一つ、日常診療の中で利用できる便利なスクリーニング項目がある。それは参考文献 2 に 紹介されている「5 快」といわれるものである。地域でご老人を診察すると、患者さん自身も調子が いいのか良くないのかはっきり分からない場合も多い・・・。そんな時この項目は健康のバロメータ ーとして非常に優れた指標と思われる。 ROCKY NOTE ROCKY NOTE ●5 快 快眠:睡眠(バイオリズムの障害、症状悪化、生活機能悪化、重症度) 快食:食事(心身の不調) 快便:排泄(脱水、栄養障害、消化器系の障害、自律神経系の障害、出血) 快重:体重(悪性疾患、慢性消耗性疾患、食行動異常) 快動:運動(生活の質の低下、生活のゆとりの減少、心身の不調) これらの指標を点検することにより、予後を改善するという証拠は無いとするものの、これら 5 つを クリアーできればそれほど大きな問題は隠れていない可能性が高くなる(もちろん、これら以外の 症状の訴えが無い場合の話だが・・・)。 参考文献 1. ジョン・P. スローン.プライマリケア老年医学.大阪,プリメド社,2001. 2. 飯島 克巳.外来でのコミュニケーション技法. 東京,日本医事新報社,1995. ROCKY NOTE