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情報システム子会社の経営実態に関する 法人

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情報システム子会社の経営実態に関する 法人
2013 年 3 月 18 日
情報システム子会社の経営実態に関する
法人アンケート調査結果 2013
-企画プロセスに参加する情報システム子会社が増加-
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内の情報システム子会社の経営実態について、法人アンケート
調査を実施した。
1.調査期間:2012 年 11 月~2013 年 3 月(2013 年調査)、2008 年 12 月~2009 年 1 月(2009 年調査)
2.調査対象:国内の情報システム子会社および親会社
3.調査方法:郵送によるアンケートおよび電話によるアンケートを併用
<情報システム子会社とは>
情報システム子会社とは、企業(親会社)の情報システム部門から分社化され、親会社のシステム業務(開発・
運用・保守など)を受託している情報サービス会社を指す。
<本アンケート調査について>
本調査では、情報システム子会社とその親会社、それぞれを調査対象とする2つのアンケート調査を実施し
た。情報システム子会社向けの調査では主に経営実態について分析しているが、ここでは「企画プロセスへの参
加」について取り上げ、2009 年調査の結果と比較した。また、親会社向けの調査では「情報システム子会社への
評価」をここでは取り上げた。
【調査結果サマリー】
‹ 「親会社の主導だが、自社メンバーも企画に参加」との回答が 50.0%を越える
情報システム子会社に対して、内販(親会社やグループ会社からのシステム業務受託)における企
画プロセスにどの程度参加しているかを質問したところ、「親会社の主導だが、自社メンバーも企画に
参加」が 50.8%、企画プロセスには参加しない「主に開発プロセス(設計・開発)から参加」は 20.6%と
なり、何らかの形で企画プロセスに参加している情報システム子会社が多いという結果になった。
‹ 親会社は、「ソリューション提案力」「コンサルティング力」に厳しい評価
情報システム子会社に業務を委託している親会社に対して、「情報システム子会社の現在の評価」
を 6 項目に分けて尋ねたが、「不満」と「大変不満」の比率を合算すると、「ソリューション提案力」が
41.1%と最も多く、次に「コンサルティング力」が 40.8%、「技術力」が 26.8%と続いた。
◆ 資料体裁
資料名:「情報システム子会社の実態 2013
~アンケートからわかる子会社の経営状況と親会社との関係~」
発刊日:2013 年 3 月 7 日
体 裁:A4 判 486 頁
定 価:99,750 円(本体価格 95,000 円 消費税等 4,750 円)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 営業本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。
Copyright © 2013 Yano Research Institute Ltd.
2013 年 3 月 18 日
【 調査結果の概要 】
1. 企画プロセスへの参加の程度について~情報システム子会社向けアンケート結果~
情報システム子会社に対して、「内販(親会社やグループ会社から受託したシステム業務)において
企画プロセス(要求分析:企画)にどの程度参加しているか」を尋ねたところ、「親会社の主導だが、自
社メンバーも企画に参加」が 50.8%で最も高い比率となった。次いで、「主に開発プロセス(設計・開
発)から参加」が 20.6%、「自社の主導だが、親会社メンバーも企画に参加」が 7.9%、「自社のメンバー
だけで企画プロセスを遂行」が 6.3%であった。
2009 年調査と比較すると、「親会社主導だが、自社メンバーも企画に参加」、「自社の主導だが、親
会社メンバーも企画に参加」、「自社のメンバーだけで企画プロセスを遂行」の比率が、それぞれ 3~4
ポイントほど増加した。一方で、企画プロセスには参加しない「主に開発プロセス(設計・開発)から参
加」は 22.5 ポイント減少した。これらの結果から、情報システム子会社はより積極的に企画プロセスに
参加するようになってきたと考える。
図 1. 情報システム子会社の企画プロセスへの参加の程度について
0.0
20.0
60.0 (%)
40.0
2013年
20.6
主に開発プロセス(設計・開発)から参加
2009年
43.1
50.8
親会社の主導だが、自社メンバーも企画に参加
46.2
自社の主導だが、親会社メンバーも企画に参加
7.9
4.6
自社のメンバーだけで企画プロセスを遂行
6.3
1.5
14.3
その他
4.6
矢野経済研究所作成
注 1: 調査時期:2012 年 11 月~2013 年 3 月(2013 年調査)、2008 年 12 月~2009 年 1 月(2009 年調査)
注 2: 2013 年調査の集計対象企業数は 63 社、2009 年調査は 65 社、単数回答、いずれも不明を除く
注 3: 調査方法:郵送および電話によるアンケート調査を併用
2. 親会社の情報システム子会社に対する評価について~親会社向けアンケート結果~
情報システム子会社にシステム業務を委託している親会社に対して、「情報システム子会社の現在
の評価」(図 2 参照)を、①コンサルティング力(ニーズの整理・把握等)、②ソリューション提案力(①を
踏まえた提案)、③技術力(実際の構築・運用等)、④サポート体制、⑤コスト、⑥対応のスピードの 6 項
目に分けて、質問した。
「大変満足」について見ると「サポート体制」が 26.8%となっており、「コスト」が 16.4%、「技術力」と「対
応スピード」が 14.3%で続いている。情報システム子会社は、親会社の業務内容を熟知しており、サポ
ート体制に対する評価は高かった。
一方で、「大変不満」の比率が最も大きくなったのは「対応のスピード」で 3.6%、「コンサルティング
力」が 1.9%、「ソリューション提案力」が 1.8%であった。「対応のスピード」に対し「大変不満」の比率が
大きくなった理由は、突発的な事象に迅速に対応できるだけのリソースやノウハウを持ち合わせていな
い情報システム子会社も存在するためと推測する。
Copyright © 2013 Yano Research Institute Ltd.
2013 年 3 月 18 日
また、「大変不満」と「不満」を合計して考えると、比率が最も大きくなったのは「ソリューション提案力」
の 41.1%で、次に「コンサルティング力」が 40.8%、「技術力」が 26.8%と続いた。
これらの結果から、親会社からの評価としては、企画プロセスに必要な「ソリューション提案力」や「コ
ンサルティング力」への評価が高くないという結果になった。
図 2. 親会社の情報システム子会社に対する現在の評価
大変満足
0%
コンサルティング力
10%
7.4
対応のスピード
40%
50%
60%
55.4
14.3
サポート体制
コスト
30%
51.9
ソリューション提案力 3.6
技術力
20%
14.3
不満
70%
80%
大変不満
90%
100%
38.9
1.9
39.3
1.8
58.9
26.8
26.8
16.4
満足
60.7
12.5
67.3
62.5
16.4
19.6
3.6
矢野経済研究所作成
注 4: 調査時期:2012 年 11 月~2013 年 3 月
注 5: 集計対象企業数は、コンサルティング力が 54 社、ソリューション提案力 56 社、技術力 56 社、サポート体制 56 社、
コスト 55 社、対応のスピード 56 社、各項目ごとに単数回答、いずれも不明を除く
注 6: 調査方法:郵送および電話によるアンケート調査を併用
3. まとめ
情報システム子会社向けアンケート結果(図 1 参照)では、情報システム子会社はより積極的に企画
プロセスに参加するようになってきた。しかし一方で、親会社向けアンケート結果(図 2 参照)からは、企
画プロセスに必要な「ソリューション提案力」や「コンサルティング力」への評価が高くないという結果に
なった。
これらの結果から、企画プロセスに参加する情報システム子会社は増加基調にあるものの、十分な
「ソリューション提案力」や「コンサルティング力」を養うまでには至っていないことがうかがわれる。
かつては、企画プロセスは親会社が担うものという風潮が強かった。しかし、近年では親会社も情報
システム子会社に企画力・提案力を磨いて欲しいと考えるようになってきている。
そのような親会社からの期待に応えるためにも、情報システム子会社は、「ソリューション提案力」や
「コンサルティング力」を向上させ、さらに主導的な立場で企画プロセスを遂行できるよう努めていくべ
きと考える。
Copyright © 2013 Yano Research Institute Ltd.
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