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伸張性および短縮性レジスタンストレーニングが動脈
この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 18 運 動 英文原著論文紹介 Effects of eccentric and concentric resistance training on arterial stiffness. Okamoto T, Masuhara M, Ikuta K. J Hum Hypertens. 2006; 20: 348-54. 伸張性および短縮性レジスタンストレーニングが 動脈スティフネスに及ぼす影響 岡本孝信(近畿福祉大学健康科学・応用生理学研究室) 増原光彦/生田香明 背景 結果 レジスタンストレーニング(RT)などにおいて行わ 図1にERT群、CRT群および対照群におけるbaPWV 、短縮性(CON)およ れる筋収縮は、伸張性(ECC) の 変 化 を 示 し た。RT開 始 前 のbaPWVは、ERT群、 び等尺性収縮によって行われている。ECCを利用した CRT群および対照群の間に有意差は認められなかった。 RT(ERT)は神経系の適応が大きく、比較的トレーニ しかしながら、CRT群におけるRT終了後のbaPWVは、 ング初期に筋力の向上がみられる。したがって、ERT RT開始前よりも有意に増加した(p< 0.05)。さらに、 はリハビリテーションの現場で用いられている。また、 CRT群におけるRT終了後のbaPWVは、ERT群および ERTはCONを利用したRT(CRT)よりもトレーニン 。 対照群よりも有意に高い値を示した(p< 0.05) グ効果が大きいことが知られている。しかしながら、こ 一方、ERT群、CRT群および対照群におけるIMTお れまでECCおよびCONを利用したRTが、動脈スティ よび内径は、RT開始前、RT終了後および脱トレーニン ッフネスに及ぼす影響については検討されていない。 グにおいて有意な変化は認められなかった。 目的 考察 本研究はECCおよびCONを利用したRTが、動脈ス 高強度のRTは動脈スティッフネスを増加させること ティッフネスに及ぼす影響を介入研究によって明らかに が示唆されている。本研究においては、ERT群および することを目的とした。 CRT群のいずれにおいても高強度のRTを実施した。し かしながら、ERT群のbaPWVは変化しなかった。一方、 対象・方法 CRT群のbaPWVは有意に増加した。したがって、RT 対象者は定期的な運動習慣および喫煙習慣のない健康 における動脈スティッフネスの増加は、CONの影響が 。われわれは被 な成人女性 29 名であった(18 ∼ 23 歳) 大きい可能性が示唆された。 験者を無作為にERT群 10 名、CRT群 10 名および対照 ECCにおける血圧応答は、CONよりも小さいことが 群 9 名に分類した。baPWVはform PWV/ABI(コーリ 報告されている。頻繁な血圧上昇は、動脈の弾性を司る ンメディカルテクノロジー社製)を用いて測定した。ま エラスチンを減少させるとともにコラーゲンを増加させ た、超音波画像診断装置(Sono Site社製)を用いて、 る。そのため、血管の弾性は失われることが明らかにさ 頸動脈内中膜複合体厚(IMT)および頸動脈内径(内径) れている。すなわち、CRTは著しい昇圧反応によって を測定した。baPWV、IMTおよび内径は、RT開始前、 血管に対する負担が増大し、動脈スティッフネスの増加 RT終了後およびRT終了 4 週間後(脱トレーニング)に に寄与しているものと考えられた。 測定した。 ERT群およびCRT群は週 3 回のRTを8 週間実施した。 まとめ ERTおよびCRTはアームカール運動によって行った。 ERTは動脈スティッフネスを変化させないことが明 ERT群およびCRT群はRTに先立って、アームカール運 らかにされた。したがって、ERTは中高齢者における 動における最大挙上重量(1RM)を測定した。そして、 寝たきり予防や生活習慣病予防のための運動処方の一つ ERT群は1RMの100%、CRT群は1RMの80%の負荷を として有効である可能性が示唆された。 設定した。 84 この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 英文原著論文紹介 運動 18 図1 ERT群、CRT群および対照群におけるbaPWVの変化 ■:ERT群、●:CRT群、▲:対照群。値は平均±標準偏差。 *:p<0.05(vs RT開始前) 、†:p<0.05(vs ERT群、対照群) 。 baPWV(cm/sec) 1,200 1,100 *† 1,000 900 800 RT開始前 RT終了後 RT終了4週間後 85