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世界最大級の太陽熱発電プラントが操業
http://www.jbic.go.jp/ja/report/reference/index.html ドバイ駐在員事務所 世界最大級の太陽熱発電プラントが操業 アブダビから南西120キロに位置する砂漠地帯で3月17日、世界最大級で中東で初となる集光 型太陽熱発電プラント「シャムス1」が操業を開始した。アブダビは2020年までに、電力需要の 7%を再生可能エネルギーで賄うとした長期計画を掲げており、目標達成への一歩となる。 2.5平方キロメートルの広大な敷地に約26万枚もの方物面鏡が敷き詰められたプラントの発 電能力は100メガワットで、2万世帯分の電力を賄うことが可能とされる。アブダビの政府系会 社マスダールを中心に、22億ディルハム(約6億ドル)をかけて建設された。 中東といえば、一年中灼熱の太陽にさらされ、広大な土漠・砂漠地帯があるため太陽熱・太 陽光発電に適していると思われがちだが、実は課題も多い。砂漠特有の砂ぼこりが方物面鏡に 付着すると発電効率が低下するため、洗浄に大量の水が必要だが、その水が貴重な資源。水の 消費を抑えた洗浄方法が引き続き模索されている。 7%の目標達成には、同規模のプラントがあと15基必要。他の中東諸国でも、再生可能エネル ギー比率を高める方針を打ち出しているが、実現性に疑問を投げかける声も多い。今後、中東 で再生可能エネルギーの普及が進むのかが注目される。 (国際協力銀行 ドバイ首席駐在員 栗原 博) ※ この記事は、2013 年 4 月 16 日号の毎日新聞社「エコノミスト」に掲載されたものです。