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マイナス? - 日興アセットマネジメント
2016年2月18日 ご参考資料 144 今回のテーマ マイナス金利は経済にプラス?マイナス? 2月16日より日銀当座預金の一部に対し、マイナス金利が適用さ 新人くん 日興アセットマネジメント の新人。営業推進部門に 配属され、投信や経済に ついて勉強中。 れました。「劇薬」とも言われることがありますが、マイナス金利政 策とはどのような政策で、どういう効果が期待されるのでしょう か?今回は、マイナス金利について調べてみました。 1.マイナス金利 マイナス金利とは、本来プラスであるはずの金利がマイナスに なった状況をいいます。 この場合、貸し手が借り手に利子を支払う状態となり、理論的に は、投資家は資金を貸さずに現金で保有した方が有利となり、マイ ナス金利は続きません。しかし、大量の現金保有は保管や輸送の コスト、安全面での問題もあるため、金利を支払ってでも、何らかの 手段で運用した方が良いと判断される場合があり、結果として、マ イナス金利が続くことになります。 今回、日本銀行が実施したマイナス金利政策は、スイスやデン マークなどで既に導入されているものに近く、日本銀行当座預金 (金融機関が日本銀行に預けている当座預金、以下「日銀当座」) 全体にマイナス金利を適用するのではなく、階層に分けて異なる金 利を適用するものとなります。具体的には、金融機関がこれまで積 み上げた「基礎残高」に対して+0.1%、所要準備額や被災地支援 オペなどを加えた「マクロ加算残高」には0%の金利が適用され、日 銀当座からこれらを除いた「政策金利残高」に対し、△0.1%を適用 するというものです。 今回、日銀がマイナス金利 を導入した背景に、約3年 に及ぶ量的・質的金融緩 和にもかかわらず、目標通 りにインフレ率が上昇せず、 足元の金融市場の不安定 化で、実体経済が一段と 停滞するとの懸念があった とみられます。 (次のページヘ続きます) □当資料は、日興アセットマネジメントが経済一般・関連用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料 ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リス クもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時に は、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。 (1/2) マイナス金利の適用額は、現状の政策運営が継続された場合、 3ヵ月後には30兆円程度まで膨らむ見通しとなっています。日銀の 試算によると、日銀当座253兆円(2016年1月平均残高)のうち、マ イナス金利が適用されるのは23兆円で、全体の約9%になるとされ ています。金融機関への影響を和らげるように、制度設計されたと 考えられます。 2.マイナス金利政策のメリット・デメリット マイナス金利政策のメリットとして、金融機関が日銀に新規に当 座預金を預けた場合、マイナス金利分お金が減ることになるので、 これを回避するために、銀行貸出や有価証券投資などに資金を振 り向けることで、金融面からの景気下支え効果が期待されます。ま た、日米の金利差拡大から円安傾向となれば、輸出企業を中心に 業績改善を後押しするとみられます。 先に導入された欧州の事例では、デンマークは、欧州債務危機で ユーロが急落するなか、2012年にマイナス金利の導入で通貨ク ローネの急上昇を止めることに成功しました。また、ユーロ圏では、 ECB(欧州中央銀行)が2014年にマイナス金利、2015年に量的緩 和を開始し、その後、銀行貸出の伸びやユーロ安に後押しされ、 ユーロ圏の景気の持ち直しにつながりました。 一方、デメリットとして、貸出と預金の金利差が縮小することや、 日銀当座へはマイナス金利で預け、預金には金利を支払うことで、 金融機関の収益が圧迫されることがあげられます。ユーロ圏では、 ECBが銀行の超過準備全体にマイナス金利を適用しており、金融 機関の収益悪化懸念から、金融株が軟調に推移するなどしていま す。 スイス中銀は、通貨フラン が上昇するのを防ぐため、 2014年12月にマイナス金 利の導入を決定しました。 現在は△0.75%に拡大し ており、民間銀行は法人な どの預金に手数料を課す ようになっています。 なお、デンマークでは、住宅ローン金利が低下したことで、住宅投 資ブームとなり、住宅価格が上昇しました。スイスでも、賃料収入が 見込める不動産へ投資マネーが流入し、不動産価格を押し上げる など、マイナス金利によって投資行動が変わる場合もあります。 これまで日銀が実施した量的・質的金融緩和により、実体経済は 緩やかな回復基調となっていますが、力強さには欠けるようです。 日銀がマイナス金利の導入で物価目標への強い姿勢を示したこと で、今後の景気回復につながっていくのか、注目されます。 メリットもデメリットもあるように思えるマイナス金利政策の 効果が出てくるのはこれからとみられ、実体経済にどのよ うな影響があるのか、注目したいですね。 □当資料は、日興アセットマネジメントが経済一般・関連用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料 ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リス クもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時に は、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。 (2/2)