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年内の追加金融緩和の可能性を 強く示唆したECB
楽読 (ラクヨミ) 2015年10月23日 Vol. 1,025 年内の追加金融緩和の可能性を 強く示唆したECB ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁は、金融政策の現状維持を決定した10月22日の理事会後の会見で、 金融緩和の度合を次回12月3日の理事会で精査すると述べ、追加緩和の可能性を強く示唆しました。これを 受け、ユーロ圏の国債利回りが低下し、独10年債では0.5%を下回ったほか、ユーロが全面安となりました。 また、欧米の株価が上昇したほか、23日午前のアジアでも総じて株高となっています。なお、円相場は、 対ユーロで134円台に上昇したものの、ユーロ安・米ドル高や株高などを背景として、対米ドルでは120円台 に下落しています。 ドラギ総裁は、ユーロ高や商品価格の下落、新興国の景気減速という主に3つのリスク要因を挙げ、域内で の景気下振れや物価見通し低下などを回避すべく、あらゆる手段を検討するに至ったと説明しました。具体的 には、今年3月から少なくとも2016年9月までの予定で行なっている月額600億ユーロの国債などの買入れの 期間延長や規模拡大、対象見直しにとどまらず、昨年6月以降、マイナス金利となっている中銀預金金利*の さらなる引き下げなども、協議の対象になっているとのことです。 * 市中銀行が中央銀行に預け入れる余剰資金に対する金利 なお、ECBは、資産買入れに伴なう潤沢な資金供給の効果に加え、銀行間の競争激化などを背景に、域内 の銀行の企業向け貸出基準が7-9月期まで6四半期連続で緩和したとの調査結果を20日に発表しています。 ユーロ圏では、金融機関による融資への依存度が比較的高いこともあり、融資基準の緩和により企業の資金 需要が高まっています。こうした中、今回の会見でドラギ総裁も言及しているとおり、内需は堅調です。独大手 自動車メーカーの排ガス不正問題に伴なう景気への影響の見極めにはまだ時間が必要なほか、新興国関連 のリスクなどには注意が必要ながら、ECBの緩和的な金融政策は今後もユーロ圏の景気だけでなく、債券・ 株式市場を中期的に支えると期待されます。 ユーロ圏の政策金利および物価の推移 政策金利(1週間物リファイナンス金利) 消費者物価指数(前年同月比) 5 4 千 6 ECBの資産規模と市場金利の推移 (2008年1月~2015年9月) (%) 3.5 3.0 2.5 限界貸付金利 (上限金利) (兆ユーロ)(2008年1月4日~2015年10月16日*) (%) 2016年9月 の見通し 7 6 独10年国債利回り (右軸) 5 *利回りは10月22日 までのデータ 2.0 4 2 1.5 3 1 1.0 2 0.5 1 3 「2%未満でその近辺」が ECBの物価安定の基準 0 中銀預金金利 (下限金利) -1 08 09 10 11 出所:ECB、ユーロスタット ECBの資産規模(左軸) 12 13 14 15 (年) 0.0 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) 0 信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成 ※上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。 ■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘 資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建 資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことが あります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付 目論見書)をご覧ください。 1/1