Comments
Description
Transcript
欧州中央銀行(ECB)、追加金融緩和策を発表
情報提供資料 欧州中央銀行(ECB)、追加金融緩和策を発表 2016年3月11日 ◇欧州中央銀行(ECB)は、すでに実施している金融緩和策の強化を発表。 ①政策金利の引下げ ②資産購入プログラムの金額や対象を拡大 ③資金供給策の強化 ◇「金融緩和が拡充されたユーロ圏」と「利上げ局面にある米国」との金融政策における方向性の違いか ら、ユーロ安・米ドル高の展開を想定。ユーロ圏の景気回復や、高水準にある経常黒字を背景に、ユー ロ安のペースは緩やかとなる見込み。 ◆ECBは3月理事会で追加緩和を決定、マイナス金利 の追加引下げは否定 【図表1】ECB政策金利の推移 (2006年2月28日~2016年3月10日:日次) (%) 6 ECBは3月10日の理事会で、①政策金利の引下げ、②資産 購入プログラムの金額や対象を拡大、③資金供給策の強化から なる、包括的な追加緩和措置を決定しました。ECBは1月の理 事会で、2016年の金融市場の変動などから、下振れリスクが 増したとの認識を示しており、ドラギ総裁は3月理事会で金融 政策のスタンスを再検討すると発言していました。 限界貸出金利 (上限金利) 5 主要リファイナンス金利 (主要政策金利) 4 中銀預金金利 (下限金利) 3 2 今回の政策決定のポイントは、以下の通りです。 1 ① 政 策 金 利 は 、 主 要 リ フ ァ イ ナ ン ス 金 利 が 0.05% か ら 0.00%へ、中銀預金金利が▲0.30%から▲0.40%へ、限界貸 出金利が0.30%から0.25%へ、それぞれ引き下げられました。 ②資産購入プログラムは、月間の購入額が総額600億ユーロ から総額800億ユーロへ拡大されました。また購入の対象とな る資産として、ユーロ圏の非金融企業によって発行される、投 資適格級のユーロ建て社債が追加されました。 ECBの政策決定からは、このような「信用緩和」措置を通じ て、金融緩和の効果を実体経済へ波及させたいとの意図がうか がえます。 ▲1 06/2 08/2 16/2 (年/月) ※ 発 表 日 ベ ー ス 。 2016 年 3 月 10 日 の 金 利 引 下 げ は 2016年3月16日から適用。 12/2 14/2 (2006年2月~2016年2月:月次) (10億ユーロ) 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 06/2 08/2 16/2 (年/月) ※ECBとユーロ圏各国の中央銀行によって構成されるバ ランスシート 10/2 12/2 14/2 出所:ECBおよびブルームバーグが提供するデータを基 にみずほ投信投資顧問が作成。 ※上記は、将来におけるECB政策金利およびユーロシス テムのバランスシートの推移を示唆、保証するもので はありません。 ※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。 1/2 1/3 10/2 【図表2】ユーロシステムのバランスシート※の推移 ③資金供給策の強化として、ターゲット型長期資金供給オペ (TLTRO)2の導入が発表されました。TLTRO2は、ECBが 銀行の貸出分に応じ、低利での資金供給を行う貸出支援策です。 資金供給に適用される金利は、主要リファイナンス金利 (0.00%)とされていますが、ECBが定めた量よりも貸出を 増加させた銀行に対しては、最大で中銀預金金利 (▲0.40%)と同等の水準まで、優遇措置が行われます。 政策金利引下げによる効果に加え、企業の発行する社債が資 産購入の対象となるため、企業にとっては、社債の発行による 資金調達コストを押し下げる効果が期待されます。また TLTRO2の導入によって、銀行の資金供給を受けるコストが より低下するほか、貸出増加の内容によっては、マイナス金利 で資金供給を受けることが可能となります。このため、銀行か ら企業への貸出の増加が期待されます。 0 一方で、ECBのドラギ総裁は質疑応答において、中銀 預金金利のさらなる引下げを否定したほか、日銀が導入 しているマイナス金利の階層構造は見送られたと発言し ています。これまでECBは、追加緩和措置として中銀預 金金利のマイナス幅を拡大してきましたが、実質的にこ うした措置には限界があるとの認識が示されました。 【図表3】ユーロ圏消費者物価指数の推移 (2006年2月~2016年2月:月次) (前年比、%) 5 4 3 なお、ECBは3月理事会と同時に発表したスタッフ経 済見通しにおいて、2016年の経済成長率見通しを前回 12 月 の 1.7% か ら 1.4% へ 、 物 価 見 通 し を 1.0% か ら 0.1%へ下方修正しています(いずれも予想レンジの中央 値)。 2 1 0 ▲1 06/2 ◆今後の見通し 今回のECBによる追加金融緩和策は、マイナス金利幅 拡大、量的緩和策拡充についてはある程度事前に予想さ れていたものの、社債への買入れ対象拡大、TLTRO2が 追加緩和策に加わったことはやや意外感がありました。 ただし、一段の利下げを想定しないとのドラギ総裁の発 言を受けて結局、ユーロは対ドルで乱高下の後、前日比 プラス圏での推移となりました。 ユーロ圏では、エネルギー価格の下落を受けて物価上 昇率が低迷しており、デフレ懸念が燻っていました。し かし、今回の政策により銀行融資は拡大する可能性があ り、家計や企業が前向きな行動をとることで景気回復、 物価上昇が期待されます。 今後のユーロ相場は、欧州では金融緩和策が拡充され た一方、米国では利上げがペースこそ鈍るものの、年央 にかけては利上げを模索すると予想されることから、 ユーロ安・米ドル高の展開を見込みます。しかし、ユー ロ圏の景気が回復していることや、経常黒字が高水準で あることなどから、ユーロ安のペースは緩やかになると みられます。 (2016年3月11日 午前11時執筆) 08/8 13/8 16/2 (年/月) 【図表4】ユーロ為替レートの推移 (2014年2月28日~2016年3月10日:日次) (円) 160 (米ドル) 1.50 ユーロ/円(左軸) ユーロ/ドル(右軸) 150 1.40 ユーロ高 140 130 120 110 14/2 1.30 1.20 ユーロ安 1.10 14/8 15/2 15/8 1.00 16/2 (年/月) 出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投 信投資顧問が作成。 ※上記は、将来におけるユーロ圏消費者物価指数および ユーロ為替レートの推移を示唆、保証するものではあ りません。 ※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。 2/3 11/2 [投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項] ●投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのある証券等 (外貨建資産に投資する場合には為替変動リスクもあります。)に投資しますので、ファンドの基準価額は変 動します。したがって、投資者の皆さまの投資元金は保証されているものではなく、基準価額の下落により、 損失を被り、投資元金を大きく割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆さま に帰属します。また、投資信託は預貯金と異なります。 投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることか ら、リスクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は投資信託説明書(交付目論見書)を必ずお読みく ださい。 ●投資信託に係る費用について みずほ投信投資顧問株式会社が運用する投資信託については、ご投資いただくお客さまに以下の費用をご負担 いただきます。 ■直接ご負担いただく費用 購入時手数料 : 上限3.78%(税抜3.5%) 換金時手数料 : 換金の価額の水準等により変動する場合があるため、あらかじめ上限の料率等を示す ことができません。 信託財産留保額 : 上限0.5% ■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用 運用管理費用(信託報酬)※ :上限 年2.16%(税抜2.0%) ※上記は基本的な料率の状況を示したものであり、成功報酬制を採用するファンドについては、成功報酬 額の加算によってご負担いただく費用が上記の上限を超過する場合があります。成功報酬額は基準価額 の水準等により変動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。 ■その他の費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)等で ご確認ください。 ●投資信託は、預金商品、保険商品ではなく、預金保険、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。登 録金融機関が取り扱う投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。投資信託の設定・運用は、投資信 託委託会社が行います。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用の項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率 につきましては、みずほ投信投資顧問株式会社が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれ ぞれの費用における最高の料率を記載しております。 投資信託をお申込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付目論見書)をあらかじめ、または同時にお渡 しいたしますので、必ずお受け取りになり、投資信託説明書(交付目論見書)の内容をよくお読みいただきご 確認のうえ、お客さまご自身が投資に関してご判断ください。 みずほ投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第398号 加入協会/一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 【本資料のご利用にあたっての注意事項等】 本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資 勧誘を目的に作成されたものではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社 は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記 載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のものであり、今後予告なしに変更さ れることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。 3/3