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社会医療法人友愛会 豊見城中央病院

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社会医療法人友愛会 豊見城中央病院
社会医療法人友愛会 豊見城中央病院
(2015年10月9日作成)
抗がん剤治療を受けられる方へ
抗がん剤治療を安全に受けていただけるように、治療前の注意点や、
治療中の過ごし方、治療後の副作用について説明します。 来院時には患者様の体調や血液検査の結果によって、当日の治療が 可能か主治医が判断します。
何か気になることがございましたら、いつでもお声をかけてください。
点滴治療室での流れ
点滴前
・アルコールに過敏な方は申し出てください。
・治療前に採血をしますが、食事は摂って来院されても大丈夫です。
(検査などがある場合は、検査科の指示に従ってください)
・排尿は済ませ、リラックスしてお待ち下さい。
点滴中
・点滴中は、なるべく安静にしましょう。
・トイレ歩行時は、針の入っている手は出来るだけ動かさず、点滴チューブ
を引っ張らないように注意しましょう。
・ポートから治療を行う場合は、ポートの入っている方の肩を下にした姿勢
は避けてください。長時間その姿勢で治療を受けられますと針が浮き上がり
薬が漏れる危険性があります。
下記の症状が表れたら、すぐに看護師に声をかけてください。
※注射部位周囲の痛み
※腫れ、発赤(赤み)
※針のあたりが濡れていると感じる
※点滴が落ちてない(落ちにくくなった)
※体が赤くなったり、かゆい、喉がイガイガする、咳が出る、熱っぽい
気分が悪いなど
点滴後
・抗がん剤の種類によっては、数日してから点滴部位の腕が赤くなったり、
稀に腫れたりする事があります。点滴後2~3日は点滴部位を観察してください。
~埋め込み型ポートの患者様へ~
( )様
※今回の治療は、 月 日 時頃に終了します。
予定時間より2~4時間速かったり、遅くなったりすることもありますので、
残量を確認して来院してください。
平日 17:30まで 点滴治療室
土曜 12:30まで 外科外来
土曜 12:30~ 内科外来
平日 17:30以降、土曜内科外来丌在時 救急外来
※ご自宅で下記の事に注意してください。
①針を刺したところの痛み、赤み、腫れていないか確認しましょう。
②クランプがロックされていないか確認しましょう
(1日4回 時間を決めて、確認しましょう)
このようにチューブが挟まれていると
薬液が流れなくなります
③薬液の残量の確認について
*1日4回 時間を決めて、バルーンがしぼんでいるかを見ましょう。
線を引いたり、計量器で測ると方法もあります
棒状になった状態が
終了したことを確認して
ご来院ください
④針を刺したところをぶつけないように注意して下さい
こんな時は病院に連絡してください。
・針が抜けてしまった場合
抜けた場所はカットバンで保護してください。
薬液には触れないように注意し、触れたらすぐに水で洗い流してください
・チューブが途中ではずれた場合(ロックしてください)
・注入がいつもより遅れているように感じる場合
(5時間程度の遅れについては誤差範囲内です)
・針が浮いている場合
(針先が皮下埋め込みポートの途中で止まり、薬液が流出せずに止まってしま
うことがあります)
・針を刺した場所が赤い、または痛む場合
・水で濡らしていないのに、固定用テープ、ガーゼが濡れていると感じた場合
【連絡先】
豊見城中央病院 098-850-3811
平日(月~金):8時30分~17時30分 点滴治療室、もしくはがん化学療法看護認定看護師まで
夜間、土曜日、日曜日、祝日は救急外来または各診療科
お
し
ん
・
お
う
と
悪心・嘔吐
抗がん剤による吐き気(悪心)や嘔吐は、脳にある神経が刺激されることで起こります。
【主な症状】
気持ちが悪い、吐いてしまう、食欲がない、食事がとれないなど・・・。
吐き気や嘔吐が起こる頻度は、抗がん剤の種類や量によって異なります。
・投不する抗がん剤により、吐き気の強さに合った吐き気止めを使用します。
・吐き気止めは、吐き気が起こる前に使うのが効果的です。
処方されている吐き気止めはきちんと内服するようにしてください。
・個人差があります、症状がある場合は遠慮なく看護師にご相談ください。
抗がん剤治療中でも、食事はバランスよく摂取するように心がけましょう。
・体力の保持や感染予防の面からも大切です。
・無理をせず、食べられるものを食べられる時に食べるようにしましょう。
・吐いてしまった時は、脱水症状に注意し、水分を補給しましょう。
食欲がないときは、刺激が少なく少量でも
栄養価が高いものがオススメです!
果物・・・水分も多くビタミン補給
プリン・・・乳製品はタンパク質の補給
少量でカロリーも高め
豆腐・・・タンパク質の補給
胃への負担も少なく食べやすい
うどん・・・麺は食べやすく、汁は塩分を含み
電解質の一部を補給できる
酸味のあるもの、冷たいものなどが食べやすい
ことがあります。好きなときに食べられるよう
に、
食べられるものを準備しておきましょ
う!
げ
り
下痢
薬剤によって腸の運動が活発になったり、腸の粘膜が傷つけられ起こります。
【主な症状】
便が泥状か、完全に水のようになっている。激しい激痛がある。
多くは、抗がん剤投不後から10日くらいに起こることが多いです。
下痢止めを使用したり、ひどい場合は、点滴をすることもあります。
一日に6回以上の下痢が続く時は、早めに来院してください。
下痢の時は・・・
・栄養分や水分の吸收が悪くなり体調を大きく崩す原因となります。
・消化の良いものを選び、食事は数回にも分け、少しずつとりましょう。
・食物繊維の多い食べ物や脂っこい物、香辛料を多く使った料理などは避け
腹部、下半身の保温をこころがけましょう。
特に脱水にならないように、水分を多めに取ってください。
べ
ん
ぴ
便秘
抗がん剤や、吐き気止めなどの薬剤が、腸の働きを調節している神経へ作用し
腸の運動が弱くなることで起こります。
・水分摂取:水分制限がない場合は十分に水分を取ってください。
・食事:食物繊維の多い食品やヨーグルトなどの乳酸菌を摂取しましょう。
・排便習慣:便意を我慢しない、時間を決めて排便するなど。
・マッサージ:おなかを暖める、「の」の字にマッサージをしてみる。
・運動:運動は腸の動きをよくします。
必要に応じて下剤を処方します。医師にご相談ください。
便秘になると抗がん剤が体内に
残りやすくなります
抗がん剤の影響や、お腹が張る
ことで吐き気にもつながります
こ
う
な
い
え
ん
口内炎
抗がん剤が口の中の粘膜にも作用して障害を起こすことがひとつの原因です。
抵抗力が落ちることによる口腔内の細菌感染などから生じることもあります。
起床時
うがいは1日3~5回
(水道水にて)
毎食後
寝る前
【主な症状】
口の中の痛み、出血・熱いものや冷たいものがしみる。
口の乾燥、口の中が赤くなったり腫れる
口が動かしにくい、ものが飲み込みにくい、味が変わる
抗がん剤の投不後数日~10日ごろに発生しやすくなります。
悪化すると食事をすることがつらくなり、体力低下の原因になります。
口腔内の乾燥を避け、清潔に保つことは、口内炎の発症や悪化を防ぎます。
マウスウォッシュの紹介
口内炎の痛みで、歯磨きができない時は
マウスウォッシュを使用して、口の中を
きれいにしましょう!
*市販のマウスウォッシュで、アルコール等が含まれ
ていると、口の中がシミることがあります
*イソジンガーグルやアルコールを含むうがい薬は
刺激になったり、乾燥しやすくなる可能性がありますので
使用については、担当医と相談して下さい
売店で購入可能(¥1.080)
対処方法を一緒に考えますので
口内炎の症状を医療スタッフに伝えてください。
口内炎ができたときの食事の工夫
・辛いものなど刺激が強いものは出来るだけ避けましょう
・熱いものは、冷ましてから食べましょう
・口当たりがよく、柔らかのもを食べましょう
・ダシをとって薄味にしたり、固型の食べ物は脂肪分を含んだマヨネーズを
つけると食べやすくなるようです。
・食べられない時は、栄養補助食品もご紹介します。
ま
っ
し
ょ
う
し
ん
け
い
し
ょ
う
が
い
末梢神経障害(手足のしびれ)
抗がん剤によっては神経にダメージを不えてしまう薬剤があります。
主な症状
ボタンが
かけにくい
手や足に力が入らない、物がつかみづらい、歩行時につまずくことが多い。
字が上手く
手足の感覚
書けない
が鈍い
しびれて
ジンジン痛む
箸やスプーン
が握りづらい
携帯・スマホ
の操作がしに
くい
雑誌・本など
めくりにくい
・刃物など鋭利なものを使用する時は、十分に注意しましょう
・やけどに注意し、お風呂の温度などはご家族にみてもらいましょう
・今のしびれの状態をできるだけ医療スタッフに伝えるようにしてください。
・日常生活に支障が出るような強いしびれの場合には、治療をお休みしたり、
薬の量を調節したりする事があります。
治療法としては内服薬、漢方薬などがありますが、特に有効であるとは
言えません。早期発見し、治療を調整することが重要になります。
*しびれている部分を温めたり、マッサージすることが症状を和らげる場合
があります。ゆっくりお風呂に浸かり、体を温めてみましょう。
こ
つ
ず
い
よ
く
せ
い
骨髄抑制
骨髄抑制は、ほとんどの抗がん剤にみられる副作用の一つです。
白血球や赤血球、血小板などを作る力が弱くなるという事です。
治療期間中は、これらの状態をチェックするために、血液検査を繰り返し
行い必要に応じた対策を取りながら、慎重に治療を進めていきます。
は
っ
け
っ
き
ゅ
う
げ
ん
し
ょ
う
こ う ち ゅ う き ゅ う げ
ん
し
ょ
う
白血球減少(好中球減少)
白血球は、病原菌からからだを守り感染を防ぐ重要な働きがあります。
このため、白血球が減少すると抵抗力が弱まり、感染しやすくなります。
ほとんどの抗がん剤は白血球を減少させますが、その発生時期は薬剤によって
異なります。投不後7~14日に最も減少し,その後回復します。
白血球(特に好中球)が減っている時(特に2000/μL以下)に外出される
際はマスクを着用しましょう。
感染予防のために手洗い・うがいを徹底しましょう
最も下がる時期を知り、発熱など変わったことがあれば連絡してください。
せ
っ
け
っ
き
ゅ
う
げ
ん
し
ょ
う
ひ
ん
け
つ
赤血球減少(貧血)
赤血球には、Fe(鉄)を含んだ血色素(ヘモグロビン)が多く含まれており、
全身に酸素を運んでいます。
ヘモグロビンが減少して10g/dL以下の貧血状態になると、
疲れやすい・めまい・息切れ・頭痛などの症状がおこります。
貧血は比較的徐々に進行するため、自覚症状のない事があります。
強い貧血の場合は、必要に応じて輸血を行います。
貧血症状が強い時は休息と食事が重要です。転倒にも気を付けてください。
タンパク質や鉄分の多い食事を心がけましょう
必要な栄養素
タンパク質(肉類・魚介類・卵・牛乳・乳製品・大豆など)
鉄分(レバー・貝類・大豆・ほうれん草・小松菜・春菊・ひじきなど)
ビタミンB12(魚介類・レバー・貝類・卵黄・チーズなど)
転倒をおこさないために
夜間・朝方のトイレに立つときには注意をしてください。
急に起き上がらないなど、ひとつひとつの動作をゆっくり確かめるよう
心掛けてください。
け
っ
し
ょ
う
ば
ん
げ
ん
し
ょ
う し ょ う
血小板減少症
血小板が減少すると、出血しやすくなります
血小板数が5万/m㎥以下になると、ちょっとした打ち身などであおあざが
出来て、それが拡大しやすくなったり、歯磨き時に出血したり、生理出血が
止まりにくくなり出血量が増えたりする傾向があります。
一般的に7~10日目から減少し、14日間前後の減少期間となります。
・けがに注意してください。
・採血や点滴のあとは、5分以上しっかり押さえて止血してください
(採血や点滴のあとは、揉まないようにしてください)
だ
つ
も
う
脱毛
毛の根元の細胞は、抗がん剤の影響を受けやすく、毛髪だけでなく、眉毛、まつ毛なども
脱毛を生じることがあります。
抗がん剤の種類によっては、髪が抜けるものと抜けないものがあります。
また、髪の抜け方には個人差があります。
抗がん剤を開始してから2~3週間の間に始まりますが、治療が終われば、
また髪は生えてきます。
目安は治療終了後3ヶ月くらいに生え始め、2年程度でほぼ元の毛質に戻る
と言われています。
・脱毛する前にかつらを準備すると、治療に対する気持ちの準備ができます。
*脱毛すると頭回りが小さくなるので、サイズ選びに注意しましょう。
・あらかじめ短めのヘアスタイルにしておくと、抜け毛があまり気にならない
かもしれません。坊主にすると、チクチクしたり、毛根の炎症を起こしやす
くなるのでおススメしません
・弱酸性シャンプーや柔らかい毛足のヘアブラシなど、頭皮にやさしいものを
使いましょう。
*シャンプーのポイント
①脱毛していても、頭皮を洗うのは必ずシャンプーを使用すること
②泡を立てて、マッサージせずに優しく洗うこと。
③頭皮でも保湿ケアは重要。肌の手入れと一緒に頭皮も保湿を。
(顔用の化粧品で構いません)
④頭皮だけでなく、肌の手入れも忘れないこと。
・ドライヤーを使用するときは、低温で頭皮を傷めないようにしましょう。
【白髪染め、パーマに関して】
・治療中は頭皮の刺激になり、脱毛が進んだり、頭皮がただれたり可能性が
あるので避けることをオススメします。治療終了後6ヶ月を過ぎたころに
なれば、染めたりパーマもいいのではないかと言われています。
タオル帽子や、カツラなどのケア用品も
紹介しますので、必要なときには声を掛けて下さい
み
か
く
し
ょ
う
が
い
味覚障害
味覚障害は、抗がん剤の影響や、口の中が乾いていたり、亜鉛が欠乏することで起こります。
味覚障害の予防
①飴やガムを口にすることで口の中の乾燥を防ぐ
*口内炎で紹介したマウスウォッシュもオススメです
②歯磨きをしっかりおこなう
③亜鉛の補給(亜鉛の必要量は1日約10mg)
亜鉛を多く含む食品
亜鉛は特に肉類、魚類、穀類に多く含まれています。
例えば、牡蠣・ウナギ・牛肉(もも)・チーズ・卵黄・大豆製品・そば
胡麻・黒米・赤米・緑茶・抹茶・アーモンド・カシューナッツなど
味付けの工夫
*苦味を強く感じたり、金属のような味を感じる特
塩分控えめで、ダシをきかせてみましょう。ゴマや柚子などの香り、
酢を利用して風味を添えるといいでしょう
*何でも甘く感じるとき
砂糖やみりんを使わないで、塩、醤油、味噌で濃い味付けに。
*味が感じられない時
酢の物、からしあえ、ごま和え、しょうが焼き、カレー味のものなど
味にメリハリをつけてみましょう
塩分の摂り過ぎに注意が必要です。
ご家族に味見してもらいましょう!
て
あ し
し ょ う
こ う
ぐ ん
手足症候群
【主な症状】
手足のしびれ、ピリピリするような感覚、やけどした時のような痛み。
このような症状は、目に見える変化がなくても起こることがあります。
また、手足が全体的に赤くはれぼったくなったり、部分的に赤くはれたり、
水ぶくれができたりします。
かかとや手の指先など力のかかるところに症状がでやすいようです。
「手足症候群」を起こす可能性がある代表的な薬剤
・注射薬:5FU、ドセタキセル(タキソテール)、ドキシル
・内服薬:ゼローダ、ティーエスワン、ユーエフティ
抗がん剤治療が始まったら、自分の手や足をよく観察してください。
手足症候群の予防、悪化防止のために、以下のことに心がけてください
・長時間の歩行や立ち続けるこを避けて足に力がなるべくかからないよ
うにしましょう。
・靴は柔らかい材質で足にあったものを履くようにします。
・厚め靴下やジェル状の靴の中敷を使用して足を保護します
・手足に保湿クリームを塗り、爪の手入れをします。
・熱いお風呂やシャワーを控えてください
・日焼け予防は重要です!直射日光にあたらないようにしましょう
軟膏塗布のポイント
①擦り込まず、薄くのばす
②十分な量を使用する
③入浴後10分以内に塗布
する
保湿が大切です!
そ
う
よ
う
ひ
し
ん
つ め し
ゅ
う
い え ん
ざ瘡様皮疹(ニキビのようなもの)・爪周囲炎
【主な症状(起こりやすい時期)】
ざ瘡様皮疹:にきびのような発疹や吹き出物(1~4週)
皮膚乾燥:皮膚の乾燥やひび割れ、ひどいかゆみ(4~5週)
爪周囲炎:爪のまわりの炎症(6~8週)
「ざ瘡様皮疹・爪周囲炎」を起こす可能性がある代表的な薬剤
ベクティビックス、アービタックス
皮膚を清潔にし、保湿剤を塗布して乾燥を防ぎましょう。
・弱酸性や低刺激性のシャンプー、石けん、洗顔料を使いましょう。
・よく泡立てやさしく洗いましょう
・入浴後や洗顔、水仕事のあとに保湿剤を塗ると非常に効果的です。
・日焼け止めクリーム、日傘、帽子などで紫外線から肌を守りましょう。
(治療中は日焼けやなどで、肌が黒っぽくなりやすくなります)
・深爪をせず、やや長めに保ちましょう。
・ひげ剃りは電動シェーバーを使用しましょう
体(顔以外)
軟膏の種類と使用する場所
乾燥しているところ
顔
下記の症状があれば連絡して下さい
38.5℃以上の発熱が続く
時
1日6回以上の下痢
食事や水分も、とれない
時
点滴した部分に痛み、腫
れがある
【連絡先】
豊見城中央病院 098-850-3811
平日(月~金):8時30分~17時30分
点滴治療室、もしくは がん化学療法看護認定看護師まで
夜間、土・日曜日、祝日 救急外来または各診療科
病院への連絡・受診時は診察券を準備し、次の事をお伝えください。
①名前
②診察券の番号
③受診科・主治医
④最近の治療日
⑤現在困っている症状
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