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知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会
い~な あまみ 中 央 しらさぎ さくら 大阪+知的障害+地域+おもろい=創造 知の知の知の知 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1181 号 2013.2.5 発行 ============================================================================== 知的障害 花咲く絵の才能 8日から39人作品展 読売新聞 2013 年 2 月 5 日 宇宙をイメージした「スペース」 (永田仁志さん作、縦1・8メートル、横 1・4メートル) 大阪市阿倍野区の小規模作業所「ワークスペース街(マーチ)」 の絵画教室に学ぶ知的障害のある男女39人の作品展「art 4 smile(アート・フォー・スマイル)」が8日、大阪市 中央区のエル・おおさかで始まる。今年で3回目となるが、プロ 画家の指導で着実に力を付け、2メートル級の大作を仕上げる生 徒も現れた。アートの本場・米ニューヨークでの展覧会も検討さ れている。 (梶多恵子) 同作業所は、NPO法人「ドマーニ」(溝辺美重理事長)が運 営。普段はパンの製造販売などを行うが、「利用者の可能性が広 がれば」と2008年に教室を設けた。講師は、趣旨に賛同した ニューヨーク出身の壁画家、ヒューズ・R・マシューさん(40)(兵庫県西宮市)が務め る。 作品展は11年から続いており、今回は小学3年~45歳の男女が45点を出品。色を 塗った新聞紙の切り貼りを交えた作品など個性的な作品がそろう。技術の高い生徒を集め た教室で学ぶ6人は、宇宙やジャングルなどをテーマに 抽象画の大作を完成させた。 ジャングルをイメージした「in the jungle」 (酒井 健至さん作、縦0.72メートル、横1.8メートル) 本人の主体性を尊重しながら、道具の使い方や表現方 法をアドバイスするマシューさんは「絵画に障害は関係ない。才能を引き出せば、興味を 持って驚くほど上達する。彼らは、いつも一生懸命で、心のこもった絵を描く」とたたえ る。 メトロポリタン美術館のあるニューヨークで展覧会を開く構想もあり、マシューさんは 現在、会場探しを行っている。 鮮やかなピンクでサクランボを描いた松本めぐみさん(33)は「前より上達できた」 と手応えを語り、ヒマワリを描いた浜野伸明さん(35)は「多くの人に見てもらうのが 楽しみ」と話す。 10日まで。入場無料。ポストカードも販売され、売り上げの一部は東日本大震災の義 援金などになる。問い合わせは、平日午前8時~午後8時、同法人(06・6622・2866)へ。 賀城下ひなまつり:折り紙さげもん 障害者15人の力作 毎日新聞 2013 年 02 月 05 日 佐賀市で今月16日に開幕する「佐賀城下ひなまつり」の会場に、佐賀市の難病患者や 障害者が折り紙で作った「さげもん」が初めて飾られる。約15人が約3000枚を2カ 月折り続けた力作。参加した障害者たちは「難しかったけど、 見てもらうのが楽しみ」と展示を心待ちにしている。 障害者たちが手がけた折り紙のさげもん=佐賀市で2013年1月30 日午後1時58分、蒔田備憲撮影 佐賀市で作業所を運営するNPO法人「ともしび」が、市の 委託で取り組んだ。「さげもん」は鶴や亀などの縁起物やまり をひもでつり下げる福岡県柳川市に伝わる独特のひな飾り。こ れを見本に、ごまの殻の断面を図案化した旧佐賀藩のかみしも の文様「鍋島小紋」柄の折り紙で作った。 折り紙が得意な作業所利用者が指導し、昨年12月から作り 始めた。彩りやつるした時のバランスが整うよう、ひな人形や ウサギ、くす玉、バルーンなど25種類約500個を製作。完 成した作品は、約10個ずつ長さ150センチほどのひもにつ り下げていった。 自身も難病を抱える、 「ともしび」の江頭邦子理事長は「佐賀市のイベントに関わる機会 は少ないので、利用者の作品を飾ってもらえるのはうれしい。皆で会場を訪れるのが楽し み」と話している。 「佐賀城下ひなまつり」は3月20日まで佐賀市内の各所でひな人形を展示。障害者た ちが手がけた「さげもん」は、同市柳町の旧古賀銀行(市歴史民俗館)の会場を彩る予定 だ。 【蒔田備憲】 県庁に障害者働く場 新年度設置検討、民間就職の足掛かり 岐阜新聞 2013 年 02 月 05 日 県は新年度、知的、精神障害のある人向けに「障がい者就労支援オフィス」の設置を検 討している。県の雇員として県庁内に「働く場」を提供し、民間企業などに就職するため のステップアップに役立ててもらう。東海3県の自治体では初の試み。 県人事課によると、岐阜障害者職業センターなどと連携し、障害者手帳を持つ3人程度 を、同課に設置する「オフィス」に配属。文書の集配やコピー、簡易なパソコン入力など の業務をこなし、スキル向上を図る。期間は3年を限度とし、その間に民間などへの就職 を目指す。 これまで県教育委員会や県の出先機関などで障害者が短期間、業務を体験することはあ ったが、継続的雇用は初めて。担当者は、採用するのは民間企業に就職するには何らかの 課題がある人とし、 「課題改善はもちろんだが単なる職業訓練ではない。公の職場で賃金を 得て働く意識が自立就労支援につながるのでは」としている。 災害時の要援護者支援態勢づくりに温度差 佐賀新聞 2013 年 2 月 5 日 高齢者や障害者、難病患者ら災害時に自力で避難できない「要援護者」の支援態勢づく りについて、佐賀県の市町で温度差がある。個別の避難計画を作成する登録者数が2千~ 3千人の市町がある一方、わずか1人の町も。個人情報保護の意識の高まりで登録を断ら れるケースもあるが、人命保護を最優先に積極的な取り組みが求められる。 市町は、保有データを基に要援護者を抽出し、本人の同意を得て台帳に登録。施設入所 者以外に対し、個別の避難計画を作成する。計画表には病気や障害、家族や住居などの情 報を記入し、主に民生委員や近所の人らが務める支援者と共有する。 佐賀新聞のまとめによると、登録者が最も多いのは武雄市の2851人で、佐賀市23 15人、杵島郡白石町1941人と続く。いずれも民生委員らと協力し、戸別訪問などを して登録を呼び掛けた。武雄市はこのために臨時職員を雇用した。 一方、最も少ないのは杵島郡江北町の1人。町の広報紙で呼び掛けただけで、今後は戸 別訪問など町の方からアプローチをしていく。 各市町の積極性が登録者数の差となって表れているが、個人情報への意識の高まりなど で、ほとんどの市町が同意を得るのに苦労している。佐賀市では対象者約4800人のう ち、千人以上が応じなかった。近くに家族や親類がいなくても「1人で逃げられる」 「他人 の世話になりたくない」と断る人も多いという。 ただ、こうしたケースでも、白石町の担当者は「一度断られても『お守り代わりに』と 説得して登録だけしてもらう」と話す。今は元気でも将来に備えるという方針で、実際、 避難計画を作成するのは登録者の一部という。 要援護者の避難態勢づくりは、新潟県中越地震など大災害が相次いだ2004年から全 国で本格化した。佐賀県は05年、支援マニュアルの策定指針を提示。市町は順次作業に 入ったが、年月の経過とともに多くの市町で休止状態となり、そこに東日本大震災が起き た。 また、福島原発事故で広域避難という課題も浮上した。県地域福祉課の源五郎丸靖課長 は「ほかにも支援者や避難所の確保などやるべきことが多く、市町の担当は膨大な仕事を 抱えて戸惑っている。県としても、丁寧にサポートしていきたい」と話している。 なるほドリ:自立援助ホームってどんな所? /奈良 毎日新聞 2013 年 02 月 05 日 ◇家庭に代わり若者支援 空白区の県に4月開所 なるほドリ 県内でも、青少年のための「自立援助ホーム」っていうのができるそうだ ね? 記者 「青少年の自立を支える奈良の会」が、4月の開所に向けて準備を進めています。 会には大学教授や弁護士、児童養護施設の施設長らが参加しています。 Q どんな所なの? A 国内初の自立援助ホームは1958年、戦争孤児のための施設として東京都に設立 されました。現在は、親との死別や虐待などで安心して暮らせる家庭がない15〜19歳 の若者が、就業など社会的自立を目指して入所しています。離職したり、少年院などを出 た若者も受け入れているため「最後の砦(とりで) 」とも呼ばれています。 Q 児童養護施設とは違うの? A 児童養護施設も、家庭環境に恵まれない子どもたちが身を寄せる場です。児童福祉 法で「児童」は18歳未満の者と定義されているため、原則として17歳までしかいられ ません。ですが現実には自分でアパートなどを借りるにも身元保証人が必要ですし、不景 気で安定した仕事に就けない若者は大勢います。生活を安定させるまで大人の支援が必要 な若者を受け入れるのが、自立援助ホームです。 Q 他に「児童自立支援施設」っていうのもあるみたいだけど? A かつては感化院や救護院と呼ばれていましたが、97年に児童自立支援施設に改称 されました。ここは非行や犯罪などの不良行為をしたり、する恐れがある子どもたちのた めの施設です。更に、障害などで他の施設では対応が難しくなった場合の受け皿としても 役割を果たしています。 Q 自立援助ホームはどのくらいあるの? A 厚労省によると、全国に82カ所(11年10月現在)あります。定員546人に 対し340人が入所し、職員329人が支えています。奈良は空白県でした。 Q 子どもたちを支えるいい居場所になればいいね。 A そうですね。でも課題もあるんですよ。児童養護施設は全ての経費が公費で賄われ ますが、自立援助ホームは食費や光熱費など数万円程度が自己負担になります。また、虐 待を受けた人が心身の傷をいやし、生活スキルを身につけて自立していくためには時間が かかるのですが、20歳未満という年齢制限があります。現実に即した、継続した支援が 求められます。<回答・岡奈津希(奈良支局)> 自立援助ホーム:県内初、4月に開設 居場所ない少年に「第二の家」 児童福祉司ら、2 4時間支援 /奈良 毎日新聞 2013 年 02 月 03 日 虐待や貧困で家庭にいられず、働かざるを得なくなった15〜19歳の青少年に生活の 場を提供する自立援助ホーム「あらんの家」 (奈良市芝辻町)が4月、県内で初めて開設さ れる。同市のNPO法人「青少年の自立を支える奈良の会」が設立。代表の友廣信逸・奈 良大准教授(64)は「居場所のない子供たちが安心して暮らせる、温かい第二の家庭に なってほしい」と願っている。 【岡奈津希】 自立援助ホームは、中学卒業や高校中退の後、就労のため児童養護施設を出た子供たち のほか、児童自立支援施設や少年院からの退所者など、安心して生活できる家庭がない青 少年が入所する。児童福祉施設は18歳になると原則として退所しなければならないため、 高校を卒業しても就職できなかったり、家庭に戻れない青少年の就労と自立も支える。 「奈良の会」の前身となる「奈良に自立援助ホームをつくる会」は10年8月、非行少 年の親でつくる「奈良つきあかりの会」や児童養護施設職員、大学教授、弁護士らが設立。 青少年の自立についての定期的な勉強会やシンポジウムを開き、11年3月に現在の名称 に変えて開所の準備を進めてきた。 「あらんの家」は、住宅街の一角にある2階建て一軒家を改装。定員6人で、男性のみ 受け入れる。児童福祉司や社会福祉士のスタッフ、ボランティア、同会メンバーらが泊ま り込み、24時間体制で支える。 「父性と母性を両方感じてほしい」と男女のスタッフを置き、社会生活に必要なスキル を身につける生活支援と就労支援を行う。緊急時の一時避難所としても利用でき、精神科 医や臨床心理士資格を持つ僧侶も支援メンバーに加わる。 友廣さんは「虐待を受けた子供たちは、コミュニケーションがうまく取れなかったり、 生活スキルが乏しいケースも少なくない。施設を出てすぐに自立するのは大変なことで、 支援を必要としている」と話している。問い合わせは同会事務局(0743・73・05 31) 。 児童養護施設:暮らす子の自立支援 退所後の生活援助なく 1人暮らし練習、住宅提供も 毎日新聞 2013 年 02 月 04 日 虐待を受けるなどの理由で親と暮らせず、児童養護施設で育つ子どもは全国で約3万人 に上る。高校を卒業して退所した後は62・7%(05年度、全国児童養護施設協議会調 べ)が1人暮らしとなるが、生活費に困っても頼る親はいない。社会で生き抜くためには、 退所前に将来設計を明確に描かなければならない。彼らを支える「自立支援」について、 東京と千葉の取り組みを取材した。 【榊真理子】 児童養護施設「二葉むさしが丘学園」 (東京都小平市)には、退所を控えた子どもが1人 暮らしの練習をする「自活訓練棟」がある。昨年11月、ここで2週間暮らした高校3年 の女子は「お金の管理が大変だった」と振り返る。食費にあてられるのは1日1050円。 やりくりして食材を買い、肉じゃがやドリアを作った。 同園で訓練の決まりや書類を作るなど、包括的立場で自立支援の体制を整えるのが「自 立支援コーディネーター」の鈴木章浩さんだ。この女子を担当していた男性職員(26) は「献立の問題点など気づかない点を、鈴木さんが教えてくれたので助かった」と話す。 訓練後の反省会では、担当職員と鈴木さんと3人で将来の見通しを話し合った。「鈴木さ んに、退所後の資金計画を厳しく指摘してもらった」と女子。「退所して専門学校へ進学し た後は、学校とバイトの繰り返しになると覚悟しました」。訓練を経て、意識が高まったよ うだ。 自立支援コーディネーターは、東京都が12年度から始めた取り組みで、希望した37 施設に配置している。国は11年7月にまとめた「社会的養護の課題と将来像」で、 「児童 養護施設に自立支援担当職員を置く」としたが、国の予算は1施設年間約200万円で、 十分な支援は難しい。都は常勤職員を配置できるよう、1施設に約530万円を独自に補 助している。 職務は、職場体験の受け入れ先の開拓▽進学希望の子どもが使える奨学金制度の把握▽ 退所後、遠方に住む子どものケア−−など幅広い。鈴木さんは「NPOなどの支援組織や他 施設のコーディネーターと連携しながら取り組みたい」と語る。 * 千葉県では11年8月、児童養護施設などを運営する7法人が30万円ずつを出資して、 協同組合「千葉県若人自立支援機構」を作った。退所者への住宅提供や、生活資金の貸し 付けを行う。専務理事の水鳥川(みどりかわ)洋子さんは「施設を出る子どもの半数は、 貯金が10万円以下しかなく、すぐ生活に行き詰まってしまう。施設ごとの対応では限界 があり、まとまって支える仕組みを作った」と話す。 現場発・上州リポート:ぐんま学園の職業実習 受け入れ先の確保が課題 /群馬 毎日新聞 2013 年 02 月 05 日 ◇内面に問題抱える子供たち、実践で協調性養う 特別な保護や指導が必要な非行傾向の子供たちが暮らす児童自立支援施設「県立ぐんま 学園」 (前橋市)で1月24日、職業実習を受ける中学3年生を激励する「受け入れ式」が 行われた。今年の実習生は男子生徒1人。3月までに2社で計8週間の実習を受ける。大 工を志し、 「できることを探して仕事を手伝いたい」と抱負を語った実習生に、職員や企業 関係者らは温かい拍手を送ったが、近年は受け入れ先の確保が課題となっている。【喜屋武 真之介】 同園では、小学生から高校生までの男女約25人(女子は中学生まで)が寮生活を送る。 非行だけでなく、親などから虐待を受けて育った子供たちが増加。コミュニケーションが 苦手な子が多く、規則正しい集団生活の中で協調性を養うため、職業実習は重要な役割を 果たしてきた。かつては中学卒業後に働く子供が多かったため、毎年この時期に実施して いる。 実習は1963年から、前橋青年会議所(JC)が社会貢献の一環として受け入れ開始。 89年には前橋JCの有志を中心に約50社で学園の協力会を設立し、充実を図った。し かし、経営者の世代交代や景気悪化などで、受け入れ企業は減少し、今年度は12社に。 教育役の担当者を置く負担も原因の一つだ。同園の菊地常仁係長は「実習を将来に生かす ためにも、子供の希望にできるだけ沿えるよう多様な職種の企業に協力してほしい」と話 すが、新規参入はまれ。職種は力仕事が多く、女子に人気の美容室、菓子店などは少ない。 今年の実習先となった前橋市のリサイクル会社「久松商事」は、約20年前から受け入 れを続けてきた企業の一つ。01年からは家電部長の田中敏道さん(40)が指導を担当 してきた。あいさつや時間を守る大切さなどを伝えてきたが、「子供たちの成長にはいつも 驚かされる」と目を細める。厳しくしかることもあるが、「学園の子供たちは私たちの知ら ないような苦労をしている。できるだけ協力したい」と語る。 子供たちのプライバシーを守るため、学園も安易な拡充には慎重だ。菊地係長は「子供 たちは複雑な家庭環境で育ち、内面に問題を抱えている。それを理解した上で受け入れて くれる企業が増えてほしい」と期待する。 1月下旬。久松商事には、真剣な表情で作業する実習生の姿があった。大きな声であい さつし、苦手な早起きも続いている。「仕事は楽しいし、もっと続けたい」とほほ笑んだ。 江戸川区 虐待防止に子育て助っ人 「おとなりさん」住民派遣へ 東京新聞 2013 年 2 月 5 日 地域力で子ども守れ-。子どもの養育が困難な家庭で児童虐待や育児放棄を防ぐため、 子育てに関心のある住民が家庭を公費で手助けする「おとなりさんボランティア」が、東 京都江戸川区で始まる。親の同意で家庭を訪れ、中学生以下の子どもに買い物や料理、掃 除の仕方を教え、勉強や遊びの相談にも乗る。住民主体で支援を担うのは珍しい。 (村 松権主麿) 「昔のように近所のおじさんやおばさんが地域の子どもを育てるイメージ」と区児童女 性課。既にボランティア養成講座を開いており、昨年度は三十人が受講した。四月から新 たに五十人を募集。受講を終えた人からボランティアを選ぶ。乳幼児がいる家庭には子育 て経験がある人も派遣する。 まず問題の深刻度が軽い五家庭を対象に、新年度から週一回、年間で四十八回派遣する。 一回で三千五百円の報酬を区が払う。深刻なケースは区の子ども家庭支援センターが関係 機関と組んで取り扱う。 民生・児童委員や保育、教育経験者らによる同様の支援事業は江東区でもある。江戸川 区は、子どもの問題に関心を寄せる住民にも幅を広げて手助けを求める。区は「支援でき る人を幅広く養成する。派遣されない人でも、問題のある家庭の発見や声かけなど、地域 で活動をしてもらう」と話す。 虐待防止の啓発活動をしている江東区の市民団体「ママリングス」の落合香代子代表は 「子育てがつらいとか、手伝ってほしいと思わない親はいない。幅広く一般の人に支援に 関心を持ってもらうことは必要だ」と指摘。 また、子育て支援に詳しい恵泉女学園大学の大日向雅美教授は「地域で子育てに役立ち たい人は潜在的に多く、近所の相互扶助には期待できる。ただ、素人を養成するにはカリ キュラムが重要だ。トラブルがあったときのバックアップシステムづくりも欠かせない」 と話している。 「下着の中に手」 「デブ」 セクハラ、暴言…世界のスポーツ界で目立つ性的虐待 産経新聞 2013 年 2 月 5 日 ≪つらい経験告白≫昨年8月のロンドン五輪柔道 女子78㌔級で金メダルを獲得し、米国旗を掲げる カイラ・ハリソンさん(AP) 世界各国のスポーツ界では暴力だけでなく、セ クハラやパワハラも社会問題化している。特に欧 米では子供への性的虐待などの告発が目立ち、監 督やコーチが禁錮10年の刑を受けるなど厳罰 化が進んでいる。 柔道界追放 「過去にコーチからセクハラを受けた。これま で乗り越えてきた中で一番つらい試練だった」 昨年のロンドン五輪の柔道女子78キロ級で男女を通じて初の金メダルを米国にもたら したカイラ・ハリソンさん(22)は優勝後、「選手生活の中で最もきつかったことは」と 尋ねられ、長い沈黙の後そう答えた。 セクハラを受けたのは13~16歳のころだった。男性コーチの行為は次第にエスカレ ートし海外遠征の間も続いた。誰にも言えず、柔道をやめることや自殺も考えた。 悩んだ末に友達と母親に相談。コーチは2007年、未成年者への性的虐待で禁錮10 年の有罪判決を受け、柔道界からの追放も決まった。 絶対の支配 「 (13歳のとき)夜中に下着の中に手を入れられて目が覚めた」 フランスでも女子テニスの元トッププロが1980年代にセクハラ被害を受けたとして コーチを刑事告発。昨年11月、強姦および強姦未遂の罪で禁錮8年の実刑判決が下った。 告発したのは、四大大会でも活躍したイザベル・ドモンジョさん(46) 。 セクハラは13歳のときから9年間続いた。89年の全仏オープン大会期間中の夜、部 屋をノックしたコーチに「もう限界。ドアを開けません」と断り、被害は終わった。 ドモンジョさんは「コーチの支配は絶対で、コーチがいないと何もできないと思わされ ていた」と指導現場の力関係の実態を証言。90年にフランス・テニス連盟会長に相談し たが、うやむやにされたことも明かした。 フランスのスポーツ省は「日本のように(体罰など)指導が厳しすぎるという問題は少 ない。力を入れているのはセクハラ対策。被害相談電話設置などのキャンペーンをしてい る」と説明する。 偽装を指示 「水から出ろ、デブ」 。スペインでは昨年のロンドン五輪後、シンクロナイズドスイミン グの選手たちが代表チームの女性監督から繰り返し暴言を受けていたと文書で告発した。 「選手を不当に扱ったことはない」 。監督は反論したが、解任された。 英国でも2009年、ラグビーのクラブチームが試合を有利に進めるため、選手が負傷 したように装っていたことが発覚した。監督がパワハラで選手に偽装を指示していたこと が明らかになり辞任。ラグビー発祥の地の英国を揺るがす不祥事となった(共同) 文科相 暴力根絶へ相談・通報窓口を NHK ニュース 2013 年 2 月 5 日 柔道女子の日本代表の強化合宿で監督などから暴力行為があった問題で、下村文部科学 大臣は閣議のあとの記者会見で、スポーツ指導の際の暴力を根絶するため、各競技団体に 対し、相談・通報窓口を設けることなどを求めるメッセージを発表しました。 下村文部科学大臣は記者会見で、 「今般の事態を日本のスポーツ史上最大の危機と捉えて いる」と強い危機感を示したうえで、「柔道のみならず、ほかの競技種目を含めて実態を調 査し、スポーツ指導の名のもとに暴力を見過ごしてこなかったか、改めて現実を直視すべ きだ」と述べました。 そして、今後、再発防止に向けて、医学的、科学的な指導が行われるよう、スポーツ指 導者の養成の仕組みや研修の在り方を改善することや、各競技団体に対して、相談・通報 窓口を設けることなどを求めました。さらに、問題が起きた場合に選手が練習に専念でき るよう、中立的な第三者に相談できる仕組みを整えることが重要だとしています。 下村大臣は「日本が、自浄作用でスポーツにおける暴力は一掃したということを国内外 に示すときがきている。メッセージ文は、安倍総理大臣にも直接渡して説明し、総理から は『しっかりと対応してほしい』と言われた。政府として一体となって対応していきたい」 と述べました。 月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も 大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行