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地 理 「地理」
テレビ 学習メモ 第1回 今回 学ぶこと 地理 監修:大 伴 一 成 「地理」の旅に出よう! 私たちの周りには、どんな世界が広がっているだろ う? 一歩外へ出て、旅をしてみると、実にさまざまな 地形や、多様な気候風土に出会うことができる。そして、 そこでは、人々が地形や気候に適応しながら生活を営ん でいる。今回は、日本人観光客が多く訪れる「ハワイ」 を題材に、地形・気候・風土・伝統などがどのような理 由のもとに形作られたのかを見ていく。さあ、 「地理」 の旅に出よう! 学習前 チェック □ハワイ諸島が太平洋のどこにあるのか、また、各島の名称や位置関係を地図帳などで確 認しよう。 □ハワイと日本の気候を比較し、観光地として人気がある理由を考えてみよう。 ▼ □ハワイと日本との間にはどのようなつながりがあるか、歴史的な側面から調べてみよう。 1st stage “Rainbow State”-ハワイ- ハワイの気候は年間を通して温暖で、例えば、オア フ島のホノルルは年間の平均気温が 25.2℃、各月の平均 気温も 22℃以上である。このことから蒸し暑さを連想 するが、意外にもからっとしている。年間の降水量は 429.2mm と少なく、東京(1466.7mm)の約 3 分の 1 程 度しかない(※データはいずれも理科年表による) 。し かし、場所によっては地形や貿易風の影響で年間降水量 が 4,000mm を超えることもある。この多くの雨をもた らす際に虹がたびたび見られることから、ハワイ州は “Rainbow State” (虹の州)と呼ばれるようになった。 現在ではこの気候をいかした観光地として年間 700 万人 以上もの観光客が世界中から訪れている(そのうち、毎 年 100 万人以上の日本人が訪れている) 。 −1− 高校講座・学習メモ 地理 「地理」の旅に出よう! 2nd stage 着物から作られたアロハシャツ 日本でもなじみ深いアロハシャツ。ハワイの街中でも 多く見かけるが、実は日本と深いつながりがある。 そもそもの発端は第7代ハワイ王のカラカウア(1836 ~ 1891)が 1881 年に日本を訪れたことにある。カラカ ウア王はサトウキビ栽培の労働力を補うため、日本人の 移民をハワイへ送るよう申請し、1885 年に 944 名の日 本人移民がハワイに降り立った。当時の日本人移民の多 くは日本から着物を持参していたが、着物はハワイの気 候には適しておらず、着る機会がなかった。そこで、そ の着物を半袖シャツに仕立て直したところ、1930 年代 の観光ブームで訪れたアメリカ人の目にとまり、 「アロ ハシャツ」として生産されるようになった。こうして世 界中に広まったアロハシャツは、現在ではハワイの企業 や役所の制服として採用されている。 3rd stage フラダンスでコミュニケーション ▼ 今ではハワイの代名詞にもなっているフラダンス。実 はこのフラダンスにはいろいろな意味が込められており、 文化や伝統を反映している。その起源は古代のハワイで あり、当時、人々の間には文字が存在しなかったことが きっかけとなった。そのため、手話のように身振り手振 りで自然現象や感情を表現し、歴史や伝統、意思を伝え てきた。また、頭や首につけるレイ、裸足で踊ること、 それぞれに意味や理由が込められている。 今回のまとめ 「地理」の旅に出よう! 実際にその「土地」を訪れることで、地形・気候・風土・人々 のくらしなどがどのような「理由」のもとに成り立っているのかを深く掘り下げてみよう。 ハワイの気候は年間を通して温暖である。 豊富な水を利用したタロイモ栽培など、気候に適応した人々のくらしが存在している。 アロハシャツは日本人移民が持ち込んだ着物を加工したことが起源と言われる。 アロハシャツが作られるようになった背景には、気候に適応した生活の智恵と、日本 人移民の歴史がある。 フラダンスはハワイの伝統文化である。 文字の代わりに、踊りで自然現象や人の感情を表現し、伝達するという意味が秘められ ている。地形や気候風土を知るだけでなく、歴史や文化を知る事も地理の学習である。 −2− 高校講座・学習メモ