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サービスの広告に期待される役割 サービスの広告に
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 香川大学経済論青空 第6 8巻 第 2・3号 1 9 9 5年 1 1月 4 1 5 4 4 5 サービスの広告に期待される役割 藤村和宏 はじめに プロモーションあるいはその構成要素である広告の機能や目的に関しては, 有体財のマーケティング理論の中で論じられてきた。基本的機能としては情報 伝達と説得があり,その直接的Hつ最終的目的は消費者を購買へと駆り立て, 売上高を増加させることであるとされている。そして,その最終的目的に至る 前段階において,情報伝達,想起,知識構造の変容,説得,行動への影響など の役割を果たすとされている。 しかし,サービスの広告においては,有体財の広告において期待される役割 だけで十分であろうか。サービス自体とそのデリパリー(生産及び提供)・プロ セスの特質のために,サービスの広告には有体財のそれ以上の役割が期待され ると考えられる。サービス自体の無形性のために消費者は購買意思決定過程に おいてその品質を直接的に示すような本質的属性を利用できないことが多いの で,高いリスクを知覚するであろうし,品質評価に困難を感じるであろう(藤 9 9 0 )。また,デリパリー・プロセスでは消費者の参加が必要不可欠であ 村 , 1 り,参加の仕方や程度がサービスの品質形成において重要な役割を果たすとい 9 9 5,1 9 9 4 )。さらに,消費者がデリパリー・プロセスに うことがある(藤村, 1 参加し,サービス提供組織の従業員との聞でサービス・エンカウンターが展開 される場合には,両者の行動パターンもデリパリー効率とサービス品質に重大 される場合には,両者の行動ノ fターンもデリパリー効率とサービス品質に重大 な影響を及ぼすことになる。 このような特質のために,サービスの広告には有体財のそれ以上の役割が期 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 416ー 香川大学経済論叢 6 1 2 待されると考えられる。本稿では,この有体財の広告以上にサービスの広告に 期待される役割について検討する。尚,広告はサービス提供組織が利用できる 消費者とのコミュニケーション・ツー/レの一つにすぎないので,他のツールと 組合わさることによってのみ以下で検討するような役割を効果的且つ効率的に 遂行することができるであろう。 I I 広告に期待される役割 サービス自体の無形性と,そのデリノ Tリー・プロセスにおける消費者の参加 やサービス・エンカウンターの寄在のために,サービスの広告には以下のよう な役割が期待されるであろう。そして,それには外部顧客である消費者に対す るコミュニケーションだけでなく,内部顧客である従業員に対するコミュニケ ーションも含まれている。 ①サービスの性質や品質に関する情報を消費者に提供することで,提供サー ビスに対する理解や期待の形成を援助する。 ②消費者が提供サービスに対して過度な,あるいは誤った期待を形成しない ように期待形成を管理する。 ③消費者がサービス・デリパリー・プロセス及びそこにおいて展開されるサ ービス・エンカウンターに参加し,それらを効果的且つ効率的に遂行でき るように,消費者にそれらに必要なスクリプトを学習させる。 ④購買意思決定過程で消費者が知覚するリスクを削減する。 ⑤消費者の満足形成過程における原因帰属に影響を与えることで,不満足の 発生を抑制する。 ⑥従業員,特に接客員に彼らの職務の重要性を認識させ,適切なスクリプト や行動基準を提供する。 サービスの広告にはこのような役割が期待されており,サービス提供組織は その展開する広告にこのような役割を適切に担わせることによって,サービス ・デリパリー・システムの効果と効率を高め,それによって消費者満足を向上 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ サービスの広告に期待される役割J 4176 1 3 サービスの広告に期待される役割j 4176 1 3 させることが可能となるであろう。さらに,それによって市場において競争優 させることが可能となるであろう。さらに,それによって市場において競争優 位も構築できるであろう。 位も構築できるであろう。 1 消費者のサービス理解と期待形成の援助 1 消費者のサービス理解と期待形成の援助 サービスは行為,パフォーマンス,努力であるために,あるいはサービス品 サービスは行為,パフォーマンス,努力であるために,あるいはサービス品 質の大部分が経験属性によって構成されているために,サービスの内容や品質 質の大部分が経験属性によって構成されているために,サービスの内容や品質 は消費中あるいは消費後にしか理解・評価できないことが多い(藤村, 1 9 9 0 )。 は消費中あるいは消費後にしか理解・評価できないことが多い(藤村, 1 9 9 0 )。 このため消費者は,購買意思決定過程で利用可能なサービスあるいはサービス このため消費者は,購買意思決定過程で利用可能なサービスあるいはサービス 提供組織をエボークド・セットに加えたり,提供されているサービスの性質や 提供組織をエボークド・セットに加えたり,提供されているサービスの性質や 品質を理解したり,あるいはサービスに関する知覚品質(あるいは心的イメー 品質を理解したり,あるいはサービスに関する知覚品質(あるいは心的イメー ジ,期待)を明確に形成したりすることが困難になっている。これらのことの ジ,期待)を明確に形成したりすることが困難になっている。これらのことの ために広告に期待される役割のーっとして,消費者がサービス内容の理解や知 ために広告に期待される役割のーっとして,消費者がサービス内容の理解や知 覚品質(あるいは期待)の形成を容易に行えるように援助するということがあ 覚品質(あるいは期待)の形成を容易に行えるように援助するということがあ る。尚,この役割には,サービスを構成している属性あるいは部分品質の一部 る。尚,この役割には,サービスを構成している属性あるいは部分品質の一部 を消費者が不適切に劣っていると知覚している場合にはそれを修正したり,新 を消費者が不適切に劣っていると知覚している場合にはそれを修正したり,新 しいあるいは改善したサービス・コンセプトやサービス水準がある場合にはそ しいあるいは改善したサービス・コンセプトやサービス水準がある場合にはそ れらを消費者に伝達することも含まれる。 れらを消費者に伝達することも含まれる。 この役割遂行のための手段としては,広告によるサービスの有形化がある この役割遂行のための手段としては,広告によるサービスの有形化がある が,これは本来無形なものを視覚的あるいは知的に把握可能なものにするもの が,これは本来無形なものを視覚的あるいは知的に把握可能なものにするもの である。 S h o s t a c k( 1 9 7 7 )は,“有形な証拠"を提供することによって消費者の h o s t a c k( 1 9 7 7 )は,“有形な証拠"を提供することによって消費者の である。 S サービス評価を助けることの重要性について特に言及している。その中で彼女 サービス評価を助けることの重要性について特に言及している。その中で彼女 は,有形性の強い製品の場合にはイメージ広告が有効であり,無形性の強い製 は,有形性の強い製品の場合にはイメージ広告が有効であり,無形性の強い製 品の場合には評価を可能にするような有形な証拠を提供する広告が有効でbあ 品の場合には評価を可能にするような有形な証拠を提供する広告が有効であ ndUhr( 19 81)もサービスの広告に関する文献レビ る,と論じている。 Upaha ndUhr( 19 81)もサービスの広告に関する文献レビ る,と論じている。 Upaha ューに基づ、いて,消費者はサービス評価のための有形な手掛かりを必要として ューに基づいて,消費者はサービス評価のための有形な手掛かりを必要として いることから,広告者は提供サービスの性質と品質に関する手掛かりを提供す いることから,広告者は提供サービスの性質と品質に関する手掛かりを提供す るために有形物に注意を払う必要がある,と結論づけている。また H e s k e t t, e s k e t t, るために有形物に注意を払う必要がある,と結論づけている。また H S a s s e r and Hart( 19 9 0 )は,専門性の高いサービスあるいは信頼属性が高い割 S a s s e r and Hart( 19 9 0 )は,専門性の高いサービスあるいは信頼属性が高い割 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ -4 41 18 8 - 香川大学経済論叢 香川大学経済論叢 6 1 4 6 1 4 合を占めるサービスの場合には特に,有形な手掛かりに注意を払う必要があ 合を占めるサービスの場合には特に,有形な手掛かりに注意を払う必要があ る , と と百 百命 命じ じて てい いる る。 。 る , 彼らの主張とは多少異なるものに, U の議論がある OO 彼はサービ 彼はサービ 彼らの主張とは多少異なるものに, r w i n ( 1 9 7 5 )の議論がある ス広告とライフサイクノレ概念とを組合せ,広告における有形化の重要性を認め ス広告とライフサイクノレ概念とを組合せ,広告における有形化の重要性を認め ながらも,ライフサイクノレによってサービス広告のあり方は異なるべきであ aker( 1 9 8 7 ),Z e i t h a m l( 1 9 9 0 )などは,広 る,と論じている。また LeggandB v i v i d n e s s )の一手段として位 の 手段として位 告での有形な手掛かり提供をサービスの鮮明化 ( 置づけている。彼女らは,消費者がサービスの性質や品質を推測したり,明確 な心的イメージを形成したりするのを比較的容易にする方法のひとつが鮮明化 である,と論じている。鮮明化は広告の中で鮮明な情報を用いることで,消費 者の五感に強烈で、明確な印象を与え,明瞭な心的イメージを作り出そうとする ndBakerは,鮮明化と消費者のサービス理解の関係につ ものである。 Legga いて,鮮明な広告はそうでない広告によりも提供サービスを消費者によく理解 させることができるであろう,という仮説を立てている。また,サービスの鮮 明化によって,消費者がサービスを心的に理解することを容易にしたり,触れ ることができるようにすることで,企業も競争優位性を獲得できるであろうと している。この鮮明化の方法については次章で詳細に検討したい。 2 消費者の期待形成の管理 サービス自体の無形性のために,消費者は購買意思決定過程でサービス内容 を理解したり,期待を形成したりするのが困難であり,それを解決する手段と して広告におけるサービスの有形化や鮮明化が必要とされる。しかし,この過 程ではさらに,消費者の中に形成される期待が適切な水準になるように管理さ れる必要がある。 消費したサービスに対して消費者が不満足を感じる主要な原因は,サービス について企業が約束したもの(期待)と企業が実際に提供したもの(成果)とのギ Parasuraman,Z e i t h a m landB e r r y,1 9 8 5 )。図 lに示している ャップにある ( ように,期待は購買意思決定過程においてだけでなく,満足あるいは不満足形 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ サービスの広告に期待される役割 6 1 5 419ー 成過程においても重要な役割を果たしている。消費者満足研究における期待不 確認 (expectancy disconfirmation)パラダイムでは,購買意思決定過程にお いては個々の製品やサービスに対して期待が形成されるが,その期待は選択に つながる態度に影響を及ぽすだけでなく,満足形成過程においてもそれを評価 9 9 2 )。そ するための比較基準としての役割を果たすと仮定されている(藤村, 1 して,知覚された製品パフォーマンスやサービス成果がこの比較基準としての 期待を上回る場合には満足が形成され,下回る場合には不満足が形成されると 考えられている。 このように期待は満足形成過程において比較基準という重要な役割を果たす ために,提供可能なサービスに比べて過度の期待を消費者に抱かせることは消 費者の不満を導くことになる。そのために消費者の期待水準とその形成にかか わる要因を理解し,期待水準を提供可能なサービス水準に管理することは,サ Timet 図 l 期待不確認プロセスの概念モデル 出所:C a d o t t , 巴 E R,R B .Woodruff,a ndR L J e n k i n s( 1 9 8 7 ), “E x p e c t a t i o n s andNormsi nModelso fConsumer S a t i s f a c t i o n, "J o u r n a l0 /Marketing R e s e a r c h ,V ol 2 4( A u g u s t ),p 3 0 6 一部加筆。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ -420- 香川大学経済論叢 6 1 6 6 1 ービス提供組織にとって重要な課題である ( B a t e s o n, 1 9 9 1 )。尚,この目的達 成において注意すべきことは,競争者との比較において,期待水準をあまりに も下げすぎないということである。消費者が競争者よりも低い期待しか形成し ない場合,期待管理は消費者との取引を失うことにつながるからである。 消費者の期待水準をサービス提供組織が提供可能なサービス水準に管理する 必要があるが,消費者の期待は様々の要因,例えば消費者自身の過去の消費経 験,口コミ,サービス提供組織の展開するマーケティング・ミックスなどに影 響されて形成される。サービス提供組織が管理可能なマーケティング・ミック スについて見ると,それには伝統的な 4P sに加えて,物理的証拠 ( p h y s i c a l e v i d e n c e ),参加者 ( p a r t i c i p a n t s ),サービス生成プロセス ( p r o c e s so fs e r v i c e i t n e r,1 9 8 1 )。サービスは従業員, a s s e m b l y )の 3Psも含まれる (BoomsandB 消費者,物理的環境の聞の相互作用過程で生成されるために,追加的 3P sも 消費者にサービス品質に関するメッセージを送り,消費者が購買意思決定過程 においてサービスあるいはサービス提供組織に対するイメージや期待を形成す においてサービスあるいはサービス提供布団哉に対するイメージや期待を形成す るのに役立つし,提供されるサービス品質に対する消費者の知覚にも影響を与 える(藤村, 1 9 9 1a )。例えば,サービス提供施設のデザイン,装飾,業務用名 刺,業務用文房具,サービス施設内の従業員や他の顧客の服装や態度などは, サービス提供組織に対するイメージや期待を形成するのに役立つようなメッセ sを含むマーケティング・ ージを消費者に送るであろう。従って,追加的 3P ミックスは,それらが消費者に発するメッセージ間の一貫性あるいは統一性を 保つと同時に,それらのメッセージが提供可能な品質水準に見合った期待を形 成するように管理されなければならない。 追加的 3Psを含むマーケティング・ミックスの中でも,広告は言葉や動画, 絵,音楽などを通じて消費者に多くのメッセージを直接的Eつ効果的に伝達す ることができるので,消費者がサービスの性質や品質を推測するのに役立つ手 (1) 消費者f の期待水準を提供可能な品質水準に保つことは重要であるが,比較過程におい て同化効果が生じる場合には,提供可能な品質水準よりも少し高い期待を抱かせる方が 効果的であるかもしれない。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 1 7 サービスの広告に期待される役割j -421 掛かりを提供し,特定の便益を約束して期待の形成を促すことにおいて特に重 要な役割を果たしている。そのため広告は,期待の管理においても重要な役割 を果たさなければならないと考えられる。しかし,広告に消費者の期待管理と いう役割を効果的に遂行させるためにどのような方法を用いることができるの か,に関する実証的研究は行われていない。しかしながら,アメリカン航空の 行った“アメリカン航空はなぜ、遅れるのか"と題する広告方法は,この問題に 対処する一つの方法であるかもしれない ( Z e i t h a m l, 1 9 9 0 )。この広告は,規制 緩和と競争激化で予定時間通りの飛行ができなくなった時に,その原因はアメ リカン航空にあるのではなく,航空サービス産業全体の状況にあるということ を説明するために行われている。アメリカン航空は,遅延原因は主要空港にお ける超過密ダイヤと需要の変動にあることを説明するとともに,この問題を多 少とも解決するために進めている自社の対策を記述することで,航空会社全体 に対する期待を低下させる(時間通りの運航は困難であると知覚させる)と同時 に,サービス改善のためのアメリカン航空の努力を消費者に知覚させている。 ここで重要なことは,自社に対する期待を低下させるのではなく,業界全体に 対する期待を下げ,適正な水準に保持しようとしていることである。自社に対 する期待だけを低下させることは,自社の新規顧客獲得を阻害するばかりでな く,既存顧客の競争者へのスイッチングを促すことになるからである。尚,ア メリカン航空のこのような広告はサービスの利用経験が期待以下となった場合 に起こる原因帰属にもポジティブな影響を及ぽすかもしれないが,この点につ いては後節で検討したい。 また Z eithaml( 1 9 9 0 )は,サービス・デリパリー・プロセスを記述し,サー ビス品質を構成する品質次元の水準聞にトレード・オフがあることを消費者に 理解させることも,期待を適正水準に管理する手段として用いることができる であろう,と論じている。この考え方に基づくと,例えば,待ち時間と個客化 対応の聞のトレード・オプが避けられない場合,待ち時聞が短いことを望むな らば標準化された対応しかできないが,待ち時聞が長くてもよければ個客化対 応が可能で、あることを,消費者に理解させるような広告というものもあるかも OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ~422 6 1 8 香川大学経済論叢 しれない。 3 消費者のスクリプト学習の援助 従来の態度や満足形成にかかわる研究においては,期待は製品全体ベースあ るいは属性ベースで定義されてきた。例えば,製品全体ベースでの定義では「製 造業者の訴求あるいは製品情報によって創り出される,製品の全体的なパフォ A n d e r s o n,1 9 7 3 ;C h u r c h i l landS u r p r e n a n t, ーマンスに対する消費前の信念 ( 1 9 8 2 ;O l i v e r, 1 9 7 7 ; Swan and Martin, 1 9 8 1 ; Westbrook and R e i l l y, 1 9 8 3 ) Jと定義されている。また,属性ベースでは r 製品が備え持っている諸 B e a r d e n and T e e l,1 9 8 3 ;C h u r c h i l l and 属性の水準に対する消費者の信念 ( S u r p r e n a n n t,1 9 8 2 ;O l i v e randL i n d a,1 9 8 1 ;O l s o nandDover,1 9 7 6,1 9 7 9 ; 9 8 3 ) Jと定義されている。 WestbrookandR e i l l y,1 しかし,サービスの場合,そのデリパリー・プロセスに消費者が参加し,生 産と消費が同時に行われるために,前述の定義のように期待を捉えるだけでは 不十分である。サービスは生産と消費が同時に行なわれるために,サービスに 対する消費者の満足は提供されたもの(結果)とその提供のされ方(プロセス) の両方に基づいて形成されるであろうから,評価基準としての期待もその両方 に対して形成されると考えられる。結果に関する期待は従来の期待の捉え方と 同様に,パフォーマンス水準として捉えることができるであろうが,プロセス に関する期待はサービス・デリパリー・プロセスを構成する一連の出来事とそ れらの時間的順序,各出来事内で関係する従業員や他の顧客の特性や行為,各 活動が起こる状況などから構成されていると考えられる。すなわち,プロセス に関する期待はスクリプトによって構成されていると考えられる。 mith and Houston( l9 8 3 )によると,イベント・ スクリプト(台本)とは, S スキーマあるいは知識の心的表象であり,サービス・エンカウンターを含む (2) スキーマは,ある刺激領域に関する一般的な知識の単位で記憶の中に貯蔵されてお り,その領域内の特定の事実に関する情報を処理する際のガイドラインとして働く。ス キーマは個人によって異なるし,様々なものに対してスキーマは構築される。例えば, OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 1 9 サービスの広告に期待される役割 423- 日々の反復的な出来事における相互作用を容易にする一般的知識である。また Schank and Abelson(1977)によると,スクリプトは行動のあらかじめ決定さ れた型にはまった順序であり,見慣れた状況を明確にするものである。 Abboott andBlack( 1 9 8 0 )は SchankandAbelsonの定義を拡張して,平凡な出来事の ためのスクリプトは日常生活で頻繁に行われるために,行動が型にはまってい る出来事に関する知識であり,出来事に関連する標準的行動,性質,対象から 構成される,と定義している。 対象あるいは対象のクラスのためのスキーマ,人々あるいはパーソナリティ・タイプの ためのスキーマ,社会的あるいは職業上の役割のためのスキーマ,出来事のためのスキ ためのスキーマ,社会的あるいは職業上の役割 l のためのスキーマ,出来事のためのスキ S m i t ha n dH o u s t o n,1 9 8 3 )。 ーマなどが構築される ( スクリプトと類似した概念に役割期待がある。スクリプトは心理学の分野から出た概 (3) スクリプトと類似した概念に役割 j 期待がある。スクリプトは心理学の分野から出た概 念であるが,役割期待は社会心理学から出た概念である。 IL ; 、理学から出た概念である。 念であるが,役割期待は社会 役割は個人外のもの ( e x t r aーi n d i v i d u al)と仮定されており,すべての個人はある役割 を引き受けるときには,あらかじめ決められている行動セ、y y トに従って同じように行動 することが期待されている。その行動セットは一般的に経験とコミュニケーションを通 じて学習されるが,役割の内容に関しては個人間でかなりの程度にコンセンサスがあ る。また,役割行為は相互依存的であり,その適切性は他者によって判断される。サー ビス提供にかかわっている従業員の場合,他者には管理者,共働者,消費者などが含ま れる。それゆえ,役割演技者は他者から受けるフィードノ"';;クに適応することになる。 れる。それゆえ,役割演技者は他者から受けるフィードパ yクに適応することになる。 ( S o l o m o n,S u r p r e n a n ta n dGutman,1 9 8 5 ) サービスの利用経験が豊富で,そこでの役割を理解している消費者は無意識にそれに 相応しい役割を演じることができるが,経験の少ない,あるいは理解していない消費者 はかなりの認知的活動を必要とする。また,役割の割当はサービス・エンカウンターの 初期段階で行われ,それ以後の相互作用に影響を及ぼすため,エンカウンターの初期段 初期段階で行われ,それ以後の相互作用に影響を及ぼすため,ヱンカウンタ の初期段 階は,後の段階よりも相互作用の最終的成果にとってより重要であるとされている。 役割不一致は消費者あるいは従業員の不満足につながるが,それは次のことから起こ 不一致は消費者あるいは従業員の不満足につながるが,それは次のことから起こ 役割j るであろう ( S o l o m o n,S u r p r e n a n ta n dGutman,1 9 8 5 )。 (1)職務義務あるいはその性格に対する従業員の知覚が,それらに対する消費者の期待 と異なっている。 ( 2 )顧客としての役割に関して消費者が持ーっている概念が,従業員が持っている顧客の 役割概念と異なっている。 役割l 概念と異なっている。 また,役割 j 理論とスクリプト理論のパ スペクティブの聞には,次のような基本的相 また,役割理論とスクリプト理論のパ 違がある。 (1)スクリプト理論のパ スペクティブはかなり広い範囲にもの(例えば,サービスの スペクティブはかな り広い範囲にもの(例えば,サービスの 背景の影響)に関係しており,個人間のサービス・ヱンカウンターというよりは, 背景の影響)に関係しており,個人間のサービス・エンカウンターというよりは, サービス経験に関係している。 ( 2 )スクリプトは個人的・主観的で各個人ごとに存在し,個人の経験とパーソナリティ ーによって決定される。 方,役割j はより客観的で,個人の知覚や認知というより は,社会的地位あるいは肩書(医者,作家)によって定義されている。 i OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ -424- 香川大学経済論叢 6 2 0 スクリプトには因果的・時間的順序において関連している一連の行動が含ま れるので,将来の出来事に関する予測を容易にするという機能がある。サービ スのプロゼスに関する期待はこのスクリプトに基づいて形成されており,さら スのプロセスに関する期待はこのスクリプトに基づいて形成されており,さら にこの機能のために消費者はサービス・デリパリー・プロセスへの参加やサー ビス・エンカウンターの展開を効果的目つ効率的に遂行できると考えられる。 サービスは従業員,消費者,物理的環境の聞の相互作用過程で生産され提供 サービスは従業員,消費者,物理的環境の聞の相互作用過程で生産され提供 されるために,サービス・デリパリー・プロセスは 3者の多種多様な活動や状 況から構成される出来事の連鎖である。消費者はサービスを消費することで反 復的にこの出来事の連鎖を経験し,スクリプトを学習するであろう。このスク リプトの中には,サービス・デリパリーを構成する一連の諸活動,それらの活 動が標準的に起こるであろう順序と所要時間,それらの活動を行うであろう行 為者の特性や役割,活動が行われる背景などが含まれるであろう。消費者はス クリプトに含まれるこれらの要素を統合化・抽象化することで,プロセスに関 する期待を形成していると考えられるし,また,それらを利用することでサー ビス・デリパリーやサービス・エンカウン夕、ーに適切に参加し,サービス・デ ビス・デリパリーやサービス・エンカウンターに適切に参加し,サービス・デ リパリーが進行し完結することに貢献している。 スクリプトにはまた,規範体系として,サ、ービス・デリパリー・プロセスで スクリプトにはまた,規範体系として,サービス・デリパリー・プロセスで 経験することを評価するための基準を提供するという機能もある ( S m i t ha n d Houston, 1 9 8 3 )。消費者はサービス・デリパリー・プロセスで経験する出来 事をスクリプトと比較し,両者の適合度を評価することで,プロセスに対する (4) スクリプトは予測可能性と確実性を高めたり,役割遂行に必要とされる心的努力設を スクリプトは予測可能性と確実性を高めたり,役割遂行に必要!とされる心的努力量を 削減したりする ( L a n g e randImber, 1979; L a n g e randN巴wman,1 9 7 9 )。さらに,粉 神的疲労によるストレスの削減を可能にするために,スクリプトに基づく行動はプラス の感情的効果を持っている HumphreyandA s h f o r t h,1 9 9 4 )。 の感育的効果を持っている ( また,ひとたび行為者がスクリプトを学習すると,その行為者はもはや問題解決に従 事する必要はなくなり,思考を働かせることなく迅速に複雑な行為を遂行することがで きる。しかしながら,スクリプトによる思考を働かさない行為は,その行為が頻繁に繰 り返されるという状況の下では間違いを増加させる可能性もある ( L a n g e r and I m b e r, 1 9 7 9 ;L a n g e randNewman,1 9 7 9 )。そのような状況の下では,無意識に遂行すること によってモニタリングが省かれるために,因果連鎖における重要なステップを認識する ことなくそのステップを忘れてしまう可能性がある。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 2 1 サービスの広告に期待される役割j -425- 満足度を評価するのではないかと考えられる ( T a y l o randCrocker, 1 9 8 1 )。 経験する出来事とスクリプトの適合度が高ければサービスのプロセスに関する 満足度は高くなるであろうし,適合度が低ければ満足度は低くなるであろう。 そして,このプロセスに関する満足度と結果に対する満足度を総合すること で,消費者は消費したサービスに対する全体的な満足度を決定するであろう。 このような考え方は,期待不確認パラグイムにおける評価過程の考え方と一致 するものである。但し,期待不確認ノ fラダイムでは,量的な適合度で満足度が 決定されているが,スクリプトの定義から明らかなように,プロセスに関する 満足度は量的なもの以外の適合度に基づいて決定される。 消費者は彼らが学習したスクリプトに基づいてサービス・デリパリーに参加 し,さらにそれを基準として満足度を評価している場合,消費者とサービス提 供組織の従業員が異なるスクリプトを保持しているならば,サービス・デリパ リー及びそこにおけるサービス・エンカウンターの効果的Eつ効率的な展開は 阻害されるし,そこでの出来事は消費者及び従業員がそれぞれに保有するスク リプトからの逸脱したものとなり,両者がそれぞれに保有するスクリプトと出 来事との適合度は低くなるであろう。このことは消費者の不満足を高めるだけ でなく,従業員をも不愉快にするであろう。逆に,両者が同一あるいは類似し たスクリプトを保持している場合には,サービス・デリパリー及びそこにおけ るサービス・ヱンカウンターは効果的且つ効率的に行われ,両者とも満足感を 形成するであろう。 このようにスクリプトがサービス・デリパリー・プロセスにおける行動基準 (5) 経験あるいは出来事を保持するスクリプトから逸脱させ適合度を低下させる要因は, 消費者と従業員のそれぞれが保持するスクリプトの違い以外にもある。その つに,活 動が連続的に生起することを可能にする条件の欠如がある ( S c h a n k and A b e l s o n, 1 977)。例えば,銀行 rATMによる現金引出しサービスを利用する場合,もし ATMが 故障しているならば,そこで活動は中断し しまう。この場合, ATMの回復を待っか, あるいは窓口で引き出しをするかによって欠如している条件を補うことを要求される が,これらはスクリプトからの逸脱を意味している。このような逸脱に伴う待ち時間や 不便さは怒りゃいらいらにつながり,結果として消費者に不満を感じさせてしまうであ ろう。 τ OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ -426 香川大学経済論叢 6 2 2 及びその評価基準として働いているとすれば,サービス提供組織としては,消 費者と従業員に適切でしかも同一あるいは類似したスクリプトを学習・保持さ せるような戦略を策定・実施する必要があるであろう。そして,もしこのよう な戦略を効果的に展開できるならば,消費者の満足度を高めることができるば かりでなく,従業員の職務満足も高めてサービス・デリパリーの効果と効率を 高めることが可能となるであろう。また,サービス提供組織がその組織のサー ビスを消費する場合にのみ適切であるような独自のスクリプトを競争者よりも 早く消費者に学習・保持させることができるならば,消費者の競争者へのスイ ッチを抑制することができるであろう。それは,特定のサービス提供組織にの み適用可能な特殊なスクリプトを学習した消費者は,異なるスクリプトでサー ビス・デリパリーが展開される他のサービス提供組織を利用することで,保持 するスクリプトと出来事の不適合から不満足を感じやすくなるからである。ま た,その学習されたスクリプトの放棄はスイッチング・コストを発生させるこ とにもなるからである。 このように消費者の保持するスクリプトはサービス・デリパリー及びその評 価において重要な役割を果たすために,サービスの広告に期待される役割の一 価において重要な役割を果たすために,サービスの広告に期待される役割の一 つに消費者の記憶の中に適切なスクリプトを構築するということがある。特に 新規なサービスや非常に購買頻度の低いサービスの場合には,広告は消費者に スクリプトを学習させることにおいて重要な役割を果たすであろう。また,消 費者が不適切なスクリプトを形成している場合には,広告はそれらを修正する のに役立つであろう ( L e g gandBaker,1 9 8 7 )。広告によって消費者がサービス ・デリパリーにかかわる適切なスクリプトを学習するならば,サービス・デリ Eつ効率的に ノTリー及びそこで展開されるサービス・エンカウンターは効果的 進展するであろう。また,適切なスクリプトを学習することによって,サービ ス・デリパリー・プロセスに関する期待も現実に即したものとなり,プロセス に関して消費者が不満足を形成することも減少すると考えられる。 消費者に適切なスクリプトを学習させる効果的な手段としては,次章で検討 する劇化がある ( L e g gandBaker,1 9 8 7 )。消費者があるサービス提供組織のサ OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 2 3 サービスの広告に期待される役割l 427ー ーピスあるいはそのカテゴリー内のサービスをほとんど利用したことがない場 合,広告でサービス・デリパリー・プロセスで起こる出来事やその順序,消費 者と従業員の役割,背景などを劇化して見せることで,消費者に適切なスクリ プトを形成させることができるであろう。 4 購買意思決定過程における消費者の知覚リスクの削減 サービスには無形性,生産と消費の同時性,品質の標準化・均一性の困難性, 一過性などの特質があるが,これらの特質のために消費者は購入前にサービス の品質を推測・評価することが困難であるし,品質にかなりのバラツキと変動 のある代替案の中から選択しなければならない。さらに,購入したサービスに 問題があったとしても,苦情を出し難いということや保証を受け難いというこ ともある。そのため有体財よりもサービスの購買意思決定過程においての方 が,消費者は高いリスクを知覚するであろうと考えられる。その結果,消費者 は積極的に情報を探索し,購買に伴う不確実性を低減することで,リスクを削 減しようとするであろう(藤村, 1 9 9 0 )。 知覚リスクは購買前の意思決定過程において消費者が主観的に知覚するリス ク,すなわち特定の不確実な状況において不適当な購買意思決定を行った場合 に起こりうる種々の重大な損失についての消費者の知覚である。そして,この 知覚リスクは「不確実性(結果が好ましくないかもしれないということに対す る個人の主観的確信度 ) Jと「結果/賭け量(行為の結果が好ましくない場合に Jという 2次元で構成されるものとして捉えられている。そのた 失われるもの ) め知覚リスクの削減は 2次元のどちらか一方あるいは両方を低減することで達 成されると考えられるが,購買意思決定過程においては,消費者は不確実性を 低減することで知覚リスクを削減しようとする傾向があり,そこでは情報探索 が重要な役割を果たす。従って,知覚リスクは情報探索活動の範囲と程度を決 ( 6) 多くの研究者は「不確実性」と「結果(賭け量 )Jという 2次元で知覚リスクを捉えて いるが不確実性」と「重要性 J (Amdt,1967,Bettman,1 9 7 3 ),'不確実性」と「危 Schiffman, 1 9 7 2 ),あるいは「可能性」と「危険 J (Koganand 険J (Cunningham,1967, Wallach, 1 9 6 4 )という 2次元で知覚リスクを捉えている研究者もいる。 でl OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ -428 香川大学経済論議 6 2 4 定する重要な要因の一つである。 広告は不確実性を低減させるために消費者が用いることのできる情報源の一 つであるが,消費者は広告などのマーケタ一統制的コミュニケーション・チャ ネlレを他の情報源ほどには知覚リスク削減のための情報源としては重視しない Cox,1 9 6 7 )。その原因は広告自体の特性ばかりでなく,広告方法 傾向がある ( にもある。例えば,有体財と同様にサービスにもイメージ広告が用いられるこ とが多いが,無形なサービスを暖昧に表現することは消費者のサービス理解を さらに困難なものとし ( S h o s t a c k,1 9 7 7 ),知覚リスクを削減するのではなく逆 に高める方向に作用しているからである。消費者の知覚リスクを削減するとい う役割も広告に期待されるが,そのためには消費者のデリパリー・プロセスへ の参加の必要性のために複雑に見えるサービスを消費者にとって理解しやすい ものにするような広告が必要とされるであろう。サービスの広告手段と知覚リ スクの削減効果の関係についてはまだほとんど研究が行われていないが,後述 するような劇化によってスクリプトを消費者に学習させ,サービスの性質と品 質,サービス・デリパリー中に起こるであろう出来事などを予想しやすいもの にするというのも一つの方法であろう。また,サービスを関連のある有形物で 有形化し,消費者にとって理解しやすいものにするということも,知覚リスク の削減に効果があると考えられる。 5 消費者の不満足形成に影響を及ぼす原因帰属の管理 前述の期待不確認パラダイムでは,“期待>成果"という関係は不満足形成に 19 直接的に結び付くとされているが, B i t n e r( 9 0 )は期待と成果の不一致と不満足 形成とは原因帰属によって媒介されるというモデルを提示している(図 2参照)。 知覚リスクの大きさと情報探索抵の聞には,必ずしも直線的な比例関係が存在すると (7) 知覚リスクの大きさと情報探索量の聞には,必ずしも直線的な比例関係が存在すると は限らない。藤村 ( 1 9 9 1b )の調査結果では,知覚リスクの測定尺度に問題はあるが,両 者の聞に逆 U字型の関係が発見されている。すなわち知覚リスクがある水準以上に大 きくなると,その個人の情報処理能力あるいは情報探索によるリスク削減能力を超える ために,積極的な情報探索ではなく,他人(外部)への依存によってリスクを削減しよう とする傾向が強まるかもしれない。 事 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ サービスの広告に期待される役割l 6 2 5 -4 . 2 9- 原因帰属とは,人々が彼ら自身の行動,他人の行動,彼らが観察する出来事 などの背後にある原因として知覚するものであり,それはそれ以後の彼らの感 情 的 及 び 行 動 的 反 応 に 影 響 を 及 ぽ す と さ れ て い る (Folkes,1984;Folkes, Koletsky and Graham,1 9 8 7 )。原因帰属が全ての行動や出来事について無意 識に起こるかどうかは論争中であるが, Weiner(1985)は,期待していなかっ たネガティブな出来事の場合には特に,人々は無意識に原因推論を行うとして いる。また Weiner(1980)は,その詳細なレビューの中で,大部分の原因は以 下の 3つの次元で分類できると結論づけている。 Bitnerはこの 3次元と消費 者の不満足との関係を明かにするために実験的調査を行い 3次元は不満足度 に影響を及ぼすことを明かにしている。 図 E 原因帰属を組み込んだ満足形成モデル J(1990)“E v a l u a t i n gS e r v i c eE n c o u n t e r s : TheE f f e c t s o fP h y s i c a lS u r r o u n d i n g sa n dEmployeeR e s p o n s e s, "l o u r n a l0 1 Marketzng ,V o l5 4( A p r i l ),p . .7 1 一部加筆。 出 所 :B i t n 巴r ,M (8) B i t n e rは干記のような物語を作成し,対象者にロールプレイングをしてもらうこと で,発生した問題に対する説明の有無や旅行代理屈の物理的環境が消費者の満足,央目覚 品質及びそれ以後の行動に及ぼす影響を分析している。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ -4 43 30 0 - 香川大学経済論叢 香川大学経済論叢 6 2 6 6 2 6 (1)所在地:誰に責任があるか コントロール可能性:責任のある当事者は原因をコントローノレできたか ( 2 )コ ントロール可能性:責任のある当事者は原因をコントロールできたか 安定 定性 性: :原 原因 因は は再 再び 起 こ り そ う か ( 3 ) 安 原因帰属がこのような性質のものであるため,前述の B i t n e rのモデルは, 成果が期待以下というような状況が生じた場合,消費者はそれに対して不満足 を形成する前にその原因を突き止めようとし,そして知覚された原因の性質に よってそれ以後の不満足の評価や行動を修正するかもしれないことを示してい る。従って,このモデノレによると,サービス・デリパリーあるいはサービス・ エンカウンターにおいて重大な問題が生じた場合でも,従業員が詫びたり,補 さ, ;問 題 に 対 す る サ ー ビ ス 償を申し出たり,問題の原因を説明したりすることで 提供組織の責任や再度そのような問題が起こる可能性についての消費者の知覚 に影響を与え,消費者の不満足の程度を和らげることができるかもしれない ( B i t n e r,1 9 9 0 )。 ま た , 従 業 員 が そ の 問 題 の 原 因 は 組 織 内 部 に あ る の で は な く 外的なものにあると説明する(その従業員自身あるいはサービス提供組織以外 「ある消費者は,旅行代理屈を通じて,最も安価な往復航空券を購入する。しかし旅 行中に他の客との会話の中で,彼は最も安価な航空券を購入していないことを知る。そ して旅行後に,旅行代理屈に苦情を出しに行く。」 尚,分析結果の一部は以下の通りである。 ( a )企業が問題の原因をコントロールしている(問題の原因は企業にある)と知覚する 方が,そうでないと知覚するよりも対象者の不満足度は高かった。 ( b )問題が再び起こる可能性があると知覚する方が,失敗はまれな出来事であると信じ るよりも対象者の不満足度は高かった。 ( c ) 従業員が問題の原因は組織外の要因にあると説明する方が,組織内の要因にあると 説明する,あるいは説明しないよりも対象者が企業に失敗の原因があると考えるこ とが少なかった。 ( d )問題に対して何らかの説明を与え補償を提供することで,対象者が問題の原因を企 業がコントロールしていると考えることは減少した。しかし,説明がなされないで 補償だけを提供すると,対象者は企業が罪を認めたと捉えるので,彼らのコントロ ール帰属は増加した。 ( e ) 補償を提供することで,対象者の失敗の安定性(失敗が繰り返し起こる可能性があ ( e ) 補償を提供することで,対象者の失敗の安定性(失敗が繰り返し起こる可能性があ る)に対する知覚は減少した。 る)に対する知覚は減少した。 ( 9 ) a r v e y n d e a r y ( 1 9 8 4 ) ( 9 ) H H a r v e ya a n dW W e a r y ( 1 9 8 4 )は,発生した問題についての説明がなされない場合,消費 は,発生した問題についての説明がなされない場合,消費 者はその問題の原因のかなりの部分をサービス提供組織に帰属させるであろう,と論じ 者はその問題の原因のかなりの部分をサービス提供組織に帰属させるであろう,と論じ て てい いる る。 。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 2 7 サービスの広告に期待される役割 -431 の他のもの,あるいは他の人に責任を負わせる)ことによって,消費者にサー ビス提供組織はその問題を発生させるような原因を生み出していないと信じさ せ,不満足を形成させないようにすることができるかもしれない ( F o l k e s, 1 9 8 4 ;F o l k e s, K o l e t s k yandGraham,1 9 8 7 )。 B it n e rの提示するようなモデルに基づいて満足あるいは不満足が形成され ていると仮定するならば,広告は消費者の満足形成過程における原因帰属に影 響を及ぼし,不満足形成を抑制することも役割として持つかもしれない。特に サービスの広告においてはこの役割が期待されると考えられるが,それはサー ビス・デリパリー・プロセスでは人的相互作用であるサービス・エンカウンタ ーを伴うし,デリパリー・プロセスがサービス提供組織のコントロールできな い多くの要因に影響を受けるために,期待と成果の不一致や人的トラブノレが生 じやすいためである。広告で消費者の原因帰属に影響を与え,サービス・デリ パリー・プロセスで発生した問題の原因はサービス提供組織の統制範囲以外の ところにあることを消費者に知覚させることができるならば,期待と成果の不 一致を生じたとしても消費者の不満足度を最小限に抑えることができるかもし れない。例えば,前述のアメリカン航空の広告は,発着時間の遅れの原因は空 港の超過密夕、イヤにあることを説明しているので,たとえアメリカン航空の発 着時間が遅れたとしても消費者はその原因は組織外の要因にあると知覚し,そ のような広告が実施されていない場合にアメリカン航空に対して抱くほどの不 満足を形成しないかもしれない。しかしながら,サービスの広告と原因帰属の 関係については未だ研究されていない分野であり,広告に期待される原因帰属 の管理という役割とその効果についてはまだ仮説段階にすぎない。また,たと え広告が原因帰属に影響を及ぼし,それによって期待と成果の不一致が発生し た消費者の不満足の程度を抑制できるとしても,不一致や問題の発生原因がサ ービス提供組織内にある場合やサービス提供組織がコントロール可能な場合に は,そのような広告はその消費者個人ばかりでなく社会的にもマイナスの効果 をもたらす危険性がある。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 一 432 香川大学経済論叢 香川大学経済論議 6 2 8 B 従業員に適切なスクリプトや行動基準の提供 サービスは従業員,消費者,物理的環境の聞の相互作用によって生み出され るために,サービスの品質は従業員と消費者の行動,及び物理的環境の質に依 存している。サービス・デリパリー・プロセスに占めるサービス・エンカウン ターの割合が高い場合には,従業員と消費者の相互作用のあり方が消費者のサ ービス品質に対する知覚に重大な影響を及ぼす。その場合,前述のように従業 員と消費者が同じスクリプト(台本)を持っていれば,同じ台本で練習した役者 間での演劇がスムーズに進行するように相互作用もスムーズに行われるであろ うが,お互いが異なったスクリプトを持っていれば,異なった台本で練習した 役者間では演劇を行うことができないように相互作用もスムーズに行うことは できないであろう。このようなことから,従業員と消費者が同じスクリプトを 保有するようにしなければならない。この意味、で,広告などによって,消費者 保有するようにしなければならない。この意味で,広告などによって,消費者 ばかりでなく従業員にもスクリプトを学習させることは重要である。 また,サービス・デリパリー・プロセスにおいては,消費者と直接接触する 従業員(接客員)はサービスの生産者であるばかりでなく,マーケター,サービ ス・エンカウンターの管理者,苦情処理者,情報提供者,情報収集者などの役 割も果たすことからも,彼らに適切なスクリプトや行動基準を学習させること は重要である。このように従業員,特に接客員はサービス・デリパリー・プロ セスにおいて重要な役割を果たすために,サービスの広告にとって彼らは第二 セスにおいて重要な役割を果たすために,サービスの広告にとって彼らは第二 の重要な視聴者である ( G e o r g ea n dB e r r y,1 9 8 1 ) 0S a s s e ra n dA r b e i t ( 1 9 7 6 ) は,サービス提供組織が成功するためには,サービスを消費者に販売する前に, まず従業員に職務を販売しなければならない,と論じているが,広告は職務販 売のための重要なツーノレとなるであろう。すなわち広告は接客員や他の従業員 を動機づけたり,教育したり,あるいはコミュニケーションを行うためのツー ルともなる 。消費者が購入するものは接客員及び、他 ( G e o r g ea n dB e r r y,1 9 8 1 )。消費者が購入するものは接客員及び他 の従業員の行為あるいはパフォーマンスであるので,サービスの広告には消費 者とのコミュニケーションだけではなく,従業員の行為あるいはパフォーマン スを高めるようなコミュニケーションも期待される。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 2 9 サービスの広告に期待される役割 サービスの広告に期待される役割 -4 43 33 3 広告の中で実際の接客員や他の従業員が仕事をしているところを映したり, サービス・デリパリー・プロセス全体における彼らの役割の位置づけを説明し たりすることで,従業員に彼らの職務の重要性を伝達・認識させることができ るであろう。また,広告の中でサービス提供組織が設定したサービス・コンセ プトとサービス水準を説明したり,それらに適合したサービスをデリパリーす るのに必要な行動をとっている接客員や他の従業員の姿を描くことで,従業員 に彼らが従うべき行動基準を提示することができるであろう。例えば,カ?ン ターの若い女性が笑顔で消費者に対応している姿を描いたファーストフード庄 の広告は,消費者にそのような対応が受けられるという期待を形成させるばか りでなく,多くのアルバイト女性に彼女達の役割ととるべき行動を理解させる ことに役だったであろう。 さらに,市場に流す前にそのような広告を従業員に視聴させること、で,従業 員の不満を解消したり,サービス提供組織が従業員に遂行することを期待する 行為や役割のための準備を彼らに行わせることがごきる。従業員が共通に持つ 行為や役割のための準備を彼らに行わせることが?きる。従業員が共通に持つ 不満の中に,サービス提供組織があるサービスや便益を約束するような広告を 消費者に対して実施する前に,その広告内容に関する情報を従業員に提供して いないということがある ( B e r r y,Z e i t h a m landParasuraman,1 9 8 5 )。 その場合,事前に情報を与えられていない従業員が消費者から広告で訴求され ているサービスのことを尋ねられると,その従業員は無視されていると感じる い消費者に対処することもできないだろう。このような状況は従業員のモチ し,消費者に対処することもできないだろう。このような状況は従業員のモチ ベーションと職務遂行に対する満足度を低下させるばかりでなく,広告でサー ビスに関心を抱いた消費者をも失望させることになる。従って,オン・ヱア前 に従業員に広告を試聴させるということは,彼らにサービス・コンセプトやサ }ビス水準に関する情報を提供い共通の行動基準やスクリプトを持たせ,さ ン,共通の行動基準やスクリプトを持たせ,さ }ビス水準に関する情報を提供 l らにそのようなサービスを提供するための準備をさせるという点で重要であ る。そして,それによってサービス提供組織が広告で消費者に約束するものと る。そして,それによってサービス提供組織が広告で消費者に約束するものと 実際に提供するものとのギャップを縮小することができ,消費者と従業員の両 実際に提供するものとのギャップを縮小することができ,消費者と従業員の両 者を満足させることができるであろう。 者を満足させることができるであろう。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 4 3 4 4 3 4 香川大学経済論叢 香川大学経済論宣言 6 3 0 6 3 0 I 期待される役割遂行のための手段 期待される役割遂行のための手段 I I I 1 広告におけるサービスの鮮明化の方法 広告におけるサービスの鮮明化の方法 1 サービスの広告には前述のような役割が期待されるが,そのような役割を果 サービスの広告には前述のような役割が期待されるが,そのような役割を果 たすための手段としてはどのようなものがあるのであろうか。この分野の研究 たすための手段としてはどのようなものがあるのであろうか。この分野の研究 は少ないが,ここでは鮮明化の観点から検討していきたい。 は少ないが,ここでは鮮明化の観点から検討していきたい。 鮮明化とは,広告の中で鮮明な情報を用いることで,受手の五感に強烈で、明 鮮明化とは,広告の中で鮮明な情報を用いることで,受手の五感に強烈で、明 確な印象を与え,明瞭な心的イメージを作り出そうとするものである。鮮明化 によって消費者のサービス理解や適切な期待形成を援助し,さらにそれによっ て選択意思決定過程における消費者の知覚リスクを削減できるであろう。ま た,消費者と従業員の両者に適切なスクリプトを提供することも可能であろ つ 。 広告でサービスを鮮明化する方法としては,次のようなものがある ( L e g g andBaker,1 9 8 7 ; Zeithaml,1 9 9 0 )。 (1)関連性のある有形物でサービスの象徴化 これはカンタス航空がコアラ・べアを用いているように,関連性のある有形 物でサービスを象徴化する方法である ( B e r r yand Clark,1 9 8 6 )。関連性のあ る有形物をサービスと結び付けることで,消費者はサービスを理解しやすくな B e r r y,1 9 8 4 )。保険会社が“傘"や“手"のような有形物を広告に用いて る( ( ( 1 1 0 ) 鮮明化以外にも,広告が期待される役割を果たすための方法はある、であろう。例えば, 鮮明化以外にも,広告が期待される役割を果たすための方法はある、であろう。例えば, J レー ール 消費者から見えない舞台裂で提供サービスの品質向上のためのオペレーションやJ 消費者から見えない舞台裂で提供サービスの品質向上のためのオペレーションや レ が設定されている場合,消費者にそれらを伝達することも彼らにサービス品質の指標と が設定されている場合,消費者にそれらを伝達することも彼らにサービス品質の指標と して利用可能な情報を提供することになるであろう ( ( L e g ga a n dB B a k e r ,1 1 9 8 7 )。病院が看 。病院が看 して利用可能な情報を提供することになるであろう L e g g n d a k e r , 9 8 7 ) 護婦のベッドサイド・マナーの向上あるいは患者理解のためのセミナーを毎月開催し, 護婦のベッドサイド・マナーの向上あるいは患者理解のためのセミナーを毎月開催し, 看護婦に参加することを義務づけている場合,病院はそれらを消費者に伝達すること 看護婦に参加することを義務づけている場合,病院はそれらを消費者に伝達すること で,彼らに競争者との違いを判断する基準を提供できるかもしれない。 で,彼らに競争者との違いを判断する基準を提供できるかもしれない。 比較広告もサービスの性質と品質を消費者に理解させたり,消費者が形成している誤 比較広告もサービスの性質と品質を消費者に理解させたり,消費者が形成している誤 った期待を修正したりするのに有効であるかもしれない。例えば,フェデラ l レ・エクス レ・エクさ った期待を修正したりするのに有効であるかもしれない。例えば,フエデラl プレスは事業開始時に,“時間どおりの配送"に関しては既存の競争企業よりもブエデ プレスは事業開始時に,“時間どおりの配送"に関しては既存の競争企業よりもブエプ ラ ラル ル・ ・エ エク クス スプ プレ レス スの の方 方が が優 優れ れて てい いる ると とい いう う市 市場 場調 調査 査の の結 結果 果を を広 広告 告に に用 用い いて てい いる る ( B a t e s o n , 1 9 9 1 ) ( B a t e s o n , 1 9 9 1 )。 。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ サービスの広告に期待される役割 6 3 1 ~435 いるのもこの方法の例であり,保護を象徴する有形物を保険保護という無形な サービスと関連させることで,消費者がそのサービスを理解するのを援助して G e o r g eandBeny,1 9 8 1 )。 いる ( ( 2 )サービス・デリパリー・プロセスで用いられたり,その環境を形成したり している有形なものを広告に利用 これはサービス・デリパリー・プロセスで用いられている有形なものを広告 に用いる方法である。銀行の広告に銀行の代理石の柱やゴーノレド・クレジット ・カードが用いられるのは,この方法例である。但し,この方法を広告に用い て効果的に実施するには,それらの有形物の設置や管理に責任のある他の機能 との調整とコミュニケーションが必要とされる。 ( 3 ) 具体的な言葉での説明 これは抽象的な言葉ではなく,具体的な言葉でサービスを説明する方法であ る。例えば,投資管理という無形のサービスを「完全な分析 J Iポートフォリ オの注意深い監視 J I強力な調査能力」というような言葉で抽象的に表現する と,消費者のサービス理解を妨げることになるし ( S h o s t a c k,1 9 7 7 ),さらに消 費者がそれらの表現を多様に解釈して過剰な期待を形成する可能性がある。同 様に,有形なものを映した写真やサービス・マークを描いた絵なども消費者に L u t z 多様な解釈の余地を与え,消費者に誤った理解をさせる可能性がある ( a n dL u t z,1 9 7 8 )。しかし,具体的な言葉で説明することによって,消費者が その広告やサービスを多様に解釈・理解することを防ぐことができるであろ フ 。 ( 4 ) 劇 化 これは広告の中でサービスの成果や便益を劇で表現し,消費者がサービス・ デリパリー・プロセス,従業員と消費者の役割,サービスの最終的結果などを d r a m a t u r g y )という概念は, 理解するのを援助するものである。元々,劇作法 ( OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 4 3 6 4 3 6 香川大学経済論議ー 香川大学経済論叢 6 3 2 6 3 2 G G r r o o v v e ea a n n d dF F i i s s k k( ( 1 1 9 9 8 8 3 3 ) )によってサービス・エンカウンターを分中斤するための によってサービス・エンカウンターを分中斤するための e g g n d a k e r 1 9 8 7)は消費者のサ 枠組みとして論じられたものであるが, 枠組みとして論じられたものであるが, L L e g ga a n dB B a k e r( ( 1 9 8 7)は消費者のサ ービス理解にも適用、できると論じている。劇作法は象徴的相互作用主義のサブ ービス理解にも適用ごきると論じている。劇作法は象徴的相互作用主義のサブ 理論?あり,サービス・ヱンカウンターに存在する要素を背景,聴衆,演技チ 理論、ごあり,サービス・ヱンカウンターに存在する要素を背景,聴衆,演技チ ーム,舞台裏などの劇制作用語で記述し,これらの要素を統合することで,サ ーム,舞台裏などの劇制作用語で記述し,これらの要素を統合することで,サ ービス・エンカウンターを記述しようとするものである。 劇化戦略の例としては,クレジット・カードの広告"C',海外でクレジット・ 劇化戦略の例としては,クレジット・カードの広告"C',海外ごクレジット・ カードを紛失したビジネスマンがカード会社に電話をかけることですぐに新カ カードを紛失したビジネスマンがカード会社に電話をか付ることですぐに新カ ードの発行を受けられたという状況や,カードで購入した商品が持ち帰り中に 不慮、の事故で破損したが,カード会社に電話をかけることでその商品が補償さ 不慮の事故で破損したが,カード会社に電話をかけることでその商品が補償さ れたという状況を描いたものを挙げることができる。このようにサービス・デ れたという状況を描いたものを挙げることができる。このようにサービス・デ リパリーに関してある特定の個人に起こったことをケースとして劇化すること で,消費者はそのサービスの性質や品質を理解しやすくなるし,サービス・デ で,消費者トはそのサービスの性質や品質を理解しやすくなるし,サービス・デ リパリーに必要なスクリプトを学習しやすくなるであろう。 ( 5 ) 相互作用的イメージの活用 p a i r e da s s o c i a t i o n )を利用して情報の鮮明化を高める方法として, 対連合 ( t e r a c t i v e i m a g e r y )の活用がある。イメージとは概念 相互作用的イメージ(in あるいは関係の表象化を含む心的イベントであり ( L u t zand L u t z,1 9 7 8 ),相 互作用的イメージはこの概念を拡張したものである。相互作用的イメージは相 互作用関係にあるこつのものを描写的に統合し,結果として想起を高めるもの である ( A l e s a n d r i,1 9 8 3 )。 対連合学習に関する研究によって,相互作用関係にある絵の提示は学習を容 対連合学習に関する研究によって,相互作用関係にある絵の提示は学習を容 ,1 。情報処理の観点か 易にすることが明らかにされている ( A l e s a n d r i n i, 9 8 3 )。情報処理の観点か 易にすることが明らかにされている らも,対連合の利用は認知的同化と記憶からの検索を促進すると考えられる らも,対連合の利用は認知的同化と記憶からの検索を促進すると考えられる ( ( L L e e g g g ga a n n d dB B a a k k e e r r , ,1 1 9 9 8 8 7 7 ) ) L L u u t t z za a n n d dL L u u t t z z( ( 1 1 9 9 7 7 7 7 ) )は,イエロー・ページ広告で は,イエロー・ページ広告で 0 0 相互作用的イメージの効果を調査し,相互作用的表現は非相互作用的表現より 相互作用的イメージの効果を調査し,相互作用的表現は非相互作用的表現より も会社あるいはブランド名の想起を容易にする,という結果を得ている。相互 も会社あるいはブランド名の想起を容易にする,という結果を得ている。相互 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ サービスの広告に期待される役割J サービスの広告に期待される役割 6 3 3 -437 作用的表現によって相互作用的イメージを形成することは,企業(あるいはブ ランド)名と提供サービスの想起を容易にするので,品質伝達のための効果的 L e g gandBaker,1 9 8 7 ;Z e i t h a m l,1 9 9 0 )。 な手段であるかもしれない ( 相互作用的表現を用いた方法には,次の三形態がある ( L e g g and Baker, 。 1 9 8 7 )。 ( a ) 絵(ロゴ)による,サービス提供組織あるいはサービス名と提供サービス の相互作用を利用 ( b ) 言葉による,サービス提供組織あるいはサービス名と提供サービスの相 互作用を利用 ( c ) サービス提供組織あるいはサービス名を構成する文字の一部を強調する ために,サービスを示す絵に加工 ために,サービスを示す絵に加工 ( a )の形態の例としては,口に荷物を入れて飛んでいるペリカンの姿を描い た日本通運株式会社のペリカン便のロゴを挙げることができる。このロゴの想 起はサービス名(ペリカン便)とその提供サービス(注意深い輸送)をも想起 させる?あろう。 ( b )の形態の例としては,非破壊検査工業や日本人材サービ させるごあろう。 スのような,提供サービス内容がサービス提供組織名になっているものを挙げ 織名になっているものを挙げ スのような,提供サービス内容がサービス提供手ι ることができる。また, ( c )の形態の例としては, " P u r c e l lEmploymentAgency" という企業が P u r c e l lという綴りの中のこつの“1 "を整列しているご人の労働 者の姿に加工しているものを挙げることができる ( A l e s a n d r i n i,1 9 8 3 )。この場 合,企業名と提供サービスの聞に相互作用がある。 ( 6 )強し〉感情の想起 AT&Tの“誰かと連絡を取って,触れ合おう"という成功したキャンペー ンのように,強い感情を喚起してサービスのイメージを形成させる方法であ る 。 J J R東海の以前の広告キャンペーンである“シンデレラ・エクスプレス"“ア リスのエクスプレス"“プレイパック・エクスプレス"“ハックノレペリー・エク スプレス"“ホームタウン・エクスプレス"“クリスマス・エクスプレス"など も劇化であると同時に,強い感情を喚起させるものであった。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 香川大学経済論叢 ~438 6 3 4 例えば,プレイパック・エクスプレス・キャンペーンの,高校時代に仲の良 かった仲間が久しぶ、りに一同に集まった新幹線プラットホームを描いた映像と “1 0 0万四電話で「愛してる」って言うよりも, 1 0 0万枚便筆に「元気だよ」 って書くよりも,君の目を見て「久しぶり」とひとこと言った方が,僕の気持 ちが伝わるに決まっている"というナレーション・コピーは,若者達の聞に強 い感情を喚起し, JR東海という企業とそのサービスに対するイメージを高め たであろう。さらに,クリスマスの約束の日に帰って来る恋人をひとりプラッ トホームで待つ女性を描いた映像,パックミュージックの山下達郎の「クリス マス・イブコ,“帰って来るあなたが,最高のプレゼ、ント"というナレーション マス・イブン,“帰って来るあなたが,最高のプレゼント"というナレーション を組み合わせたクリスマス・エクスプレスのキャンペーンも,若者の心に J R J 東海のイメージを形成することに貢献したであろう。 2 広告における鮮明化の効果に影響を及ぼす要因 鮮明化によって消費者のサービス理解やスクリプト学習を援助する方法とし ては前述のようなものがあるが,各方法の効果はさまざまな要因に依存してい る。例えば, Legg a nd Baker( 1 9 8 7 )は鮮明化に関する仮説の中で,各鮮明化 方法の効果に影響を及ぼす要因として,次の 4つを挙げている。 ( 1 ) サービスのタイプ Legg and Bakerは L o v e l o c k( 19 8 4 )のサービス受容者とサービスの性質に よるサービス分類法に基づいて,レストランや理容庖のような有形な結果を伴 うサービスの場合には,サービス・デリパリー・プロセスあるいはサービス消 費によって得られる便益の劇化が適切で、ある,という仮説を立てている。一方, 費によって得られる便益の劇化が適切である,という仮説を立てている。一方, 教育や法律サービスのような無形な結果を伴うサービスの場合には,劇化でき るサービス・デリパリー・プロセスや便益は限られているので,具体的な言葉 での表現の方が適切であろうとしている。 しかしながら,レストランや理容庖に関しては消費者も利用経験が豊富であ り,そこでの結果やデリパリー・プロセスで必要とされるスクリプトをかなり OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 3 5 6 3 5 サービスの広告に期待される役割 サービスの広告に期待される役割 l 4 3 9 ー 4 3 9 ー の程度に理解しているので,劇化する必要性が高いとは言えない。一方,教育 の程度に理解しているので,劇化する必要性が高いとは言えない。一方,教育 や法律サービスの場合には,消費者の利用経験は少なしそこでの結巣やデリ や法律サービスの場合には,消費者の利用経験は少なしそこでの結巣やデリ ノてリー・プロセスで必要とされるスクリプトを十分に理解・学習していないの ノてリー・プロセスで必要とされるスクリプトを十分に理解・学習していないの ぞ,消費者にそれらを行わせるには劇化が有効であるとも言えるであろう。従 ぞ,消費者にそれらを行わせるには劇化が有効であるとも言えるであろう。従 っ て , L のサービス分類よりも,利用頻度やサービス・デリパリーに っ て , o v e l o c kのサービス分類よりも,利用頻度やサービス・デリパリーに 必要とされるスクリプトの学習度によるサービス分類の方が,各鮮明化方法の 必要とされるスクリプトの学習度によるサービス分類の方が,各鮮明化方法の 有効性の検討には意味があると考えられる。 有効性の検討には意味があると考えられる。 ( 2 ) 媒体のタイプ k e rは,劇化はテレビ広告の場合に最も効果的であり,印刷広 は,劇化はテレビ広告の場合に最も効果的であり,印刷広 LeggandBak e r 告の場合には最も効果がないであろう,という仮説を立てている。また彼らに よると,関連性のある有形物でのサービスの象徴化はテレビと印刷広告には非 常に向いているかもしれないが,ラジオ広告では適切ではないかもしれない。 さらに,具体的な言葉での表現はテレビ,ラジオ,印刷広告のどれにでも用い ることができるが,特に,印刷とラジオ広告で有益であるかもしれない。 ( 3 ) 認知的同化の存在とタイプ 鮮明化に用いられる有形物や具体的な言葉を消費者がどのように同化してい るのかということも,各方法の効果に影響を及ぼすであろう。例えば,メリノレ ・リンチは全ての広告に雄牛を用いているが,雄牛の同化が危険あるいは楽天 的な行動を示すならば,ネガティブな見解がメリル・リンチに転化されるかも しれない。逆に,雄牛の認知的同化が強さと勇気を意味するならば,それらの ポジティブな属性がメリノレ・リンチに結び付けられるかもしれない。 ( 4 ) ( 4 ) サービスの新規性 消費者の理解を助けるような広告の必要性は,サービスの新規性によって変 消費者の理解を助けるような広告の必要性は,サービスの新規性によって変 わるかもしれない。新規サービスの場合には,消費者にサービスを理解させる わるかもしれない。新規サービスの場合には,消費者にサービスを理解させる ための鮮明化は非常に重要であるし,効果も高いて、あろう。しかし,新規性が ための鮮明化は非常に重要であるし,効果も高いであろう。しかし,新規性が OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 44 40 4 0- 6 3 6 6 3 6 香川大学経済論叢 香川大学経済論叢 薄れるにつれて,その重要性と効果は低下するかもしれない。 薄れるにつれて,その重要性と効果は低下するかもしれない。 これらの要因が各鮮明化方法の有効性に対してどのような影響を及ぼすの これらの要因が各鮮明化方法の有効性に対してどのような影響を及ぼすの か,また,これ以外の要因で有効性に重大な影響を及ぽすものはないのか,な か,また,これ以外の要因で有効性に重大な影響を及ぽすものはないのか,な どは今後の研究課題であるが,これらが明かになることでサービスの広告の効 どは今後の研究課題であるが,これらが明かになることでサービスの広告の効 果は高まると期待される。 果は高まると期待される。 W おわりに W 近年におけるサービス経済化の進展は著しいが,本稿では,サービスの広告 に期待される役割とその遂行方法について考察を行った。サービスそれ自体と そのデリパリー・プロセスの特質のために,消費者は購買意思決定過程でサー ビス品質を理解したり,期待を形成したりするのが困難であるばかりでなく, 高いリスクを知覚する。さらに,サービス・デリパリーには消費者の参加は必 要不可欠で、あるし,多くの場合には消費者と従業員の間でサービス・エンカウ 要不可欠であるし,多くの場合には消費者と従業員の間でサービス・エンカウ ンターが展開されるために,従業員ばかりでなく消費者もそれらを効果的かっ ンターが展開されるために,従業員ばかりでなく消費者もそれらを効果的かつ 効率的に展開できるようなスクリプトや行動基準を学習していることが必要と される。そのためサービスの購買意思決定過程では,購買意思決定に伴う問題 を解決するための情報はもちろんのこと,サービス・デリパリーやそこにおい て展開されるサービス・エンカウンターを効果的かつ効率的に遂行するための 情報も必要とされる。 広告は,サービスの購買意思決定過程で消費者が必要とする情報を提供する ことのできるツ}ルであるので,消費者の情報ニーズに対処できるように工夫 ことのできるツールであるので,消費者の情報ニーズに対処できるように工夫 されなければならない。しかし,サービス提供組織のマーケティングにおいて されなければならない。しかし,サービス提供組織のマーケティングにおいて は,広告だけが消費者とコミュニケーションを行い,それらの問題に対処する ことができるツールというわけではない。サービスは消費者,従業員,物理的 ことができるツールというわけではない。サービスは消費者,従業員,物理的 環境の聞の相互作用過程で生成されるものであり,またその相互作用過程もサ 環境の聞の相互作用過程で生成されるものであり,またその相互作用過程もサ ービスという製品を構成する要素であるために,相互作用過程で消費者が五感 ービスという製品を構成する要素であるために,相互作用過程で消費者が五感 で感じることができるすべてのものが,購買意思決定過程及びサービス・デリ で感じることができるすべてのものが,購買意思決定過程及びサービス・デリ ノTリー・プロセスで消費者が必要とする情報を提供できる司、能性を持ってい パリー・プロセスで消費者が必要とする情報を提供できる可能性を 持ってい h OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 3 7 6 3 7 サービスの広告に期待される役割 サービスの広告に期待される役割 4 4 1 ー 4 4 1 ー る。価格や周辺的手掛かり(物理的証拠,参加者,デリパリー・プロセス) る。価格や周辺的手掛かり(物理的証拠,参加者,デリパリー・プロセス),統 ,統 制は困難で、あるが口コミも,サービス提供組織が消費者とコミュニケーション 制は困難で、あるが口コミも,サービス提供組織が消費者とコミュニケーシヨン を行うために用いることができるツールである。これらは,サービスの性質と を行うために用いることができるツールである。これらは,サービスの性質と 品質の推測に利用可能な手掛かりを提供し,またスクリプトの学習に必要な情 品質の推測に利用可能な手掛かりを提供し,またスクリプトの学習に必要な情 報も提供するという点で,重要なコミュニケーション・ツールである。 l レである。 報も提供するという点で,重要なコミュニケーション・ツー 広告は消費者が購買意思決定過程で利用できる情報源の一つにすぎないが, 広告は消費者が購買意思決定過程で利用できる情報源の一つにすぎないが, 広告は,価格,物理的証拠,参加者などの他の情報源よりも,消費者に多様な 広告は,価格,物理的証拠,参加者などの他の情報源よりも,消費者に多様な 情報を正確に提供することができる。さらに消費者だけでなく,サービス提供 情報を正確に提供することができる。さらに消費者だけでなく,サービス提供 組織の従業員にも重要な情報を提供することができる。また物理的証拠,参加 者,プロセスなどの周辺的手掛かりは,実際にサービス施設を訪れた消費者し か利用できない情報源であり,標的市場の潜在的消費者とコミュニケーション を行うことはできない。 サービス提供組織のマーケティング戦略において,広告は多くの重要な役割 を果たすことを期待されているが,サービスの広告に関する研究はほとんど行 われていない。そればかりでなく,サービスの広告の消費者に対する効果を研 究するための基礎となる,サービスの消費者行動に関する研究もほとんど行わ れていない。本稿は,サービスの消費者行動とサービスの広告に関する研究の 第一歩である。今後の課題としては,広告に期待され役割を適切に遂行できる ような方法を消費者行動やサービス・デリパリ)・プロゼスの効果・効率の観 ような方法を消費者行動やサービス・デリパリー・プロゼスの効果・効率の観 点、から実証的に研究していくことがあるであろう。 F 用いた消費者行動モデノレは,多くの消費者行動に関するモテソレ また,本稿で用いた消費者行動モデノレは,多くの消費者行動に関するモデル また,本稿で の中の一部に過ぎない。消費者の心あるいは頭の中はいまだに固く閉じられた の中の一部に過ぎない。消費者の心あるいは頭の中はいまだに固く閉じられた ブラック・ボックスであるために,どのモデ、ルが正しいとは言えない。我々は ブラック・ボックスであるために,どのモデルが正しいとは言えない。我々は ブラック・ボックスに対するインプットとなされた意思決定(アウトプット) ブラック・ボックスに対するインプットとなされた意思決定(アウトプット) を観察できるにすぎず,実際にプロセスがどのように起こっているかを知るこ を観察できるにすぎず,実際にプロセスがどのように起こっているかを知るこ ( B B a a t t e e s s o o n n , , 1 1 9 9 9 9 1 1 ) )。従って,他の消費者行動に関するモデノレを用 。従って,他の消費者行動に関するモデノレを用 とはできない とはできない ( いることで,異なった方向から広告に期待される役割や方法,および消費者行 いることで,異なった方向から広告に期待される役割や方法,および消費者行 動に対する広告効果などを検討してみることも必要であろう。 動に対する広告効果などを検討してみることも必要であろう。 OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ -442- 香川大学経済論叢 6 3 8 参考文献 。 向 A b b o t t,V andJ B .B l a c k( 1 9 8 0 ),TheR e t r e s e n t a t z o i fS c r i t t sz nMemo γ e y ,C o g n i t i v e ,Y a l eU n i v e r s i t y,C o g n i t i v eS c i e n c eProgram S c i e n c eT e c h n i c a lR e p o r t5 A l e s a n d r i, K L ( 1 9 8 3 ),“ S t r a t e g i e s That I n f l u e n c e Memory f o r A d v e r t i s i n g Comr 仰 向i c a t i o n s, "i nR J H a r r i s( e d ),I r . げo r m a t z o 河 P roC-es s z 月i gR e s e a r c h z n A d v e r t z s z n ιLawrenceErlbaumA s s o c i a t e s,p p 65-82 Anderson, R( 1 9 7 3 ) “ ,ConsumerD i s s a t i s f a c t i o n : TheE f f e c to fD i s c o n f i r m e dE x p e c t a n c y on P e r c e i v e 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W e i n e r , B 1 9 8 0 ) , H u m a n M o t i v a t z o n , N e w Y o r k o l t , R i n e h a r t , a n d W i n s t o n . 田 羽 T e i n e r , B .α ( 1 9 8 5 ) , “S p o n t a n e o u s 'C C a u s a lT h i n k i n g ,"九戸 h o l o i c a lB l l e t i n ,V V 0 19 9 7( ( 1 ) , 叫 B 9 8 5 ) ,も p o n t a n e o ぱ a u s a lT h 凶 n g ,"九戸川 ' g i c a lB u , U 伽, ol 7 1 ) , W e i p p . 7 4 8 4 p p . 7 4 8 4 W e s t b r o o k , RA A .a a n dM M .D DR R e i 1 y( ( 1 9 8 3 ) , “V V a l u e P e r c e p tD D i s p a r i t y :A A nA A l t e r n a t i v et t o , R . n d . e i l l y 1 9 8 3 ) , “ a l u e P e r c e p t i s p a r i t y : n l t e r n a t i v e o W e s t b r o o k t h eD D i s c o n f i r m a t i o no o fE E x p e c t i o n s τ h e o r yo o fC C o n s u m e rS S a t i s f a c t i o n , "i i nR RP P , " n t h e i s c o n f i r m a t i o n f x p e c t at n sτ h e o r y f o n s u m e r a t i s f a c t i o n AM MT T y b o u t( ( e d s ) , A d vanc e si i nC C o n s u m e rR R e s e a r c h , p p .2 2 5 6 2 6 1 B a g o z z ia a n dA B a g o z z i n d y b o u t e d s ) , A d v ι s n o n s u m e r e s e a r c h , p . 5 6 2 6 1 , VA A( ( 1 9 9 0 ) , “C C o m m u n i c a t i n gw w i t hC C u s t o m e r sa a b o u tS S e r v i c eQ Q u a l i t y , "i i nD DE E Z e i t h a m l Z e i t h a m l , V 1 9 9 0 ) , “ o m m u n i c a t i n g i t h u s t o m e r s b o u t e r v i c e u a l i t y , " n B o w e r , RB BC C h a s e , TG GC C u m m i n g sa a n dA A s s o c i a t e s( ( e d sl l , S e r v z αM M a n a g e m e n t B o w e r , R h a s e , T u m m i n g s n d s s o c i a t e s e d s . , S e r v z α a n a g e m e n t E f f e a i v e s s ,J J o s s 巴 y B a s sP u b l i s h e r s , p p .3 3 6 9 3 8 3 E β ' e c t e n e s s , o s s 巴 y B a s sP u b l i s h e r s , p p . 6 9 3 8 3 藤村和宏 ( ( 1 9 9 5 ) ,,顧客のサービス・デリバリー・プロセスへの参加と品質評価一医療サー 藤村和宏 1 9 9 5 ) ,,顧客のサ ビス・デリバリー・プロセスへの参加と品質評価一医療サー ピスにおける外来及び入院患者の評価を中心として ピスにおける外来及び入院患者の評価を中心として J J , ,W W 香川大学経済論叢 香川大学経済論叢h h 第 第6 6 8 8 巻第 1 1号 号 , 1 1 1 9 1 7 2頁 頁 。 巻第 , 1 9 1 7 2 。 藤村和宏(1 9 9 4 ),, ,, サ ビスの生産過程とオペレーシヨン ビスの生産過程とオペレーシヨンJJ,サービス企業生産性研究委員 ,サービス企業生産性研究委員 藤村和宏(1 9 9 4 ) サ 会編『サービス企業生産性向上のために~,社会経済生産性本部, 2 2 9 6 6頁 頁 。 会編『サービス企業生産性向上のために~,社会経済生産性本部, 9 6 6 。 藤村和宏(1 9 9 2 ),,顧客満足戦略における消費者満足概念 , ,顧客満足戦略における消費者満足概念J, ,広島大学経済論叢』第 1 6巻 巻 藤村和宏(1 9 9 2 ) I広島大学経済論叢』第 1 6 第 3号 号 , 1 41-179頁 。 , , サ ビスの特質とザービス・マーケティング、理論の必要性 J, I広島大 藤村和宏 ( 1 9 9 1a, ) ,サービスの特質とザービス・マーケテインク、理論の必要性 頁 。 学経済論叢 J,第 1 4巻第 3・4号 , 1 85-216賞 藤村和宏(19 9 1b) ,, サ ビス消費に伴う知覚リスクの情報探索活動に対する彩特貸衣裳 , ) ,サービス消費に伴う知覚リスクの情報探索活動に対する彩特ー貸衣裳 Jし 、として J, I広島大学年報経済 応利用におけるリスク知覚と情報探索活動を中 応利用におけるリスク知覚と情報探索活動を中心、としてー 学!,第 2巻 , 47-66頁 。 学h 第 1 藤村和宏(19 9 0 ),, サ ビスの消費行動における知覚リスクの役割 J, r 六甲台論集 h 第 3 7 ,,サービスの消費行動における知覚リスクの役割 巻第 , 0一7 -71 。 巻第 l l号 号 , 5 5 0 1頁 頁 。