Comments
Description
Transcript
Vol.123掲載 クローズアップ筋肉 Vol.3 大臀筋谷本道哉
クローズアップ筋肉 Vol.3 毎回1つの筋肉をクローズアップし、そのトレーニング法と ともにご紹介しているこのコーナー。今回取り上げるのは、 加齢による減少が著しい筋肉の一つ、お尻の筋肉「大臀筋」 です。 大臀筋 筋肉の使われる部分も少し異なってきます。 大臀筋の主要なトレーニングは、スクワッ トなどの両 脚でほぼまっすぐ股 関 節を後 方 使われます。 立ち上がる、 歩く、 走るなど は脚を根 元の股 関 節から後 方に振る動 作に 大 臀 筋はお尻にある大きな筋 肉で、 主に 開く外転や外に捻る外旋の動きを伴います。 行いますが、 片 脚の動きでは股 関 節を外に く、 走るといった移 動の動 作は片 脚ずつで ではあまり強化できない部分もあります。歩 脚を根元から大きく振るとき メインとなる筋肉 の体を支える・移動させる動作においては、 このような動きの力を発 揮するには、 大 に振る動きで行うものが多いのですが、それ 股関節を後方に振る動作が主要な役目を果 臀 筋が特に良く使われます。 これらの部 位 臀 筋の上側やお尻の側 面にある中 臀 筋、小 その股 関 節を後 方に振る動 作でメインと は片脚で行うトレーニング種目で鍛えること たしています(図 ) 。 なる大 臀 筋は、 非 常にサイズが大きく、 単 ができます。 大 腿 四 頭 筋が最 大 ) 。中 臀 筋、小 臀 筋と合 わせた臀 筋 群は大 腿 四頭 筋に次ぐ大きな筋 に、 外 側に開く動きにも関わります。 大 臀 の上のほうは股 関 節を後 方に振る動きの他 向が少しずつ変わります。 例えば、 大 臀 筋 動くため、臀 筋 群は部 位により作 用する方 股 関 節は球 状の構 造をしていて多 方 向に 筋を鍛えることで垂れ下がったお尻を引き挙 す。お尻の場 合はその効 果が顕 著で、大 臀 た脂肪も一緒に引き上げられることになりま がついて盛り上がると、結合組織でつながっ つながっています。そのためしっかりと筋肉 筋 肉はその上を覆う脂肪層と結合組織で 群を形成します。 筋の下 側のほうは、股 関 節を内 側に閉じる げる効果が期待できます。 実 際に大 臀 筋 等のお尻の筋 肉を鍛えてい る女子ボディビルダーでは 代でも 代でも 60 に振る方向ですが、動きによってその方向は 動 作で強い筋 力 発 揮を行うのは主には後 方 日 常 動 作やスポーツ動 作において股 関 節 取り上げられています。 エクササイズの特 集が美 容 系 雑 誌でも良く 容目的でも大臀筋は注目度が高く、大臀筋 ップをしています。そういった理由から、美 若い選手と変わらない上を向いたキレイなヒ 50 多 少 変わります。 それに伴 ってお尻 周りの 片脚の動作種目も重要 動きにも関わります。 美容目的でも注目度が高い大臀筋 一の筋 肉では人 体で最 大です( 筋 肉 群では 1 ん 大臀筋 き ん で い だ 近畿大学生物理工学部人間工学科准教授 谷本 道哉 【たにもと みちや】1972年、静岡県生まれ。大阪大学工学部卒業。 東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。国立健康・栄養 研究所特別研究員、順天堂大学博士研究員を経て現職。 36 目いっぱいお尻を引いて行う うに目いっぱい上体を前傾してお尻を大きく 片 脚で行うため負 荷がかなり強くなりま 回の反 復が難しい場 合は椅 子などに手を置いて、 置いた手で立 す。 負 荷が強すぎて います。陸上競技の短距離走でも、股関節 ち上がる動 作をアシストすると良いでしょ 引いたフォームの股関節スクワットが適して 大 臀 筋 強 化のトレーニングとして、 股 関 を後方に振る動作が競技特性上重要である う。 股関節スクワット 節を後 方に振る動 作に負 荷をかけて行う種 ため、このようなフォームのスクワットが好 3 4 4 回を目安にします。普通の 目でもっともメジャーなものはスクワットで 2 3 4 て、逆に楽々できる場 合は、 秒 程かけて しゃがんで 秒程かけて立ち上がるスロート 3 フォ ームできつい場 合は机などに手を置い 15 レーニングの動作で行いましょう。その際は 途 中で立ち上がり切らずに動 作を繰り返し ます。 大臀筋上部・中臀筋を鍛える ブルガリアンスクワット 歩く、走る、階段を登るなど片脚動作で 強く使われる大臀筋の上部や中臀筋、小臀 筋もしっかり鍛えてあげたい部位です。おす ) 。この時も上体を前 すめは台に後ろ足を載せて行うブルガリアン スクワットです(図 5 5 6 6 6 7 7 7 8 8 8 9 9 9 10 10 10 11 11 11 12 12 12 13 13 13 14 14 14 15 15 15 16 16 16 17 17 17 18 18 18 19 19 19 22 23 23 24 24 24 25 25 25 26 26 26 27 27 27 28 28 29 29 30 30 31 31 31 21 22 23 30 20 21 22 29 20 21 28 20 【使い方】①「月」の欄に実施月を入れる。 ②トレーニングできた日に○印をつける 傾してお尻を引いたフォームで行います。 5 2〜3日に 1回を目安に のよ んで行われます。 10 しょう。 しゃがむ際に、 上 体を前に倒して 1 2 3 3 目安は 10回 回数は 〜 月 1 2 図3 上級編 ブルガリアンスクワット 10 3 筋にかかる負荷が大きくなります。 月 1 上級 大臀筋強化を目的にする場合は図 目安は 10〜15回 ●運動する習慣を身につけるためには、実践カレンダーを 2 お尻を大きく引くほど股 関 節 伸 展 筋の大 臀 初級 図2 初級編 股関節スクワット 作ってみるのも一つの方法だ。まずは3カ月を目安に続けてみよう! 月 Vo l . 12 3 37 図1 股関節を後方に振る