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金融財政ビジネス、2014年8月4日号
0時 事通信社 昭 和 23年 7月 8日 第 3種 郵 便 物 認 可 毎 週 2回 月 。 木 曜 日発 行 (但 し祝 日を除く) 購 読 料 金 税 抜 月額 5,300円 104-8178東 京 都 中央 区銀 座 5-15-8 ◎時事通信社2014 2014年 (平 成 26年 ) 8月 4日 [月 ] 第10430号 巻頭言 舌L気 流への備えを 国際金融情報 センター理事長 解説 加藤 隆俊 ○ 日本が学ぶべき点は1 【 欧州 中央銀行の選択 米英 日とは、引き続き一線を画す 日本総合研究所上席主任研 究員 ヘ “・ 照一 隅 河村小百合 見習い鍼灸師が放つた「第3の 矢』 ? 至誠 … 放 眼日中 十 W杯 と中国 コラムニス ト・アジアンウオッチャー インタビュー 須賀 努 10 アジア進出の中Jヽ 企業を支援 江丙坤・ 東京スター銀行会長 に聞 く インタビュー 均等法黎明期、 専門性に活路】 12 【 多様な人材、成長のカギー金融大手 生え抜き女性役員3氏 に聞 く 国際経済 今後3年 程度で判明か】 16 【 米長期金利低下の 真相 長期停滞仮説 は世紀 の杞憂 ? 龍谷大学経済学部教授 竹中正治 本 誌 掲 載 記 事 。写 真 な どの無 断 複 写 、複 製 、転 載 を禁 じます。 ○ 今後 3年 纏度 で判 %か 米長期金利低 下●真相 長期停滞仮説は世紀 の杞憂 ? 、 0 昨年 2 1月末から今年年初 にかけ て3 ・0%前後 ま で上昇した米 国 の1年物 国債利 回りは そ の後 2 o o 図1、 7 4%台 ま で低 下、 現在 は2 o5%前後 のレ ンジ で推移 し ている ︵ 1で︶ 米 国 の長期金利 のこの 低 下をしきりと 不思議がり、米 国経済 の長期的な衰退 の兆候 ではな いかと いう議論が、 この春 以来 一部 の市場関係者や エコノミ スト の間 で繰り返され ている。 しかし、筆者 には不思議 でも何 でもな い。景気 回復 と金融政策 の現状から判断 す る限り、 長期金利 の 低 下は不思議 でなく、極 め て自然な ことだ。 むしろあ のまま3%を越 え てす るす ると長期金利が上昇し たとすれば、 そ の方がよほど特 異な ことと言う べきだ ろう。本稿 では、 その理由を解説す る。 礎 湖 ﹁ 一 畔 鳴 米 渤 岬 ″折 押 = 対 蛹 に は 嚇 か に 謎 長 低 如 ば ゼ 金 下 お ン は 期 利 H グ 胴 ﹁ ﹂ GDP︶も 謎︶と言え る 今年 の実質国内総生産 ︵ まず、米国 の長期金利 に関す るそ CONUMDRUM ︵ 中 略 ︶ こ の謎 を解 く カギ ﹃3 %成 長 ﹄ が蜃気 楼 のよう に遠ざ ﹂ の種 の言説 を引 、確認 し てお ン う。 だ ろう。 ︵ 用 、 、 8 ﹁0 1年 米長 期 国債 利 回り は 2日 の とし て 米国内 で浮上し て いる のが かり 予想 の下方修正 を繰り返 した 潜在成長率低下﹄説だ﹂ ︵ロイター 近年 のパター ンを抜け出 せな い。理 取引終盤 に2 o3%台と約 H力月 ぶ ﹃ 4 9日 田巻 一彦氏︶ 由 は何 か。 ﹃金 融 危 機 の後 遺 症 だ ﹄ り の低水準 とな った。米株 が最高値 記事 5月 2 ﹃ 金利 は上 がる﹄と昨年末 に広 が とイ エレ ンFRB議長 は言う。 バブ 圏 で推移 し て いる のに、米国債 に資 ﹁ 金 が入り続 ける のは、教科書的 には った観測 は、成長率 や物価 が上向く ル崩壊 に伴う過剰債務 など で消費 や ﹃首 を か しげ る ﹄ 現 象 だ。 ま し て と の予想 が前提だ った。だ が物価上 投資 は低調。 FRBが予想す る長期 龍谷大学経済学部教授 竹中正治 たけな か ・まさ は る 9 7年 東 大 東京 三菱銀行 ︵ 現 三菱東京 経卒 、 UFJ銀行︶ 為替資金部次長、調 査 部 次 長 、ワ シ ント ン駐 在 員事 7年 1月 国 務 所 長 な ど を経 て、0 際通貨研究所 チ ー フ エ コノミ ス 。2 トo9 0年 4月 から現職 1年京都 。 稼ゞ 大学博士 ︵ 経済学 ︶ 著作 に ﹁ 経 済 学 L 光文 社 ︶、﹁ なぜ 人 は市 場 に踊 ら され る のか ?穴 日本経 済新聞出版社︶など。 で の米 実 質 成 長 率 は 2 ・1 ∼ 2 o 5 %も低 い﹂ 3 %と 3年 前 より 約 O o ﹁ 構 造 的 な 低 成 長 を 招 く 一因 は富 の 集 中 だ と サ マーズ 氏 や他 の専 門 家 は 懸念 す る。 上位 1割 の富 裕 層 の所 得 0 %前 半 から の比率 は 1 9 8 0年 の3 。 直近 は0 5%ま で拡 大 お金持 ち ほど 多 く稼 ゞ傾 向 が強 ま る のに、富 裕 層 は お金 をあ まり 使 わ な い。 下 位 9割 の層 が所 得 の1 ∼ 2 % し か貯 蓄 し 0 な い のに対 し、 上位 1 % の層 は約 4 日本 % を た め る と の分 析 も あ る﹂ ︵ ︲日朝 刊 西 村 博 之 経 済 新 聞 6月 2 氏︶ 米 国 の趨 勢 的 な実 質 G D P成 長率 16 第 3種 郵便物認可 ]金 融財政 ビジネス 2014.8.4[月 前 述 の記 事 に代 表 され るよう に、 う な原 因 が自 然 均 衡 利 子率 の マイ ナ あ ると強 調 し て いる。 ま た、 ど のよ う し た状 況 にあ ると断 定 し て いるわ 今 年 の米 国 長 期 金 利 の低 下 を米 国 の ス状態 を引 き起 こし得 る のか に つい はな い。 た だ し そ の主 因 は、 か ね て より 見 込 ま れ て いた ベビ ーブ ー マー 1.5 エレ ンF R B議 長 の発 言 のど の部 分 を切 り 取 ってき た のか不 詳 だ が、 今 金 融 危 機 の後 遺 症 ﹂ が成 長率 でも ﹁ の低 下 を も た ら し て いると いう のは I M F︶ の会 合 で同氏 が語 貨基金 ︵ ってか ら話題 とな ったも のだ 。 さら に、 危 機 後 も継 続 し て いる米 近 辺 ま で下げ 、 か つてな い量 的 な金 ン oシ ョ ック 以降 、 短 期 金 利 をゼ ロ 内 容 を 一言 で要 約 す ると、 リ ー マ 国 の家 計 所 得 格 差 の拡 大 が消 費 性 非伝 統 的 金 融 政策 ︶ で 融緩 和 政 策 ︵ 奇 妙 な議 論 だ 。 向 の低 い富 裕 層 の貯 蓄 増 加 ・消 費 6 5 4 3 2 1 0 こ の論 文 で は、 自 然 実 質 利 子 率 注 2︶。 て いる ︵ で考 え得 る六 つの要 因 を含 め て語 っ ど語 って いな か った が、 直 近 の論 文 け ではな く 、可 能 性 の段 階 、仮 説 で 趨 勢 的 な経 済成 長率 の低 下 の結 果 と て同氏 は、 I M F の講 演 では ほと ん サ マー ズ 氏 の 長 期 停 滞 仮 説 経 済 成 長率 が低 下 す る のは当 然 の こ と であ り 、 ﹁ 長 期 停 滞論 ﹂ な ど と大 そう な議 論 を す る必要 はな い。 ま た、 8 0年 の金 融危 機 と不 況 によ る家 計 や金 融 機 関 のバ ラ ンス シー ト み る議 論 が出 回 って いる の で、 記 事 ︵ 潜 在 成 長 率 ︶ が 3 %強 か ら 2 %台 世 代 の引 退 によ る労働 力成 長率 の低 調整 は マク ロで見 る限り 、 損 失 の償 半 ば に低 下 し て いる点 は筆 者 も 異 論 下 に他 な ら な い。 米 連 邦 議 会 予 算 局 2.0 の上 昇 でと っく に終 了 し て いる。 イ 株 と不 動 産 ︶ 却 と そ の後 の資 産 価 格 ︵ 2.5 一 鮮品 ””計 oい︶ 仮 説 ﹂ に つい ても 触 れ てお こう 。 これ は昨 年 H月 に国際 通 でも 引 用 され て いる ロー レ ンス ・サ 長 期 停 滞 論 →8 ﹂︼ マー ズ 氏 の ﹁ 鷺 C B O︶ の レポ ー ト は、 2 0 1 4 ︵ 7年 の潜 在 的 な 労働 力成 長率 ︵ 年 ∼︲ 注 率 ︶ を O o6 %と見 込 ん で いる ︵ 3.0 ) 9091 929394959697 98990001 0203040506070809 10 11 12 13 14(`手 l︶。 これ は 1 9 50 ∼ 2 0 1 3年 の 同 平 均 1 ・5 %、 あ る い は 1 9 9 1 ∼ 2 0 0 1 年 の 1 ・3 % に 比 べ て、 0 。7 ∼ O o9 % 低 い。 月年 減 少 を通 じ て需 要 全 体 の減 少 を起 が遅 く 、 イ ンフ レ高 進 の気 配 す ら な い のはな ぜ か﹂ と いう 問題 提 起 だ。 そう し た状 況 を説 明 す る 一つの仮 9 実 質 金 利 が マイ ナ スにな る状 態 を 0 一 雇用 の回復 年 以降 続 け て いる のに ﹁ であ る が、格 差 拡 大 が消 費 性 向 の 自 然 均 衡 利 子 率 が大 幅 説 と し て、 ﹁ こし、成 長率 を低 下 さ せ て いると 低 下 を招 いて いるな らば 、 家 計 貯 な マイ ナ ス水 準 に落 ち 込 ん で いる状 いう 議 論 も 、 事 実 に照 ら す と矛盾 蓄 率 の上 昇 が見 ら れ る はず であ る。 雇用 と資 商 品 の需 給 が均 衡 し、 完 全 一 し て いる。 所 得 格 差 の拡 大 は事 実 と ころ が実 際 に は、 米 国 の危 機 後 9年 の7 %を ピ ー の家 計 貯 蓄 率 は 0 ク に低 下 傾 向 を迪 って いる。 ち な 源 の効 率 的 な配 分 が実 現 し て いる状 況 を考 え てみよう ﹂ と同氏 は語 って いる。自 然 均 衡 利 子率 と は、様 々な み に 1 9 9 0年 以 降 の平 均 値 は 態 で の実 質 金 利 であ る。 も っと も サ マーズ 氏 は、 現 状 が そ Department of Commerce 所 )BEA (出 1234567891011121234567 13 14 1.0 5 ・5 % であり 、 2 0 1 4年 第 1 図 2︶。 四半 期 は 4 o4 % であ る ︵ 2014.8.4[月 ]金 融財政ビジネス 第3種 郵便物認可 17 所 )丁 reasury department (出 他 の条 件 が 同 じ な ら ば 、 こ の分 だ け 5 ∽3 . 図1〉 10年 物米国債利回 り 〈 そ れ は趨 勢 的 な貯 蓄 ・投 資 バ ラ ンス の低 下 が起 こ って いるとす るな らば 、 ︵ いo﹁ お﹄ お巴 おお o﹁ヨ計 Q圏計8お︶ 同時 に起 こ って いる はず だ 。 少 と いう 金 利 上 昇 に働 く逆 の作 用 も ル論 を考 え れば 、 家 計 部 門 の貯 蓄 減 す ると いう 家 計 貯 蓄 のライ フサイ ク 要 因 6 ¨海 外 政府 によ る外 貨 準 備 は こ の説 を支 持 しな い﹂ と言 って い 。 ︿ υ フ 滞 論 ﹂ はま だ仮 説 ・可 能 性 の段 階 で あ る こと を強 調 し て いる。 いる可 能 性 であ ろう 。 いず れ にせ よ、 同 氏 は ﹁ 長期 的停 分 だ け今 後 の経 済 成 長率 が下 が ると に変 化 ︵ 貯 蓄 超 過 ・投 資 過 小 方 向 へ 労働 力成 長 率 の低 下 ← 経 済 成 長率 いう 程度 にと ど ま るな らば 、 それ は 人 口高 齢 化 oベビ ーブ ー マー世 代 の変 化 ︶ が起 き て いる結 果 と考 え ら 低 下 は分 か るが、 なぜ それ が自 然 利 これ は、グ ロー バ ルな貯 蓄 超 過 ・ も った いぶ った議 論 を す るま でも な 積 み上げ 傾 向 ← 米 国 の財 務 省 証 券 購 れ ると し て、 それ を起 こし得 る要 因 子率 の低 下 を招 く のか。 そ こが明 示 投 資 過 小 が米 国 の趨 勢 的 な金 利 水 準 い自 明 の事 であり 、自 然 利 子率 の低 金 利 水 準 に影 響 を与 え る こと は理解 読 み解 き を紹 介 し よう 。前 述 のよう そ れ では、筆 者 の長 期 金 利 低 下 の 長 期 金 利 低 下 の真 相 わ るだ ろう 。 下 、 そ の マイ ナ ス の心配 は杞憂 に終 の引 退 によ る労働 力成 長 率 の低 下 の と し て以下 の六 つが挙げ ら れ て いる 的 に語 ら れ て いな い。企 業 の長 期 的 を引 き下 げ て いると いう バ ー ナ ンキ 入← 金 利 低 下 ︵ 要 因 に続 く部 分 は筆 者 の コメ ント︶。 な期 待 経 済 成 長率 の低 下 ← 設 備 投 資 氏 が 以前 主 張 し た世 界 的 な 貯 蓄 超 過 要 因 3 ¨所 得 格 差 の拡 大 、 あ る い でき る が、 長 期 的 な自 然 利 子率 にま ば 、 理解 は でき る。 減 少 と いう 因 果 関 係 を想定 す るな ら 要 因 l ¨企 業 部 門 で の負 債 性 資 金 調達 ニーズ の減 少 、 設 備 投資 ニーズ つまり 、 企 業 部 門 で の貯 蓄 超 過 ・ は資 本 分 配 率 の上 昇 、労 働 分 配率 の で影 響 を与 え ると考 え る のは、 納 得 払 酬 C og F 鶏 い ︶ に 近 いよ お 咀L計 う だ 。 こ の要 因 が短 期 ・中 期 の名 目 投 資 過 小 への変 化 だ 。 これ は理解 で 低 下 ←家 計 消 費 性 向 の低 下 =貯 蓄 率 でき な い。 の減 少 き る。 ただ し、 問題 は企 業 部 門 の こ 上昇 な仮 説 的 な長 期 停 滞 論 によらず とも 、 変 数 の関 係 性 から十 分 に説 明 でき る 今 年 の長 期 金 利 の低 下 は過 去 の経 済 事 実 に照 ら し て筆 者 が賛 同 でき る要 以上 、 挙げ ら れ た諸 要 因 の中 から、 のよう な貯蓄 o投 資 バ ラ ンス の変 化 は上 昇 し て いな い、 む し ろ低 下 し て し か し図 2 が示 す通 り 家 計 貯 蓄 率 それ に ついては後 述 の要 因 が関 係 し いると いう 事 実 に矛盾 す る。 が何 によ って起 こ って いるかだ ろう 。 て いる。 点 がポ イ ント であ る。 長 期 金 利 の推 移 は当 然 な がら、 米 因 は、 企 業 部 門 におけ る貯蓄 超 過 o 投 資 過 小 ←自 然 利 子率 の低 下 を伴 う 国 の景 気 循 環 と金 融 政策 を反 映 す る。 要 因 4 ¨資 本 財 の相 対 価 格 の低 下 成 長率 の低 下 、 と いう 因果 関 係 だ 。 景 気 の状 況 を 反 映 す る 経 済 指 標 は 要 因 2 ¨人 口成 長率 の低 下 ← 労 働 そ し てさら にそれ を起 こし て いる要 ← 必要 な設 備 投 資 資 金 の減 少 これ は要 因 1 の企 業 部 門 で の貯 蓄 力成 長 率 の低 下 ← 経 済成 長率 低 下 確 か に 人 口成 長 率 は 1 9 5 0 ∼ 様 々 あ る が、 包 括 的 な も のと し て と総 需 要 のギ ャ ップ 、 マイ ナ スが需 因 と し ては、 資 本 財 の相 対 的 価 格 の 要 不 足 ・供 給 力超 過 ︶ で示 す こと が 超 過 ・設 備 投 資 の減 少 の要 因 と し て て いな いが、 労働 力成 長 率 の低 下 ← C B O︶ でき る。 米 連 邦 議 会 予算 局 ︵ G D Pギ ャ ップ ︵マク ロ的 な総 供給 期 待 経 済 成 長率 の低 下 ← 設 備 投 資 の の推 計 によ ると、過 去 1年 ︵ 20 13 低 下 、 並 び に同氏 は明 示 的 に は語 っ 減 少 ← 実 際 の成 長率 の低 下 、 と いう 理解 す れば 納 得 でき る。 要 因 5 ¨税 効 果 勘案 後 の金 利 水 準 こ の要 因 に つい て同 氏 は、 ﹁ 自分 の低 下 因 果 関 係 のループ ︵ 循 環 ︶ が働 いて 1 9 6 0年 代 の 平 均 1 ・5 % か ら 5%程度 に低 下 2 0 1 0年 代 は O o7 し て いる。 し か し それ は同時 に、一 局 =引 退 人 口 の増 加 ︶ を意 味 す 齢化 ︵ る。 人間 は現 役 時 代 に貯 蓄 し、 引 退 す ると過 去 の貯 蓄 を取 り 崩 し て消 費 18 第 3種 郵便物認可 ]金 融財政 ビジネス 2014.8.4[月 5日 のG D P第 2次 改 ︵6 月 2 年 2Q ∼ 4 1 年 lQ︶ の 米 国 の GDPギ ャ ップ は平均 マイナ ス4 ・ 2 %だ 定 値 発 表 前 の推 計 ︶。 G D Pギ ャ ップ は マイ ナ ス幅 を次 第 に縮 小 し て いるが、 1 9 8 0年 以 来 の平 均 値 プ ラ スー ・7 %より も ま 次 に長 期 金 利 は、 予 想 され る短 期 金 利 の将 来 にわ た る累 積 結 果 と等 価 。 にな るよう に決 ま る のが原 理 だ つ まり 、 0 1年 物 長 期 金 利 と 3 カ月 物 金 利 な らば 、将 来 0年 にわ た って3カ 1 あ る いは調 達 ︶ し 月物 で資 金 運 用 ︵ た場合 の予 想 累 積 利息 と、 0 1年 物 金 利 で の累 積 利息 が等 価 にな るよう に 信 用 リ スクな ど が同 一であ 決まる ︵ 。 だ かなリ マイ ナ ス方向 に振 れ て いる これ はリ ー マン ・シ ョ ック後 の不 況 る こと が前 提 ︶。 (2005/1Q∼ 2014/1Q) 獣3.0 02∞ 5/1Q 養 1.o 乙 0.5 0 長 期 金 利 ∨短 期 金 利 であり 、 長 短 量 的 金 融緩 和 ︶ 政 策 で0 統 的金 融 ︵ 、 %近 辺 に抑 え ら れ て いるが 将 来 は 、 金 利 引 き上げ が予 想 され て いる ので 現 在 は、 短 期 金 利 が F R B の非 伝 によ る需 要 減 少 が非 常 に大 き か った こ と の結 果 だ 。 G D Pギ ャ ップ は 2 0 1 4年 平 均 では マイ ナ ス4 o0 ∼ マイ ナ ス3 oO % の範 囲 に入 って 。 長 2.5 短 2.0 金 利 1・ 5 一般 的 に 金 利差 はプ ラ スであ る。 景 気 の先 行 き改善 が予 想 さ れ る局 面 では、 長 短 金 利格 差 のプ ラ ス の 幅 が大 きく な る。逆 に、 景 気 の先 > D 、 G脚 ット化 あ る いは逆 転 す る ことも 夕 榊 ・ ぁ ﹄r デ を念 頭 に、 G D Pギ ャ ップ B R 0年 物 財務 省 証 券 F と長 短 金 利差 ︵ 1 B 利 回 り 13 カ 月 物 国 庫 短 期 証 券 c 腑 ︿T B﹀ 利 回 り ︶ の相 関 関 係 を 示 咄 した のが、 図 3だ ︵ 5年 l Q 期間 0 思 惑 先 行 の上 昇 と 巻 き 戻 し 。 対象 期 間 1 9 9 0 ∼ 2 0 14年 ︶ ︵ 果 が得 ら れ た こと を言 い添 え ておく な る。 これ が前 述 デ ー タ の関 係 性 を ∼ 4年 lQ︶。 両 者 の間 に は有 意 な ︲ 前 提 にし た自 然 な水 準 だ 。 関 係 性 が偶 然 で はな い︶ 負 の高 い ︵ 念 のた め に言 う と、 G D Pギ ャ ッ R︶ 相 関 関 係 が 見 ら れ、 相 関 係 数 ︵ 6、 プ の推 計 法 は複 数 あ り 、 前 提 や推 計 R 2 ︶ は マイ ナ スO o 8 決定 係 数 ︵ 。 法 次 第 でギ ャ ップ の水 準 に ついては はプ ラ ス0 ・3 7 であ る これ は こ の かな り 異 な る結 果 が得 ら れ る。 し か 時 期 の長 短 金 利差 の3 7 % はG D Pギ 、 ャ ップ 明 でき る こと を意 味 す る。 し こ こ で肝 心 な のは ギ ャ ップ の水 で 説 準自 体 ではな く 、 長 短 金 利差 と の相 C B O が推 計 し た G D Pギ ャ ップ 関 性 であ る。 ち な み にI M F が試 算 を基 に考 え ると、 4年 は通 年 では マ 1 し て いる年 次 ベー ス のG D Pギ ャ ッ イ ナ ス4 ・0から マイ ナ ス3 oO % プ のデ ータ を使 っても ほぼ 同様 の結 の レ ンジ に マイ ナ スが縮 小 す ると見 込 ま れ る。 G D Pギ ャ ップ の平 均 値 を マイ ナ ス3 ・5 %と し て前 述 の関 係 性 を前 提 にす ると、 対 応 す る長 短 図中 の近 金 利 差 は 2 o5 %とな る ︵ 似 線 の方 程 式 に マイ ナ ス3 ・5を代 入 し て 求 め る ︶。 現 状 の3 カ 月 物 以 上 の通 り 、昨 年 末 から今年 年 初 にか け て の0 1年 物 財 務 省 証 券 利 回り 、 3 ・0 %前 後 と いう 水 準 は 今 年 の G D Pギ ャ ップ と短 期 金 利 を前 提 に 予 想 さ れ る ほぼ 上 限 だ 。 年 末 年 初 に 、 利 回 り 3 oO % を つけ た 時 で も 、 T B利 回り は 0 ・1 %未 満 な ので 0年 物 財務 省 証 券 利 回 り の推 計 値 も 1 ほぼ 2 o5 %とな る。 も っとも 当 然 バ ラ ツキ のあ る関 係 F R B の量 的 金 融緩 和 が終 了 す る の 上 昇 し た と す れば 、 そ の方 が よ っぽ ど ﹁ 謎 ﹂ と し て受 け と め る べき こと 引 き上げ が始 ま る のは来 年 の半 ば 前 後 と予 想 され て いた。 それ を前 提 に 考 え る限り 、 今 年 の0 1年 物 財務 証 券 利 回 り が、 3 %を越 え てす るす ると は今 年 の後 半 であ り 、 実 際 に金 利 の であり 、 実 際 の長 短 金 利 差 が推 計 値 から乖 離 す る程度 を確 率 的 に示 す標 準 誤 差 は 0 ・6 であ る。 これ は 3分 の2 の確 率 で実 際 の長 短 金 利 差 が推 計 値 から ±O o6ポ イ ント の範 囲 に 、 収 ま る こと を示 し て いる。 す な わ ち 0年 物 財務 省 証 券 の利 回 り の 4年 の1 ︲ 中 心 レ ンジ は l o9 ∼ 3 ol % と 2014.8.4[月 ]金 融財政ビジネス 第3種 郵便物認可 19 0123456 -7 -6 … 5 -4 -3 -2 -1 -0.5 く ると見 込 ん で良 いだ ろう 図3〉 米国のGDPギ ヤツプと長短金利差 く な のだ 。 それ ではなぜ 、年 末 年 初 にそ こま で長 期 金 利 は上 昇 し た のか。 それ は 3 ︲年 に米 国 の市 場参 加 者 を中 心 に語 ら れ たグ レー ト ・ロー テー シ ョ ン相 場 ︵ 国 債 な ど の安 全 資 産 から株 式 な 戻 り を繰 り 返 し てジグ ザ グ に進 むも のだ 。今 年 の春 の長 期 金 利 の軟 化 も そう し たポ ジ シ ョン調整 によ るジグ こ のよう に今 年 の長 期 金 利 の低 下 は 景 気 循 環 的 な 需 給 ギ ヤ ップ と う な構 造 的 な変 化 の結 果 な のか、 お F R B の金 融 政策 の結 果 な のか、 そ れ と も 長 期 的 停 滞 仮 説 が示 唆 す るよ ザ クな動 き のひと こま にすぎ な い。 ヘッジ フ ァ ンド な ど投 機 筋 の思惑 先 現 在 の量 的 金 融緩 和 、事 実 上 のゼ そら く今 後 3年 程度 で見 え てく る は ず だ。 レ ンド ﹂ と勘 違 いし て いるから、 冒 頭 に紹 介 し た よう な見解 が生 じ る の ロ金 利 政 策 が終 了 す る来 年 以降 、 イ ンフ レも 金 利 も危 機 前 ほど上 がらな いま ま に推 移 す る場合 は、 長 期 停 滞 仮 説 は信 憑 性 が 増 す こと に な る だ ろう 。 そう はな らず にイ ンフ レも 金 利 も 上 昇 す るな ら 、 同仮 説 は世紀 の 杞憂 だ った と いう こと にな る。筆 者 ●四 六 判 。2 9 6 頁 ●本体価格 2 0 0 0 円︵ 税型 20 第 3種 郵便物認可 ]金 融財政 ビジネス 2014.8.4[月 行 で生 じた年 末 年 初 の長 期 金 利 の上 昇 を根 拠 も な く ﹁ 景気 回復 に伴 う ト ど リ スク 性 資 産 へのポ ー ト フ オ リ 4年 も さら に ひと オ oシ フト︶ で、 1 儲 け し よう と動 いた ヘッジ フ ア ンド だ ろう 。 最 後 に来 年 ま で の予 想 を し てお こ 今 後 の予 想 な ど投 機 的 な プ レー ヤー が長 期 財務 省 証 券 を積 極 的 に売 り 込 んだ から に 他 な ら な い。 と ころ が既 に見 た通 り 、年 末 年 初 0年 物 財務 省 証 券 利 回り 3 oO % の1 の水 準 は、 今 年 の景 気 と金 融 政 策 か は後 者 のケ ー スを予 想 し て いる。 →社1︶弓r①”cQ∞聟 ””Q国oo邸oヨお 〇⊆LooF¨ NOH心 ︹ O NON心 2.証 券 化技術 の現状 と課題 7.天 候 デ リバ ティブ 3.金 融技術とクレジットデリバティブ 8。 エネルギーデリバティブ 4.ク レジットデリバティブの課題と今後の展望 9.環 境ファイナンス バティブと店頭デリバティブ 5。 取引所デリ 10.金 融技術とリスクマネジメント ら導 か れ る上 限 近 辺 だ った。 そ こに う 。 既 に見 た通 り C B O が推 計 し た 3 年 2 Q ∼ 4 年 l Q︶ 過 去 1年 ︵1 1 のG D Pギ ャ ップ は マイ ナ ス4 o2 5年 に こ れ が マイ ナ ス % だ つたo ︲ 3 ・0 %ま で マイ ナ ス幅 が縮 小 し た と す ると、 長 短 金 利差 は 2 o4 %と 主な内容】 【 1 ∼ 2月 の大 雪 に よ る米 国 の経 済 活 動 の鈍化 が加 わり 、 投 機 筋 の思惑 は外 れ た。 ま た、 こ の時 期 に中 国 政 ︵ 注 2 ︶F”〓お いの① 〓 ∽匡日 ヨ Q ∽⊂ ” o ・ 国〇〇●〇賢二 〇 ﹁﹁o∽づ①の計∽¨ ∽①O匡] ”﹃ ∽計 F① ”∞い”LOD 〓一 ①﹃①∽い ∽ ”いQ 計 く∽︹ ︶ ︺ N①﹃O FOd くの﹁ ”OCDQ ”C∽い い①∽∽ 国〇〇50晏LO∽︶Z﹁ ”は〇い”︼bあ∽〇〇い ∞LO” ﹁ 〇﹃ ”⊆∽い 椰①∽∽ 国〇〇”〇晏LO∽ く、 OF 心O︺ Zo・ N 畷閣 の 府 の中 長 期 の財務 省 証 券 の購 入 が増 え た と の報 も あ る。結 局 、 損 切 り に 追 い込 ま れ るプ レー ヤ ー の買 二 戻し 、 で0 1年 物 財務 省 証 券 の価格 は上 昇 利 回り は 2 e4 %近 辺 ま で押 し戻 さ れ た と いう こと にすぎ な い。 な る。 現時 点 で フ ェデ ラ ル フ ァ ンド 5年 2月 き り が 示 ︵ F F︶ 金 利 先 物 1 1 す金 利 は約 O 6 o % だ から ︵ 7月 8 7 1 0 日 現 在 ︶、 来 年 2 1月 の 1年 物 財 務 省 証券 利 回り の現時 点 の推 計 値 は 3 o 6 F F レート と 3 カ月物 ︲ %と な る ︵ T B の利 回 り が ほぼ 同 じ 想 定 ︶。 や て考 え ると、 2 0 1 5年 の予 想 レ ン 用取 引 6.信 1.金 融技術 と証券 化 そも そも 長 期 金 利 に限 らず 全 て の 相 場 は、将 来 の変 化 を先 取 り し よう と す るプ レー ヤ ー の思 惑 で短 期 的 な ジ は 2 ・5 ∼ 3 o8 %と な る。 はり 標 準 誤 差 ±O o6 % の幅 を も っ オ ー バ ー シ ュート ︵ 行 き過 ぎ ︶ や後 融