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カーボンナノチューブの二つの特性を明らかにする(米国)【PDF:69KB】

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カーボンナノチューブの二つの特性を明らかにする(米国)【PDF:69KB】
NEDO海外レポート
NO.981,
2006.7.5
< 新刊目次のメール配信をご希望の方は、http://www.infoc.nedo.go.jp/nedomail/ >
海外レポート981号目次 http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/981/
【産業技術】 ナノテク
カーボンナノチューブの二つの特性を明らかにする(米国)
− 新しい組合せ方法が個々の試料の物理的構造と電子的構造を決定 −
物理的特性は既に決定されている個々のカーボンナノチューブの電子構造が、初めて
直接測定された。米国エネルギー省ブルックヘブン国立研究所の研究者がコロンビア大
学の同僚と共に行った、この最近の研究は、マイクロヱレクトロニクスから機械、熱お
よび光起電力の装置まで各種の応用におけるカーボンナノチューブの有用性を決定す
ることを助けるであろう。この研究は、サイエンス誌 4 月 28 日号に報告されている。
「この組み合わせ研究テクニックは、初めて、ナノチューブの性質に関するいくつ
かの基本的予測をテストすることを可能にする。これらの材料が基礎的なレベルでど
のように機能するかを理解することは、未来の成功する商業応用のためにそれらをコ
ントロールし操作することへの鍵である」とこの研究の第一著者でブルックヘブン国
立研究所物性物理・材料科学部門の物理学者のマット・スフィアーは述べる。
カーボンナノチューブはカプセル形の分子であり、幅が僅か数 10 億分の 1 メートル
(ナノメートル)しかない。ナノチューブ形式の多くの材料が、物理的強度や優れた導電
率のような有用でユニークな特性を持っている。単層カーボンナノチューブは最も広く
研究されている種類である、しかし、カーボンナノチューブを非常に興味あるようにし
ているものが、一方では、研究するのに非常に難しくしている。数 100 もの異なる種類
が存在し、また、各々がそのユニークな個々の構造にリンクしていると考えられる大き
く異なる電子特性を有している。
スフィアーと彼の同僚は、2 つの既存の技術を使用して、カーボンナノチューブの
構造と対応する電子的特性の両方を観察することを探求した。特別な工夫は、2 つの
技術が同時に個々のナノチューブの研究に使用されるということであり、カーボンナ
ノチューブの電子的特性がどのように半導体から金属へ遷移するかという重大な知識
と共に、そのユニークな特性や性質の全体像を研究者にもたらす。
この研究は、コロンビア大学で始められ、単層カーボンナノチューブをシリコン基
板にエッチングしたスリット上に漂わせて自然に成長させている。その後、使用可能
な個々のナノチューブを識別し、標識を付けて、共鳴レーリー散乱として知られてい
る技術で観察する。この方法は、ナノチューブから散乱した光の光学スペクトルを検
知し、その電子的構造を決定するためにその光を使用することを可能にする。
「しかしながら、光学スペクトルのみでは、ナノチューブの物理構造への電子遷移
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を完全に決定するための十分な情報を与えない。我々は、別の構造検査を提供するこ
とができる技術を必要とした。幸運にも、ブルックヘブン国立研究所の電子顕微鏡グ
ループの同僚は、この問題に同じように興味を持っていて、電子回折という解決策を
提供することができた」とスフィアーは語った。
標識付けされたナノチューブがブルックヘブン国立研究所に持ち込まれ、物理学者
のトビアス・ビーツが電子顕微鏡を使用してその電子回折を研究した。この結果は、
ナノチューブの物理構造の補完的なデータをもたらした。
「電子回折は、金属や半導体のナノチューブの詳細な構造を決定する理想的なツー
ルである。このツールを使用して、単層または多層ナノチューブを観察しているかど
うかを容易に確かめることができ、また、他の方法を使用している時のように、ナノ
チューブ研究で直径範囲に制限を受けない」とビーツは述べた。
様々なナノチューブ構造のこれらの 2 つの情報セットを収集した後に、ナノチュー
ブ電子遷移の理論をテストし、以前のモデルになされたいくつかの仮定を確認するこ
とが、初めて可能となった。
「我々が証明した 1 つの結果は、ナノチューブが成長する仕方によって決まるナノ
チューブ側壁の六角形ピッチの小さな変化が、どのように半導体や金属構造の両方の
電子的性質に系統的偏差をもたらすかということである。"ファミリーパターン"とし
て知られている、この予測されていた性質はこれまで直接にはテストされていなかっ
た。そして、我々の実験結果は、この予測を強固なものとすることができた」とスフ
ィアーは語った。
この研究は、DOE 科学局基礎エネルギー科学オフィス、全米科学財団、およびニュ
ーヨーク州科学・技術・学術研究(NYSTAR)オフィスによって資金提供された。
以上
翻訳:NEDO 情報・システム部
(出典:http://www.bnl.gov/bnlweb/pubaf/pr/PR_display.asp?prID=06-60)
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