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‐ 235 ‐ 【技術分類】 5-3 全体システム構成/マルチビーム形成 【 FI
【技術分類】 5-3 【 H01Q3/26,H01Q3/26@C,H01Q25/00 FI 】 【技術名称】 全体システム構成/マルチビーム形成 5-3-1 マルチビームアダプティブアレーアンテナ 【技術内容】 アダプティブアレーアンテナは、複数の素子アンテナに最適なウェイトを与えることで、不要波(不 要な信号)を抑圧し、希望波(希望の信号)のみを取り出すことが可能とするシステムである。その 基本的な構成は図1の通りである。図1においては、各素子に入力された信号(複素信号)にそれぞ れウェイト(複素ウェイト)が乗算され、それらの合成信号がアレー出力として得られる。その際、 例えばアレー出力の平均 2 乗誤差が最小となるようにウェイトが制御され、参照信号に等しい信号を 抽出するようにビーム形成が行われる。 到来する複数の信号のそれぞれに対してこの考え方を適用し、図 2 のように、それぞれの到来波に 対する参照信号を与えれば、マルチビーム化が実現される。 なお、周波数利用効率を高めることを目的として、このマルチビームアダプティブアレーアンテナ を用い、同一セル内の同一チャネル同一セル内の同一チャネルを空間的に分離する考え方が、後述す る「5-6-2 アダプティブアレーアンテナを用いた SDMA(空間領域分割多元接続)方式」である。 【図】 図1 アダプティブアレーアンテナの基本的構成 出典:伊藤 晋朗,大鐘 武雄,小川 恭孝: 「マルチビームアダプティブアレーを用いたランダ ム符号選択スロットアロハ方式」,図 1,電子情報通信学会,Vol.J83-B,No.4,pp.416-423, 2000 年 4 月 ‐ 235 ‐ 図2 N ビームアダプティブアレーアンテナへの拡張 出典:伊藤 晋朗,大鐘 武雄,小川 恭孝: 「マルチビームアダプティブアレーを用いたランダ ム符号選択スロットアロハ方式」,図 2,電子情報通信学会,Vol.J83-B,No.4,pp.416-423, 2000 年 4 月 【出典/参考資料】 ・伊藤 晋朗,大鐘 武雄,小川 恭孝: 「マルチビームアダプティブアレーを用いたランダム符号選 択スロットアロハ方式」 ,電子情報通信学会,Vol.J83-B,No.4,pp.416-423,2000 年 4 月 ‐ 236 ‐ 【技術分類】 5-3 【 H01Q3/26,H01Q3/30,H01Q3/36,H01Q25/00 FI 】 【技術名称】 全体システム構成/マルチビーム形成 5-3-2 固定マルチビーム開口面等化機能付きマルチビーム形成 【技術内容】 衛星搭載用のような固定マルチビームアンテナの指向誤差補償には、各ビームの相対的位置関係を 保ったまま全ビームを一定量並行移動させる機能があれば十分であることから、複数の固定マルチビ ーム形成回路の素子ポート側に1組の共通可変移相器を付加し、これによる一括指向制御が可能とな る。1組のフェーズドアレーアンテナ等によって同時に複数のビームを形成する場合、一般に位相制 御量は各々の素子と形成するビームの条件によって異なることから、素子数 N のアレーアンテナでビ ーム数 M のマルチビーム形成を行う場合には、合計数 M×N の可変移相器が必要となるが、一括指向 制御の場合は、素子数分の可変移相器が必要となるだけであり、ビーム形成回路部(BFN)と移相器 制御部の大幅な簡潔化が実現される。 図1は送信用のマルチビーム形成部の構成で、各 BFN の素子ポート出力合成の後段に可変移相器 (開口面等化器)が設けられている。この移相器は各ビームの形成・制御に必要な位相の共通項のみ を制御し、アレー開口面の位相分布の修正を行う。 なお、図1のマルチビーム形成部の構成は、送信、受信のいずれの場合も適用可能である。 【図】 図1 開口面等化機能付きマルチビーム形成 出典:松本 泰,橋本 幸雄,井出 俊行,坂斉 誠,浜本 直和,田中 正人: 「マルチビーム の一括指向誤差補償が可能な衛星搭載ビーム形成部の検討」,図 1,電子情報通信学会, Vol.J80-B2,No.7,pp.617-621,1997 年 7 月 【出典/参考資料】 ・松本 泰,橋本 幸雄,井出 俊行,坂斉 誠,浜本 直和,田中 正人: 「マルチビームの一括指 向誤差補償が可能な衛星搭載ビーム形成部の検討」,電子情報通信学会,Vol.J80-B2,No.7,pp.617-621, 1997 年 7 月 ‐ 237 ‐ 【技術分類】 5-3 【 H01Q3/26,H01Q3/26@C,H01Q25/00 FI 】 【技術名称】 全体システム構成/マルチビーム形成 5-3-3 CMA に基づいたマルチビーム形成 【技術内容】 信号処理部にビーム形成ループを複数設けることにより、同一周波数で、適応的にマルチビームを 形成し、そのビーム間アイソレーションを確保するものである。 図の例では、CMA によるアダプティブアレーアンテナが想定されており、2 つの CMA ループを設 けることによって独立した 2 つの適応ビームを得ることができる。 マルチビーム形成部で形成されたビームの中で、主ビーム方向が到来波 1、到来波 2 の方向にそれ ぞれ対応するものをビーム B1、ビーム B2 とする。このとき、CMA Loop1 では B1 にのみ初期値 1 を 与え、残りを 0 とし、CMA による最適化を実行する。同様に CMA Loop2 では B2にのみ初期値 1 を 与え、残りを 0 とし、CMA による最適化を行う。CMA アルゴリズムは、初期状態で最大電力を有す るものを所望信号として捕捉し、他を干渉波として除去するよう動作するため、CMA Loop1 では到来 波 1 が出力され、CMA Loop2 では到来波2が出力される。 【図】 図 1 ビームスペース CMA マルチビームシステムの構成 出典:千葉 勇,中條 渉,藤瀬 雅行: 「ビームスペース CMA アダプティブアレーアンテナ」, 図 11,電子情報通信学会論文誌,Vol.J77-B2,No.3,pp.130-138,1994 年 3 月 【出典/参考資料】 ・千葉 勇,中條 渉,藤瀬 雅行:「ビームスペース CMA アダプティブアレーアンテナ」 ,電子情 報通信学会論文誌,Vol.J77-B2,No.3,pp.130-138,1994 年 3 月 ‐ 238 ‐