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独立行政法人 住宅金融支援機構における まちづくり融資(短期事業資金

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独立行政法人 住宅金融支援機構における まちづくり融資(短期事業資金
制度の紹介等
独立行政法人 住宅金融支援機構における
まちづくり融資(短期事業資金)の概要
独立行政法人 住宅金融支援機構
まちづくり推進部
市街地再開発事業、マンション建替え事業、密
Point1 多様な資金需要に対応
集地域における共同建替え事業など政策的意義の
マンション建替事業、市街地再開発事業などで
高い事業に対して金融的側面から支援することを
は、マンション建替組合・再開発組合や保留床購
目的として創設された「まちづくり融資(短期事
入者、増床を購入する権利者、事業準備組織であ
業資金)」につきましては、平成19年4月1日の
るマンション管理組合等、様々な立場の主体が必
制度創設以降、全国各地の市街地再開発組合、マ
要とする様々な資金(建設工事費、土地取得費、
ンション建替え組合、コンサルタントなど事業関
補償費、コンサルタント費等)に適確に対応した
係者の皆様から多くのご相談が機構に寄せられて
融資をご用意しました。
おり、ご融資させていただいた実績も徐々に増え
つつあります。
Point2 低水準の1年固定金利(短期資金)
つきましては、本稿において、昨年度に引き続
マンション建替組合や再開発組合が必要とする
き本制度の特長、要件などをご紹介させていただ
短期の事業資金は、「1年固定金利の融資を事業
きますので、全国各地の市街地再開発事業等にお
期間にわたって年度単位(4月下旬)で借換えす
いて本制度のご利用をご検討いただきますようお
る方式」としており、金利水準は、事業の政策的
願い申し上げます。
意義に鑑みて可能な限り低い水準(平成20年度
また、本制度について詳しく教えてほしいとい
うご希望がございましたら、機構職員がお伺いし
(資金交付分)は利率1.26%)(平成20年4月3日
現在)としております。
て直接ご説明しますので、下記担当までご連絡く
ださい。
Point3 事業参加者に対する資金計画支援
マンション建替事業、市街地再開発事業等では
― お問合わせ先 ―
住宅金融支援機構
多数の事業参加者(地権者や高齢者など)が存在
し、これらの方が円滑な資金調達を行うことが事
まちづくり支援グループ TEL 03−5800−8104
業の成否に大きく影響するため、機構自らが説明
西日本エリア担当 TEL 06−6281−9278
会や個別面談を実施することにより、個々の資金
計画を支援します。
1.まちづくり融資の特長
機構では、以下のような資金面での支援と併せ
2.まちづくり事業の流れと融資の対応
機構では、構想・計画段階から資金計画を中心
て、事業の検討初期段階から本店の専門チームが
に事業化に向けてご一緒に検討させていただき、
相談・提案等きめ細かく対応し、事業の実現可能
事業の初動期から完了までの各段階の資金ニーズ
な資金計画策定等を支援します。
に対応したご融資をご用意させていただきます。
市街地再開発 2008年4月 第456号
― 23 ―
清算・分譲段階
建設工事段階
事業の構想・計画段階
従 前
権利床
建替後
保留床
増床
(着工∼竣工)
自ら居住
住宅
自ら居住
住宅
(権利者)
賃貸住宅
賃貸住宅
(権利者)
店舗・事務所
(権利者)
・調査設計計画費
・補償費
・土地取得費
・除却、建築工事費
・参加組合員の負担金等
・調査設計計画費
・補償費
・土地取得費
一般分譲
店舗・事務所
・権利者の増床清算金
・保留床購入費(事業目的用)
建設資金(短期・長期)
購入資金(短期・長期)
事業構想・計画段階∼建設工事∼清算・分譲までをまちづくり融資で対応
3.まちづくり融資の対象となる建築物
共
通
要
件
1 機構が指定する一定の地域内※にあること
2 住宅部分が建物全体の1/2超であること
3 建築物の構造が耐火又は準耐火構造であること
4 法定容積率の1/2以上を利用していること
5 住宅面積が30㎡以上280㎡以下であること
6 一定の技術要件※に適合すること
+
事
業
要
件
次のいずれかの事業に該当すること
Ⅰ 共同建替事業
Ⅱ 有効空地確保事業
Ⅲ マンション建替事業
Ⅳ 上記に準ずる事業
用地域 ③第一種中高層住居専用地域 ④第二種
中高層住居専用地域 ⑤第一種住居地域 ⑥第二
種住居地域 ⑦準住居地域 ⑧近隣商業地域 ⑨
商業地域(容積率が600%以下のもの)
⑩準工
業地域
※マンション建替え事業の場合には、①と②の用
途地域は対象となりません。
※上記以外に、国勢調査による人口集中地区のう
ち、主たる用途が住宅である区域も対象区域に
なります。
Ⅱ
次のいずれかの「整備改善が必要な区域」内
にあること
①防火地域又は準防火地域 ②都心共同住宅供給
事業実施区域 ③防災再開発促進地区 ④大都市
を含む都市計画区域 ⑤再開発促進2項地区 ⑥
地域要件の概要
計画地が次のⅠ及びⅡに該当していることが必
要です。
対象地域 = Ⅰ一定の用途地域 +
Ⅱ整備改善が必要な区域
Ⅰ
市街地再開発促進区域 ⑦市街地再開発事業施行
区域 ⑧防災街区整備事業の施行地区 ⑨住宅市
街地総合整備事業の整備計画区域 ⑩市街地総合
再生計画の区域 ⑪地区再生計画の区域 ⑫不燃
化促進区域 ⑬都市再生緊急整備地域 ⑭地方公
共団体と機構が協議して指定した地域
次のいずれかの「一定の用途地域」内にある
こと
①第一種低層住居専用地域 ②第二種低層住居専
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市街地再開発 2008年4月 第456号
技術要件の概要
①各住宅には、原則として2以上の居住室と炊事
室、トイレ、浴室があること
②外気に接する屋根又は天井、壁及び床は、室内
温度の保持に有効な構造とすること
③給配水管の配管で各住宅で共有するものは、構
造耐力上主要な部分である壁の内部に設けない
こと
④住宅と住宅の間又は住宅と住宅以外の間は、耐
火構造又は1時間準耐火構造により区画するこ
と
事業要件の概要
Ⅰ
共同建替事業(敷地を共同化して建替えを行
う事業)
次の①から③の全てを満たす事業
①2つ以上の敷地を1つの敷地とすること
②新たに建設される建築物の敷地面積が100㎡以
上であること
③新たに建設される住宅の戸数又は延べ面積の合
計が、建替えにより除却される住宅の戸数又は
その延べ面積の合計以上であること
※敷地とは建築物の現存する土地をいいます。更
⑤住戸間の戸境床を、スラブ厚15cm以上(鉄筋
地や駐車場は対象となりません。
コンクリート造の場合)、JISの重量床衝撃音レ
ベルが遮音等級L60程度の遮音性能とすること
⑥敷地面積の3%以上の公園、緑地等の空地を確
保すること
Ⅱ
有効空地確保事業(一定の空地を確保した事
業)
次の①から②の全てを満たす事業
①新たに建設される建築物の敷地面積が500㎡以
上であること
市街地再開発 2008年4月 第456号
②敷地内に一定割合の空地(法定空地率+20%)
が確保されていること
※法定建ぺい率が定められていない場合は、敷地
面積に対する空地の割合が20%以上であること
が要件となります。
― 25 ―
Ⅲ
等(区分所有法による建替え決議、建替え承
マンション建替事業(マンション建替え円滑
化法に基づく事業)
認決議、一括建替え決議のほか、区分所有者
次の①から③の全てを満たす事業
全員の総意による建替え決議の場合も対象)
を行っていること
①新たに建設される建築物の地上階数が3階以上
・「耐用年数に関する省令」の耐用年数の3分
②新たに建設される建築物の敷地面積が300㎡以
の1以上を経過していること(例:鉄筋コン
上であること
クリート造住宅の場合は16年以上経過してい
③建替え前の区分所有建築物が次のすべてに該当
ること。
)
すること
・区分所有法第62条第1項に基づく建替え決議
Ⅳ
Ⅰ∼Ⅲに準じる事業
ア
マンション建替事業(マンション建替え円滑
3
建替え後の個々の敷地面積が原則として
100㎡以上
4
化法に基づかない事業)/次の1から4の全て
新たに建設される住宅の戸数又はその延べ
を満たす事業
面積の合計が、建替えにより除却される住宅
1
の戸数又はその延べ面積の合計以上
新たに建設される建築物の敷地面積が500
㎡以上であること
2
敷地内に一定割合の空地(法定空地率+
10%)が確保されていること
※法定建ぺい率が定められていない場合
ウ
地区計画等適合事業/次の1から3の全てを
満たす事業
1
り新たに建設される建築物
①地区計画等又は建築協定で「建ぺい率の最
は、敷地面積に対する空地の割合が10%
高限度」が定められた敷地
以上であることが要件となります。
3
②地区計画等又は建築協定で「壁面の位置の
新たに建設される建築物の地上階数が3階
制限」が定められた敷地
以上
4
③条例や条例に基づくまちづくり協定などで
建替え前の区分所有建築物がⅢの③に該当
「壁面の位置の基準」が定められた敷地
すること
イ
④建築基準法に基づく「壁面線」が定められ
総合的設計協調建替事業/次の1から4の全
た敷地
てを満たす事業
1
⑤密集法の防災街区整備事業における権利変
2以上の建築物の存する一団の土地の区域
換により取得した個別利用区の敷地
内で建替えにより新たに建設される建築物で
次のいずれかに該当する事業
①建築基準法の一団地認定又は連担建築物認
定をうけたものであること
②総合的設計により、隣接する2以上の敷地
に同時期に建設されるものであること
次のいずれかに該当する敷地で建替えによ
2
新たに建設される住宅の戸数又はその延べ
面積の合計が、建替えにより除却される住宅
の戸数又はその延べ面積の合計以上
3
建替え後の個々の敷地面積が原則として
100㎡以上
2 建替事業に係る敷地の合計が200㎡以上
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市街地再開発 2008年4月 第456号
4.まちづくり融資(短期事業資金)の融資条件
短期事業資金
まちづくり融資の種類
再開発事業
のケース
建設・購入資金
□初動段階∼建物竣工・保留床譲渡までの間に再開発組合等が必要とする初動期資金・建設資金等
融資対象者
□個人、法人
□事業準備組織(マンション管理組合等)
地域要件
□次の地域要件を満たしていただきます。詳細は前掲のとおりです。
①用途地域が住居系地域、商業系地域(容積率600%以下)、準工業地域であること。
②防火地域又は準防火地域等であること。
事業要件・建築要件
□前掲のとおりです。
融資率上限
□100%
対象事業費
・調査設計計画費 ・土地・借地権の取得費 ・建築工事費、補償費 ・参加組合員負担金等
融資額
□1. 26%
金利水準
融資金利
※上記の金利は平成20年度資金交付分の金利です。
(平成20年4月3日現在)金利は原則として年
度単位で決定されます。次年度の金利は市場の金利水準等を踏まえて毎年度3月下旬を目処に
機構からお知らせします。
□資金交付時の金利が適用されます(ただし手形書換えによる借換えをおこなう場合の借換え以降の
金利は、借換え時の金利が適用されます)。
※金利の適用期間は資金交付のあった年度の翌年度4月下期資金交付日まで適用されます。ただ
金利決定時期
し借換えを行う場合は翌年度4月下期資金交付の前日までが適用期間となります。
※借換え後の金利は借換えをおこなった年度の翌年度4月下期資金交付日まで適用されます(更
に借換えを行う場合は4月下期資金交付の前日まで)。
融資金の返済期限
□原則として、建物竣工後2年です。
※上記の上限のうち個々の事業に応じて機構が設定した返済期日が返済期限となります。
融資金の返済方法
□保留床等の譲渡状況等に応じて、機構と協議の上で、機構が指定する日に元金及び利息をご返済い
ただきます。
□毎年度4月1日から30日までのうち機構が指定する期日に元金及び利息を一括返済していただきま
すが、事業期間が返済期日を越えるため、一括返済することができない場合は、返済期日に手形を
書き換え、借換えの手続を行うことによりお借入れを継続していただくことができます。なお、返
済期日に借換えを行う場合は、返済期日(=借換え日)において、次年度の融資予約に基づく融資
金によりご返済いただきます。その際、経過利息については同日にお支払いいただくか、元金部分
に加えていただくこととなります。具体の返済額など、詳細については、表紙に記載の担当グルー
プまでお問い合わせください。
返済原資の例 ・保留床の売却代金、権利者の増床清算金等
融資の貸付形態
□約束手形に基づく貸付です。
担保
□原則として、土地・建物に根抵当権設定、事業者が有する債権に対する質権、譲渡担保権等を機構
を第一順位として設定させていただきます。
※事業の内容により個別にご相談させていただきます。また、担保設定に要する費用はお客様の
ご負担となります。
保証
□原則として、保証能力のある者の保証が必要です。
※事業の内容により個別にご相談させていただきます。
※機関保証を利用する場合は、保証料が必要となります(保証料は事業内容等により異なりま
す)。
建築物の技術要件
□機構が定める基礎基準を満たしていただきます。
※工事検査料が必要となります。工事検査手数料は適合証明機関によって異なります。
火災保険
□必要に応じて建物へ火災保険を付保していただきます(保険金請求権に機構のために第1順位の質
権を設定させていただきます。)。
※火災保険料はお客様のご負担となります。
一部繰上返済手数料
□5,250円
※融資については、お申込み後に当機構所定の審査があり、審査の結果、ご要望にお応えできない場合があります。
※上記のまちづくり融資の種類のほかに、当機構では参加組合員が賃貸住宅事業等を目的として保留床を取得するために必要
となる負担金や賃貸住宅事業又は自社使用を目的として権利者等が増床等を購入するために必要となる資金をご融資するた
めの「まちづくり融資(長期事業資金)」も取り扱っております。
詳しくは当機構まちづくり推進部まちづくり業務グループ又はまちづくり支援グループ(電話 03−5800−8104)までお問
い合わせください。
市街地再開発 2008年4月 第456号
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5.融資手続及び資金交付のイメージ
1 事業スケジュール
H20.4
建替決議
組合設立
H20.7
H20.11
事業計画
認可
H21.1
権利変換
認可
H21.5
立ち退き
除却
H21.7
H22.1
着工
H22.6
中間
H23.3
保留床売却
竣工
清算完了
2 融資手続(主なイベント)
1year(∼4下旬)
年度
組合
事前相談
・
融資申込
資金
請求
2year(∼4下旬)
資金
請求
借換
申請
資金
請求
3year(∼4下旬)
設
計
検
査
機構
事業承認
金利
融資
予約
1y
資金
交付
1回
融資
予約
2y
資金
交付
2回
1.26%(資金交付時の金利が適用)
資金
請求
借換
申請
譲渡
償還
現
場
検
査
資金
交付
3回
融資
予約
3y
資金
交付
4回
α%
資金
受入
β%
3 資金交付・手形借入のイメージ
使途
回数
権利買取費
第1回
補償費
建設工事費
建設工事費
第2回
第3回
第4回
保留床売却
清算完了
手形借換え
新規分/第4回
経過利息
手形借換え
借
入
残
高
新規分/第3回
経過利息
新規分/第2回
新規分/第1回
譲渡償還
借換え/第1回∼第3回
+経過利息
借換え/第1回・第2回
※資金交付に係る主な留意事項
① 資金交付の最低金額は 100 万円・最小単位は 10 万円です。 ② 資金交付日は月に 2 日(概ね 15 日(上期)
・30 日(下期)
)となります。 ③ 3 月と 4 月の資金交付は制約があります。
④ 同一年度内における資金交付回数は 2 回(借換えによる資金交付を含みます。
)を上限とします。 ⑤ 資金交付の都度(借換え含む。
)
、約束手形を振り出していただきます。
⑥ 融資金(元金及び経過利息)の返済期日は翌年度の 4 月となる予定です(3 月下旬を目処に融資金の返済期日及び次年度の融資予定金利を機構からお知らせします。
)
。
⑦ 上記⑥の返済期日にかかわらず、事業に係る地方公共団体の補助金、保留床売却代金等の受入があった場合は、機構が指定する日に指定する金額をご返済いただきます。
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市街地再開発 2008年4月 第456号
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