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武器輸出三原則の危機

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武器輸出三原則の危機
日 米 共 同 開発 中 の能 力
地 上 配備 型
民主 主 義 な き 政 策 決 定
、
正直 なと ころ 新大綱 への二原則大幅緩和
、
の明記見送り は予想外だ った。米 国 は 兄に
し明記 に合 わ せ て、﹁日本 の優 れ た技 術力を
生 か す ﹂ と 日本 を 評 価 す る文 書 を 発 表 す る段
。
9 、とに︶
日
つ︵
セ月1
=りだ った と いヽ
首者品”
市
、
が社 民 党 への配慮 を 優 先 さ せ 一時 は 三原 則
見 直 し に関 わ る記述 そ のも のが削 除 され か け
、
た が 安 住 淳防 衛 副大 臣 が ﹁
緩 和 の検 討 さ え
杉 原 浩 司
、
でき な く な る﹂ と 首 相 に直 談 判 し て ﹁方 策
、
を 検 討 す る﹂と 盛 り 込 ま せ た と さ れ る。
への ﹁
改 良 ﹂ も 図 ら れ る新 SM 3 は オ バ マ
、
政権 の新 欧 州 M D計 画 の要と し て位 置 づけ ら
一
苦 9じ て明 記を 押 しと ど めた背 景 には 民
、
、
。
れ 2 0 18年 ま で の配 備 が計 画 さ れ て いる
主 党 内 の異 論 の顕在 化 に加 え て 社 民党 に よ
、
ウ ィキ リ ー ク スが暴露 した のも 新 S M3 の
る明確 な 反 対 の主 張 があ る。市 民 運動 はぎ り
、
ぎ り の局 面 で 民主 党 内 の緩 和 反対 派 や推 進
欧 州 輸 出 のた め に三原則 の緩 和 を 迫 る米 国 の
、
。
公電 だ った
派 社 民党 な ど に対 す る集 中 的 な ロビ イ ング
を 試 み た。 タイ ムリ ー な 院内 集 会 や フ ア ック
三菱重 工な ど が開 発 に加 わ る迎 撃 ミサ イ ル
、
、
、
、
の 欧州 や中 束 豪 州 な ど第 〓国 への輸 出 は
ス等 に よ る働き か け が功 を奏 し 最 悪 の事 態
。
グ ロー バ ルな ミサ イ ル拡散 そ のも のだ。 しか
の回 避 に つな が った 民主 主 義 の生命 線 を 活
、
、
も MDは 相 手 同 の攻 撃能 力 の封 殺 を 目的 と
用す る こと で生 ま れた 時 間 的猫 予を 最 大 限
、
、
。
す るた め 軍拡 競 争 を 促進 し 地 域 の緊 張を
に活 か す こと が重 要 だ
、
。
増 大 さ せ かね な い危 険 な歳 略 兵 器 であ る さ
何 よ り も 垣 問見 え た のは 安 全 保 障 政策 の
、
、
。
ら に
D AR P
新 S M 3 は M D のみな ら ず
決 定 にお け る民主 二義 の欠 加 であ る 新 大 綱
A ︵
米国防高等研究計画月︶によ る新 たな遠 隔
の下敦 き と な った のは ﹁
安 保 防 衛 懇 ﹂報 告 書
、
だ が 例 によ って御 用 学 者 への九 投 げ であ っ
攻撃兵器 ﹁アー ク ライト﹂計画 の母体とし て
、
。
。
も構想され て いると いう ︵
と1︶
た さ ら に 新 大 綱 への提 言を ま と めた 民 主
、
日本製 の武器 が米国 のグ ローバ ルな軍事戦
党 の外 交 安 全 保 障 調査 会 も 役 員会 メ ンバ ー
、
、
を 秘 匿 す る な ど 極 め て密 キ 性 の高 いも の
略 に組 み込ま れ ると いう事態 は 憲法 9条 下
、
。
では本来想定 し難 いも のであ る。
だ った ︵
注2 そも そも 国会 の関与 が な い
、
こと も 信 じ難 い。 そし て 北澤 防衛 相 と 長 島
昭久
会
は 三原 則 は
外
交
安
保
調
査
事
務
長
局
﹁
。
国 定 では な い﹂ と公 然 と 発 言 し た ︵
と3︶ 全
︲
会 一致 の国 会 決 議 ︵
8年 ︶や世 論 を 踏 み に じ
、
る暴 吉 にも 関わ ら ず 全 く 問題 にさ れ て いな
武 器輸出 三原則 の危機 を
﹁
好 機 ﹂ に転 じ る た め に
、
な し 崩 し 緩 和 が 始 ま った
菅 政 権 は 1月 8 日
。
、
向 上 型 辺 埠 ミサ イ ル ﹁S M 3 ブ ロ ック 2 A ﹂
、
に つ いて 米 国 か ら第 二 国 への移転 を 可椛 に
。
す る基 準 の策 定 に着 手 す る方針 を 同 め た 防
、
、
衛 外 務 経 済 産 業 な ど 関 係省 庁 が近 く 検 討
、
に入 り 1年 程 度 か け て詳 細 な手続 き や条件
、
日 同
を
を
ことを 想 定 し
詰
米
で
め
わ
覚
書
交
す
。
2月 1
7
1月9日 読売︶
て いる と いう ︵
昨年 1
、
日 新 防 衛 大 綱 への武 器輸 出 三原則 ︵
以下 コ二
、
原則し の大 幅 緩 和 の明 記 が 見 送 ら れ てか ら
。
一ヶ月 も って いな い
経
、
2月 ︲ 日、
︲
大 晦 日 の朝 日新 聞 は イ ージ ス
3
艦 に搭 載 す る ミ サ イ ル防 衛 孟 2 用 ソ フト
ウ ェア の日米 共 同 開発 の頓 挫を 一面 ト ップ で
。
報 じ た 第 二国 輸 出 の際 に必要 と な る 日本 側
、
の事 前 同 意 手 続 き に 米 国 側 が雑色 を 示 し た
。
のが 理 由 と さ れ る 珍 しく 喜 ぶ べき ニ ュー ス
、
だ った が 記事 は防衛 省 幹 部 によ る ﹁S M 3
ブ ロ ック 2 A﹂ の第 二 日輸 出 への基 準 作 り の
。
年 明 け早 々に早 く も そ
意 志 を も 報 じ て いた
れ が 動 き 出 した のだ
現 行 の海 上 配 備 型 のみ な らず
市民の意見 N 0 1 2 4 2 0 1 1 / 2 / 1
押 さえ て いた蓋 を外 す のが いか に危険 な こ
。
、
いには ﹁
意 味 す ると こ ろが 明 ら か では な い﹂
と し て回容 を 拒 否 。 ま た、 日本 が 供 与 した武
論手 の中 で
禁輸 原則 を単 に ﹁守 る﹂ のでは な く
世 界 に類を 見 な い先 進 的 な 武器
、
政府 に
そ の地 域 化 ︵
北束 アジ ア武器輸出制限地帯︶や グ
ロー バ ル化 ︵
厳格 な武器貿易条約 の締結 ︶を 主
、
。
と も ら
っ
に
な
か
か
明
た
を
よ
北
澤
防
が
に
る
を
と
と
衛
相
緩
和
器
米
国
の
開
る
こ
を
さ
う
技
術
武
器
発
実
の
る
ろ
態
示
せ
導
す
だ
迫
べ
本 来 日本 政
、
、
、
先 取 りす る形 で始めた 軍需産業と の意見交
の問 いには ﹁詳 細 か つ膨 大 な 作 業 が 必 要 な
府 は 武 器 禁 輸 原 則 を 高 く 掲 げ て ロボ ツト 兵
、
。
、
換 会 では ﹁
火砲 や弾 薬 でも 国際共 同 開発 は
た め困難 ﹂ と 逃 げ た
器 や 民 間 軍事 会 社 宇 宙 兵 器 な ど 規 制 が 手 付
、
、
あ り得 る﹂と の意見 が飛び出した。また 防
防 衛 省 や民 主 党 調 査会 提 言 が 想 定 し た のは
か ず の領 域 に お け る 軍 縮 へのイ ニシ ア チ ブ を
、
、
。
衛 省 が無 人港水艦 やサイ バー 宇宙など の分
米 国 に向 け て空 け た ● 原 則 の大 穴 を ﹁国 際
発 揮 す べき な のだ
、
6 ケ国 に
野 で の国際共 同開発を 視 野 に入れ て いること
うじ、核とミサイル防衛 にNOIキ ヤ
すぎ はう と﹂
共 同 開発 ﹂ の名 のも と に 9
1な いし 2
︵
、
。
1 0 、
。
日
も報 じ られ た ︵
月
産
ンベーシ︶
1
活
︶
3
三
原
則
が
一挙 に拡 大 す るも のだ った 川 崎哲 が論 証 し
緩
和
、
日本版 ﹁軍産複合体﹂ の欲望を解き放 つこと
て いるよう に 緩 和 対 象 目 の条 件 と さ れ る ﹁国
は必至 だ 。
際 的 な武 器輸 出 管 理 レジ ー ム﹂ は 極 め て脆 弱
オバ マの切り礼 核を無意味 にする超ド級
︵
注 1︶﹁
、
ミ
サイ ル≡能勢仲之 同部 いさく ﹃
であ り ﹁紡 争 を 助 長 しな い﹂ 担 保 には な り
文菫春秋﹄1月テ ︶
対米 ﹁
例 舛 化 ﹂ の大 穴 を 喜 ごう 1
.
。
、
の一
“終ページを参照
と と 日本 が 仲 田 入 り を 狙 う のは
得な い ︵
。
2
全
︵
注
︶
外
交
安
保障調査会 の提言策を起草した の
管首相は ﹁
国際紛争を 助長しな い﹂基本 理
北 の武 器輸 出 ロ サ ー ク ル であ る そ れ こそ は
、
、 口
、
、
、
。
、
は
島
長
昭
久
士 民州司 中川正暮 大町元結 三
ま
念 を 守 ると 強調 した 仙 谷官房長官 は ﹁
NATO ︵
ず
北大西洋条約機構︶加 盟 国 を は じ め
.
村和也 の各議員
は 三 原 則 が 何を 指 し て いるかを議 論す べき ﹂ 現在 も 今 後 も 、 国 際 紛争 当 事 国 ︵
侵補︶の運
。
と 3︶杉収 ﹁
武器輸 出国 へ黒定す る民主党 政権 ﹂
︵
と述 べた。 これ ら の発言を 、私たち が引く ベ
合 な のだ
、
ピ ーブ ルズ プ ラン研究 所 ウ ェブサイト すi
。
︵
、
3一
1
き
と
こ
と
し
2
3
る
し
対
線
変
だ
抗
へ
換
す
が
貢
要
本
そ
て
︵
テ
詰
前
号
︶
で
た
指
摘
﹁
任
宮くて 0
0●
ィ ,
■o,
や
2月
■
■
的ふ均︶
常 時戦争 省 みる米 日﹂と いう記事 が 1
﹁
人 機 の目 ﹂ にあ た る画像 ジ ャイ ロ の日米 共 同
︵
注 4︶川崎者 ﹁
。
、
危う い防衛読議﹂ 島世界﹄ 2月号 ︶
2
戦争 に明 け
注5一は ロボ ット 戦 争 時 代 にお け る
2 日 の朝 日新 聞 に掲 載 さ れた ﹁
研究 ︵
︵
と 5︶杉原 ﹁
冷徹な戦争 イ ンフラとしてのCPS﹂
、
、
暮 れ る﹂ 米 国を 1983年 以降 三原則 の例
紛争 加 担 そ のも のであ り 三原 則 緩 和 の先取
︵
岩波書店 T 学﹂ 2月, ︶を参照。
。
り
に他 な らな い。
外 と し た ことを今 こそ ﹁
省 みる﹂ べきな のだ
、
、
まず は 冒 頭 に述 べた 三原 則 実質 緩 和 の動
最大 の国際紛争当事 日 であ る米国 の例外化 は
き への反 対 が 急 務 であ る。 そ れ に は、 M D反
﹁紛争 を 助 長 しな い﹂基 本 理合 に真 っ向 から
。
、
。
抵触 す る
対 の明確 な 論 理 が 不 可欠 だ さ ら に 米 国 の
、
例外化 を絞 回 さ せ るため に 習 一
原 則 の核 心
、
と は何 か﹂ と いう 議 論を 私 た ち市 民 運動 こ
そ が積 極 的 に仕掛 け て いく 必 要 が あ る。 そ の
、
福 島 瑞穂 議 員が提出 した質 問主意書 に対す
0日︶は、政 の
る政府 答 弁書 ︵
セ月1
府 弱点を
。
如 実 に物 語 る ﹁イ ラク戦争 におけ る米 国 及
び ア フガ ニスタ ン戦争 におけ る国際治安支援
部 隊 は 国際紛争 の当事 日 ではな いか﹂と の問
市民の意見 N0124 2011/2/Ⅲ
13
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