社会正義論

授業科目名
社会正義論
科目コード
S805000
科目区分
専門教育科目
開講時期
後期
学部･学科等
教育学部 生涯教育・地域社会コース
曜日
水曜日
必修･選択区分
選択
時限
5～6
標準対象年次
2,3,4
授業形態
講義
単位数
2
教室名
教育マルチ教室１（峰）
電話番号 (代表者名)
担当教員名
e-mailｱﾄﾞﾚｽ
（代表者）
高山　宏司
オフィスアワー
＜平成20年度は開講しません＞
【授業の目標】
西洋の古典古代世界（古代ギリシャ・ローマ世界）を代表する哲学者（の一人）である
プラトンの思想を学びます。彼の哲学は同時代に対してだけではなく、現在に至るまでプ
ラトニズムと呼ばれる形で、道徳、法律、宗教、科学的思考といった様々な方面に強い影
響を与えて来ましたが、この時間では特に彼の道徳哲学的側面に注目しながら、彼の正義
に関する思想を学びます。
なお、極めて学究的な暮らしをしていたかに見えるプラトンの生涯は、実は現実政治に翻
弄され続けたものでした。とかく理想主義的と評されがちな彼の思想もこういった現実と
の格闘なしには生まれ得なかったのであり、彼がひたすら正義を求めてやまなかったのも
このことと無関係ではありません。授業ではこういった歴史的社会的背景をも明らかにし
つつプラトンの思想を語っていきたいと思っています。
【前提とする知識・経験】
特にありません。
【授業の具体的な進め方】
通常の講義形式の授業です
【授業計画】
大体次のような順番で授業をしていこうと思います。
１．プラトンの生涯と当時の社会状況
２．テキストの問題（プラトンの「著作」はどこまで本物か）
３．ソクラテスの死と初期プラトンの著作
４．中期プラトンその１（イデア論の発見）
５．中期プラトンその２（イデア論と恋）
６．中期プラトンその３（イデア論と魂の輪廻転生）
７．代表作「国家」における正義論
８．イデア論に対する反省と後期のプラトン
【教科書・参考書・教材】
特に定めませんが、参考書目に関しては授業の折々に教えることがあると思います。授業
で取り上げたプラトンの作品を岩波文庫などで各自読んでもらえればとても嬉しい。
【成績評価法】
学期末試験の成績で決めます。
【教員からのメッセージ】
プラトンは事実を語らず虚構を作り上げる芸術家や詩人達に対して厳しい態度を取った人
でしたが、実際の所、彼自身の著作には或る意味でギリシャ文学の華と言ってもいいほど
の劇的緊張と文学的香気に満ちた作品が少なくないのです。文庫本でも簡単に読むことが
出来るので、こういった機会を通じて彼の作品に親しんでもらえたらと思います。