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急性出血に於ける骨髓の態度に関する研究
急 性 出血 に於 け る骨 髓 の態 度 に関 す る研 究 第 三 編 瀉 血 の骨髓 内血 液循 環状 態 及び全 身血 液循 環 時間に 及ぼす影響 に就 て 岡山大 学医学 部平木 内科敎 室(指 導:平 木 講 師 橘 建 〔昭 和29年11月15日 内 容 第1章 緒 言 第2章 実験材料並 に実験方法 潔敎授) 樹 受稿 〕 目 次 第2節 全身血液循環時間の変化 第1項 肺循環時間 第3章 実 験 成 績 第1節 骨髄 内血液循環状態の変化 第2項 体循環時間 第4章 総 括並に 考按 第1項 サイアジン灌流試験 第2項 骨髄 内最短血液循環時間 第5章 結 論 血 液 循 環 状 態 が 促 進 或 は 抑 制 せ られ た もの と 第1章 緒 言 判 定 し て い る. 骨髄 の血 管 構造 が 既 に第 一編 諸言 に述 べ た 然 し骨 髄 に は そ の 構 造 よ り考 え て,か 如 く可 成 りの 特 殊 性 を 有 す る 事 に 異 論 は な い. 緩 慢 な る血 流 とは 別 に,敏 即 ち教 室 大 藤18)19)の 研 究 に よ れ ば,骨 液 の 存 在 す る 事 も容 易 に 想 像 さ れ る.嘗 髄の ゝる 活 な循 環 を 営 む 血 て 静脈 系は 動 脈 系 に比 し極 め て複雑 多岐 の様 相 Stewart170)171)は 電 気 的 測 定 法,色 を 示 し,且 つ 広 大 な 容 積 を 占 め る為,骨 て 種 々 の 器 官 の 最 短 血 液 循 環 時 間 を 測 定 した 髄内 素法 を 以 血 流 は 頗 る緩 慢 で 又 そ の 循 環 路 も単 一 で な い が,そ もの と推 定 され る.茲 月82)は 聞 か な い 様 で あ る.よ つ て 私58)は昨 年 報 告 し 萄 糖 を 家 兎 大 腿 骨 栄 養 動 脈 よ り注 入 し, た 如 く,そ の 正 確 且 つ 比 較 的 簡 単 な 点,同 一 5%葡 に 於 て 平 木-塩 の 後 この 方 法 を 用 い て の 報 告 を あ ま り 時 間 お き に 栄 養 静 脈 血 の 血 糖 量 を 測 定 して10 動 物 を 短 い 間 隔 で 連 続 的 に 計 測 し比 較 の 出来 乃 至15分 に 最 高 濃 度 に 達 す る事 を 認 め,又1 る点 等 の 長 所 よ り,氏 の 電 気 的 測 定 法 を 用 い %サ イ ア ジ ン溶 液 を 用 い て 同 様 の 方 法 で 略 々 て従 来 誰 も試 み な か つ た 家 兎 の 大 腿 骨 骨 髄 内 同 じ結 果 を 得,骨 髄 内 血 流 の 状 態 を 曲 線 と し 最 短 血 液 循 環 時 間 を 測 定 し, 6例 で 平 均7.5 て示 す 事 に 成 功 す る と と もに,そ 秒 の値 を 得 た.即 ち骨 髄 内 血 流 に 本 来 の 非 常 い て 教 室 副 島52)は に 緩 慢 な もの と速 か な も の と2種 類 あ る 事 を P32を 標 識 した 赤 血 球 を 以 証 明 し,骨 髄 内 血 液 循 環 状 態 の 検 索 に は 之 等 月 と同 様 に 家 兎 大 腿 骨 骨 髄 の灌 二 つ の 観 点 よ り考 察 す る 必 要 の あ る 事 を 指 摘 事 を 実 証 し た の で あ る.続 更 に 一 歩 を 進 め, て,平 木-塩 の緩 慢 な る 流 を 行 い,注 入 後10乃 至15分 に 於 け る栄 養 静 脈 血 が 最 高 計 数 の 山 を 示 す 事 を 証 明 し,こ の し た. 一 方 眼 を 転 じて ,貧 血 時 に 血 流 速 度 の亢 進 山 こそ 骨 髄 内 貯 溜 血 の 動 き に 他 な らな い もの の 見 ら れ る事 が 既 に 古 くか ら 唱 え ら れ て い と解 し て,平 木-塩 る.即 と し た.而 が,左 月の方 法 の有 力 な裏 付 け して 最 高 濃 度 を 示 す この 曲 線 の 山 方 或 は 右 方 に 偏 移 す る 事 に よ り骨 髄 内 ち1905年Mohr151),次 Rohmer152)が い でMorawitz- 重 症貧 血 時 の組 織酸 素 供給 に 関 す る実 験 で,貧 血時 には血 流 速度 の亢 進 が 必 2546 橘 要 欠 くべ か ら ざ る も の と考 え て よ り,臨 にKoch142), nitz177), Prusik163), Leonard143)等 sacker176), Blumgart113) ,実 建 床的 験 的 に はWeiz 研 究 が 踵 を 接 し て 報 告 せ ら れ た.更 り返 つ て 見 る と と もに,瀉 血 が骨髄 内血 液 循 環 状 態 及 び全 身血 液 循 環時 間 に如 何 な る影響 , Winter Morawitz-Denecke154)等 樹 を 及 ぼ す か を,サ イ ア ジ ン灌 流 試 験82)及 び と幾 多 の Stewart氏 に 近 々20 に よ り検 索 し,併 せ て 瀉 血 時 の 直 腸 温,呼 に よ る最 短 血 液 循 環 時 間 測 定 法58) 吸 年 間 の こ の 方 面 に 於 け る研 究 報 告 は 実 に 枚 挙 数,脈 に 遑 な く,本 後 の 骨 髄 内 貯 溜 血 球 の 動 員 機 転 の解 明 に寄 与 邦 に 於 て も 桐 井33),木 村(元)31), 伊 藤9),蔡44),松 岡89),向 成 績 が あ る.之 井94),田 坂57)等 の 搏,血 圧 の 変 化 も測 定 し て,以 せ ん と企 て た. 等 諸家 の 報告 は 結論 として貧 第2章 実験材 料並 に実験方法 血 の 際 血 流 速 度 が 亢 進 す る 事 を 例 外 な く指 摘 し て い る.然 し 之 等 の 成 績 を 瞥 見 す る に,そ 1) 実 験 動 物,瀉 の 多 くは 貧 血 の 完 成 時 に 於 け る 血 流 速 度 の 測 定 で あ り,出 血 直 後 乃 至 短 時 間 に 於 け る血 流 速 度 の 変 化 に 関 し て は 聊 か 靴 下〓 痒 の 感 を 禁 じ 得 な い.こ て瀉血 の 事 に 関 し,既 にWelzsacker176) 血 法,骨 髄 栄 養 血 管 の 露 出 は 第 一 編 に 詳 述 し た の で 省 略 す る. 2) 骨 髄 内 血 液 循 環 状 態 の 測 定 i) サ イ ア ジ ン灌 流 試 験;瀉 血 以 外 の血 液 損 失 を 可 及 的 少 くす る 為 に 私 は 教 室 平 木- が 亜 急 性 貧 血 で は 血 流 速 度 は 亢 進 す る が,急 塩 月82)の変法 を 行 つ た.家 兎大 腿 骨栄 養血 管 性 出 血 で は 時 に 却 つ て 遅 延 す る場 合 も あ つ て 一 定 し な い と述 べ て い る の は 興 味 深 い 報 告 と を 露 出 し,栄 養 動 脈 よ り2%サ イ ア ジ ン溶 液 (山 之 内 製)0.1ccを いで栄 養 静脈 言 え よ う. を 穿 刺 して 流 出 す る 血 液 を 時 間 お き に ザ ー リ 然 し な が ら 何 れ に せ よ,急 性 出血 時 に於 て は 必 ず や 全 身 の 血 流 速度 の 変 化,延 いて は骨 注 入 し,次 メ ラ ン ジ ユ ー ル で 劃 線 迄 吸 入 採 血 し,こ の 血 液 を 津 田-松 永62)の変 法 に よ り発 色 せ しめ た. 髄 内 血 液 循 環 状 態 の 変 化 を も招 来 す る の で は 即 ち この 血 液 を 直 ち に 蒸 溜 水6ccに な か ろ うか.又 次 に15%ト か ゝ る骨 髄 内 血 液 循 環 状 態 の リ ク ロ ー ル 醋 酸1ccを 溶 血 させ, 加 えて除 蛋 変 化 が 骨 髄 の 血 球 動 員 の 重 要 な 因 子 とな る事 白 を 行 い5分 間 放 置 す る.之 を 東 洋 濾 紙7号 も 想 像 に 難 く な い 所 で あ る.古 を 用 い て 濾 過 し,濾 液4ccに15%塩 Schoen-Berchtold167)は くHess134), 血 流 の 変 化 が 骨髄 の を 加 え,更 に0.2%亜 酸0.5cc 硝 酸 ソー ダ4滴 を滴 下 血 球 動 員 を 惹 起 す る の で は な い か との 疑 問 を し て3分 間 放 置 す る.次 に25%尿 抱 き,井 を 加 え て 過 剰 の 亜 硝 酸 ソー ダ を 分 解 し, 25乃 副 島52),藤 上12),教 室 平 木81),須 井(昌)86)等 賀50),藤 田87), も栄 養 血 管 の 拡 張,收 縮 に 伴 う 骨 髄 内 血 流 の 促 進 或 は 抑 制 が,骨 至30℃ 髄 で10分 る.次 に0.2%津 の 血 球 動 員 或 は 血 球 抑 留 の 重 要 因 子 とな る 事 しめ,約30分 を 指 摘 し て い る. け,フ 私 は第 一 編 に於 て瀉血 後 大腿 骨栄 養 静 脈血 素 溶 液6滴 間 放 置 しヂ ア ゾ化 を 完 了 させ 田 試 薬 を5滴 加 え て 発 色 せ 後 に 電 気 比 色 計(日 立 製)に か イ ル タ ーGを 用 い て 濃 度 を 測 定 した. 而 し て 比 色 計 の 読 み を そ の ま ゝ濃 度 と し て 記 中 に 骨 髄 内 貯 溜 血 球 の 動 員 が 見 ら れ る 事,そ 載 し,平 木-塩 れ は 瀉 血 後1乃 に こ 曲 線 を 描 き,そ の 最 高 濃 度 を 示 す 曲 線 の 山 が の 動 員 に は 健 全 な る 網 内 系 を 必 要 とす る 事 を 左 方 或 は 右 方 に 偏 移 す る 事 に よつ て 骨 髄 内 血 述 べ た.続 液 循 環 状 態 を 判 定 し た. 至2時 間 に 著 し い 事,更 いて第 二 編 に於 て は該 動員 が 中 枢 性 血 球 調 節 神 経 或 は 末 梢(自 律)神 経直接の 支 配 を 殆 ん ど 蒙 ら な い 事 を 証 明 し,こ の際骨 月に従 つ て サ イア ジ ン濃 度の ii) 骨 髄 内 最 短 血 液 循 環 時 間 測 定 法;私 及 び 柴 田58)が医 学 と生 物 学 に 報 告 し た 如 くで 髄 栄 養 血 管 作 用 は 第 一 義 的 な意 義 を 有 しな い あ るが,之 事 に も 触 れ た.茲 に於 ては私 は第 一編 に於 け る.即 る瀉 血 後 の 骨 髄 内 貯 溜 血 球 の 動 員 を改 め て 振 角5号 を 茲 に 引 用 す れ ば 第11図 の 様 で あ ちWheatstone橋(ratio 10:10),平 乾電 池 及 び鋭 感電 流 計 に接 続 した鉤 型 急 性 出血 に 於 け る骨 髄 の 態 度 に 関 す る研 究 2547 第11図 骨髄 内最短血液循環時間測定装置 称 を 用 い た. 1. Wheatstone氏 ii) 体 循 環 時 間 橋 の 測 定;頸 2. 鋭 感 電 流 計 動脈 よ り 3. 電 導 子 大 動 脈 へ3%の 4. 大 腿 骨 栄 養 靜 脉 食 塩 水0.5∼0.7ccを 5. 大 腿 骨 栄 養 動 脉 室温 注 入 し,電 導 子 を 股 6. 股 動 脉 静 脈 に 装 置 し た.こ 7. 股 靜 脉 8. 外 側 大 腿 回 旋 動 脈 の際 測定 側 下腿 の 緊 9. 内 側 大 腿 回 旋 動 脉 縄 を 行 わ ず,爪 10. カ ニ ュ ー レ 11. をコ ッヘ ル 鉗 子 で 挾 み, ク レンメ 鉗子 を 固定 台 に緊 縄 12. 注 射 器 し,以 て 下 肢 の 循 環 13. 食 塩 水 障 碍 を 防 い だ. 不 分 極 電 導 子 を,コ ン ドー ム 片 で 周 囲 組 織 と 絶 縁 し た 栄 養 静 脈 に 装 置 し た.不 分 極 電 導 子 は ガ ラ ス 製 で 白 陶 土.硫 酸 亜 鉛,亜 た.茲 至3%の に 保 た せ た. 4) 直 腸 温 測 定 法;家 鉛 を用 い に 於 て 栄 養 静 脈 の 電 気 抵 抗 を 測 定 し, 次 い で2乃 之 等循 環 時間 測定 中に は可 及的 室 温 を一定 室 温 食 塩 水 を0.5cc宛 注 塊 を 圧 出 し,無 稽 留 検 温 計 を 一 定 の 深 さ に 挿 入 し て 測 定 した. 5) 呼 吸 数 測 定 法;呼 射 器 で 予 め 装 置 し た カ ニ ュ ー レを 通 じ て 内 側 大 腿 回 旋 動 脈 よ り股 動 脈 に 注 入 し,そ の 瞬 間 よ り電 流 計 の 振 れ の 開 始(即 ち2乃 抵 抗 が 減 少 し始 め た 瞬 間)迄 ッチ で 測 定 し た.こ 吸 運 動 を 目測 で 測 定 し た. 至3%食 塩 水 の 栄 養 静 脈 到 達 に よ り該 静 脈 血 管 の 電 気 兎 を 背 位 固定 後,糞 6) 脈 搏 測 定 法;聴 診 器 を以 て 心尖 膊動 を 聴 い た. を ス ト ップ ウ オ 7) 血 圧 測 定 法;普 通 の 水 銀 マ ノ メー タ を の 値 は 股 動 脈 →外 側 大 腿 用 い 観 血 的 に 測 定 した.即 ち頸 動 脈 に 動 脈 カ 回 旋 動 脈 →栄 養 動 脈 →骨 髄 →栄 養 静 脈 の 最 短 ニ ュ ー レを 挿 入 し, 10%ク エ ン酸 ソ ー ダ 溶 液 血 液 循 環 時 間 で,実 を 満 し た ゴ ム 管 で 水 銀 マ ノ メ ー タ に 連 結 し, 際 の骨髄 内最 短血 液 循 環 時 間 とは 言 え な い が,然 し股 動 脈,外 側 大腿 血 圧 変 化 をU字 回旋 動 脈 が本 循 環 に 関与 す るのは 距離 に して 1cm未 満,計 測 時 間 に し て0.5秒 内 外 で あ り, 呼 吸 数,脈 管 目盛 で 読 ん だ. 搏 及 び 血 圧 に 就 て,こ の様 な 測 定 法 は 多 少 の 誤 差 を 免 れ な い が,測 定 時 間 が 加 う るに 本 実 験 で は 同 一 家 兎 で 連 続 測 定 を 行 長 い 事,繁 い,そ 法 が 簡 単 で あ る事 か ら之 等 を 用 ひ た.尚 家 兎 の測定 値 の 比 較 に意 義 が存 す るので あ る か ら,こ の 点 に 関 し て は 無 視 し て 差 支 え な 回 測 定 の 必 要 の あ る事,及 び測 定 は 全 て無 麻 酔 で 実 験 に 供 し た. い も の と考 え る. 3) 全 身 血 液 循 環 時 間 測 定 法:骨 髄 内最 短 血 液 循 環 時 間 測 定 と 同 様 にStewartの を 用 い た.こ 100:100と の 際Wheatstone橋 第3章 方法 第1節 第1項 の 室 温 食 塩 水0.5ccを 脈 に 装 置 し た.勿 瀉 血 前,瀉 静 脈 よ り3% 注 入 し,電 導 子 を 股 動 論 之 は 正 確 な る肺 循 環 時 間 を 示 す も の で な い が,次 験 成 績 骨髄 内血 液 循 環状 態 の変化 のratioは し た. i) 肺 循 環 時 間 の 測 定;頸 実 の 体循 環 時間 に対 し て 本 測 定 法 は 肺 循 環 を 含 む 為 に 便 宜 上 この 名 瀉 血 後30分, サ イ ア ジ ン灌 流 試 験 血 直 後(6分30秒 1, 11/2, 2, 21/2, 3, 4, 6及 時 間 の11時 期 に 於 て,各 々2例 ジ ン の 骨 髄 灌 流 試 験 を 行 つ た.結 1, 2, 3, 4に 迄 を 含 む), 示 す 如 く で あ る. び8 に就 きサ イア 果 は 第11表 2548 橘 建 樹 第11表(そ の1) サ イ ア ジ ン 灌 流 試 験 第11表(そ の2) サ イ ア ジ ン 灌 流 試 験 急 性 出血 に 於 け る 骨 髄 の 態 度 に 関 す る研 究 第11表(そ の3) サ イ ア ジ ン 灌 流 試 験 瀉 血 前; 2例 共12分 に 最 高 濃 度 の 山 が 出 現 し,平 木-塩 月82)の正 常 曲 線 に 一 致 す る. 瀉 血 直 後; No. 26は10分 濃 度 の 山,即 及 び25分 瀉 血 後21/2時 で は3分 に最 高 ち2相 性 の 山 が 出 現 す るが, No. 27に 於 て は18分 に 最 高 濃 度 の 山 が 出 現 し, 瀉 血 後3時 比 較 し右 方 に 偏 移 す る.後 者 は 概 ね 正 常 曲 線 致 す る. 2例 共, 10∼15分 に最 高濃 に, No. 29で は11/2分 に 最 高 濃 度 を 示 し て い る. 間;こ 度 の 山 が 左 偏 し,而 の 場 合 も2例 共,最 高濃 も全 体 と し て 急 峻 な 曲 線 瀉 血 後11/2時 間; 2例 共 最 高 濃 度 の 山 は 左 間; 間; 及 び20分 No. 37 に 最 高 濃 度 の 山 が 出 現 し, No. 38は11分 に, No. 39 No. 40は10分 に, No. 41 に 最 高 濃 度 の 山 が 出 現 し, 前 者 は 正 常 曲線 に 一 致 す る が 後 者 は 稍 々 右 方 に 偏 移 す る. で は13分 間; No. 42は12分 に, No. 43 に 最 高 濃 度 の 山 が 出 現 し正 常 曲 線 に 一 致 す る. 瀉 血 後8時 を 描 く. で は14分 間; No. 44は17分 に, No. 45 に 最 高 濃 度 の 山 が 出 現 し正 常 曲 線 に 一 致す る. 偏 す る. 瀉 血 後2時 で は8分 で は9分 瀉 血 後6時 即 ち 最 高 濃 度 の 山 の 顕 著 な 左 偏 を 見 る. に, に 最 高 濃 度 の 山 を 示 し正 常 曲 線 に 一 瀉 血 後4時 度 の 山 は 認 め ら れ ず, No. 28で は2分 瀉 血 後1時 及 び20分 No. 36は15分 移 す る. で は9分 と言 え よ う. 間; 前 者 は 正 常 曲線 に 属 す が 後 者 は 稍 々 右 方 に 偏 前 者 は 正 常 曲線 即 ち10∼15分 に 見 ら れ る山 に 瀉 血 後30分; 2549 間; No. 34は17分 に, No. 35 に 夫 々最 高 濃 度 の 山 を 示 す が,両 共 概 ね 正 常 曲線 の 範 囲 内 に 属 す. 者 以 上 の 中 代 表 的 な 例 を 図 示 す れ ば 第12図 如 くで あ る. の 2550 橘 第11表(そ の4) 第12図 サ イ ア ジ ン灌 流 試 験 建 樹 サ イ ア ジ ン 灌 流 試 験 第2項 骨髄 内最短 血 液 循 環時 間 3例 に 就 き,右 内 側 大 腿 回 旋 動 脈 よ り2%食 塩 水 を 注 入 し,右 栄 養 静 脈 に 電 導 子 を 装 置 した.次 いで 瀉血 前 の最 短 血液 循 環 時間 を数 回 測定 し た 後,体 重 当 瓩15ccの 急性 瀉血 を 行 い,時 間 お き に 循 環 時 間 の 変 化 を 測 定 した.結 果 は 第12麦.第13図 に 示 す 如 くで あ る. 骨髄 内最 短血 液 循環 時 間 は瀉 血 直 後 著 し く延 長 す る が,次 縮 し て 凡 そ30分 い で漸 次短 よ り1時 間30分 の 間 で 瀉 血 前 平 均 値 以 下 に 至 る.即 ち No. 46に 於 て は 瀉 血 前 の 平 均 値7.86 秒 が 瀉 血 直 後 よ り15分 迄12秒 台 に 延 長 す るが, 20分 1時 間5分 よ り漸 次 短 縮 し て で 最 短 値6.2秒 を 示 す. No. 47で は 瀉 血 前 の 平 均 値8秒 が瀉 血 直 後 著 し く延 長 した が 以 後 速 か に 短 縮 し, 25分 で 既 に 瀉 血 前 値 を 示 し, 34分 よ り1時 間15分 の 間 で は 更 に 短 急性 出血に於け る骨髄 の態度に関す る研究 第12表 2551 骨 髄 内 最 短 血 液 循 環 時 間 第13図 骨 髄 内 最 短 血 液 循 環 時 間 縮 し て い る. No. 48に 9.4秒 於 て も瀉 血 前 の 平 均 値 が 瀉 血 直 後 著 し く延 長 す る が,以 次 短 縮 し30分 で は 一 躍4.8秒 は 最 短 値4.6秒 を 示 す.然 後漸 と な り35分 で し之 等 循 環 時 間 は 時 間 の 経 過 と 共 に 何 れ も 再 び 延 長 し 始 め, No. 46はi時 No. 48に 間45分, 於 て は1時 No. 47で 間40分 は2時 間13分, 以 後 に 於 て 夫 々瀉 血 前 値 以 上 に 延 長 す る. 第2節 第1項 (附;直 全 身 血液 循環時 間 の変化 肺 循 環 時間 腸 温,呼 吸 数,脈 搏,血 圧) 3例 に 就 き実 験 を 行 つ た.左 頸 静 脈 よ り3 %食 塩 水 を 注 入 し, No. 49, No. 50は 右 股 動 脈 に, No. 51で は 左 股 動 脈 に 電 導 子 を 装 置 し 2552 橘 建 て,骨 髄 内 最 短 血 液 循 環 時 間 測 定 の 場 合 と同 様,瀉 血 前 及 び瀉 血後 の 循 環時 間 の変 化 を 時 間 お き に 測 定 した.結 果 は 第13表,第14図 に 示 す 如 くで あ る. 肺 循 環 時 間 は 瀉 血 直 後 著 し く延 長 す るが, 次 い で 比 較 的 速 か に 短 縮 し て30分 乃 至50分 の 間 で 既 に 瀉 血 前 平 均 値 に 達 し,以 後 更 に 短 縮 し て1時 間 よ り2時 間 の 間 で 最 短 値 の 頂 点 を 示 す.即 ちNo. 49及 びNo. 瀉 血 前 の 平 均 値3.7秒 50に 於 て は 夫 々 及 び4.4秒 が瀉 血後 何 れ も 一 時 延 長 す る が 速 か に 恢 復 し て, No. 49 第13表(そ の1) 脈 搏,呼 No. 49 2.2kg 肺 循 環 時 間,血 吸 数,直 圧, 腸温 当 瓩 15cc 瀉 血 室 温 20℃ 樹 急 性 出 血 に 於 け る骨 髄 の 態 度 に 関 す る研 究 第13表(そ の2) 脈 搏,呼 No. 50 2.4kg 肺 循 環 時 間,血 吸 数,直 2553 圧, 腸 温 当瓩 15cc 瀉 血 室 温21℃ は35分 よ り1時 間10分 迄, No. 50で は16分 よ り40分 迄,略 々瀉 血 前 平 均 値 の 前 後 を 持 続 す る.然 49は1時 しNo. 縮 し て1時 間40分 No. 50も47分 間15分 で 最 短 値3.1秒 を 見 る に 至 る.即 50分 よ り1時 間40分 No. 51に 秒 が 瀉 血 後5分 を 示 し, よ り 急 に 短 縮 し1時 最 短 値2.9秒 を 見 る. よ り急 激 に 短 間22分 ちNo. 50は 迄 循 環時 間 の著 明 な短縮 於 て も 瀉 血 前 の 平 均 値5.7 で10秒 に 延 長 し た が,以 較 的 速 か に 短 縮 し て50分 で4.5秒 時 間20分 で で 最 短 値3.4秒 を 示 す.然 後比 と な り, 1 しなが ら 之 等 肺 循 環 時 間 は 時 間 の 経 過 と共 に何 れ も軽 2554 橘 第13表(そ の3) 脈 搏,呼 No. 51 2.2kg 肺 循 環 時 間,血 吸 数,直 腸温 当瓩15cc瀉 血 建 樹 圧, 室 温18℃ 度 に 延 長 し始 め,凡 定 値 を と る.即 そ2乃 至4時 ちNo. 49は2時 秒 とな り, 4時 間3分 間以 後 は一 間5分 で4.0 迄 瀉 血 前 平 均 値3.7秒 の 前 後 を 動 揺 しな が ら 経 過 す る が, 4時 間10 分 以 後 は 更 に 軽 度 延 長 し概 ね4.3秒 前後 の値 を 持 続 す る. No. 50で は1時 間45分 よ り急 激 に 軽 度 延 長 し 以 後 動 揺 を 示 し な が ら4.0秒 後 の 値 を 持 続 す る. No. 51も1時 短 値3.4秒 前 間20分 に 最 を 示 し た 後 は 可 成 り急 激 に 延 長 し 始 め2時 間13分 で5.2秒 とな る.そ の 後 再 び 一 時 軽 度 の 短 縮 を 見 る が ,や が で 不 定 の 動 揺 を 示 し な が ら も5.0秒 至 る.即 前 後 の値 を 持 続 す るに ちNo. 50, No. 51は 概 ね2時 間 以後 循 環 時 間 が 延 長 す る と雖 も,瀉 血 前 平 均 値 よ り短 縮 せ る値 を 維 持 す る. 直 腸 温 は 瀉 血 後 時 間 の 経 過 と共 に 下 降 の 傾 向 を 見 る. No. 49は 瀉 血 前38.4℃ が,瀉 を 示 した 血 後 僅 か に 下 降 し た 後 漸 次 上 昇 し, 1 時 間40分 で38.8℃ と な る.以 後2時 間45分 に 頂 点 を描 く軽 度 の 上 昇 を 認 め は す る が,漸 次 下 降 の 一 途 を 辿 る. No. 50も 軽 度 の 動 揺 を 呈 しな が ら漸 次 下 降 す る. No. 51で は 瀉 血 前 急性 出血に於け る骨髄 の態度に関す る研究 38.8℃ を 示 し,瀉 血 後 比 較 的 急 激 に 下 降 し て2時 35.6℃ 間10分 で 最 低 値 と な る が,以 後 漸 次 上 昇 し て7時 間 で36.9℃ 第14図 (附:血 肺 循 圧,脈 搏,呼 No. 49 と な る. 呼 吸 数 に は 一 定 の 変 化 を 見 な い. 即 ちNo. 49は 瀉 血 前 既 に96及 86を 数 え 動 揺 し て い る が,瀉 急 減 し60台 とな る.然 び 血後 し1時 間 を 過 ぎ る 頃 よ り急 増 し, 90台 前 後 と な り2時 間10分 迄 続 き 以 後 再 び 急 減 す る. 3時 間25分 よ りは 再 度 増 加 し始 め, 5時 間 に 最 高 値108を 示 し て 以 後 漸 減 す る. No. 50で は 瀉 血 前82を 数 え,瀉 血 後 不 定 の 動 揺 を 示 し な が ら漸 減 す る. No. 51 は 瀉 血 前52を 数 え,瀉 血直 後 よ り 急 増 し て2分 数 え るが, で170を No. 50 50分 よ り7時 間 迄 概 ね 瀉 血 前 値 の 前 後 を 持 続 す る. 脈 搏 はNo. 49に 於 て は 瀉 血 前 314を 数 え,瀉 血 後 階 段 的 に増 加 し て45分 で330と な り,以 後 概 ね そ の値 の 前 後 を 持 続 す る が, No. 50, No. 51で は 瀉 血 後 一 時 的 に脈 搏 減 少 を 来 す.即 前333の ちNo. 50は 瀉 血 値 が 瀉 血 後16分 迄 約300 に 減 少 す る が,速 恢 復 し, か に瀉 血 前値 に 1時 間27分 後 は 再 び 軽 度 減 少 を 示 し て310乃 続 す る. No.51も え,瀉 至320台 を持 瀉 血 前246を 数 血 直後 急 減 す るが漸 次増 加 し50分 で 瀉 血 前 値 に 復 す る.以 後 更 に 増 加 し1時 間52分 で276と な り,概 ね この 値 の 前 後 を 動 揺 し な が ら7時 間 迄 経 過 す る. 血 圧 は 瀉 血 直 後 著 明 に 降 下 し, 軽 度 の 動 揺 を 認 め は す る が,実 験 終 了 迄 瀉 血 前 値 に 恢 復 しな か つ た. 即 ちNo. 49は 瀉 血 前60∼70mmHg を 示 し た が 瀉 血 後30mmHgま で 降 下 し, 6時 間 以 後 は 更 に20mmHg 台 に 降 下 し た. No. 50で は 瀉 血 前 No. 51 2555 環 時 吸 数,直 間 腸 温) 2556 橘 80mmHgを 示 し 瀉 血 後60mmHgに 建 降 下 す る. 以 後 比 較 的 大 き な 動 揺 を 示 しな が ら漸 次 降 下 し30mmHgに 至 る. No. 51は 瀉 血 前72mmHg を 示 し,瀉 血 値 後5分 で26mmHgに 降下 す る が 一 時 僅 か な 恢 復 を 見 て 再 び 降 下 し28mmHg と な る. 39分 よ り7時 間 迄 は40mmHg前 後 を 持 続 す る. 第2項 (附;直 体 循 環 時 間 腸 温,呼 吸 数,脈 搏) 3例 に 就 き,左 側 頸 動 脈 よ り大 動 脈 へ3% 食 塩 水 を 注 入 し,右 股 静 脈 に 電 導 子 を 装 置 し て,肺 循 環 時 間 測 定 の 場 合 と同 様,瀉 血 前 及 び 瀉血 後 の 循 環時間 の変化 を 時間 お きに測定 し た.結 果 は 第14表,第15図 に 示 す 如 くで あ る. 体 循 環 時 間 は 瀉 血 直 後 著 明 に 延 長 す る が, 間 も な く短 縮 し て15分 平 均 値 に 達 し,以 乃 至45分 後 更 に 短 縮 し て 概 ね1時 で 最 短 値 の 頂 点 を 示 す.即 の 平 均 値7.3秒 の間 で瀉 血前 ちNo. が 瀉 血 後7分 52は 瀉 血 前 で12秒 に 延 長す る が,以 後 比 較 的 速 か に 短 縮 し て50分 値4.2秒 を 示 す. No. 53及 びNo. 夫 々 の 瀉 血 前 平 均 値10.2秒 血 後10分 で24.8秒 1時 間10分 53は56分, の1) 52 2.05kg 当 瓩15cc が瀉 に 延 長 す る が, No.54で 4.2秒 体 循 環 時 間,脈 呼 吸 数,直 No. 54に 於 て も で 夫 々 の 最 短 値6.1秒, 第14表(そ で最 短 及 び8.3秒 及 び19.0秒 速 か に 恢 復 し てNo. 間 搏, 腸温 瀉 血 室 温22.0℃ は を 樹 急 性 出 血 に 於 け る骨 髄 の 態 度 に 関 す る研 究 第14表(そ の2) 体 循 環 時 間,脈 呼 吸 数,直 No. 53 2.07kg 2557 搏, 腸温 当瓩15cc瀉 血 室 温23.0℃ 示 す に 至 る.然 しな が ら 之 等 体 循 環 時 間 は 時 間 の 経 過 と共 に 何 れ も,可 成 りの 動 揺 を 示 し つ ゝ次 第 に 延 長 す る傾 向 を 有 す る.即 ちNo. 52は1時 間30分 迄4秒 に 延 長 し2時 間30分 3時 間26分 台 を 持 続 し た 後,急 で16.4秒 激 とな る.以 後 と30分 及 び4時 間 と34分 を 除 き, 全 て 瀉 血 前 の 平 均 値7.3秒 よ り延 長 し而 も11 秒 前 後 の 動 揺 が 非 常 に 著 しい. No. 53は56分 以 後 次 第 に 延 長 し て 瀉 血 前 平 均 値 前 後 を1時 間45分 迄 持 続 し,再 び1時 間55分 と2時 間 に 夫 々7.9秒, 8.4秒 と短 縮 す るが, 分 以 後 は5時 間24分 を 除 き,全 2時 間7 て瀉血 前 平 均 値 よ り延 長 し, 9秒 乃 至13秒 の 間 を 動 揺 しな が ら経 過 す る. No. 54に 於 て も1時 間20分 よ り次 第 に 延 長 し て10.2秒 とな るが, 2時 間 よ り2時 間50分 迄 再 び 瀉 血 前 平 均 値 以 下 に 短 縮 す る.然 し3時 間 以 後 は もは や 短 縮 を 示 す 事 な く9.4秒 乃 至15秒 の 間 を 動 揺 しな が ら 経 過 2558 橘 第14表(そ の3) 体 循 環 時 間,脈 呼 吸 数,直 No. 54 2.1kg 当瓩15cc瀉 搏, 腸温 血 建 樹 す る. 直 腸 温 は 瀉 血 後 時 間 の 経 過 と共 に 下 降 の 傾 室 温21.0℃ 向 を 見 る.即 ちNo. 53は 瀉 血 前37.2℃ し,瀉 血 後 漸 次 下 降 し て3時 を示 間 で36.3℃ な るが,以 後 上 昇 し て3時 間50分 を 示 す.然 し結 局 再 び 下 降 して36.5℃ と で37.0℃ 前後 の 値 を 持 続 す る. No. 54で は 瀉 血 前36.8℃ を 示 し,瀉 血 後 次 第 に 下 降 した 後 軽 度 の 上 昇 傾 向 を 示 し2時 間30分 で36.5℃ とな るが, 再 び漸 次 下 降 す る.反 之. No. 52で は 瀉 血 前 37.2℃ を 示 し た が,瀉 血後 僅 か に下 降 した 後 漸 次 上 昇 し3時 間 で38.0℃ とな る.以 後 再 び漸 次 下 降 す るが 間 も な く上 昇 し5時 間 で 37.8℃ とな り,そ の 後 又 次 第 に 下 降 す る. 呼 吸 数 に は 一 定 の 変 化 を 見 な い.即 52は 瀉 血 前48を ちNo. 数 え,瀉 血 後 も2時 間30分 迄 概 ね50台 を 持 続 す るが, 2時 間40分 よ り漸 次 増 加 し て3時 間30分 で102と な る.然 の 後 動 揺 を 示 しな が ら漸 減 し て60台 しそ とな る. No. 53は 瀉 血 前52を 数 え,瀉 血 直 後 よ り45分 迄 軽 度 に 増 加 して70前 後 を 示 す が,以 後漸次 減 少 し て40前 後 とな る. No. 54で は 瀉 血 前 既 に114よ り146を 数 え 動 揺 す る.瀉 血 後 急 増 し て10分, 23分 に158, 152を 数 え るが,以 後 急 激 に減 少 して3時 間50分 で56と な る.然 し再 び 急 増 し5時 間 で130を 示 し た 後,再 度 急 減 す る. 脈 搏 はNo. 52に 於 て は 瀉 血 前260を 数 え, 瀉 血 直 後 よ り急 激 に 増 加 し て15分 よ り2時 間 50分 迄320前 後 を持 続 し,更 に3時 時 間10分 迄 は330前 時 間 迄 再 び320前 瀉 血 前 の258が 時 間33分 間 よ り6 後 を 持 続 す る が,以 後7 後 と な る.No. 53に 於 て も 瀉 血 後 急 増 して290前 迄 持 続 す るが,以 後No. 後 を3 52と 異 り 4時 間 を 最 低 値 とす る脈 搏 減 少 が 見 ら れ 而 も 不 整 脈 が 出 現 し た.然 4時 間50分 で276と し之 も間 も な く恢 復 し, な り不 整 脈 も消 失 し た が 以 後 漸 次 減 少 に 傾 く. No. 54で は 瀉 血 前287 を 数 え,瀉 血 後 一 時 的 に 脈 搏 減 少 を 見 る が30 分 で 略 々 瀉 血 前値 に 恢 復 し,以 後 更 に 増 加 し て, 6時 間 迄300前 後 を 持 続 す る.就 中, 50 分 よ り1時 間50分 迄 は 常 に300以 上 を数 え る 急性出血に於け る骨髄の態度に関す る研究 第15図 体 循 環 時 間 (附;脈 摶,呼 吸 数,直 腸 温) No. 52 2559 が, 5時 間20分 以後 再 び減 少 に傾 く. 第4章 総括並 に考按 本実験を総括すれば次の如 くで ある. (1) 家 兎 に 体 重 当 瓩15乃 至20cc の 瀉 血 を 行 い 瀉 血 前,瀉 血 直 後, 瀉 血 後30分, 1, 11/2, 2, 21/2, 3, 4, 6及 び8時 間 の11時 期 に 於 て, 教 室 平 木-塩 月82)のサ イ ア ジ ン 骨 髄 灌 流 試 験 を 行 い,骨 髄 内 血 液 循 No. 53 環 状 態 を 曲 線 と し て描 け ば,瀉 血 前 で は12分,瀉 25 血 直 後 は10分, 分 及 び18分 に 最 高 濃 度 の 山 を つ く り,瀉 血 後30分 よ り1時 間30分 迄 は そ の 山 が 左 偏 す る.瀉 血 後2時 間 よ り8時 間 迄 に 於 て は8分 乃至 20分 の 間 に最 高 濃 度 の 山 を つ く る. 即 ち 瀉 血 前 は 正常 血 流 状 態 を,瀉 血 直 後 は そ の 遅 延 傾 向 を 示 し,瀉 血 後30分 よ り1時 間30分 迄 は 血 流 促 進 を,更 に 瀉 血 後2時 間以 後 は そ の 正 常 化 或 は 遅 延 傾 向 を 示 して い る. (2) 同 様 に 家 兎 体 重 当 瓩15ccの 瀉 血 を 行 い,瀉 血前 及 び瀉 血後 時 間 お き に連 続 的 にStewart法 No. 54 によ り骨 髄 内 最 短 血 液 循 環 時 間 を 測 定 す れ ば,瀉 秒, 血 前 夫 々7.86秒, 8.0 9.4秒 を 示 し た も の が 何 れ も 瀉 血 直 後 著 し く延 長 し,次 いで漸 次 短 縮 し て 凡 そ30分 頃 よ り瀉 血 前 値 を 凌 駕 し,約1時 示 す.然 間 で 最 短値 を しそ の 後 は 何 れ も次 第 に 延 長 し て1時 間40分 乃 至2時 間13 分 で 瀉 血 前 値 に 復 し,以 後 更 に 延 長 す る. 要 之,骨 髄 内 血 流 は サ イ ア ジ ン 循 環 曲 線 に 於 て も,最 短 循 環 時 間 に 於 て も,瀉 血 後 約1時 間 を頂 点 と して 前 後 約30分 間 著 し く促 進 し 2560 橘 建 樹 て い る.換 言 す れ ば 骨 髄 内 で は 全 体 と し て 血 Muller157)が 流 が 促 進 して い る 事 を 示 して い る. の 收 縮 は 減 少 を 来 す と述 べ,杉 (3) 家 兎 に 体 重 当 瓩15ccの 瀉 血 を 行 い,瀉 血 管 の 拡 張 は 血 球 の 増 加 を,そ 浦49)は反 対 に 血 管 運 動 神 経 の 作 用 に よ る血 管 の 持 続 的 攣 縮 血 前 及 び瀉 血 後 時 間 お き に 連 続 的 にStewart は 赤 血 球 の 増 加 を 来 し,反 之,該 法 に よ り肺 循 環 及 び 体 循 環 時 間 を 測 定 し併 せ に よ る血 液 濃 度 の 稀 薄 は 赤 血 球 の 減 少 を 来 す て 瀉 血 時 の 直 腸 温,呼 とい ゝ,こ 吸 数,脈 搏及 び 血圧 の 変化 を測 定す れば 拡 張 を 起 さ せ,よ i) 肺 循 環 時 間 は 瀉 血 前 夫 々3.71秒, 秒, の 事 はGrawitz131)が 4.4 5.7秒 を 示 した も の が 何 れ も瀉 血 直 後 著 神経 の麻痺 血 管 の收 縮, つ て起 る血液 濃 度 の変化 を 証 し た 点 か ら も明 らか で あ る と述 べ て い る. 骨 髄 の 血 球 動 員 に 関 し て も,栄 養 血 管 の 拡 し く延 長 し,次 い で 漸 次 短 縮 して30乃 至50分 張,收 で 瀉 血 前 値 に達 し,以 後 更 に 短 縮 し て1乃 至 縮 が 重 要 な 因 子 とな る事 は 疑 い の な き 2時 間 で 最 短 値 を 示 す.然 しその後 は 何 れ も 事 実 で あ る.即 ち 井 上10)11)12)は各 種 のPoetin -小 宮 ,ピ ロ カ ル ピ ン,ヒ ヨ リン 或 は ギ ネ ル 次 第 に 延 長 し て,凡 そ2時 間 よ り瀉 血 前 値 の ゲ ン を 家 兎 骨 髄 に 灌 流 す れ ば,何 れ も一 様 に 前 後 を 軽 度 の 動 揺 を 示 しつ ゝ,略 々一 定 値 を 栄 養 血 管 を拡 大 し て 栄 養 静 脈 血 中 に 核 形 推 移 保 つ て 経 過 す る. を 殆 ん ど伴 わ ざ る偽 好 酸 球 の 増 加 を 来 した 事 ii) 体 循 環 時 間 は 瀉 血 前 夫 々7.3秒, 秒, 10.2 8.3秒 を 示 し た もの が 何 れ も瀉 血 直 後 著 よ り,骨 髄 の 血 球 動 員 に は 栄 養 血 管 の 拡 大 に よ る 血 流 の 好 転 が 重 要 な 因 子 な る事 を推 論 し, し く延 長 し,次 い で 比 較 的 速 か に 短 縮 し て15 沖 中23)も血 液 像 の 自 律 神 経 支 配 に 関 す る研 究 乃 至45分 で,瀉 で,神 し て 概 ね1時 血 前 値 に 達 し,以 後 更 に短 縮 間 で 最 短 値 を 示 す.然 しそ の 後 経 刺 戟 に よ り支 配 領 域 骨 髄 巣 か ら血 液 成 分 が 末 梢 血 液 内 に 送 出 さ れ る機 構 が 存 在 す は 何 れ も次 第 に 延 長 し,略 々2時 間 以 後 は 瀉 る と推 定 さ れ る が,血 血 前 値 よ り遙 か に 延 長 し て 而 も動 揺 も甚 しい. 影 響 は 血 液 像 の 移 動 に 対 し問 題 と な り得 る 因 要 之,肺 循 環 及 び 体 循 環 時 間 の 何 れ も,即 ち 全 身 循 環 時 間 は 瀉 血 後1時 間 よ り2時 間 に 最 も短 縮 す る事 を 示 し て い る. 管 に及 ぼ す 自律 神経 の 子 で あ り,こ の 点 は 一 層 追 求 さ れ ね ば な ら な い と述 べ,血 管 作用 の骨髄 血 球動 員 に及 ぼ す 影 響 の 重 大 性 を 是 認 して い る.然 ら ば 果 して iii) 直 腸 温 は 一 般 に 瀉 血 後 次 第 に 下 降 す る. 栄 養 血 管 の 拡 張 は 骨 髄 内 血 流 を 促 進 し,血 球 iv) 呼 吸 数 は 一 定 の 変 化 を 見 な い. を 骨 髄 外 に 動 員 す る もの で あ ろ うか. v) 脈 搏 は 瀉 血 直 後 よ り増 加 す る も の,一 教 室 大 藤19)に よれ ば,骨 髄 内 動脈 は 毛細 管 時 減 少 し た 後 急 増 す る も の 相 半 ば し,以 後 増 部 を 別 と して 一 般 の 動 脈 と 同 様 三 層 の 壁 を 有 加 時 の 値 を 持 続 す る が, す る の に 反 し,静 脈 系 は す べ て網 内 系 に 属 す 1例 に 経 過 中 脈 搏 減 少 及 び 不 整 脈 を 見 た. る 単 層 の 薄 壁 を 有 す る の み で あ り,更 vi) 血 圧 は 何 れ も瀉 血 直 後 に 著 し く下 降 し, 実 験 終 了 迄 瀉 血 前 値 に 復 す る もの は な い. に竹 山56)の骨 髄 組 織 像 神 経 分 布 状 態 か ら 考 え て も, 骨髄 内血 管 で直 接收 縮 或 は拡張 を営 む のは 動 之 等 の 成 績 に よ り急 性 瀉 血 後30分 乃 至2時 脈 系 で あ る事 に 異 論 は な い.従 つ て 栄 養 動脈 間 に於 て骨髄 内血 液循 環 状態 及 び 全 身血液 循 の拡 張,收 環 時 間 に 一 定 の 変 化 の 惹 起 され る 事 が 明 瞭 と 收 縮 を 物 語 る もの で あ り,一 方 骨 髄 内 静 脈 系 な り,更 に 瀉 血 時 の 骨 髄 血 球 動 員 が 瀉 血 後1 及 び 栄 養 静 脈 の 変 化 は,静 乃 至2時 合 等 の 特 別 な 例 を 除 き,動 脈 系 の 変 化 に よつ 間 に 著 しい 事 に 思 い を 致 せ ば,之 等 縮 は 畢 竟,骨 髄 内 動 脈 系 の 拡 張, 脈圧 の上 昇す る場 両 者 の 間 に 大 な る 関 聯 の 存 在 す る事 が 予 測 さ て 受 動 的 に 惹 起 され る に 過 ぎ な い.教 れ る. 教 授79)81)は 骨 髄 が 強 固 な る骨 質 に 包 囲 され, 抑 々 血 液 像 の 変 化 に 対 し血 管 の 拡 張,收 が 或 程 度 影 響 を 及 ぼ す 事 は,既 縮 にGlaser130), 室平木 そ の 容 積 を 増 減 し得 な い 実 質 臓 器 で あ る事, 更 に そ の 静 脈 系 が 動 脈 系 に 比 し極 め て 複 雑 多 急 性 出 血 に 於 け る骨 髄 の 態 度 に 関 す る研 究 岐 の様 相 を示 し且 つ広 大 な 容積 を 占め る事 よ り,骨 髄 血 管 系 を 恰 も他 方 に 放 出 口 を 有 す る 後 約30分 2561 間 瀉 血 前 よ り著 し く促 進 し て い る. 換 言 す れ ば 骨 髄 内血 流 は 全 体 と し て 促 進 し て 静 脈 性 の 溜 池 に 流 入 す る動 脈 性 の 川 の 如 し と い る 事 を 示 し て,瀉 血 後1乃 譬 え て い る.従 る 骨 髄 の血 球 動 員 の 時 期 に 合 致 し,聊 か の 矛 つ て 骨 髄 動 脈 系 の 拡 張,收 縮 至2時 間 に於 け は 当 然 骨 髄 内 血 液 循 環 状 態 に も変 化 を 生 じ, 盾 も生 じ な い.即 栄 養 静 脈 血 液 像 に も変 化 を 及 ぼ す 筈 で あ る. ず,骨 髄 内 血 流 は 瀉 血 後30分 乃 至1時 間30分 茲 に 於 て教 室 藤 井(昌)86),藤 に 亙 り著 し く促 進 し,こ の 結 果 骨 髄 内 貯 溜 血 田87),副 島52), ち 栄 養 血 管 の 收 縮 に も拘 ら 塩 見46),高 木55)は 骨 髄 エ キ ス,骨 髄 抽 出 多 糖 球 が 骨 髄 外 に 動 員 され た もの と考 へ られ,こ 体,各 の 際血 管作 用 に よる血 流 の変化 は重要 な因子 種 自律 神経 毒及 び鉤 虫症 患者 血 清 の家 兎 骨 髄 灌 流 試 験 を 行 い,或 照 射 を 行 つ て,そ は 家 兎 間 脳 に レ線 と な り得 な い 事 が 判 明 し た.即 ち骨髄 栄養 血 の際 同 時 に夫 々サ イ ア ジン 管 拡 大 と骨 髄 内血 流 促 進 との 間 に 密 接 不 離 の 骨 髄 灌 流 試 験 を 併 用 し,骨 髄 内 血 液 循 環 曲 線 関 係 が 成 立 し な い 事 が 明 ら か で あ る.勿 論 こ を 検 した 結 果,骨 髄 栄 養 動 脈 の拡 張 は骨髄 内 の 際,血 管 作 用 を 全 面 的 に 否 定 す る もの で な 血 流 を 促 進 させ て サ イ ア ジ ン 循 環 曲 線 の左 偏 く,瀉 血 後30分 乃 至1時 間 頃 よ り見 られ る骨 を 来 し,骨 髄 内 貯 溜 血 球 の 骨 髄 外 動 員 を 旺 に 髄 栄 養 動 脈 收 縮 の 恢 復 が,骨 髄 内血 流 促 進 に す る が,栄 幾 何 か の 寄 与 を な し て い る 事 も否 定 出 来 な い 養 動 脈 の 收 縮 は そ の 反 対 の 結 果, 即 ち 骨 髄 内 血 流 を 遅 延 せ しめ,サ イ ア ジ ン循 事 実 で あ る.茲 に 於 て,瀉 血 後 の 骨 髄 内 血 流 環 曲 線 の 右 偏 を 来 し て骨 髄 内 貯 溜 血 球 の 骨 髄 促 進 即 ち血 球動 員 には 当然 骨髄 外 の因子 を考 外 動 員 を 低 下 せ しめ,血 慮 す る 必 要 が 生 れ て くる. 球 の 骨 髄 内 抑 留,所 謂Knochenmarkssperreの 状 態 を 惹 起 す る事 転 じて全 身血液 循 環 時間 を肺 循 環及 び体 循 を 立 証 し て,井 上12)の成 績 に 比 し一 歩 前 進 し 環 時 間 よ り眺 む れ ば,瀉 た 成 績 に 到 達 した. 最 も短 縮 を 示 し骨 髄 内 血 液 循 環 状 態 の 変 化 と 飜 つ て私 の 実 験成 績 に於 て栄養 血 管 は瀉 血 直 後 著 明 に 收 縮 し,約30分 乃 至1時 間頃 より 血 後1乃 至2時 間 に 全 く一 致 す る.即 ち 全 身 及 び 骨 髄 内 血 流 は 両 者 共 何 れ も瀉 血 直 後 遅 延 し,次 い で 速 か に 恢 恢 復 の傾 向 を認 め はす るが 実験 終 了迄瀉 血 前 復 し て瀉 血 後30分 よ り2時 間 迄,瀉 の 血 管 口 径 或 は そ れ 以 上 に 拡 張 す る事 は な か 著 し く促 進 し て い る.然 つ た.そ 次 遅 延 し て 瀉 血 前 血 流 に 等 し くな る か,或 れ 故 骨 髄 内 の 動 脈 も 当然 栄 養 動 脈 と 血前 よ り しそ の 後 は 何 れ も漸 は 同 し消 長 を 示 す 筈 で あ り,こ の 事 に 関 し て 小 そ れ よ り更 に 遅 延 傾 向 を 示 しつ ゝ経 過 す る. 杉-寺 依 之,観 島39)も瀉 血 家 兎 の 骨 髄 組 織 標 本 で,瀉 是,骨 髄 内 血 液 循 環 状 態 の 変 化 は 全 血 後 に骨髄 内血 管 が收 縮 して い るのを 認 め て 身 血 液 循 環 時 間 の 変 化 の 部 分 現 象 と考 え る の い る.之 に よつ て 瀉 血 後1乃 が 妥 当 と思 わ れ る.即 る 骨 髄 の 血 球 動 員 を,上 至2時 間 に於 け 述 の血管 作 用 の面 の 液 循 環 時 間 の 延 長 に 続 い て 起 る全 身血 液 循 環 み か ら考 察 す れ ば,瀉 血 直 後 か ら実 験 終 了迄 時 間 の 著 明 な 短 縮(血 骨 髄 内 血 流 は-多 の 為,栄 少 の 恢 復 は 見 られ る に して ち瀉 血 直 後 に 於 け る血 流 速 度 の 著 明 な亢 進) 養 血 管 の 收 縮 が 起 つ て い る に も拘 ら も-瀉 血 前 よ りは 一 般 に 抑 制 せ られ て 遅 延 し, ず,こ 従 つ て 栄 養 静 脈 中 の血 球 は む し ろ 減 少 に 傾 か 促 進 さ れ た も の と考 え ら れ る.従 つ て 家 兎 瀉 ね ば な らず,全 血 後1乃 く矛 盾 し た 結 果 を 示 し て い る. の 力 に 抗 し得 ず 受 動 的 に 骨 髄 内 血 流 が 至2時 間 に 見 ら れ る骨 髄 の著 しい 血 而 る に 之 を 骨 髄 内 血 液 循 環 状 態 の 変 化 よ り論 球 動 員 は 次 の 如 く解 釈 され る.正 常 状 態 に あ ず れ ば,副 りて も血 流 緩 除 の為,血 島52)が所 謂 骨 髄 貯 溜 血 液 の 動 き を 示 す と云 う平 木-塩 月の骨髄 内血 液 循 環曲線 に 於 て も,或 は 亦Stewartの 間 に 於 て も,瀉 血 後 約1時 球 が沈 滞 貯 溜 し勝 ち な 骨 髄 静 脈 竇 に 於 て,瀉 血 直 後 よ り約30分 間 最 短 血液 循 環 時 の 著 しい 血 管 收 縮 及 び 強 度 の 骨 髄 内 血 流 緩 徐 間 を 頂 点 と して 前 が 加 わ り更 に 血 球 が 沈 滞 し,次 い で 起 る30分 2562 橘 建 樹 よ り2時 間 の 血 流 促 進 の 時 期 及 び 血 管 の 軽 度 且 つ 正 確 な る批 判 材 料 に 乏 し く,呼 吸 数 と循 拡 張 の 時 期 に,之 等 の 血 球 及 び 新 生 成 熟 血 球 環 時 間 の 変 化 に も一 定 の 関 係 を 認 め る 事 が 出 が 放 出 さ れ て 栄 養 静 脈 中 の 赤 白血 球,網 来 な か つ た.而 球,偽 赤血 好 酸 球 の 増 加 が 招 来 され た もの と考 え て 間 違 い な い. し て 次 に 問 題 とな る の は 循 環 血 液 量 で あ る が,之 少 を 認 め る者,或 茲 に 於 て か ゝ る全 身 血 液 循 環 時 間 の 変 化 が に は 出血 後 循 環 血 液 量 減 は 正 常 範 囲 に あ る と な す 者, 或 は 亦 そ の 増 加 を 認 め る 者 等 が あ り一 定 し な 如 何 な る機 転 に よ り惹 起 され るか を 文 献 に 徴 い.之 す る に,既 な り,こ の 時 期 に よつ て 減 少 し,或 は 増 加 し, に 緒 言 に も触 れ た 如 く,諸 家 は 貧 等 は何 れ も出血 後 の測定 時期 が問題 と 血 時 血 流 速 度 の 亢 進 を 来 す 事 の み を 述 べ,急 或 は 正 常 範 囲 内 に あ る も の と思 わ れ る が,出 性 出 血 後 短 時 間 の 観 察 に は 言 及 し て い な い. 血 後 極 く短 時 間 の 循 環 血 液 量 の 変 化 を検 討 し 私 の 実 験 成 績 に 於 て,瀉 血 直 後 の 著 し き 循 環 た もの は 見 当 ら な い.血 時 間 延 長 は シ ョ ッ クに 基 因 す る事 に 異 論 は な 出 血 後 次 第 に そ の 減 少 を 来 し1乃 至2日 い.然 低 値 を 示 す が,後 ら ば 次 の30分 よ り2時 間 迄 に 見 られ る て い る に 止 ま る.そ シ ョ ッ ク の 恢 復 に 伴 う一 過 性 の 循 環 系 混 乱 状 度 が 瀉 血 後3時 態 に よ る の で あ ろ うか,或 察 し て 瀉 血 後1乃 と看 做 す べ き で あ ろ うか.そ れ には 私 の行 つ た 骨 髄 内最 短 血 液 循環 時 間,全 間 測 定 成 績9例 身血 液循 環 時 に 於 け る如 く,毎 回 一定 の 関 係 を 以 て瀉 血 後 に 出 現 し,而 もサ イア ジ ンに で最 漸 次 正 常 値 に 恢 復 す と述 べ 著 し き 循 環 時 間 短 縮 を 如 何 に解 釈 す べ きか. は生理 的 動 揺範 囲 液 粘 稠 度 に 関 し て も, の 点 若 山108)は 血 液 粘 稠 間 に,園 至6時 低 値 を 示 す と言 う.之 田53)は更 に 仔 細 に 観 間,時 に1日 後 に最 と て も瀉 血 後30分 よ り 2時 間 迄 の 著 し き循 環 時 間 短 縮 の 説 明 に は 尚 不 充 分 で あ る.然 し一 面,家 兎 の 分 時 搏 出 量, 心 臓 摶 出 量 が 瀉 血 後 激 減 し30分 乃 至60分 で よ る 骨 髄 内 血 液 循 環 曲 線 及 び骨 髄 の 血 球 動 員 急 速 に 上 昇 し て そ の 後,瀉 時 間 と一 定 の 関 係 を 以 て 消 長 し た る 場 合 に い まで も,同 一 状 態 に 止 ま る とい う小 野 崎25) は,そ の 成 績,或 の 循 環 時 間 短 縮 度 の 強 弱 を 論 ぜ ず,既 血 前 値 に は達 しな は 家 兎 心 臓 が 瀉 血 直 後 縮 少 し,組 に 何 等 か の 意 義 を 有 す る もの と考 え ざ るを 得 織 液 の 血 管 内 移 行 に よ り2時 間 頃 よ り漸 次 大 な い.故 い さ を 増 し3乃 至4時 に私 は急 性 出血 性 貧血 の経 過 中に 必 ず 出 血 後 約1時 間 を 頂 点 と し て,前 後 約30分 間 で増 大 の極 に達す と い う杉 崎51)の レ線 学 的 観 察 に 照 合 す れ ば,上 間 に 全 身血 液 循 環 時 間,骨 髄 内 最 短 血 液 循 環 述 の瀉血 後 心搏 動数 の増 加 或は 血液 粘稠 度 の 時 間 の 著 し き 短 縮 を 来 す もの と信 ず る に 至 つ 減 少 が,瀉 た. 一 般 に 血 液 の 循 環 は 血 管 の 緊 張 度 ,全 短 縮 に 或 程 度 の 役 割 を 演 じて い る事 も想 像 さ 圧,心 機 能,循 身血 環 血 液 量 及 び血 液 粘 稠 度 に よ 血 後30分 よ り2時 間 迄 の 循 環 時 間 れ 得 る. 私 は 本 編 に 於 け る実 験 開 始 に 当 り,循 環 時 つ て左 右 され る もの で あ り,更 に 肺 循 環 は 体 間 は 瀉 血 後 心 搏 動 数 の 増 加,血 循 環 に よつ て 変 化 を 受 け る が,呼 少 と共 に,次 第 に 短 縮 す る事 を 予 期 した の で 吸 に よつ て 液 粘 稠度 の 減 も影 響 され る事 が 明 白 で あ る. Cannon114)は あ る が,結 果 は 予 期 に 反 し て 骨 髄 内 及 び 全 身 出 血 時 副 腎 が ア ドレ ナ リン を分 泌 し,血 管 收 の 血 液 循 環 時 間 共 に,瀉 血 後30分 よ り2時 間 縮 を 来 して 血 圧 の 下 降 を 或 一 定 の 点 に 止 め, 迄 に 於 て 著 し き 短 縮 を 見 た の み で あ る.サ イ 心 搏 動 を 旺 に し,更 に 脾 を 收 縮 して 包 含 血 液 ア ジ ン に よ る骨 髄 内 血 液 循 環 曲 線 の 変 化 に は を 循 環 血 中 に 動 員 し,循 環 機 能 の 調 節 に 寄 与 異 論 を 挿 入 す べ き も な い が,骨 髄 内 最 短 血 液 す る と述 べ て い る.私 の 成 績 に 於 て も瀉 血 後 循 環 時 間 測 定 に 於 て は,柔 血 管 の 收 縮,血 骨 栄 養 静 脈 が 狭 隘 な 深 部 に 位 置 す る為,そ 圧 の 下 降,心 搏 動 の増 加 が認 軟 且 つ細 小 な大 腿 の め られ た が,之 等 と循 環 時 間 の 間 に 一 見 明 ら 絶 縁 及 び電 導 子 の 装 置 に 困 難 を 来 し て 血 管 の か な る関 聯 性 を 認 め るに は,遺 憾 な が ら精 細 圧 迫,牽 引 延 い て は 循 環 時 間 の 変 化 が 起 り易 急性出血に於ける骨髄の態度に関する研究 2593 く,又 動 脈 か ら 一 定 圧 力 で 食 塩 水 を 注 入 す る て は 正 確 な 真 の 循 環 時 間 測 定 値 も必 要 で は あ 技 術 等 よ り,そ の 実 施 に か な りの 熟 練 と慎 重 る が,そ さ を 必 要 とす る もの で あ り,又 実 験 中,時 循 環 時 間 の 比 較 に 重 要 な 意 義 が 存 す る事 を 思 間 れ よ りむ し ろ 瀉 血 後 の 経 過 に 於 け る の 経 過 と共 に 栄 養 静 脈 は 白陶 土 で 汚 染 さ れ る え ば,こ 為,更 も の と考 え る. に この 条 件 の 悪 化 す る事 を 免 れ 得 な い. か ゝ る 因 子 の 介 入 を 可 及 的 除 外 せ ん が 為,血 果 は2時 兎 に 高 調 食 塩 水 を 注 入 す る 事 が 当然 間迄 の成績 を採 つ 問 題 とな るが, Stewart170)に よれ ば 利 尿 作 用 間 以後 に 於 て漸 次 循環 時間 を 呈 す るの み で 速 か に 体 外 に 排 泄 さ れ る とい 管 汚 染 の 少 き瀉 血 後 約3時 た が,結 又,家 の際真 の 循 環時 間 は考慮 の 必要 な き の 延 長 が 見 ら れ,サ イ ア ジ ン に よ る循 環 曲 線 の 変 化 に 全 く一 致 を 示 した.又 全 身血 液 循 環 う.然 し瀉 血 後 高 調 塩 水 の 注 入 は 自 らそ の 作 用 に 差 違 を 生 じ,古 くよ り出血 の 応 救 処 置 と 時 間 測 定 に 於 て も,そ の 手 技 た る や 骨 髄 内 最 し て循 環 機 能 恢 復,血 圧 保 持 に 繁 用 さ れ るの 短 血 液 循 環 時 間 測 定 法 に 比 し極 め て 簡 便 な る は 周 知 の事 実 で あ る.然 に も拘 ら ず,骨 髄 内 血 液 循 環 状 態 の 変 化 と全 注 入 量 は 長 時 間 に 亙 り,極 め て少 量 宛 行 わ れ く同 様 の 成 績 を 得 て い る.而 る為,か し瀉 血 後2時 間 以 後 に 於 け る 循 環 時 間 の 延 長 に 際 し て,体 循 し私 の 実 験 に 於 け る ゝ る影 響 も比 較 的 少 い も の と推 定 さ れ る. 環 時 間 が 肺 循 環 時 間 に 比 し著 し く動 揺 を 示 す 一 方 ,本 測 定 に は 動 物 を 恒 温 に 保 ち,常 に の は,後 者 の電 導 子 装 置 が 強 扨 な る 股 動 脈 で 等 温 の 食 塩 水 を 注 入 し な け れ ば な らぬ 事 が 強 あ るに 対 し,前 者 は 軟 弱 な る股 静 脈 な る事, 調 さ れEdmunds121)に 更 に 加 へ て 瀉 血 に よ り一 層 細 小 と な りた る 静 下 は 著 しい 循 環 時 間 の 延 長 を 来 す と云 う.又 脈 は僅 少 な 操 作 に も敏 感 に 血 流 に 影 響 を 与 え 家 兎 の 緊 縄,瀉 血 が 体 温 の 下 降 を 来 す 事 も既 る事 に も起 因 す る の で あ ろ う.茲 に 至 り,前 に 多 くの 先 人 の 認 め る所 で あ り,藤 井(俊)85) 記 の 電 導 子 装 置 或 は 白 陶 土 に よ る血 管 汚 染 は は 緊 縄 後1時 或 程 度 循 環 時 間 変 化(特 に 遅 延 傾 向)の 体 重 当 瓩20ccの と な り得 るだ ろ うが,最 初 に 危 惧 せ る如 く, 瀉 血 後2時 原因 間 以 後 の循 環 時間 延 長 に本質 的 に よれ ば 温 度1℃ 間 で 平 均1.8℃ 瀉 血 後1時 の低 の 下 降 を 認 め, 間 で 平 均1.22℃ の 下 降 を来 し, 6時 間 後 に 多 くは 正 常 に 復 す るの を 観 察 して い る.こ の 点 私 は 室 温 を 一 定 重大 な る影響 を 及ぼ す もので な い事 が判 明 し に し,注 入 食 塩 水 を 室 温 に 保 た せ た が, た. を 除 き,糞 便 排 出 に よ る不 定 の 体 温 上 昇 以 外 抑 々Stewart法 に よ る血 液 循 環 時 間 は,実 に 体 温 恢 復 の傾 向 を 認 め ず,漸 1例 次下 降 の一途 際 の 血 液 循 環 時 間 を 示 す もの で な く,む し ろ を 辿 つ た.従 つ て 瀉 血 後2時 最 短 循 環 時 間 を 示 し, Poiseuille-v. Kries162) 循 環 時 間 の 延 長 傾 向 は,緊 縄,瀉 に よ れ ば 殆 ん ど血 管 内 の軸 流 速 度 に 近 い と い 温 下 降 及 び 手 術 野 の 曝 気 に もそ の 一 因 が 存 す う.因 に 家 兎 に 於 け るStewart170)の る の か も知 れ ぬ. 間 を 示 せ ば,左 頸 静脈 よ り左 頸 動 脈 迄 平 均 4.6秒(4.4∼4.9秒),右 (7.8∼8.8秒),右 測定 時 股 静 脈 迄 平 均8.4秒 股 動 脈 迄5.4秒 で あ り,左 頸 動 脈 よ り右 股 静 脈 迄 は 算 術 的 に3.8秒 り,私 の 成 績 の 平 均 値8.6秒 な るわ け で あ る が,之 とな よ り非 常 に 早 く は 解 剖 学 的 関 係,手 技 間 以後 に 於け る 血 に よ る体 現 し何 れ に し て も,こ の 瀉 血 後 に 於 け る全 身 血 液 循 環 時 間 の 変 化 機 転 は 尚 検 討 され るべ き幾 多 の 疑 問 を 残 し て い る もの で あ り,将 来 の 研 究 に 俟 た ね ば な らぬ も の と 考 え ら れ る が,私 は 茲 に 瀉 血 直 後 の シ ョ ック に 引 続 き, 瀉 血 後 約1時 間 を 頂 点 と し て 前 後 約30分 間 に を 考 え る まで も な く,算 術 的 計 算 の 不 合 理 な 全 身 血 液 循 環 時 間 の 著 し き 短 縮 を 認 め,そ 事 が 明 瞭 で あ る.反 後 は 漸 次 延 長 し,瀉 血 前 値 に略 々 等 し くな る 之,左 動 脈 迄 の 私 の 成 績3.7, Stewartに 頸 静 脈 よ り右 股 5.7秒 は 概 ね か 或 は 遅 延 傾 向 を示 しつ ゝ経 過 す る と い う事 し私 の 実 験 に 於 実 を 重 ね て強 調 す るに 止 め た い.該 機 転 は 出 4.4, 一 致 し て い る.然 の 2564 橘 建 樹 血 とい う生 体 の 一 大 侵 襲 に 処 す る 全 身 性 の 反 流 と同 様,瀉 血 後 約1時 間 を頂 点 として前後 応 で あ り,生 物 学 的 に も 目的 に 適 つ た 現 象 と 約30分 間 著 し く促 進 し,そ の 後 は 次 第 に 遅 延 云 え よ う. し て 瀉 血 前 値 に 略 々 等 し くな るか,或 は遅 延 傾 向 を 示 し つ ゝ経 過 す る. 第5章 結 論 (3) 以 上 第 一 編 の 結 論 と併 せ 瀉 血 後1乃 私 は 上 述 の 実 験 成 績 を総 括 考 按 の 結 果 次 の 至 2時 間 に 見 られ る骨 髄 の 著 し き血 球 動 員 は, 全 身 血 液 循 環 時 間 短 縮 に 伴 い 受 動 的 に もた ら 結 論 を 得 た. (1) 家 兎 に 体 重 当 瓩15乃 至20ccの 急性 瀉 さ れ た 骨 髄 内 血 流 促 進 に よ り惹 起 さ れ,こ 血 を 行 え ば,骨 髄 内 血 流 は サ イ ア ジ ン に よ る 際 栄 養 血 管 の 收 縮,拡 血 液 循 環 曲 線 に 於 て も,最 短 血 液 循 環 時 間 に 第2義 於 て も瀉 血 後 約1時 間 を 頂 点 と し て 前 後 約30 分 間 著 し く促 進 す る.然 しそ の 後 は 何 れ も漸 の 張 即 ち その血 管 作用 は 的 の も の と考 え ら れ る. 擱 筆 に臨 み終 始御懇篤 な る御 指導御 校閲 を賜 りし 恩師平 木敎授 に深甚 の謝意 を表 す. 次 遅 延 し て 瀉 血 前 血 流 に等 し くな るか 或 は そ (本論 文の要 旨は昭 和30年 日本 血液 学会 第17回総 会 に於 て発 表 した) れ よ り更 に 遅 延 傾 向 を 示 しつ ゝ経 過 す る. (2) 全 身 血 液 循 環 時 間 に 於 て も,骨 髄 内血 参 1) 浅 井;東 医 会 誌, 54, 2) 尼 子;医 学 中 央 雑 誌, 3) 安 藤;臨 牀 病 血 誌, 4) 池 田;台 医 会 誌, 5) 石 川,他;日 6) 泉 谷;医 学 研 究, 7) 井 戸,鈴 木;福 8) 井 戸,鈴 木 に 依 る. 9) 伊 藤;日 内 会 誌, 929, (1940) 23, 5, 308, 1443, 91, 1315, (1926) (1930) (1944) 841, 岡 医 大 誌, 29, 1531, (1936) 病 会 誌, 34, 24, 11, 考 36, 24, 文 献 26) 小 野 田;十 27) 柏 村;日 血 会 誌, 15, 12, 28) 勝 沼;日 内 会 誌, 23, 1, (1935) 29) 勝 間 田;熊 (1947) 全 会 誌, 38, 2266, 13, 1951, 医 会 誌, 18, 597, 30) 勝 間 田;熊 31) 木 村(元);北 越 医 会 誌, 32) 木 村(憲);日 血 会 誌, 33) 桐 井,臨 牀 病 血 誌, 4, (1941) (1952) (1937) 53, 7, 821, 151, 963, (1935) 医 会 誌, 15, 509, (1939) 34) 串 崎;福 岡 医 大 誌, 28, 11) 井 上,他;熊 医 会 誌, 17, 235, (1941) 35) 葛 谷;臨 牀 病 血 誌, 3, 12) 井 上;血 液 学 討 議 会 報 告,第3輯, 36) 久 保 田;日 13) 今 井;日 内 分 泌 会 誌, 12, 800, 37) 呉,自 14) 岩 男:東 医 会 誌, 40, 775, (1926) 38) 呉 に 依 る 15) 上 野;日 血 会 誌, 5, 39) 小 杉,寺 島;日 16) 梅 田,日 血 会 誌, 12, 167, (1949) 40) 後 藤;千 医 会 誌, 17) 梅 田;日 血 会 誌, 13, 213, (1950) 41) 小 宮;血 液 学 討 議 会 報 告,第5輯, 18) 大 藤;綜 合 医 学, 10, 238, (1953) 新 医 学, 79, 427, (1950) (1941) 19) 大 藤;日 40, 14, 岡;京 医 紀, 11, 351, (1941) 21) 岡;京 医 紀, 12, 229, (1942) 22) 沖 中:日 血 会 誌, 13, 203, 23) 沖 中:自 律 神 経 系 研 究 と そ の 臨 床 的 応 用 の 一 面, 124頁, 379, (1942) (1950) (1950) 24) 尾 中;東 医 新 誌, 25) 小 野 崎; The (1934) (1953) 12, 1851号, Tohoku j. of 27, exp. 110, (1914) med., 24, 430, 1637, 1010, 内 分 泌 誌, 14, 律 神 経 系 総 論, 8, 41,総 493, 小 宮,他;熊 医 会 誌, 43) 小 森,宮 44) 蔡;実 会 号, 754, 45) 桜 井;福 岡 医 大 誌, 46) 塩 見;岡 医 会 誌, 47) 篠 崎,他:日 48) 姜;日 49) 杉 浦;日 血 会 誌, 2, 50) 須 賀;日 内 会 誌, 42, 5, 7, 20, 26, 201頁, 66, 内 会 誌, 30, 79, 421, 619, 1851, (1933) (1954) 21, 307, (1940) 1, (1953) (1943) (1943) 603, 1, (1938) 87, (1952) (1930) 1, (1929) 血 会 誌, 地 医 家 と 臨 床, 病 会 誌, (1939) (1952) 42) (1935) (1934) 1254, 病 会 誌, 村;日 1717, (1949) 血 球 の 神 経 性 調 節, 20) (1938) (1943) 井 上,他;熊 61頁, 785, (1942) 10) (1936) 15, (1939) 12, 235, 63, 医 会 誌, (1937) 1, (1919) (1933) (1933) (1953), 急 性 出 血 に 於 け る 骨 髄 の 態 度 に 関 す る 研 究 5, 51) 杉 崎;実 践 医 理 学, 93) 宮 田;朝 医 会 誌(研 52) 副 島;岡 医 会 誌, 66, 691, (1954) 94) 向 井;名 医 会 誌, 53) 園 田;日 血 会 誌, 13, 135, (1950) 95) 武 藤,土 肥;京 医 紀, 4, 179, (1920) 54) 高 橋;京 医 紀. 96) 武 藤,高 橋;京 医 紀, 4, 291, (1934) 55) 高 木;東 医 新 誌, 97) 武 藤,高 橋;京 医 紀, 5, 275, (1935) 56) 竹 山;京 府 医 大 誌, (1938) 57) 田 坂;日 循 会 誌, 58) 橘,柴 59) 千 島;骨 60) 丁;京 田;医 5, 456, 65, (1935) 2565 (1935) 70, 559, 16, (1953) 16, 895, (1936) 医 会 誌, 235, 医 会 誌, 52, 95, 99) 森 田;日 血 会 誌, 11, 25, (1948) 33, 80, (1954) 100) 森 本;京 都 医 誌, 41, 35, (1954) 101) 八 木;岡 医 会 誌, 42, 1044, 102) 安 川,日 血 会 昭 和17年 度 総 会 号, 103) 山 崎;日 血 会 誌, 11, 171, (1948) 104) 山 下;十 全 会 誌, 36, 1485, 1965, 16, 241, (1953) 27, 1256, 287, (1937) 61) 丁;朝 129, (1938) 62) 津 田,松 永;薬 63) 富塚;千 医 会 誌, 12, 64) 中 島;千 医 会 誌, 6, 65) 中 野;医 学 研 究, 15, 66) 中 村:日 血 会 誌, 2, 607, (1938) 67) 中 村;日 血 会 誌. 2, 703, (1938) 68) 中 村;日 血 会 誌, 2, 653, 69) 中 村:日 血 会 誌, 2, 675, 70) 那 須;熊 医 会 誌, 12, 学 雑 誌, 62, 518, 362, (1942) 364, (1934) 山 元;日 106) 油 谷,朴;朝 107) 吉 田;日 血 会 誌, 1, 108) 若 山;京 都 医 誌, 37, (1938) 109) 和 田;臨 牀 病 血 誌, (1938) 110) 亘 理,越 智;阪 (1928) 213, (1941) 325, 1905, 71) 西 川,岡 本,他;日 血 会 誌. 12, 72) 西 川,岡 本,他;日 血 会 誌. 13, 73) 橋 本;福 岡 医 大 誌, 29, (1936) 74) 蓮 池;岡 医 会 誌, 1927, 431号, 141, 1255, 111) (1949) 203, 112) (1925) 40, 林 田;熊 135, 医 会 誌, 11, 1433, (1935) 12, (1936) 76) 林 田;熊 医 会 誌, 77) 林 田,上 野;熊 1213, 1295, 12, 441, 医 会 誌, 12, (1936) 13, (1937) 78) 平 木,大 藤;日 79) 平 木;岡 医 会 誌, 血 会 誌, 63, 169, 14, (1951) 189, 80) 平 木;東 医 新 誌, 70, 309, (1953) 81) 平 木;血 液 学 討 議 会 報 告, 82) 平 木,塩 月;医 83) 副 武;血 液 学 討 議 会 報 告,第5輯, 84) 藤 井(俊);京 府 医 大 誌, 37, 559, (1943) 85) 藤 井(俊);京 府 医 大 誌, 37, 579, (1943) 86) 藤 井(昌);東 医 新 誌, 学 と 生 物 学, 69, 159, (1952)岡 (投 稿 中) 藤 田;岡 医 会 誌, 65, 433, (1953) 88) 前 田;阪 医 会 誌, 29, 1087, (1930) 89) 松 岡;海 軍 々 医 会 誌, 90) 松 崎;日 本 薬 理 誌, 91) 松 村;医 学 研 究, 12, 2835, 92) 水 野;十 全 会 誌, 42, 646, 33, 1116, (1937) 37, (1937) (1940) 1001, (1936) 27, 2183, 2861, (1928) Barcroft; J. physiol., 58, Carnot-Deflandre; Medicine, Amer. 2 116) Cronheim; 117) Dale,沖 Z. klin. med., (1910) 115) (1952) 10, j. med. 1, (1931) sci., 189, 1, (1935) des sciences, l'academie senestre, 384, Klin. (1906) wschr., 中 著,自 Denecke, 12, 1217, 律 神 経 系 と 臨 牀, (1933) 45頁, Dockhorn; 120) Drinker (1953) j. Verh. Fol. C. K.- physiol., 121) Edmunds; 122) Ehrlich-Lazarus; 医 会 雑 dtsch. ges. inn. med., 47, (1935) 119) haem., K. 40, R. 514, Amer. 54, 248, (1936) Drinker-Lund; Amer. (1916) j. physiol., Z. klin. 18, 129, med., (1907) 35, 385, 68, 205, (1898) Eppinger-Hess; Z. klin. med., (1909) 124) (1944) 125) Erslev-Lavietes; Foa-Roizin; 617, 15, (1950) (1938) (1931) (1928) H. Blumgart; 123) 87) 46, 23, 243, (1953) 20頁, 297, 36, (1942) (1951) 78頁, 22, 221, Cannon, 118) 第5輯, 5, 医 会 誌, J.- 113) (1951) 1753, Bertelli-Falta-Schweeger; 145, 1757, 29, 114) (1936) (1930) (1923) 71, 659, 医 会 誌, Barcroft 138, (1950) (1928) 75) 血 会 誌, 神 経 誌, (1936) (1936) (1932) 105) 1045, (1941) (1949) 森 川:東 (1937) 28, 187, 597, 98) 髄 造 血 学 説 の 再 検 討, 7, 63, 31, (1952) 146, 学 と 生 物 学, 医 紀, 究 編), 126) J. haem. Kongresszbl. 9, 1055, inn. (1954) med., 84, Foa; 83, 542, (1936) (1936) Kon, gresszbl. inn. med., 2566 橘 127) Gawrilow; 128) Gibelli; 284, 129) Fol. haem., Arch. f. 38, exp. 246, 建 path. (1929) (1905) pharm., 65, 152) Ginzberg-Heilmyer; Klin. wschr., 11, 1991, 153) Klin. klin., 18, 131) Grawitz; 132) Heilmyer; 45, (1922) Z. klin. 178, (1923) Med. 154) 21, dtsch. 457, ges. (1892) inn. med., ges. exp. med., 29, arch. 141, 151, 529, f. klin. Muller, E. F.-R. med., 137, 159) f. exp. path. pharm., 160) (1932) 理 学 講 座, 8巻, II, 1, 3∼5, 171 (1950) Z. ges. Arch. exp. med., 63, 277, f. path. Z. ges. exp. anat., med., 91, 76, 52, 140, 102, Koch, 143) ges. Arch. f. exp. exp. med., path. Poiseuille-v. 163) 165) Dtsch. 766, Lowi; arch. f. klin. med., Lindenbaum; 146) Lyon-Thoma; heart hyg., 75, 290, 264, 361, 田 著,臨 23, 神 経 系 と 臨 牀, 45頁, Fol. haem., Arch. 39, f. 501, path. (1930) anat., Virchow arch., 89, 149) Mautner-Pick; 306, Arch. f. Arch. physiol., f. 152, 858, exp. 23, path. (1913) pharm., med., 牀 検 査 法 提 6, (1953) u. Edmunds. inn. med., zit. Knochenmark, n. Rohr, Das Seyfarth; 170) Stewart; wschr., 63, 159, 64, 2, 452, 1399, 401, (1929) (1923) f. exp. path. (1925) J, Fol. J. amer. med. assoc., haem., physiol., 34, 7, (1927) 15, 1, 31, (1894), (1897) Stewart; 172) Trendelenburg; 173) Trendelenburg;呉 頁, 54, (1927) 171) Amer. j. physiol., Z. f. 58, Biol., 著,自 278, 57, 律 神 90, 経 系 総 (1921) (1911) 論, 50 (1949) 174) Urra-Baena; 175) Walterhofer, 176) med., Arch. 105, 2093, wschr., exp. Klin. 208, Klin. wschr., Dtsch. arch. 12, 1903, f. klin. (1933) med., (1921) Weizsacker, zit. n. Morawitz-Denecke. 177) Winternitz-Deutsch-Brull; 178) Wollheim; menschliche 179) Zalka; (1949) Z. ges. med. Med. klin., 27, 986, (1931) (1923) Mechanik; Z. 169) 84, 261, Dtsch. Schulhof-Matthies; 135, Mansfeld; Mohr; exp. Kongresszbl. Rosenow; 22, 律 (1881) 148) 151) (1926) ges. Arch., zit. Prusik-Mikesova, Schoen-Berchtold; (1926) 150) zh., Kries; Rosler; (1933) Mandelstamm; 97, f. 井,杉 167) 140, Amer. 沖 中 著,自 145) 147) Arch. Med. pharm., (1951) 207, Th.; Virchow 166) 168) (1922) 8, Z. 533, 164) Riccitelli; Dtsch. med. wschr., 59, 1395, pharm., (1927) Leonard-Oppenheimer-Sager; j. 144) Z. (1926) Jarisch-Ludwig; 39, 43, (1950) (1928). Istamanowa-Tschilipenko; 142) med., Holscher; Pappenheim,金 162) (1926) 124, klin. (1933) Istamanowa; 141) exp. Papillian-Jianu; Petrov; (1879) 53, f. 51, 1047, (1930) Huhnerfauth, 140) J, P, 161) (1928) 139) arch. (1923) Muller, 要, Hoff-Linhardt; 310, path. (1927) Arch. Hodkin;生 138) exp. (1910) 157) (1923) Hochrein-Keller; 頁, klin. (1921) 191, L.; 478, f. Dtsch. 100, f. (1912) Dtsch. (1921) 164, 37, G. (1922) 200, 91, Morawitz-Itami; 38, Z. Arch. Muller 158) arch. (1908) 156) (1933) Hess; 137) 2, med., Verh. 113, 224, 136) 529, Morawitz-Denecke; med., 331, Herzog-Roscher; 134) 135) wschr., Dtsch. 94, pharm., Glaser; 133) Morawitz-Rohmer; med., (1911) (1932) 130) 樹 f. exp. path. therap., 2, 435, Klin. wschr., 12, 12, (1933) Z. ges. exp. med., 76, 120, (1931) 急 性 出 血 に 於 け る骨 髄 の 態 度 に 関 す る研 究 2567 Department of Internal Medicine, Okayama University Medical School. (Director Prof. Dr. K. Hiraki) The Behavior Part 3: of the Bone Marrow in Acute Hemorrhage The Effectof Bleeding on the State of Blood Circulation in the Bone Marrow and on the General CirculationTime By Tateki It is readily circulation marrow bone and IXOUE marrow constitutes blood that acute circulation would and HIRAKI Prof. circulation bleeding of bone circulation largely factor would cause marrow effect have accompanied an important blood, the pointed by the and out that in the that mobilization marrow acceleration or dilation or inhibiting speed the of general such a change of bone the contraction in accelerating changes of bone depot blood or inhibition on the nutricia mobilization of vessels of bone marrow cells. From have in the blood cells. assumed Tachibana this been account, reviewed, row and the STEWART's 1) the general The reached the and its peak within period before and acceleration of the after blood 2) The circulation time the bleeding, the values grees of shortened 3) The pulmonary time. and after the degrees 4) bleeding, was caused brought that ing by about bleeding after the reaching flow. its through in Part in the the thiasin means of The curve taken shift and after time was at 30 minutes before with the 1 bone mar method after thiasin at the left, and the its peak 30 miuutes an an hour after showing with method indicating its peak peak shortened and the to the was shortened, before circulation by showed a bone marrow systemic taken bleeding. peak 30 minutes suggest after by the is only described are as follows: an hour the events hemorrhage. mobilization of the general experiments blood circulation re-examined marrow values the various peak an showing de hour various time. observations of one to two hours been bone at the upon in the in the the of shortened These results curve through of bleeding time has The flow obtained effect circulation method. blood results the of depot shortening circulation The of secondary take increase blood cells of the time. which in the significance. and in the marrow in the of blood cells in V. nutricia intramedullary Dilation place sinusoid. circulation cantraction This time of nutricia course femoris mobilization was associated with vessels follow